歌会たかまがはら

毎回お題に沿った短歌を募集してゲストの方とおしゃべりする短歌の番組です。
YouTubeで配信しています。

歌会たかまがはら2022年5月号 お題発表+投稿歌募集

2022年04月09日 | 歌会告知
お待たせいたしました!

歌会たかまがはら2022年5月号の開催要項を発表します。

お題:「歩く」※テーマ詠
締切日:2022年5月22日(日)
配信日:2022年5月30日(月)21時~(予定)
ゲスト:夜夜中さりとてさん
となります。

※今回のお題は「歩く」です。テーマ詠となります。歩くことに関する短歌をご投稿ください。
※今回のフリートークは「夜夜中さりとてさんへの質問」と題して、皆様から夜夜中さりとてさんに対して聞いてみたいことをテーマにお話します。夜夜中さりとてさんにお聞きしたいことがあれば投稿メールと一緒にお送りください。なお、歌会たかまがはらの配信内では時間の都合上、いただいた「夜夜中さりとてさんへの質問」にすべてお答えできません。配信内でお聞きできなかった「夜夜中さりとてさんへの質問」は後日、ブログにアップいたします。

<投稿方法について>
※投稿方法は(1)歌会たかまがはらへメールを送る、(2)歌会たかまがはらTwitterアカウントへダイレクトメールを送る、の2種類があります。

(1)歌会たかまがはらへメールを送る
・ utakai_takamagahara@yahoo.co.jp 宛てにメールでお送りください。
・投稿するメールの題名には「歌会たかまがはら短歌投稿」とお書きください。

(2)歌会たかまがはらTwitterアカウントへダイレクトメールを送る
・歌会たかまがはらTwitterアカウント(@utamagahara)をフォローの上、ダイレクトメールをお送りください。
※リプライでの投稿は受け付けておりません。ご注意ください。

<投稿内容について>
※投稿内容は(1)(2)の方法とも共通となります。下記の内容を記載ください。
  1:投稿する短歌(必須・読みにくい漢字等にはふりがなをお願いします)
  2:お名前(必須)
  3:ふりがな(必須)
  4:お住まい(なくてもOKです)
  5:夜夜中さりとてさんへの質問(なくてもOKです)
※一人何首ご投稿いただいてもかまいません。
※投稿歌は自作の短歌に限ります。
※投稿歌は未発表作でも既発表作でもかまいませんが、著作権の絡んでいる短歌のご投稿はご遠慮いただけますよう、よろしくお願いいたします。


<その他について>
※質問等がございます場合は、天野うずめ宛にお聞きください。
※ご投稿いただいた短歌についての取り扱いは以下の通りです。
・配信・ブログで紹介した投稿歌→既発表
・配信・ブログで紹介しなかった投稿歌→未発表
・既発表の投稿歌→配信・ブログで紹介したかしないかにかかわらず既発表


それでは、皆様のご投稿をおまちしています!

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※緊急連絡先はこちら
→※配信日・配信開始時間は変更することがございます。変更の連絡は下記のTwitterアカウントでいたします。

「歌会たまがはら」アカウント→@utamagahara

中の人「天野うずめ」アカウント→@uzume_no_hijiri
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歌会たかまがはら2022年3月号 嶋稟太郎さんへの質問

2022年04月05日 | 歌会告知
ここでは、2022年3月26日配信の歌会たかまがはら2022年3月号で皆様からいただきました嶋稟太郎さんへの質問をご紹介いたします。

回答につきましては嶋稟太郎さんからいただいたものをそのまま掲載しております。

なお、ご不満等は一切受け付けません。あらかじめ、ご了承ください。

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<番組中にお聞きした質問>
Q1,連作を編むとき、どんなふうに編んでいるか教えてください。たとえば、最初からテーマを定めてそれに沿ったものをいちから作りますか?それとも、いくつか作り溜めてあったものを膨らませていく感じですか?(石川県 塩本抄さん)

A1,予めテーマを意識せずに連作を作っています。10首くらいの歌のまとまりを作ってからテーマの方向性や全体の構成を考えて、あとは作りながら何度も変えていくので終盤までどんな連作になるか自分でも予想できないです・・・!
一本の大きな丸太を削って彫刻を作るのではなく、ときどき海から流木を拾って来て組み上げならが何をしようか考えるような感じです。


Q2,嶋稟太郎さんは、本名ですか?それとも筆名ですか?
本名(又は筆名)で、作品を発表することの長所短所があれば、教えてください。(神ヤ飛ビ魚さん)

