乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『疱瘡心得草』7 06裏:挿絵 07表:本文 志水軒朱蘭 述 

2020年07月04日 | 疫病:疱瘡心得草 他






    『疱瘡心得草』7 06裏:挿絵 07表:本文 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26



 
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 『疱瘡心得草』
疱瘡-2jpg
国立国会図書館所蔵
06裏  右

ハ干肴(ひざかな)にても乳(ち)のみ子(ご)なれバ、母(はゝ)子(こ)ともに無用(むよう)なり、

其外(そのほか)くさきもの、かしき物(もの)、果実(このみ)、生冷(なまひへ)のもの、何(いづ)れも

いみきろふべし、世間(せけん)疱瘡神(ほうさうがみ)の すきのものふど言ふて

くわせ、おゝきにしぞこのふ事(こと)まて多(おゝ)し



  疱さう人(にん)の居間(いま)へ 忌(いむ)心得(こゝろへ)の事

痘人(とうにん)の居(い)る間(ま)へつゐに見(み)なれぬ人(ひと)、出入(でいり)し声高(こゑだか)に

ものを、言(ゆ)ひて痘人(とうにん)を驚(おどろ)かすべからず、又 にほいの気(き)

をいむべし、懐中(くわいちう)のにほひ袋(ふくろ)、梅花香油(ばいくわ かうのあぶら)成人(おとな)の

痘人(とうにん)なしば、房事(ほうじ)をかたく慎(つつしむ)べし、脇気(わきが)ある人(ひと)出入(でいり)を忌(む)

出家(しゆけ)、比丘尼(びくに)出入をいむ、雪隠(せつゐん)のにほひ、又 女の月(つき)のさ


かしき物   (学研 古語辞典)
 かしづ・く 【傅く】
 ①大事に育てる。
 出典堤中納言 虫めづる姫君
 「親たちかしづきたまふことかぎりなし」[訳] 親たちが大事に育てなさることは、ひととおりではない。
 ②大事に面倒を見る。後見する。大切に扱う。
 出典源氏物語 東屋
 「我は命を譲りてかしづきて」[訳] 自分は命を捨てるつもりで大切に扱って。

すきのものふど言ふて
 好きのもの程言うて

しぞこのふ
 しぞこなう(やり損なう)



