歌会たかまがはら

毎回お題に沿った短歌を募集してゲストの方とおしゃべりする短歌の番組です。
YouTubeで配信しています。

歌会たかまがはら1月号 木下龍也さんへの質問

2014年01月29日 | その他・連絡事項
お待たせしました。

ここでは、歌会たかまがはら1月号で皆様からいただきました木下龍也さんへの質問をご紹介いたします。

回答につきましては木下龍也さんからいただいたものをそのまま掲載させていただきます。

同じような質問はまとめて掲載させていただきます。

なお、もっと聞きたい!詳しく知りたい!という方は直接、木下龍也さんへお聞きください。

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<番組内でお聞きした質問>
Q1 歌集『つむじ風、ここにあります』の出版おめでとうございます。本を出版する前と後で、大きく変わったなと感じることはありますか。
(東京都 小川千世さん)

Q1 歌集を出してから、出す前とここが変化したなぁと思う点はありますか?(大阪府 虫武一俊さん)

A1 実は何も変わっていないのですが、第一歌集を超えられる第二歌集を出せるように、という意識が出てきました。


Q2 好きな短歌を教えてください。(北海道 琴平葉一さん)

A2 フィラメントのごとく後肢を光らせてあしなが蜂がひぐれに飛べり(吉川宏志さん)
→フィラメントとあしなが蜂の対比が興味深いと感じた。


Q3 木下さんの短歌の視点には驚かされることが多いのですが、どんなことを意識して歌を詠まれているんですか?(埼玉県 焼きみかんさん)

A3 意識とかはあまりないです。目指しているのは読む前と読んだ後に世界が変わって見える短歌を目指しています。


<歌集『つむじ風、ここにあります』についての質問>
Q1 つむじかぜを歌集のタイトルに選ばれたのは、ご自身に風のイメージがあるからですか?(神奈川県 八月夏生さん)

A1 タイトルは監修者の東直子さんに決めてもらいました。


Q2 歌集出版に至った経緯を教えてください(兵庫県 麻倉ゆえさん)

A2 東直子さんと加藤治郎さんと出版社の社長にスカウトされました。


Q3 「つむじ風、ここにあります」「短歌男子」の反響はなにかありましたか?(北海道 琴平葉一さん)

A3 近所のおばちゃんに「読んだわよ」と言われました。


Q4 歌集を出版されて何か変化したことはありますか。(東京都 住友秀夫さん)

A4 (番組内で質問しました小川千世さん、虫武一俊さんと同じ質問ですので、お二人の質問をご参照ください。本来は番組内で採用する質問でしたが、見落としてしまいました。申し訳ございません。:天野うずめ)


<短歌についての質問>
Q1 歌を詠まれるのはどんな場所?時間帯?詠まれる環境を教えてください。(東京都 台所のキフジンさん)

A1 主に夜、ベッドの上で考えています。


Q2 木下さんの短歌の中で恋の歌もよくお見かけしますが、実際の恋愛を反映して詠まれますか?(大阪府 福島多喜さん)

A2 小説や映画の恋愛を参考にしています。現実は反映していません。


Q3 昨年は、『つむじ風、ここにあります』読ませていただきました。
第二歌集、もう楽しみです。
角川短歌1月号で加藤治郎さんが歌の中で「木下だ」と発していて、木下さんのことかと思ったら、歌の前後で、木下サーカスらしい、と読めたのですが、しかし、あれはやっぱり木下さんのことなのではないか、と逡巡しています。
本当のところはどうなのでしょうか。(岐阜県 太田宣子さん)

A3 今度会ったら問い詰めてみます。


Q4 短歌が浮かぶのはどんな時ですか?(埼玉県 加納舞子さん)

A4 一冊の本を読み終えた後や一本の映画を観終えた後。


Q5 過去のじぶんから影響をうけて変化することはありますか?(東京都 柳本々々さん)

A5 作歌においては、過去に扱った題材などをなるべく避けるようにしています。


Q6 木下さんが短歌を詠むようになったきっかけを知りたいです。(大阪府 レグルスさん)

