歌会たかまがはら

毎回お題に沿った短歌を募集してゲストの方とおしゃべりする短歌の番組です。
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歌会たかまがはら9月号 土岐友浩さんへの質問

2015年09月22日 | その他・連絡事項
お待たせしました。

ここでは、歌会たかまがはら9月号で皆様からいただきました土岐友浩さんへの質問をご紹介いたします。

回答につきましては土岐友浩さんからいただいたものをそのまま掲載させていただきます。

同じような質問はまとめて掲載させていただきます。

なお、答えに対するご不満等は一切受け付けません。あらかじめ、ご了承ください。

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<番組中にお聞きした質問>
Q1 Bootlegの表紙はどのように決められたのでしょうか? あの歌集っぽくない表紙にはどのような気持ちが込められているのでしょうか?(小田島了さん)

A1 自分がつくりたい歌集をイメージしたときに浮かんだのが、黒瀬珂瀾さんの『黒耀宮』や中島裕介さんの『Starving Stargazer』で、それを踏まえてどんな装画にするか、スズキユカ先生と打ち合わせをして少しずつ決めていきました。なので僕としては、これはこれで歌集らしいんじゃないかと思っています!


Q2 Bootlegにおいて「wish bone」や「blue blood」などの連作は一首あたりの独立性が強いと感じたのですが、それらの短歌を連作として構成する上で意識されたことを教えてください(小田島了さん)

A2 連作は、散歩をしているイメージでつくります。どこへ出かけて、なにをしたか。wish boneはクリスマスの準備をしに買いものに出かけているところ、blue bloodは新しい町に来たばかりで、とりあえずあちこち歩きまわっている、というのを意識して構成しました。

<歌集『Bootleg』についての質問。
Q1 『Bootleg』、読ませていただきました。ありがとうございました。
歌壇賞の候補作となられたWALK ALONEの、3首が、本の方には載せられておりませんでした。
私なりに、どのような土岐さんの思考だったり、世界観で、そのような選択になったんだろうと、勝手に想像させていただいたりして、おもしろい時間を過ごさせていただきました。
でも、「西友はもう跡形もなくなって海へ向かうか考えなおす」について、一瞬の葛藤というか逡巡によって、一連に立ち止まりによる厚みを付与するかもしれない、この一首を外してしまうんだーと考えてしまいました。
どの歌を載せて、どの歌を載せないと決めるものなのか、土岐さんにどんなものさしがあったのか、伺ってみたいです!
また、唐突に、しかし、その空気にぴったりと、お花が登場する歌が印象に残りました。その中でも、「あざやかな記憶のしかし桜草死を看取ったらあとは泣かない」の一首の「しかし」、なんてかっこいい!
歌集全体もとても素晴らしく、順接によるニュアンスの差異など、学ぶところが多くありました。
ありがとうございました。(岐阜県 太田宣子さん)

A1 ご感想、ありがとうございます! 今回歌集をまとめるときに、見開きにうまく収まるようにしたかったので、連作の歌数を10首、14首、18首、22首、26首のどれかということで統一しました。そのために歌を削ったりして、いくつかの連作をつくり直しました。ものさし、というか、監修の東直子さんのご意見なしにはとてもこの歌集は完成しなかったので感謝しきりです。本当に桜草の歌は、思い入れがあるので取り上げてくださってとても嬉しいです。

Q2 しばらく前、歌集を頂くことができ本当に感謝しております。いつも拝読させて頂いてます。そこで、歌集を出したことで何か変わったことや、ここには力を入れた、という部分、一首などがありましたら是非お聞かせ頂けますでしょうか。(宮城県 風橋 平さん)

A2 お読みくださりありがとうございます。歌集を上梓してよかったことは100個くらいあります。いちばんよかったのは、新鋭短歌シリーズの著者のみなさんと知り合えたことでしょうか。力を入れたのは…、うーん、巻頭歌をどうするかはかなり最後のほうまで悩みました。


<短歌についての質問>
Q1 ポエムノートはお持ちですか?(水色水玉さん)