疱瘡-2jpg
国立国会図書館所蔵
07表 左

(女の月(つき)のさ)
わりをいむ、髪(かみ)の毛(け)、火に入やけぬやうに、心得(こゝろへ)べし 病(や)み

始(はじめ)より一間より外へ連れ出づべからず、小児(せうに)などハよく

くせに成る物ゆへ、其心得(そのこゝろへ)、第一なり、痘(いも)ハものにあやかり

やすきものゆへに、紅絹(あかきぬ)を屏風(びょうぶ)にかけ置(お)くべし、又 時節(じせつ)の

寒暖(かんだん)に随(したが)ひ、衣裳程(いしやうほど)よくあたゝめすごして、汗(あせ)を出す
べからず



  序病(ほとおり・じよやみ) 三日の間(あいだ)吉悪(よしあし)の心得の事

外感(さむけ)によつておこれば、水ばな、せき、出るものなり、或(あるひ)は

食(しよく)もときの熱(ねつ)よりおこり、又ハ、驚(おどろ)く事ありて、序熱(ほとおり)と

なる、然(しか)るに序病(ほとおり)の熱、激(はげ)しきもの かへつて痘(いも)多く




序病(ほとおり)    (大辞林)
ほとおり ほとほり 【熱▽り】〔動詞「熱(ほとお)る」の連用形から〕
 ①熱気。また,体の熱。 「火を放(つ)けて室を焚(や)く。…次に-を避る時に/日本書紀 神代下訓」
 ②「 ほとぼり① 」に同じ。 「早玉の緒も切れ果てて…-ばかりにて/浄瑠璃・御所桜」
 ③「 ほとぼり② 」に同じ。 「泰衡退治の奥州御陣,-さめぬ武士共馬印旗印/浄瑠璃・扇八景」
いきり 【熱▽り】
 「 いきれ(熱) 」に同じ。 「光秀は太刀の-を冷(さま)さんと/浄瑠璃・太功記」
ほ てり [3] 【火照り・熱▽り】
 ①熱気や怒り・恥ずかしさで顔が赤くなること。 「顔の-」
 ②夕焼けで空が赤く色づくこと。 「山の端に-せぬ夜は/新撰六帖 3」
ほとぼり [0] 【熱▽り】
 ①まだ残っている熱。余熱。ほとおり。 「山々も,日中の-を返してゐるのであらう/偸盗 竜之介」
 ②高まった感情が尾を引いて残っていること。ほとおり。 「感激の-が未ださめやらぬ」
 ③事件などに対する世人の関心。 「 -がさめるまで姿を隠す」
ほとり [3] 【熱▽り】 〔動詞「熱(ほと)る」の連用形から〕
 熱くなること。熱気をおびること。熱さ。 「 -ヲサマス/ヘボン」


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『疱瘡心得草』6 05裏:挿絵 06表:本文 志水軒朱蘭 述

2020年07月04日 | 疫病:疱瘡心得草 他




    『疱瘡心得草』6 05裏:挿絵 06表:本文 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26




 
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 『疱瘡心得草』
疱瘡2-1
国立国会図書館所蔵
05裏  右

高(たか)き棚(たな)などに祭(まつ)るべからず、疱瘡病人(ほうさうにん)の喰(く)ひて

わるき品(しな)を神へ備(そな)ふべからず、神の燈明(とうみやう)ハ昼夜(ちうや)燈(とも)

し置(おく)べし、神おくりハ 十五日にさゝ湯(ゆ)して送(おく)るなり

神いませば、油断(ゆだん)する事なし、世間(せけん)に 十二日に神を

送(おく)るハ誤(あやま)りなり、神送(おく)りして後(のち)に変(へん)にあふもの多(おゝ)

し、出そろひより、十二日にして、序病(じよやみ)ゟ十五日めなり

  肌着(はだぎ)の袖(そで)を長(なが)くする心得(こゝろへ)の事

袖長(そでなが)とは、両手(りやうて)をのべて、三寸ばかりも指先(ゆびさき)より長(なが)く

ゆつたりとすべし、袖口(そでぐち)を細(ほそ)くすべからず、手(て)の出(だ)し入(いれ)

ゆるきを要(よう)とす もし痘病人(ほうさうにん)眠(ねむ)る時ハその袖の

疱瘡2-1
国立国会図書館所蔵

06表 左
先ひもにてくゝりおくべし、我しらずに つむり、又かほに

手をあげて掻事(かくこと)あるものなり、又ひとへの紅木綿(べにもめん)を

頭(つむり)に着(き)せ置くべし、水(みづ)もりの頃(ころ)に、ぜひ礙(さわ)るものなり、此

袖長(そでなが)にて防(ふせ)ぐべし、又水(みづ)もりより、両足(そく)のあわひに木(も)

綿(めん)のひとへ襦(じゆ)ばんにても、へだてに挟(はさみ)て、足(あし)の爪先(つまさき)にて

足(あし)と足(あし)と両方(りやうほう)すりて、掻(かき)破(やぶ)らぬやうに 用心(ようじん)に気(き)を

付(つく)べし、かならず手(て)ばかりの気遣(きづか)ひして、足(あし)にはこゝろ

つかぬものなり

  疱瘡前後(ほうさうぜんご)禁食(どくいみ)の品(しな) 心得(こゝろへ)の事
酢(す) 酒(さけ) 麺類(めんるい) 餅類(もちるい) 惣(そう)じて油気(あぶらけ)の類(るい)、食事(しょくじ)に魚類(ごよるい)