A2,筆名です。名前をつけると愛着が湧きます。好きなものが増えるのは良いこと。短所は特にないかなぁ。


<短歌についての質問>
Q1,羽と風鈴、愛読しています。写実に自身の伝えたいことや感情を載せるときに、何か工夫していることはありますか?(東京都世田谷区 長井めもさん)

A1,ご愛読ありがとうございます!歌集を出せてよかったです。

工夫していること、なんだろうなぁ。一度には語り尽くせないテーマです。
感情には、喜怒哀楽のようなシンプルな分類に収まるほど言語化できている感情と、まだ言語化できていない手探りの感情があります。
後者が難しくて、抑えきれない気持ちの動きがあるのに適当な言葉が見つからない。自分でもわからない。誰にも伝わらないかもしれない。そんな感情へのアプローチの一つとして、写実と言うルートがあります。感情を取り巻くものを慎重に言葉にすることで予感させる。マインスイーパの序盤のように、見える人には見えると信じて、今ここの在りようを詠む、定型に夢中になる、自分だけの言葉を探すことをいつも心がけています。できるだけ意図しない喩(示唆や暗示、ダブルミーニング)を引き寄せないように推敲して、あとは「理屈と説明を避ける」も地道にやってますね。「平凡を恐れない」もか。

なんだ当たり前のことばかりか、と思われたかもしれませんが、筋トレだと思って時間をかけてやっています。制約ばかりにも思えますが、写実によって描写をエクストリームして自分でもわからないものをなんとか形にしていくと、ときどき新しくて小さな発見がある。自分の周囲の世界のユニークさに気づけるわけです。31音全部を使い倒して磨きまくると、掘り尽くされた洞窟の一番奥の壁を壊せる。その後かなぁ、感情がどんな風に伝わるか考えるのは。

なんでこんな短歌観になっているかというと、2つあって。一つは東日本大震災と自分の関係の不安定さ。定型がないと自分がどうあるべきかを考えてしまってそこから創作ができない。もう一つは短歌を作る環境。短歌を始めた当時、未来の選者だった桜井登世子さんと古くからいる会員の皆さんに歌を読んでもらっていたことが大きいです。とにかく彼ら歌を伝えたかった。生きてきた人生が違いすぎてお互い分かり合えないけどわかり合おうとするなかで、文体が更新されていった感覚があります。断片的ですけど、近藤芳美、玉城徹、佐藤佐太郎、この辺りの思想を教わったあとは、写実でもいろいろできるかもと思いました。

工夫ではなく信条になってしまいましたが、「伝わる人には伝わると信じて言葉を磨き続ける」と言ったところでしょうか。長井さんの工夫もお伺いしたいです!

Q2,短歌をつくるときのモチベーションなどあれば教えていただきたいです。(東京都 岡部颯馬さん)

A2,「いい歌を詠みたい」が基本的なモチベーションです。
自分にとっての「いい歌」は変化して来た感覚がありますね。歌を始めたばかりの頃は、選者に歌を選んでもらうことや上達を感じられることがモチベーションでした。1人の選者の一貫した価値観がどんなものか理解を深めて、受け入れられる部分とそうでない部分が見えて来たあたりから、自分で整理できるようになって来ました。
歌を始めて三ヶ月くらいの時ですが、月詠10首送った後に選者の桜井さんから「今月ちょっとつまらないので全部作り直してください」とハガキが届いて凹んだりしましたが、逆にこの一貫性は信用できると思いました。しくしく。


Q3,歌集についてですが、どのように考えて、歌をあの並びにしましたか。
また、連作を作るときの歌の並べ方があれば教えてください。(神ヤ飛ビ魚さん)

A3,歌集を通して読んだときにうっすらと時間の流れが感じられるように、その上で一首それぞれが最も良く見えるように並べています。長めの連作を統べるのに適した形式が分からなくてかなり試行錯誤しました。
歌集を作る前に「大きな窓のある部屋に」と「羽と風鈴」という二つの連作が手元にあって歌集のメインにしようと思ったのですが、元の「羽と風鈴」が100首近くあったので、分解して歌集の全体に配置しています。なので、全体の雰囲気は「羽と風鈴」で、テーマは「大きな窓のある部屋に」で冒頭に提示、というのが並びを決める大きな構造になってます。
連作の中の歌の並べ方も難しいですよね。「歌を並べる→歌がどう並びたがっているかを考える」を繰り返してベストを決めています。セオリーはあるんでしょうけど、気にしなくて良いと思います。

