歌会たかまがはら

毎回お題に沿った短歌を募集してゲストの方とおしゃべりする短歌の番組です。
YouTubeで配信しています。

歌会たかまがはら2023年12月号 北虎あきらさんへの質問

2023年12月29日 | その他・連絡事項
ここでは、2022年12月16日配信の歌会たかまがはら2023年12月号で皆様からいただきました北虎あきらさんへの質問をご紹介いたします。

回答につきましては北虎あきらさんからいただいたものをそのまま掲載しております。

なお、北虎あきらさんの回答に対する質問は受け付けておりませんので、あらかじめ、ご了承ください。

**********************************************************************************
<配信内でお聞きした質問>
Q1,歌の評をする際に重視している点はなんですか(北海道 草間凡平さん)

A1,自分の下した評価に根拠をもち、責任を負うこと。自分語りではなくテキストの話をすること。わたしたちには歌を読んだ際の感慨が先にあってそれを他者と共有するために無理やり筋の通る文章にしている、という前提を保つこと。


<短歌についての質問>
Q1,どうやって短歌を作っていますか?(香川県 中西一聖さん)

A1,夕方くらくなってきた頃や夜の深いあたりに、日常生活で得たフレーズや既存の歌から、膨らませつつパソコンでつくることが多いです。手書きやスマホでは殆どできません。フラットなまま少しダウナーになっている状態、-5から、世の0に目を向けてプラスに感じたり、-10がことさら重たく見えるようなときを歌にしたがる傾向にあります。薄暗くってほの明るい。

<その他の質問>
Q1,まだ食べたことがないものを教えてください(神奈川県 斎藤見咲子さん)

A1,"もの"となると難しいですね、形式名詞ではありますが"○○料理"とか"ラーメン"みたいな括りより食材っぽい。でも素材そのものではなく加工食品のような……せっかくなら食べてみたいものを答えたいし……"きりたんぽ"かなあ。

Q2,好きな骨の部位はありますか。(鹿児島県 西淳子さん)

A2,骨のこと、部位っていうんだ……下前腸骨棘です。

Q3,最近あった『ちょっといいこと』お聞かせください!(大阪府 森さん)

A3,昨夜の忘年会終わり、べろべろになった同僚に明け方の深い大江戸線ホームで始発を待ちながらポカリスエットを買って手渡すと「いや、大丈夫っすよ、そんなじゃないんで」と受け取ろうとしなかったが手に持ったボトルを数分後にはぼろぼろ取りこぼして「そんなでしたね……」と苦笑いされたこと。


**********************************************************************************

以上となります。皆様からのたくさんのご質問ありがとうございました。

歌会たかまがはら2023年12月号採用歌(2023年12月16日配信分)

2023年12月29日 | 歌会採用短歌
2023年12月16日に行いました歌会たかまがはら2023年12月号に短歌をご投稿いただいた皆様、また歌会の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

ここでは、当日採用した短歌、当日紹介できなかったけど気になった短歌、出演者の短歌をご紹介いたします。

なお、採用歌への評については省略いたします。ご了承ください。


※投稿歌の取り扱いについて
ご投稿いただいた短歌についての取り扱いは
・配信・ブログで紹介した投稿歌→既発表
・配信・ブログで紹介しなかった投稿歌→未発表
・既発表の投稿歌→配信・ブログで紹介したかしないかにかかわらず既発表
となります。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

お題:「骨」※テーマ詠(お題を詠み込まなくてもかまいません)
ゲスト:北虎あきらさん
司会:天野うずめ

<当日紹介した歌(順不同)>
◎北虎あきらさん選
・抱きしめたきみの背骨を指先でなぞる 異国の楽器みたいだ(兵庫県 若杉有紀さん)
→天野うずめも選

・喉仏in theあぐらのおれin the近所のどちゃくそ熱いサウナよ!(神奈川県 田尾結希さん)

・動物の骨が転がる砂漠へと行くように行くイオンモールに(北海道 松木 秀さん)
→天野うずめも選

・しっとりと博物館に横たわるサウルス、冬の木の色をして(兵庫県 石村まいさん)


◎天野うずめ選
・細い手を握り返して(燃やすまで想像上の骨だ)あなたは(兵庫県 若杉有紀さん)
→北虎あきらさんも選

・骨折をしたことがない 骨折の話ができる仲間がいない(茨城県 茂呂直人さん)
→北虎あきらさんも選


<当日紹介できなかったけど気になった歌>
◎北虎あきらさん選
・灯りゆく窓にからだを透かされて魚(うを)の骨へと至るビル街(北海道 草間凡平さん)
→天野うずめも選

・靴紐を結わえる刹那きみの持つ背骨すべてがつくる曲線(兵庫県 若杉有紀さん)
→天野うずめも選

・ていねいに魚の骨を摘むきみも人を憎めば殴るだろうか(兵庫県 若杉有紀さん)

・神様の鎖骨みたいな水たまり僕らはときどきアメンボになる(鹿児島県 西淳子さん)

・地獄にもワンちゃんはいて、きっと俺の骨も甘噛みしてくれるだろう(鹿児島県 西淳子さん)

・言えないことってあるよな 「貴方が好き」だとか、骨粗鬆症だとか(香川県 中西一聖さん)

・どの夕べからまちがえた家族だろう姉のお皿の骨だけきれい(兵庫県 石村まいさん)

・強欲はよいことだから手羽先をたべつくすたび甘辛いゆび(兵庫県 石村まいさん)

・地球儀の青をなぞりて願うのは晴天の日の我の水葬(大阪府 古城えつさん)

・親戚に有名人がいたことを初めて知った火葬場の畳(大阪府 古城えつさん)



◎天野うずめ選
・僕だって晴雨兼用だし、骨もあるし、こんなにオシャレなのだが(鹿児島県 西淳子さん)

・きみどりの小鉢のなかで水晶のようにきらめくサメの軟骨(神奈川県 田尾結希さん)

・焼き上がる魚に骨が残ってて生きてたねってわかる おいしい(神奈川県 斎藤見咲子さん)

・夜が更けた 骨が折れた 彼が笑った そういう日がしたかった (香川県 中西一聖さん)

・私が死んだら骨は渋谷にばらまいてよ 海なんかじゃなくてさ(香川県 中西一聖さん)



<出演者の短歌>
◎北虎あきらさんの歌
・剥き出しの骨と魂だけみたい光円錐に歌うあなたは


◎天野うずめの歌
・骨があることに恐れを感じつつ撫でてる 猫の小さな額を


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
<反省会>
歌会たかまがはら2023年12月号へのご投稿いただいた皆様、番組の配信をご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。
今回はゲストに北虎あきらさんをお招きいたしました。
配信でも話題にあがりましたが、北虎さんとは2014年に大阪短歌チョップという短歌イベントでお会いして以来、9年ぶりにお話しをさせていただきました。
北虎さんは大阪短歌チョップでお会いしたときから「歌会たかまがはらに出演したい」とおっしゃっていたとのことで、満を持してのご出演となりました。
そんなこともあり、僕もびっくりするほどの熱量でお話をされていて、歌会たかまがはらを続けてきてよかったなと感じました。
北虎さん、ご出演いただきありがとうございました。
さて、2023年も歌会たかまがはらへのご投稿、配信のご視聴をいただきありがとうございました。
2024年もたくさんのゲストの方をお招きして、たくさんの歌を紹介してまいりたいと思います。
それでは、今後も歌会たかまがはらをよろしくお願いいたします。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/