さゝ湯(ゆ)  (大辞林)
 ささ ゆ 【笹▼湯・酒▽湯】
 ① 巫女(みこ)が口寄せをする際、熱湯に笹の葉を浸して、自分の身にふりかけ祈禱(きとう)すること。ささばたき。
 ② 〔米のとぎ汁に酒(ささ)を加えるからとも、笹の葉を浸してふりかけるからともいう〕
  小児の疱瘡(ほうそう)が治ったときにふりかける湯。さかゆ。


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『疱瘡心得草』5 04裏:挿絵 05表:本文 志水軒朱蘭 述

2020年07月04日 | 疫病:疱瘡心得草 他






    『疱瘡心得草』5 04裏:挿絵 05表:本文 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述 
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26




 
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 『疱瘡心得草』
疱瘡 5
国立国会図書館所蔵
04裏:挿絵




   紅(べに)乃花(はな)を作(つく)る

                   躰(てい)






漢方薬としての紅花   (生薬解説 http://www.hal.msn.to/kankaisetu/chuyaku037.html)
 赤花 Carthamus tinctorius L.【別名】…ベニバナ、ホンファ
 薬膳の素材としても知られる紅花は、血液の流れを改善する活血化瘀作用があるため、瘀血(血行不良)による高血圧や狭心症、動脈硬化、脳梗塞などの心血管系の疾患をはじめ、月経痛や月経不順などの婦人病、打撲や外傷などにも用いられている植物生薬です。

 優れた活血化瘀作用で血行障害による諸症状を改善
 紅花の性質は、体を温める作用のある温性で、滞った血行をスムーズにする活血化症作用に優れており、特に「心」と「肝」の症状に効果的です。
 臨床応用としては、各種の瘀血阻滞による疾患及び血行不良の諸症状に幅広く使われています。高血圧や狭心症をはじめ、静脈血栓症、静脈瘤、脳梗塞、高脂血症、動脈硬化、糖尿病による壊疽などには、丹参、川芎、芍薬などと併用されることが多く、代表的な中成薬に血液をサラサラにする「冠元穎粒」や「血府逐瘀丸」などがあります。
 また、血行不良による月経痛や無月経、月経不順、不妊症、更年期障害などの婦人病にも効果的で、当帰、川芎、牡丹皮などの生薬と配合して使用されます。こうした婦人病に用いられる主な漢方薬に、「芎帰調血飲第一加減」や「折衝飲」、「通導散」などがあります。
 瘀血(血行不良)の原因には、血液が不足することによる「血虚」と、血液循環を促進させる気(エネルギー)が不足した「気虚」、ストレスなどによって気の流れが停滞した「気滞」などがありますが、婦人病の場合は、不足した血液を養う作用がある「当帰養血精」と併用すると、さらに効果的です。
 他に紅花には消炎・鎮痛作用もあるため、打撲や外傷、やけど、腫れ物などにも用いられています。この場合は、蒼朮や連翅、大黄などと併用するのが一般的です。代表的な処方に「治頭瘡一方」などがあります。

 紅花は腫れ物にも効果があるようなので、疱瘡にも用いられたのだろうか、
 また、前回の挿絵の「小町紅」では紅花が用いられたという。随分体い良いとされる紅花を使われていたことになる。



疱瘡 5
国立国会図書館所蔵
05表 左

紙燭(しそく)を病者(びやうしゃ)の目じり、耳(ミゝ)のあたりゟすかしてらし

見れバ、皮(かわ)ひとへ下にむら/\として見ゆる内に、粒(つぶ)の

点(てん)をむすびかけたる有(あり)、たゞ むらつきてのみ 有(ある)も有り

肌色血の色に気をつけ見るべし、尤(もつとも)手足(てあし)ともに

くわしくみるべし、大概(たいがい)はあらハるゝもの 其上(そのうへ)上手(じやうず)の

醫者(いしや)へ相談(さうだん)あるべきなり


 神祭(かみまつ)りの心得(こゝろへ)の事

痘(いも)の神(かみ)を祭(まつ)るは穢(けが)れを避(さく)る為なり 痘病人(ほうさうにん)の

居間(いま)は随分(ずいぶん)清(きよ)くすべし、其間(そのま)に神を安置(あんち)す、何(いづ)
れの間(ま)にても、勝手(かつて)の宜(よろ)しき所に机(つくへ)を置(おき)て祭るべし
 




