ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

夫の気持ちに寄り添って生きる

2018-03-10 03:39:49 | エッセー
 先日「高齢者で輝いている人」ばかりを取材した女性向きの雑誌があり、興味が
あったので買った。掲載されたほとんどが女性で、それぞれが個性的で、魅力的
だった。そのほとんどがが独身は自由で良いと、その生活を謳歌していた。
 確かに淋しくなければ、一人は誰に気兼ねすることなく、自由に行動できてとて
も楽だと思う。でも、家に帰っても誰もいないなんて、淋しがりの私は耐えられない。
 夫は自営業のためいつも家にいたし、無論出張もなかったので、サラリーマンと
比較すると、何倍も一緒に暮らしたことになる。
 
 たまに夫が友人達と旅行に行ったとき、私が友人に「淋しい」と言ったら、その
頃勤め人の妻だった彼女達は「信じられない、いないとサッパリしているし、食事
の支度もしないからとても楽だし」と言った。昔から「亭主丈夫で留守が良い」と言う
が、夫婦はそんなものだと私は初めて知った。認知症になり8年になる夫は、今でも
ふつうに会話できるので、夫がいない毎日なんて想像できない。
 そのため、「できるだけ認知症が進まないで、長生きして欲しい」と、いろいろ
工夫し努力している。そんな私は、「女房タイプで結婚向きな女」なのかも知れない。
 
 若い頃から欲しいもの全て与えてくれ、大家族の目を気にしながらも、比較的
自由だったし、勉強したいことは全て認めてくれた。また人一倍整理整頓に弱い
私に、長年唯の一度も小言を言わなかったほど寛容な夫だった。
 自分のホンネはみじんも出さなかったが、彼の心が私にはとてもよく透けて見え
ていて、そのため私は長年何時でも「夫のプライドを絶えず満足させる妻」でいる
よう心がけていたつもりだ。だんだん目減りする毎日がとても愛しく大切に思うし
認知症は緩やかだが少しづつ進行しているが、そのわりには日常生活にもあまり
不自由はない。夫の介護を最優先して、これからの人生を歩んでいくつもりでいる
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