Q6 短歌を始められたきっかけを教えてください。 (大阪府 虫武一俊さん)

A6 穂村弘さん


Q7 独特の視点で短歌を紡ぎだされる木下さんですが、歌を詠むためにふだんから心掛けていること(必ずしていることとか)は、ありますか?(東京都 風野瑞人さん)

A7 他ジャンルの作品になるべくたくさん触れてヒントを得るようにしています。


Q8 どんなときに短歌を詠みますか?(新潟県 キョースケさん)

Q8 どのようにして(どのようなときに)短歌を詠まれますか?(北海道 琴平葉一さん)

A8 ひまなときです。


Q9 今後はどのような活動を展開していかれますか?(宮城県 工藤吉生さん)

A9 第二歌集に向けて歌をたくさんつくりたいです。


Q10 木下さんの作品を読んでいると怖くなる時があります。誰かにそういわれたことはありますか?(埼玉 東郷カイさん)

A10 あります。


Q11 おすすめの歌集を教えてください。(トロント さとうはなさん)

A11 最近読んだのは吉川宏志さん第四歌集『曳舟』です。


Q12 題詠やテーマ詠で、どのように発想を広げていらっしゃいますか。(トロント さとうはなさん)

A12 書き散らす→選ぶ→磨くという作業のくり返しです。


Q13 連作はどのように組まれていますか。(トロント さとうはなさん)

A13 一首一首バラバラにつくって雰囲気で並べています。


Q14 夢や目標について教えてください。(トロント さとうはなさん)

A14 ミリオンセラー


Q15 いろいろな媒体に投稿されているイメージがあるのですが、ひと月に何首くらい詠まれるのでしょうか?(新潟県 桔梗さん)

A15 50首ほどです。


Q16 地方に住んでいることのメリット、デメリットなど思うことがあれば語ってください。(大阪府 虫武一俊さん)

A16 メリット:ひとりでいられる デメリット:イベント会場が遠い


Q17 ジョン・トラ・ボルタの中でどれが好きですか?(大阪府 じゃこさん)
(木下龍也さんの「天井の染みに名前を付けている右から順にジョン・トラ・ボルタ」にちなんだ質問です。:天野うずめ)

A17 ジョン


Q18 短歌を詠む時に大事にしていることはありますか? (北海道 月夜野みかんさん)

A18 僕の頭にある映像と読者の頭に浮かぶ映像が限りなく近いものになるように言葉を選んでいます。


Q19 自由詩とか散文は書かないんですか?(新潟県 ユキノ進さん)

A19 下手だと思います。


Q20 歌を詠むときに想定しがちなシチュエーションや風景がありましたらお聞かせ願いたいです。(大阪府 福山桃歌さん)

A20 誰もいない空間や風景。僕だけがいる。


Q21 短歌を作る上で木下さんが大事にされている事は何ですか? (大阪 西村真央さん)

A21 (番組内で質問しました焼きみかんさんと似たような質問ですので、焼きみかんさんの質問をご参照ください:天野うずめ)


Q22 木下さんの短歌では【飛行機がふたつに折れる 巻き戻し ひとつに戻る スロー再生】がいちばん好きです。木下さんほ歌にはヒリヒリしたものが多いですが、木下さんが自作でいちばんハッピーだなとおもう歌はどれですか。(沖縄県 伊舎堂 仁さん)

A22 短編になりそうだった僕たちの映画を歌が繋いでくれた(杉田協士監督作品「ひとつの歌」短歌コンテストで選んでもらった歌)


Q23 今後の短歌的な野望があれば教えてください。(大阪府 牛隆佑さん)

A23 短歌誌の作品7首や10首の欄をプロアマ問わない公募制にしてほしい。


Q24 運転が好きだと言っていたおぼえがあるのですが、運転中に思いついた短歌はどうやってメモしていますか?(大阪府 岡野大嗣さん)

A24 運転中は音楽を聞いているので何も思いつきません。


Q25 木下さんは座ってうたをつくるということですが、座る場所はどこでもよいのでしょうか。 (藤崎しづくさん)