神祭(かみまつ)り
 神を祭ること。祭り。(大辞林)
 神を祭る儀式。特に、神道の方式で行う祭り。(大辞泉)
 神道の法式によって行う祭礼。(大辞林 第三版)
神祭(かみまつり、かんまつり)
 かみまつり  (ふりがな文庫 https://furigana.info/w/神祭)
 十月という月は神無月かんなづきともいって、もとは神祭かみまつりのほとんとない月だった。
 (年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著))
 桔梗ききょうという花のしばしば神祭かみまつりに使用せられるのは、あるいはその形状からでも若干の理由を推測し得ぬことはないが、その他の植物に至っては、繁茂の地が荒野であった点以外に、これを盆花とし始めた動機を知り難い。
 (年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著))


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『疱瘡心得草』4 03裏:挿絵 04表:本文 志水軒朱蘭 述

2020年07月04日 | 疫病:疱瘡心得草 他




    『疱瘡心得草』4 03裏:挿絵 04表:本文 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26




 
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 『疱瘡心得草』
疱瘡 4
国立国会図書館所蔵
03裏:挿絵




   屋 嶋 高    


           京祇園町

         小町紅

            高嶋屋







小町紅  (ウィキペディア)
 小町紅とは、江戸時代の口紅の商標である。
 絶世の美女・小野小町にあやかった商品名で、当初は、京都で作られた特に良質な口紅のことを指して小町紅と称した。
 ただし、当時の商標は現在の商標登録とは扱いが異なり、どちらかといえば商品のカテゴリーを表す意味合いを持った名称である。
 現在では、伊勢半本店が江戸時代から続く伝統製法で製造販売している。

 江戸時代の口紅は、紅花の花弁に含まれるわずかな赤色色素を抽出し精製したもので、現在の油性基材の口紅とは異なる。
 口紅の製造は、紅屋または紅染屋が紅染めの兼業として行う形態が主であり、小間物屋や薬種問屋といった化粧品を扱う店では、紅屋から仕入れた口紅の卸売りを行うことが多かった。
 抽出・精製した口紅は、陶磁製の猪口や皿、あるいは貝殻などの内側に塗った状態で販売された。
 先般、新宿区の内藤町遺跡から「小町紅」と書かれた肥前系磁器の紅猪口(推定年代1780~江戸時代)が発掘されている。
 なお、紅の容器と思しきものが文献上に確認できるのは平安時代からで、『江家次第』に「口脂筥」、『香取宮遷宮用途記』には「紅粉佐良」、『類聚雑要抄』には「紅粉盤」とある。

 天保2年(1832年)に出版された、当時のショッピングガイド誌『商人買物独案内』(京都編)には、「御用小町紅」として京都四条通麩屋町東の「紅平」(紅屋平右衛門)の名が収載されている。
 同書には、紅平以外にも「小町紅」を取り扱う店として、祇園町の高島屋喜兵衛、伊勢屋五三郎、美濃屋吉郎兵衛の店などを載せている。

 前掲書に先立ち、江戸で出版された『江戸買物独案内』(文政7年・1824年刊行)によれば、江戸でも近江・伊勢系商人の店で「小町紅粉」を扱っていたことが確認できる。
 口紅の製造の主体は長く京都にあり、江戸ではもっぱら下り物を扱っていた。江戸で口紅の製造・販売が行われるようになるのは、江戸時代後期以降と考えられている。

