俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

●次元俳句425・落下(空間)3・吉村毬子1・2019-03-31(日)

2019-03-31 04:56:00 | 次元俳句

●次元俳句425・落下(空間)3・吉村毬子1・2019-03-31(日)
○「踊り場へ落ちる椿も風土記かな」(吉村毬子1)
○季語(椿・三春)(「俳句界201408」より引用)【→次元俳句-索引1索引2索引3 →俳人一覧(うえかきくけこしすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもや~)】

【鑑賞】:「風土記」とは8世紀前半に官命で編纂された、各国の風土・産物・伝説を記した書物。その中の数少ない現存する風土記の一つ、「出雲風土記」に「椿」の記述があるという。踊場へ落ちる椿から触発された日本の歴史です。

 

●吉村毬子(よしむらまりこ)(1962~2017)
○好きな一句「金襴緞子解くやうに河からあがる」(『手毬唄』2014)2
○季語(川浴・晩夏)(引用同上)※「金襴緞子」(きんらんどんす):華やかで美しく高価な織物のこと。

【Profile】:神奈川県出身。1990年から池袋コミュニティカレッジで俳句を始め、→中村苑子に師事。1999年「未定」同人。2004年「LOTUS」創刊同人。


吉村毬子掲載句
03聖五月うなじへ充てる鸚鵡貝(聖五月・初夏)〈五体648・うなじ1〉2024/5/14

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●挿絵俳句424・春雨の・透次438・2019-3-30(土)

2019-03-30 04:56:00 | 挿絵俳句

●挿絵俳句424・春雨の・透次438・2019-3-30(土)
○「春雨の髪手櫛して盛り場へ」(→透次438)
○季語(春雨・三春)【→Haiku and Illustrationへ →俳人一覧(うえかきくけこしすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもや~)】

hair wet with rain in spring
using my fingers as a comb
let's go to the resort area / Touji

【作句メモ】:とりあえず「生ビール」から。そのあとは「レモン酎ハイ」や「ウーロンハイ」を重ねる。その頃には春雨で濡れた髪も乾いていることだろう。

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●特集俳句424・学校俳句1-3=春休み・野口る理3・2019-03-29(金)

2019-03-29 04:56:00 | 特集俳句

●特集俳句424・学校俳句1-3=春休み・野口る理3・2019-03-29(金)
○「家にゐてガム噛んでゐる春休み」(『しやりり』2013)(→野口る理3)
○季語(春休み・仲春)(→「スピカ」より引用)【→特集俳句-索引1索引2検索3 →俳人一覧(うえかきくけこしすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもや~)】

【鑑賞】:「卒業式」の後の「春休み」。しかし、卒業生には次の進路の準備期間。自宅でのんびりとガムを噛んでいるのは、在校生の春休みであろう。

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●方法俳句424・比喩(直喩)=ごとく41・小津夜景1・2019-03-28(木)

2019-03-28 04:56:00 | 方法俳句

●方法俳句424・比喩(直喩)=ごとく41・小津夜景1・2019-03-28(木)
○「借り証文舞ふごとくなり牡丹雪」(小津夜景1)
○季語(牡丹雪・三春)(「俳句四季201804」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4 →俳人一覧(うえかきくけこしすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもや~)】

【鑑賞】:牡丹雪は、大きめな雪片で降る春の雪。白牡丹のやわらかい花びらが散るように。その様は、まるで借用証文が降るようである。

 

●小津夜景(おづやけい)
○好きな一句「あたたかなたぶららさなり雨のふる」(『フラワーズ・カンフー』2016)2
○季語(あたたか・三春)(→「ふらんす堂」より引用)※タブラ‐ラサ(〈ラテン〉tabula rasa) 《何も書かれていない書板の意》ロックの認識論での用語。 生まれながらの人間の心には白紙のように生得観念はないという主張のたとえ。

【Profile】:1973年北海道出身。無所属。ネット上で俳句と評論を発表し、句誌「」に掲載された「出アバラヤ記」で攝津幸彦記念賞準賞受賞。『フラワーズ・カンフー』で第8回→田中裕明賞受賞。南フランス在住。

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●色彩俳句424・光彩15・星野早苗1・2019-03-27(水)

2019-03-27 04:56:00 | 色彩俳句

●色彩俳句424・光彩15・星野早苗1・2019-03-27(水)
○「如月の光の馬が校庭に」(『空のさえずる』2000)(星野早苗1)
○季語(如月・仲春)【→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4 →俳人一覧(うえかきくけこしすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもや~)】

【鑑賞】:「如月きさらぎ」という美しい語感に相応する「光の馬」。音も無く、弾みながら駆ける陽光の馬である。

 

●星野早苗(ほしのさなえ)
○好きな一句「喧噪を上手に抜けて恋蛍」2
○季語(蛍・仲夏)(「俳句界201706」より引用)

【Profile】:1956年京都市出身。「船団」(→坪内稔典代表)所属。第3回船団賞受賞。2007年よりウェブページ「e船団」にて、「今週の十句」担当。現代俳句協会会員。


■Pickup「無季と春の馬の句」16句(20190327)
●無季
01昭和衰への音する夕かな」(三橋敏雄)(五感俳句1聴覚1)
02蒼然と馬車は腕を来つつあり」(澤好摩)(五体俳句1腕1)
03ぬれた眼でなにを見ている仔馬」(風天)(例句)
04生き急ぐのどのゆめも」(攝津幸彦)(次元俳句27夢=超次元5)
05帰還馬の毛深き脛の黄土あはれ」(内田暮情)(色彩俳句275黄8)
●初春
06銀行員に早春の唾充つ歯」(金子兜太)(五体俳句117歯2)
●仲春
07音がしてがをるなり夜の辛夷」(神尾季羊)(好きな一句)
08芽の光遠く馬隊の背の光り」(舞原余史)(次元俳句213遠・空間8)
09「如月の光のが校庭に」(ほしのさなえ)(色彩俳句424光彩 15)
●晩春
10散る櫻白馬暴るるごとくなり」(正木浩一)(好きな一句)
11人間の花見にのかかわらず」(阪井久良伎)(好きな一句)
●三春
12かりてかはるがはるに霞みけり」(大島蓼太)(好きな一句)
13鶯やも外出をよろこべる」(馬場草堂)(好きな一句)
14馬の尻の綺麗に割れて菫咲く」(中村和弘)(好きな一句)
15草入れて馬の顔撫づ春の月」(名和三幹竹)(五感俳句275触覚16)
16鶯や馬の糧など水張りす」(名和三幹竹)(好きな一句)

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