A25 室内で、誰もいないところであればどこでも。


Q26 木下さんの目指すところは何ですか。(奈良県 村田馨さん)

A26 誰かにとっての短歌の入口になることができればなと思います。


<その他に関する質問>
Q1 好きな作家は誰ですか?
俺は村上龍、中上健次、中原昌也、坂口安呉です(敬称略)(神奈川県 くまさんこと木下侑介さん)

A1 舞城王太郎、円城塔、伊藤計劃、村上春樹、道尾秀介、星新一など


Q2 好きなゲームはありますか?
俺は無双シリーズ位です (神奈川県 くまさんこと木下侑介さん)

A2 メタルギアソリッド、バイオハザード、GTAのシリーズ


Q3 お歌つきサイン、ありがとうございました。家宝に致します。という訳で、木下さんの家宝は?(埼玉県 chariさん)

A3 探してみたけどありませんでした。


Q4 どんな帽子が好きですか?(滋賀県 ドラまま(龍田裕子) さん)

A4 ほんとうは帽子が好きではありません。


Q5 お帽子をかぶったスタイルが印象的なのですが、日常的にはかぶっていますか?
もし、かぶってらっしゃるのならどんなタイプのお帽子ですか? (大阪府 ワンコ山田さん)

A5 日常的にはかぶっていません。


Q6 好きな映画があれば教えてください。できればあんまり怖くないやつ…(東京都 山田水玉さん)

A6 スケアクロウ。あとはガス・ヴァン・サント監督作品は好きです。


Q7 恐いものはありますか(兵庫県 飯田和馬さん)

A7 野良犬


Q8 質問ではありませんが、木下さんの自由律虚無俳句集の
第二弾がいつか出ることを、とても楽しみにしています。
「バタフライみたいな溺れ方」は昨年一番笑った本でした。 (滋賀県 西村湯呑さん)

A8 ありがとうございます。岡野さん、第二弾よろしくおねがいします。


Q9 お疲れ様です。木下さんは血液型はなんですか? (埼玉県 たえなかすずさん)

A9 A型


Q10 私は人に驚いた話を聞くのが好きです。最近、木下さんが驚いたことは何ですか。また木下さんはどんな話を聞くのが好きですか。 (愛知県 気球さん)

A10 散歩中に犬が軽トラに突撃しようとしました。霊体験を聞くのが好きです。


Q11 お誕生日おめでとうございます!
何うどんが好きですか?(奈良県橿原市 たたさん)

A11 明太釜玉うどん


Q12 今までの人生で風が一番気持ち良かった時を覚えてますか?(東京都 のの(連歌の花道の子)さん)

A12 宮島に向かうフェリーのデッキで受けた風。客はほぼ外国人で、船上は異国のようだった。


Q13 どんな菓子パンが好きですか?(大阪府 泳二さん)

A13 ランチパックのピーナッツバター味


Q14 あだ名ってありますか。(東京都 二玉号さん)

A14 きの、きのぴー


Q15 記念会の服装がおしゃれでした。普段はどんな格好が多いですか?(千葉 リオさん)

A15 フラボアの服が好きでよく着てます。


Q16 カロリーメイトの次に好きな食べ物はなんですか?(兵庫県 檀可南子さん)

A16 鮭とば、ピスタチオ


Q17 いつもシャレオツな木下龍也さん。好きなブランドを教えてください。(奈良 龍翔さん)

A17 フラボア、フレッドペリー

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以上となります。皆様からのたくさんのご質問ありがとうございました。

歌会たかまがはら1月号採用歌

2014年01月24日 | 歌会採用短歌
1月18日に行いました歌会たかまがはら1月号に短歌をご投稿いただいた皆様、また歌会の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

ここでは、当日採用した短歌、当日発表できなかったけど気になった短歌、出演者の短歌をご紹介いたします。

なお、短歌の感想等は省かせていただきます。ご了承ください。

採用歌の感想に関しましては録画がございますので、そちらでご確認ください。

1月号録画ページはこちらです。→ http://www.ustream.tv/recorded/42827718


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お題「風」
ゲスト:木下龍也さん
司会:天野うずめ

<当日発表した歌(順不同)>
◎木下龍也さん選
・夕方の風がサニーを抜けてゆく臨時ニュースの声をさらって(大阪府 岡野大嗣さん)