 小町紅は、当時の口紅のいわばトップブランドで、良質ゆえに非常に高価であった。
 一般庶民が容易く購入できる口紅ではなく、主な購入者は御殿女中や豪商の婦女子、花柳界の遊女といった粋筋の人々だった。
 良質な紅は、容器の内側に塗り自然乾燥させると、赤色ではなく笹色(玉虫色)の輝きを放った。『江戸買物独案内』の中に「笹色飛光紅」を扱う「玉屋」(玉屋善太郎の店)という紅問屋の広告が収められている。
 玉屋はもともと京都の紅問屋で、小町紅の販売を行っており、江戸の日本橋本町二丁目に出店していた。『熈代勝覧』本町二丁目の風景の中に玉屋が描かれており、同資料には当時の紅屋の看板であった赤い幟が、玉屋の脇に確認できる。


疱瘡 4
国立国会図書館所蔵
04表 左

かせになりてくひものに気(き)を付くべし


  紙燭(しそく)照(てら)し様(やう)の心得の事

序病(じよやみ)の時(とき)余病(よびやう)にてもあるか、又は疱瘡(ほうさう)ならんかと心得(こゝろへ)るに

紙そくを捻(ひね)りて軽重(かろきおもき)多少(たしよう)をうかゞひ見るなり、昼なれ

ば屏風にてかこひ、闇(くら)くして病むものゝ左の頬(ほう)より見始(みはじめ)

額(ひたひ)の真ん中をよくみるべし、兎角(とかく)に日(ひ)の光りにては

見へかぬる物(ものなり)、すでに肌表(はだひやう)にあらわれて、後ハともし火(び)ハ

悪(あし)く 、其時(そのとき)ハ日ならでは血色(ちのいろ)の紅白(こうはく)虚実(きよじつ)、わかちがたし

たゞ発熱うたがわしき時のみなり、紅紙(べにがみ)を用(もち)ゆべし

もし紅紙(あかがみ)なき時(とき)は、紅(べに)を白紙(しらかみ)にぬりて用ゆ、右の


      




くひもの
 食い物


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『疱瘡心得草』3 02裏:挿絵 03表:本文 志水軒朱蘭 述 

2020年07月04日 | 疫病:疱瘡心得草 他



    『疱瘡心得草』3 02裏:挿絵 03表:本文 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26




 
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 『疱瘡心得草』
疱瘡 3
国立国会図書館所蔵
02裏 右 挿絵




   紅梅(こうばい)
      盛(さかり)

      能(の)
      躰(てい)








疱瘡 3
国立国会図書館所蔵
03表 左

 疱瘡(ほうさう)はじめ終(おわり)の日数(ひかず)心得(こゝろへ)の事

熱蒸(ねつしやう)とて三日有、俗に「ほとおり」といひ、又は「序病」(じよやみ)といふ

見点(けんてん)とて三日有、俗に「出そろひ」といふ 
 
潅漿(きちやう)とて三日有、俗に「水もり」といふ

貫膿(くわんのう)とて三日有、俗に「山あげ」といふ

収厭(しゆえん)とて三日有、俗に「かせ」といふ

かくのごとく三日づゝにて十五日をへて後(のち)、瘡(かさ)のふた落(おち)

て愈(いゆ)るを「順症」といふ 出そろひゟ 風にあてべからず、 痘(いも)

かろく見へても外(ほか)へ出(いだす)べからず、 水(みづ)とりは 前後大事(ぜんごだいじ)なり

かきやぶる事(こと)を気を付(つく)べし 「やまあげ」「かせ」はじめなり


      




ほとおり
 ほとぼり

かせ
 カサカサしたカサブタのことか、



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『疱瘡心得草』2 01裏:挿絵 02表:本文 志水軒朱蘭 述 

2020年07月04日 | 疫病:疱瘡心得草 他








         『疱瘡心得草』2 01裏:挿絵 02表:本文 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26




 
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 『疱瘡心得草』

疱瘡 2
国立国会図書館所蔵
01裏 右 挿絵






疱瘡神(ほうさうのかみ)祭る づ
              図








疱瘡 2
国立国会図書館所蔵
02表 左

にも不及(およバず)至(いた)りて重(おも)きに当たれバ、薬(くすり)も届(とゞ)かぬ事(こと)あり、病(やまひ)