A1 無印良品の文庫本ノートを長いこと愛用しています。

Q2 感情の描写を抑えて、風景や植物などを写生的に詠まれるときとくに意識されていることはありますか?(小田島了さん)

A2 というよりも、風景や植物の魅力をありのままに描き出したいと思ったら自分の感情のほうが邪魔になってくるなーと思うことはよくあります。「嬉しそうに咲いている」とかそういう表現はやっぱり使えないな、とか。

Q3 短歌を作るうえで自分の「文体」を意識されていますか?(小田島了さん)

A3 僕が意識しているのは、57577の31音をできるだけ守る、でもときどき崩す、というバランスです。定型を崩すというのは一種の技なので、ここぞというタイミングで使うのがいいんじゃないかと思っています。

Q4 自分の死後ずっと経ったあとに一首だけ自分の短歌を残せるとしたら、どの短歌を選びますか?(小田島了さん)

A4 こんな短歌ができたらいいな、という理想の一首のイメージがあるのですが、まだその歌はかたちになっていません。それまでは生きなくては。

Q5 震災の前後で自分の短歌は変化したと思いますか?(小田島了さん)

A5 変わりました。

Q6 最近気になっている歌人、好きな歌人(兵庫 褐来子さん)

A6 最近気になっているのは塔短歌会・「羽根と根」同人の阿波野巧也さんです。月イチくらいで一緒に歌会をするのですが、歌も評も切れ味が鋭くて勉強になります。好きな歌人は吉井勇です。

Q7 土岐さんが短歌をはじめたきっかけを教えてください(兵庫県 飯田和馬さん)

A7 大学一回生のとき、大塚英志さんの著作に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』の作品が紹介されていて、この本、面白そうだなと思って買いに行ったのが短歌に興味を持ったきっかけです。そのあと京大短歌に入って本格的に短歌をつくり始めました。

Q8 土岐さんの大ファンです。
土岐さんは精神科のお医者様とお聞きしましたが、お仕事が短歌に与える影響、また逆に短歌にお仕事が与える影響について伺いたいです。宜しくお願いします。これからも短歌を読ませてください。期待しております。ご自愛を。(福島県 安野文麿さん)

A8 いやいや、おそれ多いです。ありがとうございます。精神医学というのは「言葉」だな、と思っています。目には見えないものを表現するという学問的な意味でもそうだし、治療の架け橋として「言葉」がかならず必要になります。短歌と精神医学でそれぞれ学んだことを、どうにか両方の分野に活かせれば、と思っているのですが、これがなかなか…

Q9 ゆっくりと時は流れているけれどなにもできそうにない雨の日
のような一日です。私はこの歌が大好きです。土岐さんはこんな日でも短歌が作れますか。(奈良県 村田馨さん)

A9 ありがとうございます。京都はほんとうに雨が多いですね。この歌なんですが、梅雨の日で下宿にいて短歌もできなくて、というそのままの状況がありまして、なにもできないなーと思っていたら、そうだなにもできないという気持ちを詠もう、と意識したわけじゃないんですが、そういう歌が自然にできました。

Q10 閑話休題、土岐さんは「塔」に入らないのですか。(奈良県 村田馨さん)

A10 京大短歌の先輩方は塔に入っていらっしゃる方も多かったですが、僕は口語短歌がやりたかったので、塔はあまり合わないだろうなというのが正直なところでした。でも最近は塔も口語短歌増えていますよね。

Q11 短歌はどういうとき、どういう場所で考えることが多いですか?
特に浮かびやすい時間帯や状況などありますか?(埼玉県 えんどうけいこさん)

A11 僕の場合はいろいろで、ぶらぶら歩いたり、どこかに座ってじっと考えたりしてつくります。夜よりもお昼のほうが歌ができやすいです。

Q12 土岐さんのお名前をはじめて見たのは「短歌ヴァーサス」での歌葉新人賞の候補作だったのですが、その時分と今とで短歌のシーンとして「変わったなあ」と思うところはありますか。(大阪府 牛隆佑さん)