・ばれなけりゃいいさと風呂で小便をすればなぜだかいつもより濃い(宮城県 工藤吉生さん)

・ゆく風に名前をつけて「いつかまた頬を打たれてみたい」と言った(神奈川県 黒崎立体さん)

・三速で走る自転車 川沿いにうなじは風の抜け道となる(トロント さとうはなさん)

・風使いごっこに立った屋上で一番最初に指さすジャスコ(神奈川県 苗くろさん)
→天野うずめも選

・とてもすてきな長い手紙を書き終えて風の強い日にポストへ向かう(新潟県 ユキノ進さん)


◎天野うずめ選
・おだやかな風と言われて消えていく共和国にも針ぐらいある(東京都 風野瑞人さん)

・夕闇に父さんのシャツ落ちていた 飛んで行けると思ったはずの(兵庫県 飯田和馬さん)
→木下龍也さんも選

・いっせいに千のシーツは日に干されこの屋上に風は止まない(トロント さとうはなさん)


<当日発表できなかったけど気になった歌>
◎木下龍也さん選
・いつまでも君だけを見ていられない素直にゆれている風見鶏(こはぎさん)

・よそ行きの、風邪の、いつもの、耳元の、すべての声をほしいと思う(こはぎさん)

・ひとしきり吹き抜ける風ともだちに戻るってたぶんこんな感じだ(こはぎさん)

・思い出を梱包している春の午後 箱の谷間に旅立ちの風(兵庫県 麻倉ゆえさん)

・一般にウサイン・ボルトが追い風で走る速さで駅から5分(滋賀県 西村湯呑さん)
→天野うずめも選

・生きたまま風を捕らえる方法をどなたか僕に教えてください(岩手県 山本左足さん)

・街角にひとりぽつんと突っ立って風を待つのが仕事の女(岩手県 山本左足さん)

・学校で一番速いカズ君の世界は風で溢れるだろう(大阪府 牛隆佑さん)

・暖かな風吹き抜ける教室で半紙の中の春がざわめく(兵庫県 紫陽花さん)

・風媒花でないので僕は台風が過ぎたあとでも子供がいない(兵庫県 飯田和馬さん)

・風呂敷とピロシキ持って出かけます お金ないからもう帰ります(兵庫県 飯田和馬さん)

・栞? 立てひざをくすぐる感触をどかして見たら 風 せんぷうきの(沖縄県 伊舎堂 仁さん)

・ヒューストン、月にウサギはいなかった。こちら風船おじさん、どうぞ(大阪府 泳二さん)

・風の絵を描(か)いたという子のてのひらは真っ白な粉が光っていた(大阪府 泳二さん)

・発芽する音に飛び出し前傾のまま駆け抜けて春風となる(岐阜県 太田宣子さん)

・散髪の帰りの道で会う風が風のなかではいちばん好きだ(大阪府 岡野大嗣さん)

・道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機(大阪府 岡野大嗣さん)

・窓枠にぶらさげた手に風が来てルーズリーフの穴を抜けてく(大阪府 岡野大嗣さん)

・なれそうな気がする夜になれそうな気がする冷たいベランダにいる(東京都 小川千世さん)
→天野うずめも選

・遇うたびに靴先に風ふきだまるその一瞬を蹴り合ってゆく(宮城県 風橋 平さん)

・太陽が泣いてるマークがあるとしてそんな天気にふさわしい風(宮城県 工藤吉生さん)

・してもいない突風みたいな約束に煽られ僕らは出会うのだろう(神奈川県 くまさんこと木下侑介さん)

・風のせいあなたはきっとそう言うわあの彗星は預言者なのよ(神奈川県 黒夜行さん)

・夏はみな海へ海へとかりだされ市民プールに風が足りない(北海道 琴平葉一さん)

・抜かりなくペディキュア塗ったあの子でも風呂場じゃ素手で鼻をかむのだ(茨城県 佐倉まり子さん)