あとそうだ、歌集は先にコンセプトを決めていました。作品以外に装丁も考える必要があったので。下に装丁家の成原さんに送った最初メールの一部を載せますね。

ーーー
あとひとつだけ、"作品と装丁の調和"について補足です。
これは成原さんの表現の幅を狭めるのではなく、最終的に選択肢からひとつを選ぶときの判断基準のようなものですが、

「地続きの二面性」が歌集の底にあって、それは
古さー新しさ
都心ー地方
日常ー震災
のような対に見えるもののどちらに振り切るのではなく、何度も行き来しているところに現れていると思います。

抽象的で恐れ入りますが、心のすみに置いて頂けると幸いです!
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ここで書いたことが、歌の並びや装丁にも現れています。


Q4,連作の地の歌について質問です。嶋さんはどう考えて地の歌を入れていますか?
私は地の歌をつくるのも入れるのも苦手で、始めと終わりにはなんとかイントロやアウトロ的な歌を入れるのですが、中盤は完全にフィーリングで入れています。
他の方はどうやっているのか参考にさせていただきたいです。(第二灯台守さん)

A4,地の歌は平凡を恐れずにたくさん作るのがおすすめです。玉城徹が、歌の題材は平凡なものが良いけど一首のすみずみまで意識を透徹するべき、と言っていて影響を受けました。
地の歌の入れ方ですが、連作が一通りできた段階でしたら、連作にあった構成が見えてくるのでそこに合わせて選ぶのが良いと思います。ただ間を埋めるだけだと調和しないので、難しいですよね〜


<その他についての質問>
Q1,モーニングルーティーンがありましたら教えてください。(鹿児島県 西淳子さん)

A1,川を眺める。通勤で多摩川を渡るのでその日の川や河川敷の様子を見ています。雨が降った翌日は水位が上がって水の色も変わるのでおすすめです。釣りをされてる方をよく見かけますが、あれ、何が釣れるんだろう。

Q2,好きな寿司ネタはなんですか。(福岡 稲穂みのりさん)

A2,コハダが好きです。うっすら光る皮に青い点が並んでいて綺麗。コハダは子供の頃は食べたことがなくて東京ではじめて食べました。あと寿司じゃないんですけど寿司屋のあら汁と茶碗蒸しが好きです。好きな回転寿司チェーンは「銚子丸」。ぜひ「あら汁(大)189円」をご賞味ください。

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以上となります。皆様からのたくさんのご質問ありがとうございました。

歌会たかまがはら2022年3月号採用歌(2022年3月26日配信分)

2022年04月05日 | 歌会採用短歌
2022年3月26日に行いました歌会たかまがはら2022年3月号に短歌をご投稿いただいた皆様、また歌会の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

ここでは、当日採用した短歌、当日紹介できなかったけど気になった短歌、出演者の短歌をご紹介いたします。

なお、短歌の感想等は省かせていただきます。ご了承ください。


※投稿歌の取り扱いについて
ご投稿いただいた短歌についての取り扱いは以下の通りです。
・配信・ブログで紹介した投稿歌→既発表
・配信・ブログで紹介しなかった投稿歌→未発表
・既発表の投稿歌→配信・ブログで紹介したかしないかにかかわらず既発表
となります。


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お題:「習慣にしていること」
ゲスト:嶋稟太郎さん
司会:天野うずめ

<当日紹介した歌(順不同)>
◎嶋稟太郎さん選
・砕け散ることから始まるものがある 見たくてきょうのコーヒーを挽く(京都市 もゆきさん)

・寝る前にさやけき水道水を飲み夢のどこかで揺れる麦の穂(戸似田一郎さん)

・強風で運休してる湖西線まだ書けてない日記を埋める(涸れ井戸さん)

・悪いこと先良いことは後に書く日記の俺はハッピーエンド(涸れ井戸さん)

・お弁当と歌集を連れて昼休みわたしの内に王国が建つ(愛知県 岡田奈紀佐さん)


◎天野うずめ選
・ぼくたちは「大橋のぞみ 現在」で検索をしてしまう生き物(鹿児島県 西淳子さん)
→嶋稟太郎さんも選

・水筒に水道水を注いでいる入れすぎた分すこしこぼして(第二灯台守さん)
→嶋稟太郎さんも選

・20時に200リットル湯を溜めて2000秒後にすべて捨てます(東京都 岡部颯馬さん)


