歌会たかまがはら

毎回お題に沿った短歌を募集してゲストの方とおしゃべりする短歌の番組です。
YouTubeで配信しています。

歌会たかまがはら3月号 藪内亮輔さんへの質問

2014年08月03日 | その他・連絡事項
お待たせしました。

ここでは、歌会たかまがはら3月号で皆様からいただきました藪内亮輔さんへの質問をご紹介いたします。

回答につきましては藪内亮輔さんからいただいたものをそのまま掲載させていただきます。

同じような質問はまとめて掲載させていただきました。

なお、答えに対するご不満等は一切受け付けませんので、ご了承ください。

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<番組内でお聞きした質問>
Q1 藪内さんが今回歌会たかまがはらに出演しようと思われたきっかけを教えてください。(奈良県 龍翔さん)

A1 深い考えはないのですが、木下龍也さんにゲストとして紹介していただけたので出演を決めました。

Q2 藪内さんが思う「凄すぎてお手上げ」と思った一首、もしくは歌人さんをおひとり教えてください。(埼玉 東郷カイさん)

A2 歌人の方はたくさんいらっしゃいます。
歌のほうですが、お題の「塔」にちなんだ歌の中では、
「愛をテレビで学んでテレビを捨てる 裸でよみがえる東京タワー(平岡直子さん)」
にお手上げです。

Q3 藪の字がうまく書けませんがコツはありますか(東京都 二玉号さん)

A3 「藪」自体はくさかんむりに「数」の正漢字を書くだけです。
左側を大きめに書き、右側を軽く書いたらうまく書けます。


<結社「塔」についての質問>
Q1 「塔」のメンバーの方でライバルは?(京都府 みなまさん)

A1 多いですが、たとえば大森静佳さんや千種創一さんなど。

Q2 「塔」アーカイブ、2013年10月号 座談会「結社にふたたび出会う」を非常におもしろく読ませていただきました。
あらためて、「塔」という結社名にはどのような意味が込められているのだろう、と思いましたので教えていただきたく思います。
高みに上れ、とか象牙の塔になるな、とか、遠くからでも目印となるような短歌のシンボルたれ、とか、勝手に想像が膨らみました。(岐阜県 太田宣子さん)

A2 分からなかったので搭サイトをみましたが、載っていませんでした。何かの特集号とか大辻さんの本とかで見た気もしますが、また調べておきます。塔創刊号とかみれば載ってますかね……。

Q3 塔の結束力について。何か象徴的なエピソードなどお願いします。(奈良県 村田馨さん)

A3 「河野裕子を偲ぶ会」「塔辞典」など、大きなイベントでもぽんと成功させちゃうところですかね。でも一番は、「塔の結束力」なんて言葉を、塔会員が誰も言わずに作業をこなすことでしょう。

Q4 結社「塔」のすべらない話はありますか(東京 のの(連歌の花道の子)さん)

A4 「塔」でググると、最初にwiki、次にタロットの「塔」(ネガティブな意味しか持たない唯一のカード)、次にバベルの塔(崩れてしまった…)が出てきて、次に結社「塔」のページが出てきます。不吉すぎる。


<短歌についての質問>
Q1 短歌以外のジャンルでもし興味がある表現ジャンルがあれば、お教えください。
また短歌関係以外で購読している雑誌があれば、お教えください。(東京都 柳本々々さん)

A1 詩やクラシックはすきです。現代詩手帖は三年ほど買い続けていました。漫画もメジャーな作品はそこそこ読んでます。

Q2 連作を組む際の注意点があれば教えてください。(宮城県 工藤吉生さん)

A2 まずはアイデア。しかし同時に、連作自体が自律的に(私を呆然とさせるくらいに)成長し、アイデアをはるか越えてゆかねばならない。連作にも性格があるし、天才的なのも、早熟なのも、ひたすら凡才なのも、後から見たら天才だったパターンも、嫌われ者もイケメンもいます、よね。

Q3 作歌のモチベーションとは、藪内さんにとってなんでしょうか?(理系の方、と伺うと、勝手に、定型の短歌は数学の公式のようなもので、決まると(解けると)同じ快感なのだろうかなどと思ってしまうのですが)(神奈川県 八月夏生さん)

A3 数学は、よりよい問題を作る(全体の中に配置する)学問です。解答はそれに自然についてくるだけのことで。短歌も同じでしょうね、よりよい〈問い〉をみつけること。それに、昔から何かを作るのが好きで。