・教会の尖塔からの風を受け旧市街地の地図をのぞきこむ(トロント さとうはなさん)

・きみの肩に髪が触れれば(海の風)ふたり壁画の一部になりて(トロント さとうはなさん)

・右腕の振幅幅を思ふればシャトルは風の中へと落ちる(トロント さとうはなさん)

・花冷えよ 風鳴り止まぬ夕暮れは海辺へチェロを奏でに行こう(トロント さとうはなさん)

・大きい羽を持つほど風にあおられてカラス斜めに飛ぶ冬の朝(神奈川県 高松紗都子さん)

・あなたからなんにも来ない秋の日の風は冷たくなりたがります(岩手県 たきおとさん)

・木枯らしが吹くとポケット増えてゆく何を入れるか決められぬまま(奈良県橿原市 たたさん)

・風鈴のはためく紙を作りたい 願いはとうとう叶わぬままで(兵庫県 檀可南子さん)

・悲しくて(家に帰って着替えた後ご飯とお風呂すませたら)泣く(兵庫県 檀可南子さん)

・朝の風になろう あたためたいなあ 4時の小鳥でわたしはねむる(新潟県 七波さん)

・排気ガスから生まれたのは死にたがりのひとりぼっちの風だった(大阪 西村真央さん)

・もう一度名前を呼んで もう二度とわたしが風にならないように(北海道 星乃咲月さん)

・乗り物が風しかなくていつどこに着くのか誰も知らない世界(東京都 実山咲千花さん)

・風邪ひきの窓の向こうはよくしゃべる自動販売機のお前 また(大阪府 虫武一俊さん)

・夏季五輪金メダリストの世界一風をきるのがうまい能力(東京都 山田水玉さん)
→天野うずめも選

・踏切の向こうできみは悲しげにぱくぱくぱくと風を食べてる(東京都 山田水玉さん)

・よく見とけ屋上からのダイビング おおい風見鶏横を向くなよ(東京都 山西木々(やまにしきぎ)さん)

・飛んでった麦わら帽子追いかけてそのまま風になった恋人(奈良 龍翔さん)

・ストーブの上でふしゅふしゅ鳴るやかん吹雪の映る外を曇らす(大阪府 レグルスさん)
→天野うずめも選

・強がりじゃないなるったけ遠くへと涙を風に乗せる実験(大阪府 ワンコ山田さん)


◎天野うずめ選
・夕暮れにぼくらはみんな風まみれドボルザークを聞きつつ帰る(岩手県 山本左足さん)

・9回で逆転負けをした後のジェット風船みたいに孤独(岩手県 山本左足さん)

・春風に乗って届いてくる声が「ジーク・ジオン」にしか聞こえない(岩手県 山本左足さん)

・バスタオル白くはためく五月晴れ途切れ途切れのクシコスポスト(兵庫県 紫陽花さん)

・鶴橋で焼肉の風浴びたあと線香くさい奈良へと至る(兵庫県 飯田和馬さん)

・食べながら「どうする」なんて聞かれても風月堂のあれかと思う(兵庫県 飯田和馬さん)

・偏西風の蛇行によって構内に座るしかない人が増えてる(兵庫県 飯田和馬さん)

・破瓜(はか)は処女うしなうときの音裂いた少年サンデーから立つ風が(沖縄県 伊舎堂 仁さん)

・緊箍児(きんこじ)が頭をギュッと締めつけるように師走の風に打たれる(茨城県 海さん)

・号砲の余韻が残るトラックに風はもうさっきより涼しい(大阪府 泳二さん)

・南風未だ届かず指先を絡め待ってるつばめ一号(香川県 大木はちさん)

・風邪引いて微熱の中で待っているあなたがつくるホットレモネード(福岡 大野瑞代さん)

・台風の夜のガストで店員のひとりひとりにあだ名をつける(大阪府 岡野大嗣さん)

・九月行くブラウン管に豪風が やッ と力士を引き落とすさま(宮城県 風橋 平さん)