<当日紹介できなかったけど気になった歌>
◎嶋稟太郎さん選
・猫のようなシャワーを浴びるあったかくなったり急につめたくなったり(鹿児島県 西淳子さん)

・ドアノブと握手会する一言も喋らず握手会が終わる(鹿児島県 西淳子さん)

・おっぱいをひらがなでかくときいつもできるだけまるくやわらかくかく(鹿児島県 西淳子さん)
→天野うずめも選

・記録ではなくて小さな祈りです夜ごと日記をつけているのは(兵庫県 大池アザミさん)

・オリオンの三ツ星だけはすぐわかる今夜も見上げあるなと思う(兵庫県 大池アザミさん)

・左から靴下履いてみたけれどやっぱり脱いで右からにする(兵庫県 大池アザミさん)

・「お疲れ」と呟くことを電源に仕事終わりのバニラアイスを(兵庫県 大池アザミさん)

・なぜ人は罪を犯してしまうのか深夜だからか美味しいチョコよ(神ヤ飛ビ魚さん)

・掃除機に名前を付ける六本木ヒルズ号今活躍のとき(涸れ井戸さん)

・生活を立て直したり空白の日記埋めたり無理せずにやる(涸れ井戸さん)

・不可能なことも含めて一年の計をほぼ日手帳に綴る(涸れ井戸さん)

・恋ばなは夕焼けと一体化するオレンジ色のゲストハウスで(涸れ井戸さん)

・淮南子に知恵は禍福の門とありアホのふりしてヘラヘラしてる(涸れ井戸さん)

・台所寝室どこもぐちゃぐちゃで丸まってキンドルを読んでる(涸れ井戸さん)

・明日からの雪が不安で二十秒長くチンするミニハンバーグ(涸れ井戸さん)

・芥川賞を必ずチェックする読むかどうかは別の話だ(涸れ井戸さん)
→天野うずめも選

・後ろから刺されるかもと壁を背に漫画で読んだ護身術です(涸れ井戸さん)

・午前2時R-1ヨーグルトを飲む夜勤のための些細な儀式(涸れ井戸さん)

・夜を行く船を漕ぐため両の手にハンドクリームを塗り込んでいく(愛知県 岡田奈紀佐さん)

・牛乳をお風呂上がりに飲みながら夫と今日のことを分け合う(愛知県 岡田奈紀佐さん)

・吐く前に飲み込むことが上手くなり火種と毒が焦がす声帯(兵庫県神戸市 若杉有紀さん)

・中指に最小限の武器として仕込む重めのシルバーリング(兵庫県神戸市 若杉有紀さん)

・水筒にデカフェ紅茶を忍ばせて産んだ身体は生きていけるよ(石川県 塩本抄さん)

・妻と会ひ菓子の小袋細くして結ぶが習ひとなりにけるかも(高橋良さん)
→天野うずめも選


◎天野うずめ選
・アルバイト募集のチラシが貼ってありトイレで座ればそれを眺める(鹿児島県 西淳子さん)

・冷凍のまま焼売を加熱する何事も無かった夜勤明け(涸れ井戸さん)

・祭日も日曜も無い特養の介護士たちとラジオ体操(涸れ井戸さん)

・この春も懲りずにラジオ英会話テキストを買うハイテンションで(涸れ井戸さん)

・通院のたびに主治医が歯切れよくわたしの我慢強さを叱る(兵庫県神戸市 若杉有紀さん)


<出演者の短歌>
◎嶋稟太郎さんの歌
・プルタブを起こせば黒い穴が空くようなところがわたしにもある


◎天野うずめの歌
・ときどきは窓辺に猫がいる家を左に曲がっていくスギ薬局



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<反省会>
歌会たかまがはら2022年3月号へのご投稿いただいた皆様、そして、番組の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。
まずは、私の体調不良により、一週間配信を延期してしまい、配信を楽しみにお待ちいただいた皆様には大変申し訳ございませんでした。
急な体調不良ではありましたが、今後は万全の態勢で配信ができるように体調管理に努めてまいります。
さて、今回の配信はゲストに嶋稟太郎さんをお呼びいたしました。
嶋さんからいただいた評はいい点と気になる点をいただき、私もとても勉強になる点が多かったです。
ご多忙の中、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。
また、今回の投稿歌に限って、嶋稟太郎さんから評をいただけることになりました。
ご希望の方は嶋稟太郎さんのTwitterアカウント( @smrntr )へDMをお願いいたします。
それでは、今後も歌会たかまがはらをよろしくお願いいたします。
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