を受(うけ)て三五十五日の間なり、始(はじめ)て疱人(ほうそうにん)の熱(ねつ)ある時(とき)は、其(その)心(こゝろ)

得(え)忘(わす)れず、気(き)を付(つ)ける事 第(だい)一なり、いよ/\疱瘡(ほうさう)らしき事

なれバ、其人(その人)の目(め)の内(うち)に涙(なみだ)たるみて、まだるきが如(ごと)し、両足(りやうそく)

おかねも有(あ)り、腹中(ふくちう)に通(かよ)ふ熱(ねつ)を特(とく)と考(かんが)へ知(し)るべし、見様(みやう)

能(よく)/\疱人(ほうそうにん)の容体(ようだい)を昼夜(ちうや)にくわしく見置(みおき)て、良(よい)

医者(いしや)に告(つ)げ聞(きか)せ、油断なく看病(かんびやう)あらば、たとひ難(むつかしき)疱(ほうそう)

なりとも、少(すこ)しも一命(いのち)に気遣(きづか)ひなし、平癒(へいやう)するかと

疑(うたが)ひ有(ある)べからず
      




受(うけ)て三五十五日の間なり、
 病にかかって、一年経った意

気(き)を付(つ)ける事 第(だい)一なり、
 気をつけることが、一番大切であるという意味

涙(なみだ)たるみて
 たるみて
 たる-み 【垂水】名詞
 滝。
 出典万葉集 一四一八「石走(いはばし)るたるみの上の早蕨(さわらび)の萌(も)え出(い)づる春になりにけるかも」
涙(なみだ)たるみて
 涙が溢れ出て


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『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述 序1

2020年07月04日 | 疫病:疱瘡心得草 他




     『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述 序1




 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26




 
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 『疱瘡心得草』
 


疱瘡心得草(ほうさうこゝろえぐさ)全部一冊

此本は疱瘡(ほうさう)初て日本にわたりし事初熱(ほどおり)より日数(ひかず)
心得の事ども并(ならびに)麻疹(はしか)水痘(へいない)の心得疱瘡人の
介抱看病人の心得抔(など)を具(つぶさ)に平かなにしるして
世に広くせん事を願ふのみ

  平安書林  東壁堂梓




疱瘡心得草序(ほうさうこゝろえぐさ じょ)

語(ご)に曰(いわく)父母(ちゝはゝ)は唯(たゞ)その子の病を憂(うれ)ふとのたまへり

父母の子の病をいたわり、思ふ事のやるせなき

や、我(わが)日(日)の出(で)にも さま/″\の病(やまひ)多(おゝ)き中(なか)にも、疱(ほう)

瘡(そう)ほど軽(かろ)き重(おも)きによらず、親(おや)の心(こゝろ)恐(おそ)れ、苦(くる)しきは

年ゝ(ねん) いつとなく 流行(はやり)すれど、時行(じこう)によりてか、今年(ことし)此(この)

病(やまひ)、諸国(しょこく)に遍(あまね)く 時行(じこう)逃(のがれ)がたきに至(いた)る、されバむかしゟ(より)

疱瘡(ほうそう)の名方(めいほう)ハ、中華(から) 倭(やまと)の大医(たいゐ)の文(ぶん)に、あまた 載(のせ)有(あ)りし

といへども、俗家(ぞくか)の用心(ようじん)、心得(こゝろへ)に成(なる)べき書(しょ)ハ いまだ 見(み)