Q3 某歌会で、冬でもCrocsを履いてらっしゃるという話をお聞きいたしましたが、本当でしょうか。
話題の発端は、歌会に出された作品
<川を見るやうな眼をしてクロックスを履いて真冬の駅に住む人>
(作者・荻原裕幸、題詠・駅)
です。
参加者のみつまさんによりますと、イメージが藪内さんである、いつもCROCSを履いてられるから、この歌は平常心ではとても読めなかった、ということでした。
すみません、失礼がありましたら、お許しください。(愛知県 尾崎弘子さん)

A3 昔はそうでしたが、今はビルケンシュトックです。もともと体温が他人より高いのですが、特に手足が昔から火照るので、普段はすあしでないとやっていけません。雪の日は靴を履くことが多いです。

Q4 いつか短歌をやめるかも、と考えることはありますか(新潟県 ユキノ進さん)

A4 ずっとずっと、思い続けています。考えることは少ないです。

Q5 尊敬している歌人や好きな歌を教えて下さい。(福岡県 上川雲世さん)

A5 小島ゆかりさんの〈秋晴れに子を負ふのみのみづからをふと笑ふそして心底わらふ〉が心底すき。

Q6 短歌をはじめたきっかけを教えてください。(北海道 琴平 葉一さん)

A6 短歌のきっかけは、大学一年の授業で和歌を学んだこと。マイクを使わない先生でした。はじめたきっかけは、現代詩サークルが無くて短歌サークルで妥協したこと。

Q7 連作『花と雨』にちなんで花ないし雨にかかわるお好きな短歌を教えてください。(北海道 琴平 葉一さん)

A7 ・抱くとき髪に湿りの残りいて美しかりし野の雨を言う(岡井隆)
   ・好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君(枡野浩一)
   ・花から葉葉からふたたび花へゆく眼の遊びこそ寂しかりけれ(岡井隆)
   ・夜半さめて見れば夜半さえしらじらと桜散りおりとどまらざらん(馬場あき子)。
(すべてGoogle調べです、すみません…。)

Q8 連作を作るときに意識していることを教えてください。(大阪府 虫武一俊さん)

A8 なにかを生き(=息)孵すこと、なにかを死なせることです。

Q9 多くの歌詠みが一度ははまると言われる故・笹井宏之さんとその作品について、どう評価されますでしょうか。(東京都 風野瑞人さん)

A9 そんなに今のひとははまらないとおもいますけど、誰より鎮魂的で、誰より音楽的で、何より「いえない」ということと短歌であるという正反対なことが不思議にぴんと釣り合って、その弦の響きに、胸が熱くなります。ここ二十年くらい(適当)ではいちばんすごいひとじゃないですか。あと、「故」とかいって彼に佐村河内的な物語を付与するのは、嫌いです。あのひとの凄さをほんとに分かってるんですか? 「一度ははまると言われるゆえ、笹井宏之…」という文だとしたら、いいんですが…。

Q10 好きな短歌を教えてください。(千葉 リオさん)

A10 み熊野の浦の浜木綿百重(ももへ)なす心は思へどただに会はぬかも(柿本人麻呂)下の句の韻律。

Q11 歌を詠む際に一番気をつけていることを教えてください。(東京都 住友秀夫さん)

A11 言葉を並べ始める瞬間に来る、細い気配の糸を逃さないこと。

Q12 今いちばん好きな短歌を教えてください。(滋賀県 嶋田さくらこさん)

A12 ゆきやめば傘をばさりと仕舞ふのみ死が来れば死と刺し違ふのみ(自分の歌)

Q13 ファンの立場で歌集を心待ちにしています。どんな第一歌集にしたいですか?(大阪府 牛隆佑さん)

A13 おお、日本に三人くらいしかいないと言われる藪内ファン! 迷いに迷ってますが、テーマは一つかなという気もします。装丁は『ローマで犬だった』みたいな長細い大きいそして歌が小さめにいっぱいみたいなのがいいですが、角川さんから出すことになりそうなので、ちょっと分かんないです。

Q14 藪内さんの同世代か、さらに若い世代の中で、短歌的に注目している方、および注目する理由を挙げて下さい。(滋賀県 西村湯呑さん)

