軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Another Green World / Brian Eno

2012-01-11 02:00:00 | 音楽
Brian Eno : Guitar, Bass Guitar, Organ, Synthesizer, Piano, Percussion, Effects. Tape
Robert Fripp : Guitar
John Cale : Viola
Rod Melvin : Piano, Electric Piano
Paul Rudolph : Guitar, Bass, Drums
Percy Jones : Bass
Brian Turrington : Bass, Piano
Phil Collins : Drums, Percussion

1.Sky Saw
2.Over Fire Island
3.St. Elmo's Fire
4.In Dark Trees
5.The Big Ship
6.I'll Come Running
7.Another Green World
8.Sombre Reptiles
9.Little Fishes
10.Golden Hours
11.Becalmed
12.Zawinul/Lava
13.Everything Merges With The Night
14.Spirits Drifting
1975

4部作第3弾、今回のゲストの目玉はフリップ先生の復帰と、ブランドXのリズム隊、フィル・コリンズとパーシー・ジョーンズ(フリップ先生との共演は有りませんが)。と言うことでサウンド的にかなり期待出来る布陣ですが・・・果たして・・・まあ、パーシー・ジョーンズも超絶と御間抜けの合間の様な音を時々出すからなぁ・・・フレットレスって定まらないし。イーノのサウンドに影響を与えるほどの強者は、やはりロバート・ワイアットぐらいかな。同族と言う意味で。

1曲目 ゆっくりとしたドラム、不気味なシンセが2音をユッタリと間を置いて鳴らし続ける。パーシー・ジョーンズのフレットレスは完全に自分の異世界で自由自在、合わせづらそうなベースラインは曲に妙な雰囲気をタップリと漂わせる。ノイジーなギターが加わり、曲に厚みが増し異様な凄みが生まれます。ボーカルも多重で漂いながら不気味さを助長。全体が勝手気ままに漂った感じ、本来しっかりとラインをキープしなければならないベースがフラフラですので、曲全体が「正気」ではない。決して「狂気」ではありませんが。名曲なのかな?

2曲目 メトロノームの様なリムショットに漂うシンセ、そしてメインはパーシー・ジョーンズの転がる様なフレットレス・ベース。時折ウルトラセブンに出てくる様な宇宙人効果音が横切り、盛り上がりを見せないままお終い。短い曲です。

3曲目 腰が軽いリズムとピアノのコードが疾走、ボーカルは至極まともな感じで。明るめの疾走ポップス・ナンバーですが。3コーラス目からフリップ先生のギターが炸裂。明るめの演奏をバックにフリップ・パトリニクスを全開、かなり凄いソロですが、続いてそのままボーカルが加わってもまだまだ弾きまくりフェードアウト。名演。

4曲目 線路を走る汽車の様な単調なリズムに、警笛の音の様な異様なシンセ音、異様な世界が突き進む先にはユッタリと漂うギターが登場。エコーを纏って、ユッタリとしたハワイアンの様な・・・ギターは今一ですが異様な曲。イーノの一人舞台でした。

5曲目 バグパイプの様な響きのシンセにリズムマシーンの様なパーカッション、イーノの一人舞台の曲です。ユッタリと漂うシンセは何処か崇高な響きと旋律を感じさせます。ギターも加わり音が荘厳になりエンディングへと。

6曲目 ユッタリとしたポップスナンバー、明るいピアノはロッド・メルヴィン。ボーカルも普通に素敵な旋律を歌う、ある意味キャッチーなナンバーです。サビでブレイクを使ったりして、しっかりとポップスを作り上げています。フリップ先生のギターソロも特有の伸びやかな音色ですが、曲の雰囲気に合わせて明るく棚引く様に流れるだけ。ついに完成してしまったイーノ流力抜けまくりポップス、名曲としておきましょう。

7曲目 タイトルナンバー、ゆったりとしたリズムにキーボード群の棚引き、ギターもノベーッと漂うだけの短い曲。イーノの一人芝居。

8曲目 旧LPのB面トップを飾るこの曲はこのアルバムの代表的なナンバーですよね。少し後でエコーを纏ったギターが旋律を鳴り響かせ、リズムマシーンの様なパーカッションが少し土着感のあるリズムを演奏。ただそれだけの繰り返しなのに、旋律の勝利かな。中途半端な躍動感が漂います。

9曲目 ピアノの音に鳥の声風シンセが雲の上をフワフワと漂う様な桃源郷世界。ただそれだけ。

10曲目 取り留めのないキーボードのコードが単調に、ボーカルが加わり曲らしくなりますが演奏自体はリズムもなく(シンセベースが少し有りますね)キーボード群が何となく流れているだけ。フリップ先生らしからぬピコピコ・ギターがこれも取り留めもなく・・・先生のギター炸裂しなかったなぁ。

11曲目 イーノの一人舞台。風の音の効果音に静かなピアノのため息、ストリング系シンセ群がユッタリと漂い桃源郷の様な雰囲気を醸し出す。

12曲目 メルヴィンのピアノが切なく漂い、シンバルがざわめき、パーシー・ジョーンズのベースもぽつりぽつりと鳴り響く。リズムのない空間は幻想的・・・この人の場合この後の展開が読めないなぁ。怪鳥の様なシンセも横切りますが・・・そのままお終い。フィル・コリンズとパーシー・ジョーンズでなければならない理由は無いな。

13曲目 初めて登場するイーノのピーター・ハミルが弾いていそうな生ギター、12弦ですね。ピアノと尾長鶏の様なギターも優しく登場、シットリとしたボーカルをサポートします。良い雰囲気ですねぇ、生ギターが入るだけで今までの曲達とは全く違った雰囲気が漂っています。癒し系の落ち着いた曲、気づかなかった名曲ですね。

14曲目 悲しみに満ちたシンセ群が葬送の様な雰囲気を演出、淡々と流れる悲しみ・・・そこまで悲しくなくても良いのではと感じてしまうラスト曲。

前2作品に比べると聞き込みが少ないアルバムですが、フリップ先生の3曲目ぐらいでしょうか。ブランドXの2人は参加した理由が分かりません。何となく一人舞台が増えてきて、この先のイーノの世界がちらほらと垣間見えています。作品としては前2作と比べると少し弱いかな。





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