ワニなつノート

子どもと「わたしのものがたり」(I)

子どもと「わたしのものがたり」(I)


私たちは自分のまわりに高い壁を築き、
あらがいようのない痛ましい事実から、
自分を遠ざけたいと願ってしまう弱さを持っています。

「親が希望すれば普通学級に入れる」からといって、
こんなに障害の重い子を喜んで受け入れてくれる先生が
いるとは思えない…。

せめて言葉が話せれば、友だちもできるかもしれない…。
せめて身の回りのことくらいできるようになれば…。
せめてひらがなだけでも書ければ授業だって…。

そんなふうに、子どもの不安よりも、自分の不安で、
私たちは自分のまわりに高い壁を作ります。

そんなこと言っても、
学校はすっかり特別支援教育にからめとられていて、
どうにもならないし、それに逆らうなんてできない…。
それに、分からない授業を受けてるだけじゃ、
この子がかわいそう。
何にもわからず、何にもできないこの子を、
まわりの子がどんなふうに感じるか。
そうした不安を見ないために、壁が必要なのでした。

でも、私たちを守ってくれる壁の陰には、
今もないがしろにされた子どもがいます。

友だちと分けられ、兄弟とも分けられ、
みんなと一緒の学校をあきらめ、
友だち百人できるかなという夢をみなくなった子どもが、
そこにはいます。

その子どもは、私たちが勇気を得て、
言葉にはしないその子の思いに耳を傾けるのを待っています。
私たちに、自分を守り、理解し、
孤立、孤独、そして無言の状態から
解放してほしいと頼んでいるのです。

この子どもは、とても長い間、
「わたしをみて!」と生きてきました。
「将来の何かができるようになるかもしれないわたしじゃなくて、
いまの、ありのままのわたしを見て、受けとめてほしい!」
「みんなと一緒に勉強したい! 友だちと遊びたい!」
と待っていますが、私たちから求めるだけではありません。

私たちへの贈り物を持ってもいるのです。

私たちみんなが、ありのままで尊重しあって生きるための、
この子どもだけがくれることのできる贈り物。

だれもがありのままで、「わたしのものがたり」を
生きることができるという真実の贈り物。
そのためには、「子どもを分けてはいけない」
という真実の贈り物です。

真実は、障害児の幸せを勝手に決めたり、
もっともらしい嘘が作り上げている
特別支援教育からの解放をもたらします。

子どもは待っています。
私たちはその子に近づき、
その助けを借りて、壁を崩すつもりになればよいのです。

多くの人たちはそれを知りません。

以下の文章は、今日、届いたばかりの、
「ワニなつ」原稿です。
多くの人たちは、この子どもたちの関係の豊かさを知りません。
私も、こんなに素敵な「ワガママでオバカサン」という
言葉を聞いたことがありません(^。^)y-.。o○

会報掲載前に、速報です。


☆     ☆     ☆     ☆

娘が幼い頃、この子が小学校になったら…
学校から帰る娘を満面の笑顔で「おかえりー」と迎え入れて
緩やかな日差しが差し込む中…
二人でおやつを作って食べる…
という淡い夢を見てた。

甘かった…現実は…、
バタバタと学童から家に帰ると毎日同じ会話をする。
「お風呂とご飯がんばる!? それとも少し寝る!?」

夕方は魔の時間…。
クタクタで今にも倒れ込んで寝てしまいそうになるから。
この時間寝られると後が非常につらい…。
でも強行突破すれば、ご飯もままならなくウトウト…。

それなのに部活をやりたいと言い出した!
学校・学童・部活とそれは体力的に無理がないか~!?

でも同じマンションの友達と放課後、
たまに遊べるのを楽しみにしている。
自分で電話をかけ「今日遊べる?」って聞いている。
「宿題終わってからね」と言われると

「あ~もぉ~ウチも宿題あるから!」
と何やら始めるが三分で終了~!

その子はまるでNatuの良き教育係。
叱ってほめるが親より上手。

「なっちゃん!
人の嫌がる事はしちゃいけないんだよっ!
そういう事覚えなきゃダメでしょ!」
(確かに…!)

「なっちゃんてウチの出来ないこと、
いっぱい出来てすごいよね~!」
(そ…そうか?)

「ワガママでオバカサンだけど
そういう所がなっちゃんらしくて好き!」
(心が広い…!)

「なっちゃんが妹だったらいいのに~」
(同い年ですから…!)

親が諭すよりよっぽど妙~に説得力があるのが
端で聞いていて心地よい母でした。

コメント一覧

やすハハ
「なっちゃんて、うちの出来ないこと、いっぱい出来てすごいよね~」と言えるこどもの感性は、すっばらしい
ですね。
 私も実は、なっちがすごいな~とうらやましくなる時があるので、いい感性をもっているという事かな~。
 「ワガママでオバカサン・・」と言えるのも一緒にいるから言えるのであって、分けられた場所にいたら、絶対言えない言葉ですね。
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