Sideway

気のおもむくまま。たこやきの日記的雑記。

芋虫と親睦を深める。

2005-10-03 | 日記。
今日の実験の内容でした。
…………違います。本当は、昆虫手術の練習。の4齢幼虫のアラタ体除去の練習だったのです。
このアラタ体というのが分かりにくい場所に分かりにくい色と形で存在するもんだから、発見するだけでも結構経験値が必要でして。
今日はこのアラタ体を見つけるためだけに……さあ……? ざっと十五匹位は蚕の首を裂いたかねえ。
麻酔をして手術板に磔にして、ピンセットで皮膚を裂くのであります。
(苦手な方、ごめんなさーい)
で、その蚕を(先生が言うには、一人40匹ずつくらいはいたらしい)前の箱から自分の席にとって帰るのに、
最初はおっかなびっくり、(私はとても芋虫が苦手)とても嫌悪感を感じながら手に乗せていたのですが、
途中で「これではいかん、慣れねば」と、目を休める為の(ずっと顕微鏡に張り付いて実験をしているので)休憩の間に、蚕を手の上に乗せて観察しておりました。
……すると、かわいく思えてくる。
うん、可愛いな、お前。
指の上をのそのそ歩く、冷たくて柔らかい生き物。
腹脚(腹部分の足。幼虫にしかない。成虫の肢は胸部にのみあるのはご存知の通り)は何か不思議と、吸盤みたいに皮膚にくっつくし。
(顕微鏡下で見ると、吸盤というよりマジックテープでした。細かい釣り針型の毛が環状に生えてるっぽかった……?)

そんな訳で、しばらく手の上に乗せて愛でておりました。
そうなると情が移って、そのまま磔にして掻っ捌くのは可哀想になり……。
結局その蚕は箱の中に戻し、他の蚕を手術。いや、無駄なのは分かってるんだけど。どうせ実験時間生き延びても、余りは「処分」されちゃうんだし。
でも、同じように情が移って、「可愛い、可哀想」と言っていた女の子は他にもいましたね~。
……生物コースの女子って変かな?

土日の実習は秋吉台に行ってきました。
カルスト台地、すごーい!!
良い景色でしたよ。特に岩の目立つ辺りは、そのままファンタジー映画のロケに使えそう。
しかも想像以上に広い! 絶景でした。天気良かったし。
昼は植生を調べたり虫の声をテープにとったりしながら歩き、夜はテープレコーダーと超音波の聞ける装置で夜の音をとりながら歩きました。
植生は色々ありましたが、見て歩きながら
「アレはドングリとか栗とかの木臭いね~」だの、
「コレがワラビでしょ? 春先は巻いてて柔らかいから食べられるの」だのと言っていたら、なんか「スゴイ詳しいね~」と言われました。
いや、実家に生えてるだけです。
合歓の木も分からないと親に馬鹿にされますが。え、南天(実家にある。ヒヨドリの冬の食糧)って普通見たことないモノ!?
と、ある意味カルチャーショック。田舎人度を露呈してました。
行きはともかく、帰りはスゴイ道なき道の探検、しかも危険と隣り合わせになって大変でした。
でも多分、同じ班の人のほとんどが、(私を含めて)あの探検が一番面白かった、というと思います(笑)
すり鉢状のドリーネの縁の、下草に埋もれた獣道同然の細道をかき分けながら進むスリル! 
一歩踏み外せば平らな地面はなく、すり鉢の急斜面を底まで滑り落ちるしかない勢い。
しかも雨に削られて尖った岩がそこかしこに頭を突き出している。
草に埋もれて、道は目的地までちゃんと続いてるのかも分からないし、う~ん、スリル満点、「道があった!」と先頭が叫んだ時の喜び満点でございました。
(ナニしに行ったんだよ・笑)
あの台地って、いつかはマダガスカルのツィンギみたいになるのかなあ? 植生とか気温とか降水量とか違うから、ならないのかな?


夜は星が綺麗でした。
多分、実家より良く見えるな。いい勝負か?
……天の川って、アパートのある場所じゃ多分見えないよね。
星は疎く、オリオンとカシオペアどっちがどっちだっけ? さそり座に至っては、ギリギリアンタレスが分かるか分からんか……って状態です。
夏の大三角形と北斗七星は良く分かる。あと白鳥座も。
惑星は、宵の明星が見分けられる程度か。
詳しくはないが、見るのは楽しい。実家じゃ山が邪魔で星が見えないのよ。田んぼのほうまで出れば見えるけど。
月のない夜だったので、とても星が綺麗でした。
でもきっと、月明かりの草原も神秘的なことでしょう。
友人達と、自分達の懐中電灯だけが辺りを照らす状況や、その先は全く見えない状況にプチ怪談を言ってはしゃいだりしておりました。

行く前ぐずぐず言ってた割りに楽しんできましたよ(笑)