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『古今集遠鏡 巻一』18 はしがき 八丁裏 本居宣長

2020年07月04日 | 本居宣長 『古今集遠鏡』『玉あられ』






『古今集遠鏡 巻一』18 はしがき 八丁裏 本居宣長
 6冊。寛政5年(1793)頃成立。同9年刊行。
 



遠鏡 1
右 八丁裏 

はしがき 八丁裏

◯「かな」ハ、さとびごとにも「カナ」といへど。語のつゞきざまは。雅言のまゝにては。う

ときが多ければ。続ける詞をば。下上に置き換えとし。あるは言を加えなども

して。訳すべし。全て 此 辞(言葉)は。嘆息(ナゲキ)の詞まで。心を含めたる事多

ければ。訳(ウツシ)には。その含めたる事の詞をも。加わうべき技なり。






はしがき 八丁裏

◯「哉」は、さとびごと にも「哉」と言えど。語の続きざまは。雅言のままにては。う

とき が多けれバ。つゞける詞をバ。下上におきかへとし。あるハ言をくはへなども

して。訳すべし。すべて此辞ハ。嘆息(ナゲキ)の詞まて。心をふくめたることおほ

けれバ。訳(ウツシ)にハ。そのふくめたることの詞をも。くはふべきわざなり。





「かな」ハ、さとびごとにも「カナ」と訳す
 「哉」ハ、さとびごとにも「哉」と訳す

さとびごと
 ① いなか言葉。方言。
 ② 日常話している言葉。世俗の言葉。

うとき (疎し)
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
 ①疎遠だ。親しくない。関係がうすい。
 出典伊勢物語 四四
 「うとき人にしあらざりければ、家刀自(いへとうじ)さかづきささせて」
 [訳] 疎遠な人でもなかったので、(その家の)主婦が杯をすすめさせて。
 ②よそよそしい。わずらわしい。うとましい。
 出典古今集 雑上
 「かつ見れどうとくもあるかな月影のいたらぬ里もあらじと思へば」
 [訳] 月を美しいと思いながらも一方では、どこかよそよそしく感じられるよ。月が照らしていないところなどないと思うと。
 ③よく知らない。不案内だ。
 出典徒然草 八〇
 「人ごとに、わが身にうときことをのみぞ好める」
 [訳] だれでも、自分がよく知らないことばかり好んでいる。
 ④無関心だ。
 出典徒然草 四
 「後の世の事、心に忘れず、仏の道うとからぬ、心にくし」
 [訳] 来世のことをいつも心に忘れず、仏の教えに無関心でないのが、奥ゆかしい。
 ⑤よくきかない。鈍い。
 出典落窪物語 二
 「大臣(おとど)おし放ち引き寄せて見給(たま)へど、え目うとくて見給はで」
 [訳] 大臣は(手紙を)離したり、近づけたりして見ていらっしゃるが、目がよくきかないのでご覧になることができなくて。

 

 

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『古今集遠鏡 巻一』17 はしがき 八表 八裏 本居宣長

