歌会たかまがはら

毎回お題に沿った短歌を募集してゲストの方とおしゃべりする短歌の番組です。
YouTubeで配信しています。

歌会たかまがはら10月号 谷川電話さんへの質問

2018年10月31日 | その他・連絡事項
ここでは、10月20日配信の歌会たかまがはら10月号で皆様からいただきました谷川電話さんへの質問をご紹介いたします。

回答につきましては谷川電話さんからいただいたものをそのまま掲載させていただきます。

同じような質問はまとめて掲載させていただきます。

なお、答えに対するご不満等は一切受け付けません。あらかじめ、ご了承ください。

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<番組中にお聞きした質問>
Q1 わたしはもともと短歌を読むのが好きでしたが、2ヶ月前ごろから本格的に短歌をつくり始めました。
最近では賞や短歌のフリーペーパーなどに少しですが投稿したりしています。
谷川さんの恋人不死身説はわかりやすく、恋人への執着とも言えるような感情に驚き、時には共感しつつ楽しく拝見させていただきました。谷川さんの短歌がとても好きです。
そこで、谷川さんが短歌を始めたころ勉強をするのに参考になった本や人(谷川さんが師として仰ぐ人物)などがいたら教えてください。
また、わたしは結社には入っていないのですが結社に入るメリットや心構えなどありましたら教えていただきたいです。
よろしくおねがいします。(三重県 小澤友香さん)

A1 作歌をはじめたばかりの頃は、好きな穂村弘さんの作品を読んでばかりで、あまり真面目に短歌の勉強をしてませんでした。真面目に勉強するようになってから参考になったのは、塚本邦雄の『茂吉秀歌』(講談社学術文庫)シリーズ全五巻です。
ぼくは「かばん」という同人誌にずっと所属してるので、結社のことはよく知らないのですが、定期的に締切等の外圧にさらされるというのは、いいことだと思います。


Q2 日常会話の中に「電話」という単語が出てきた時にビクッとすることはありますか。(愛知県 辻聡之さん)

A2 自分の口で「電話」と言って寒気がすることがあります。



<短歌についての質問>
Q1 短歌を始めたのは最近なのですが、谷川さんの考える上達するコツを教えてください。(東京都 青桐いつかさん)

A1 短歌の、また、短歌以外のたくさんの作品にふれること、そして、自分自身やこの世界を日頃から疑うことだと思います。


Q2 現状、出版社から「歌集を出す」ためには、少なくない自費を投入する必要があります。しかし、その費用以上の価値をご自身が感じられたから、第一歌集「恋人不死身説」を上梓されたのだと思います。それはどんな価値だった、あるいはどんなご判断だったのでしょうか。
「歌集はもう出されたのですか?」と歌人を測る物差しとして使われた時代もあったやに聞くため、谷川さんの歌集を出すことに対するお考えがあればお聞かせください。(神奈川県 須磨蛍さん)

Q2 歌集出版に関するお金の話については、公表していいのかよくわからないので差し控えます。すみません。歌集を出版した一番の理由は、一冊の歌集の形で、自分の表現したいことがあったからです。


Q3 短歌を始めたばかりなのです。谷川さんは思いついた短歌をどのように記録してどのように推敲していますか。よろしくお願いします。(東京都 瑞原詩穂さん)

A3 自宅の外にいる時はスマートフォンに、自宅にいる時はPCに、思いついた短歌(断片の場合もあります)を記録します。推敲は、画面に映し出した短歌をじっと見つめながら行います。


Q4 谷川さんの「石井僚一さんからのおすすめで、これから、渋谷のスクランブル交差点を横断しながら、自作短歌を、通常の声量で朗読(暗唱)してみようと思います。」というツイートがあったのですが、この時朗読した自作短歌を教えて下さい(髙木一由さん)

A4 「二種類の唾液が溶けたエビアンのペットボトルが朝日を通す」「音符かなしゃぼん玉かなつぎつぎと視界を通り過ぎていくのは」等、『恋人不死身説』の収録歌を暗唱しました。でも、だれも興味を持ってくれませんでした(笑)。



<その他の質問>
Q1 自分が死ぬときの最期の言葉って考えていますか?もしあれば感情を込めて教えていただけたら嬉しいです。(名古屋市 小坂井大輔さん)

A1 全然考えてないです。生きてる実感があまりないので、死ぬ時のこともあまり考えないんですよね。『恋人不死身説』にちなんで、「おれは不死身だ!」ってのはどうですかね。


Q2 一人で平和園に行った時にオススメのメニューを教えてください(京都府 寺村たこさん)

A2 複数人でしか行ったことがないので、一人で行った場合を想像してみました。おすすめは、麻婆飯と焼売です!