・共産党事務所のビラのはためける戸口ましろくなるまでの風(宮城県 風橋 平さん)

・きみが抜いた一冊分だけ本棚とぼくのこころに風が吹きます(新潟県 桔梗さん)

・お風呂場の窓はただしく結露する きみは泣いていたのだろうか(新潟県 桔梗さん)

・風の名のついた歌集にいくつもの青い付箋が育っていくね(トロント さとうはなさん)

・あいまいを見抜いてしまうひとだから髪は夜風に触れさせておく(トロント さとうはなさん)

・丸いのを入れるだけ只それだけでコインロッカーから風その他(神奈川県 渋沢綾乃さん)

・透明なビニール傘が転がって晴れた屋上飛べないものだね(神奈川県 渋沢綾乃さん)

・だまし絵館は窓枠だらけ 風景は切り取ることで手に入れるもの(奈良県橿原市 たたさん)

・風果ててロンサムジョージとつぶやいた いつかすべては絶滅危惧種(北海道 月夜野みかんさん)

・この地球(ほし)は風を生む星 信じてもいいな明日のわたしなんかを(北海道 月夜野みかんさん)

・もう全部沈んでしまって静かだね台風の日のひそひそ話(神奈川県 苗くろさん)

・たった今ひとりぼっちを許されて冷たい風を吸い込んでいる(新潟県 七波さん)

・軽トラの後ろに乗って風を食む泥と石油に命の匂い(東京都 二玉号さん)

・フィリピンが飛んできそうで台風の夜にちょこっと開けてみた窓(東京都 のの(連歌の花道の子)さん)

・カルピスの表面もやや凪(な)ぎはじめ そろそろきみも三十二だね(神奈川県 八月夏生さん)

・ふるさとの風が飛び込む1番線のぞみ東京行きが発ちます(大阪府 福山桃歌さん)

・ワレワレハウチュウジンダと呟いたヨドバシ夏のボーナスセール(大阪府 福山桃歌さん)

・風邪ですか高熱ですかうわごとで私の名前を呼んでもいいよ(藤崎しづくさん)

・またの名を風と呼ぶこの手のひらを迷うことなく振り切ってゆけ(北海道 星乃咲月さん)

・神去出(からさで)が済めば霜月 シベリヤの風に出雲は鳥たちの国(島根県松江市 宮嶋いつくさん)

・陸橋は風を感じる場所としてただあればいい みだれるみどり(大阪府 虫武一俊さん)

・いざというときは天使が缶詰の溜め息を世界に撒くだろう(東京都 山田水玉さん)

・北風が脱がし損ねたコート着て釦に手をかけ待ってる春を(東京都 山西木々さん)


<出演者の短歌>
◎木下龍也さん詠歌
・風風風のさなかに凸が現われて地に突き刺さる巨大な銀貨

◎天野うずめ詠歌
・今日祖父が亡くなりました 台風が二つ接近している朝に


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<反省会>
改めまして、歌会たかまがはら1月号をご覧いただいた皆様、短歌をご投稿いただいた皆様、ありがとうございました。
まず、配信日前日に延期かどうかという情報が錯綜してしまい、申し訳ございませんでした。
不確定な情報を流さないように情報の取り扱いには気をつけてまいります。
さて、今回は木下さんと公開配信をさせていただきました。
今年もたくさんのゲストの方にご出演いただけることを目標にしていきます。
たくさんのゲストの方とたくさんの短歌をご紹介していきたいです。
最後に木下さんのご好意で番組内で採用させていただいた方に木下さんの歌集をプレゼントさせていただくことになりました。
これからも、サプライズでお誕生日パーティなどを企画していこうと思います。
それでは、今年も歌会たかまがはらをよろしくお願いいたします。
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次回の歌会たかまがはらですが、現在調整中です。

決まり次第、こちらのHP&Twitterで告知いたします。

「歌会たかまがはら」ブログ:http://blog.goo.ne.jp/utakai_takamagahara
「歌会たかまがはら」twitterアカウント:@utamagahara

告知まで今しばらくお待ちください。

今後とも、歌会たかまがはらをよろしくお願いします。