A12 いま調べたら短歌ヴァーサスってもう十年以上前なんですね…。信じられません。この十年の変化で、僕がいちばん驚いているのが学生短歌会の盛り上がりです。全国学生短歌会めぐりをしたいです。

Q13 絶対にすべらないきょうたんの話をよろしくお願いします。(大阪府 牛隆佑さん)

A13 わかりました。では配信で(笑)。
※配信でお聞きできませんでしたので、土岐さん本人にお聞きください。(うずめ)

Q14 土岐さんは小浜から京都に戻ってこられましたが、自作の歌が変わった風に感じますか?(香川県 大木はちさん)

A14 できるだけそのときそこにあるものをそのまま読もう、そうしたら心境の変化が自然に現れるんじゃないか、と思っています。小浜で印象に残っているのは、山奥にあるお寺とか仏像の静かさとかそこに流れる時間、みたいなもので、寺社の見方が変わったと思います。

Q15 同人誌を編集するときに気にしていることはありますか?(香川県 大木はちさん)

A15 自分が「面白い!」と信じるものを全力で表現することです。あと僕の場合は本文が読みやすいように、できるだけ読書の邪魔にならないように気をつけて編集しています。



<その他についての質問>
Q1 短歌以外の得意な趣味などありましたら教えてください。(水色水玉さん)

A1 趣味は将棋観戦です。特技は…やりたいことはいろいろあるんですがなかなか取り組めておりません。

Q2 好きな作家(歌人ではなく)を教えてください。その理由。

A2 作家ではありませんが團伊玖磨先生のエッセイの愛読者です。音楽へのひたむきな情熱に胸を打たれます。いつか八丈島に行きたいです。あと中学生から高校生くらいのときはミステリをずいぶん読みました。島田荘司先生の御手洗潔シリーズが大好きでした。

Q3 好きな棋士はどなたですか?(奈良県橿原市 たたさん)

A3 はい、よくぞ訊いてくれました(笑)。将棋に興味を持ったきっかけが「ハチワンダイバー」なので鈴木大介八段、一度オンラインで駒落ち対局してくださったことがある橋本崇載八段、出身地が同じなので豊島将之七段、挙げればキリがありません。女流だと上田初美さんを応援しています。もちろん里見香奈さんが新四段になれるかどうか、ものすごく注目しています。



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以上となります。皆様からのたくさんのご質問ありがとうございました。

歌会たかまがはら4月号 吉田竜宇さんへの質問

2015年09月22日 | その他・連絡事項
お待たせしました。

ここでは、歌会たかまがはら4月号で皆様からいただきました吉田竜宇さんへの質問をご紹介いたします。

回答につきましては吉田竜宇さんからいただいたものをそのまま掲載させていただきます。

同じような質問はまとめて掲載させていただきます。

なお、答えに対するご不満等は一切受け付けません。あらかじめ、ご了承ください。

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<短歌についての質問>
Q1 前に、「日本の国のアリス」を読ませていただいたのを思い出しました。
海、夏、野、涅槃図、といった場所のイメージの異化がかっこよくて、どきっとして、とても印象に残っていました。
吉田さんの最近の作品を読ませていただけるところは、どこがありますか?(岐阜県 太田宣子さん)

A1 短歌研究5月号 神楽岡歌会百回記念誌

Q2 「戦争がしたい 広場の噴水に誰かが靴を落としていった」という歌について、発表された当時「不謹慎だ。けしからん。」というような批判はありましたか?
また、そのような批判についてどのように思われましたか?(大阪府 牛隆佑さん)

A2 読める範囲で批判はされなかった 


<その他についての質問>
Q1 神戸牛と松阪牛、どっちが好きですか?(愛知県 東 恭子さん)

A1 神戸牛

Q2 今後の活動、抱負など。(奈良県奈良市 村田馨さん)

A2 俳句

Q3 ライバルはいますか。いたら誰ですか。(奈良県 三潴忠典(たた)さん)

A3 関西前衛の頃の俳人

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以上となります。皆様からのたくさんのご質問ありがとうございました。