Q3 最近、楽しかったことは何ですか?(愛知県名古屋市 枝豆みどりさん)

A3 サラダバーのあるレストランをみつけて、心ゆくまでサラダを食べたことです。


Q4 好きな秋の花はなんですか?(サイタマサイタマー 宮本背水さん)

A4 元々花にあまり興味がなくて恐縮なのですが、強いて言えばパンジーですかね。花びらの模様が悪霊みたいで好きです。


Q5 好きな漫画はなんですか?(東京都 郡司和斗さん)

A5 浅野いにおさんの『おやすみプンプン』、平本アキラさんの『監獄学園(プリズンスクール)』です。漫画は岩盤浴へ行った時に読むことが多いのですが、少女漫画やレディースコミックをよく読みます。



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以上となります。皆様からのたくさんのご質問ありがとうございました。

歌会たかまがはら10月号採用歌(2018年10月20日配信分)

2018年10月31日 | 歌会採用短歌
10月20日に行いました歌会たかまがはら10月号に短歌をご投稿いただいた皆様、また歌会の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

ここでは、当日採用した短歌、当日発表できなかったけど気になった短歌、出演者の短歌をご紹介いたします。

なお、短歌の感想等は省かせていただきます。ご了承ください。


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お題:「違」
ゲスト:谷川電話さん
司会:天野うずめ

<当日発表した歌(順不同)>
◎谷川電話さん選
・幸せなNEWSばかりを拾い読む 死という文字を花と見違う(深影コトハさん)

・光るから四つ葉はすぐに見つかると言ふ君の目の暗い原っぱ(抹茶金魚さん)

・できることとやりたいことは違つてゐて曲げないでおく曲がるストロー(新潟県 有村桔梗さん)

・違和感は足音だけじゃありません もっとなんだか、そう、くしゃみとか(兵庫県 ふらみらりさん)


◎天野うずめ選
・助っ人じゃなくて仲間、とはたかれた背からじんじん冬がぬくもる(滋賀県 西村湯呑さん)
→谷川電話さんも選

・運命の人じゃないです 遠泳の果てに柘榴を渡されにけり(愛知県 辻聡之さん)
→谷川電話さんも選

・「友達」も「彼」も「夫」も違っててテプラを貼れない君と吾の仲(東京都 青桐いつかさん)


<当日発表できなかったけど気になった歌>
◎谷川電話さん選
・うせつってひだりだよねとうなずいて八月三十二日の海へ(滋賀県 西村湯呑さん)
→天野うずめも選

・いま間違い探しにされて黙々とスープ春雨掬うスプーン(愛知県 辻聡之さん)


◎天野うずめ選
・ただ右へ曲がり違えただけなのに街を数字のように彷徨う(ヨシダジャックさん)

・異世界の姫だったこと 最終のロケット見送って思い出す(深影コトハさん)

・銀河から見れば誤差だと言ひ聞かせサイズ違ひを一度は試す(抹茶金魚さん)

・うんそういう考え方もあるけれど麻婆豆腐はリットルじゃない(滋賀県 西村湯呑さん)

・足首を夜に浸してあなたとの違いをひとつひとつ数える(千原こはぎさん)

・てのひらも指の長さもなにもかも違うね(触れたいのは同じだね)(千原こはぎさん)

・街角の鏡にわたし いつもとは違う色したあなたのわたし(千原こはぎさん)

・みんなとは違う呼び名がいいだとかやわらかな執着がいとしい(千原こはぎさん)

・待っていてもあなたは帰ることはない違う苗字のまま生きている(千原こはぎさん)

・すれちがいばかりで今日が終わるからさむいねさむい さみしくはない(千原こはぎさん)

・住む場所は変わらないけど四月からあなたと違う苗字になります(広島県 知己 凛さん)

・「ちゃうねん」という君の顔見てるのが好きだったよ好きだったんだよ(三重県 小澤友香さん)

・糞ったれと叫べば「違う違う、そうじゃない」と青い鸚哥(いんこ)が唄う (北海道 伊藤 雅さん)

・過去形になつたあなたとすれ違ふわたしのなかにゆふなぎの海(新潟県 有村桔梗さん)

・間違ひに気づかないままどこまでも菜の花色の電車でゆかう(新潟県 有村桔梗さん)

・おそらくは気づいてゐないこひびとの言ひ間違ひを頭がなぞる(新潟県 有村桔梗さん)

・真実と事実は違ふ 筆名のわたしが描くこひのゆくすゑ(新潟県 有村桔梗さん)

・これは恋とはちがうから帰りぎわ振り返ったりしない ぜったい(埼玉県 えんどうけいこさん)

・噛み合っていない会話の違和感を冷めた紅茶とともに飲み込む(埼玉県 えんどうけいこさん)

・今日はみな鼻の形がいつもとは違ってたから不安になった(兵庫県 ふらみらりさん)



<出演者の短歌>
◎谷川電話さん詠歌
・昨日までと違って猫をかわいがる恋人の手が潰すカルパス

◎天野うずめ詠歌
・背景が無駄にうるさかったから聞き間違えた月がきれいだ


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<反省会>
今回の歌会たかまがはらへのご投稿及び番組の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。
今回は谷川電話さんをゲストにお迎えしました。
谷川さんとは同学年ということで、楽しくお話することができました。
配信内でもお話しましたが谷川さんとはお会いしたことがないのですが、何度もお会いしているような雰囲気でお話することができました。
その雰囲気が配信でお伝えできていればいいなと思います。
いつか谷川さんとお会いしたときはいろいろなお話をしたいと思います。
さて、歌会たかまがはらは今回で通算51回目の配信となりました。
今後は通算100回の配信を目指してこつこつと続けていきたいと思います。
それでは、次回も、歌会たかまがはらをよろしくお願いいたします。
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次回の歌会たかまがはらですが、現在調整中です。

決まり次第、こちらのHP&Twitterで告知いたします。

「歌会たかまがはら」ブログ:http://blog.goo.ne.jp/utakai_takamagahara
「歌会たかまがはら」twitterアカウント:@utamagahara

今後とも、歌会たかまがはらをよろしくお願いします。