A14 短絡的に注目してる方、に空目しました。幾らでもいますが、阿波野巧也は論作両方どんどんよくなりそうです。小林朗人は自分のスタイルを見つけてきたみたいで、もっともっと至純に研がれた歌になりそうでふるえます。井上法子さんの歌のかっこよさには惚れそうです、もう一皮むけたらやばいかも。短歌的に注目すると、〈雪にのる雪にのる雪にのる雪、阿波野巧也は巧くなるかも〉〈窓を拭くひとがだんだん窓を研ぐひとへと見えてきたなら光れ〉〈永遠に光らない火を持ちながらかっこいいからかっこいいんだ〉とかですかね。

Q15 最近、何か実生活において心動かされたこと、「ぜひこれを歌にしなければ」と感じた出来事はありますか?(東京都 倉野いちさん)

A15 口づけのとき歯のあたる音、とか。

Q16 薮内さんの歌のもとはなんでしょう。
なにをされているときに歌ができやすいでしょうか。
また選歌をされるときに気をつけておられることはありますか。(兵庫県 月下  桜さん)

A16 言ってしまえば陳腐ですが、悲しみの極点としての「どうしようもなさ」でしょうか。雪みたいに、短歌もゴミから作れたらいいのになあとよく思います。/机でパソコンに向かっているとき。/勇気と、再読ビリティ(時間を経てから読むと、実は非常に良い歌だとわかる歌)をじっと嗅ぎ付けること。黒瀬珂瀾さんの選歌を尊敬しています。

Q17 短歌を作る時と読む時、それぞれ一番大切にしていることは何ですか?(大阪府 泳二さん)

A17結果的に自分が好きで、やりたいことをやること。/積極的にウケてテクストの可能性を広げること、一度広い地平において見てみること、パクること。


<その他に関する質問>
Q1 好きな小説家を教えてください。(山口県 木下龍也さん)

A1 ナボコフにおける極限の自然描写美。少年時代には江戸川乱歩の少年探偵シリーズを愛読していました。

Q2 籔内さんが髭を伸ばされたきっかを教えてください。(茨城県 菊地 うららさん)

A2 面倒だから。昔から父が伸ばしているから。

Q3 外出時、公共の場のトイレに行くことも多いと思うんですが(私もそうです)
おすすめのトイレスポットがあれば教えてください。(大阪府 虫武一俊さん)

A3 自分の移動圏内なら言えますが……、京大の化学棟とか、三条のカプリチョーザとか…。知らないトイレにいくたびに、トイレの点数をよく付けます。

Q4 「愛は愛を殺す」と知った後にも愛はあるものでしょうか(東京都 山西木々さん)

A4 教えて欲しいくらいです、笑 しかしひとついえるのは、殺した愛も、殺された愛の残滓も、まごうことなき愛だということでしょう。

Q5 好きなヘビは何ヘビですか?(大阪府 じゃこさん)

A5 カナヘビ。

Q6 雀と鵙はどちらが好きですか?(奈良県 たたさん)

A6 ゆうて鵙見たこと無いのでスズメです

Q7 現在のお腹の調子はどうでしょうか。(北海道 松木秀さん)

A7 最悪に近い悪い、です。

Q8 ワンちゃんと一緒に暮らしてらっしゃるとお聞きしたのですが犬種、お名前、性格など教えてください。
できればワンちゃん愛も語っていただきたいです。(大阪府 ワンコ山田さん)

A8 黒レトとミニダックスです。名前は7とミヒャエルエンデです。それは嘘ですが、穏やかで臆病な性格です。犬はあざと可愛いです。上目遣いとか。

Q9 だんだんと春めいてきましたね。熱燗が美味しいシーズンもそろそろ終わりでしょうか。近頃はどんなお酒を召し上がっていますか?(東京都 倉野いちさん)

A9 熱燗いいですよね。でもこの頃はやっぱりビールでしょうか。料理しながら飲みます。またよかったら飲みましょう!

Q10 よくおなか壊していますが、大丈夫ですか?(東京都 倉野いちさん)

A10 あまり大丈夫ではないですね、ストレスとピロリ菌を抹殺するその日まで……。

Q11 やぶーちファンとして、これからもご活躍を楽しみにしています。応援しております。おなかお大事に…。(東京都 倉野いちさん)

A11 ありがとうございます、そうおっしゃってくださる方をいつもおもいながら、活動しています。。

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以上となります。皆様からのたくさんのご質問ありがとうございました。