2020年07月04日 | 本居宣長 『古今集遠鏡』『玉あられ』






『古今集遠鏡 巻一』17 はしがき 八表 八裏 本居宣長



   『古今集遠鏡』6冊。寛政5年(1793)頃成立。同9年刊行。
 



遠鏡 1
右は 八裏 

はしがき 八表
◯「らし」ハ、「サウナ」と訳す、「サウナ」ハ、さまなるといふことなるを、春便りに「サウ」と

いひ、「る」をはぶける也、然れバ言の本のことを、「らしく」と同じおもむきに

あたる辞也、たとへば「物思ふらし」を、「物ヲモウサウナ」と訳すが如き、「らし」も

「サウナ」と共に、人の物思ふさまなるを見て、おしはかりたる春なれバ也、さてついで

はしがき 八裏
にいはむハ。業(ママ 世に)らんとたしとを。たゞ疑ひの重きと軽きとのたがひ」とのみ

心得て。みづからの歌にも。其こゝろもて、よむならハ。「時雨

ふるらん」ハ。「時雨ガフルデアラウ」也。「時雨ふるらし」は。「時雨ガフルサウナ」の言也。此俗言の

「アラウ」と「サウナ」との言を思ひて。そのたがひあることをまきまふべし。



はしがき 八表
◯「らし」は、「そうな」と訳す、「そうな」は、「様成(さまなる)」と言う事なるを、春便りに「そう」と

言い、「る」を省ける也、然れば、言(詞)の本の事を、「らしく」と同じ趣に

あたる辞也、例えば「物思うらし」を、「物を申すそうな」と訳すが如き、「らし」も

「そうな」と共に、人の物思ふ様成るを見て、推し量りたる春なれな也、扨、ついで

はしがき 八裏
に言わんは。業(ママ 世に)らんとたしとを。ただ疑ひの重きと軽きとの違い」とのみ

心得て。自らの歌にも。其心もて、読むならば。「時雨

降るらん」ハ。「時雨が降るであろう」也。「時雨降るらし」は。「時雨が降るそうな」の言也。此俗言の

「あろう」と「そうな」との言(詞)を思ひて。其違い有る事をまきまうべし。



言(ことば 詞 言葉)

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 37 十七丁裏

2020年07月04日 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語





富田高至 編者

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 37 十七丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年




3 36-39
37 十七丁裏

◯をかし男、銭えりける女に、いへりけり、うしろめた

くや、おもひけん

  破ならて こと銭選るな かたなしや

  ころかけとらぬ 法度なりとも

返し

 札立て きハめし銭を ひとりして

 あひよみはかり えらしとそおもう





◯おかし男、銭選(え)りける女に、言えりけり、後ろめた

くや、思いけん

  我ならで こと銭選(え)るな 形無しや

  ころ 掛け 取らぬ 法度なりとも

返し

 札立て 極めし銭を 一人して

 相読み計り 選(え)らじとぞ思う







破ならて
 (われならで  我ならで)当て字

缺(かけ-る)
 欠ける、完全な形では無い、





『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  破ならて こと銭選るな かたなしや

  ころかけとらぬ 法度なりとも

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  我ならで 下紐(したひも)とくな 朝がほの

  夕影(ゆうかげ)またぬ 花にはありとも


『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  棚せハみ みちまてほせる唐油蓑

  あそぶとさらに わがおもハなくに

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  二人して 結びし紐を ひとりして

  あひ見るまでは 解かじとぞ思(ふ)






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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』36 十七丁表 十七丁裏

2020年07月04日 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語





富田高至 編者

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』36 十七丁表 十七丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年


2 31-36

36 十七丁表

◯をかし「仕事せぬなめり」と異見しける

人の許に

3 36-39

十七丁表

  棚せハみ みちまてほせる唐油蓑

  あそぶとさらに わがおもハなくに




36 十七丁表

◯おかし「仕事せぬ なめり」と異見しける

人の許に
十七丁表

  棚狭ばみ 道まで干せる唐油蓑

  遊ぶとさらに 我が思はななくに





異見(意見)

許(もと)

棚(店)たな

唐油蓑(唐弓)とうゆみ
 綿を打つ道具





『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  棚せハみ みちまてほせる唐油蓑

  あそぶとさらに わがおもハなくに

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  ならはねば 世の人ごとになにもかも

  恋とはいふと 問ひし我しも








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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』35 十七丁表

2020年07月04日 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語





富田高至 編者

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』35 十七丁表

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年


2 31-36

35 十七丁表

◯をかし穀にもたゝて、たへたる人のもとに

  玉殿を 海士(ママ)の よりつゝ ぬすめれと

  竜か追き来て くハんそとおもふ





35 十七丁表

◯おかし 穀にも立たで、絶えたる人の元に

  玉殿を 海人(海士 ママ)の寄りつゝ 盗めれと

  竜か追き来て 食わんぞ と、思う





海人(海士 ママ)





『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  玉殿を 海士(ママ)の よりつゝ ぬすめれと

  竜か追き来て くハんそとおもふ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  玉の緒を あはおによりて結べれば

  絶えての後も あはむぞ思(ふ)



『伊勢物語』あはおによりて
 あおおによりて (青鬼寄りて)



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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』34 十七丁表

2020年07月04日 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語





富田高至 編者

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』34 十七丁表

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年


2 31-36

34 十七丁表

◯をかし男、魚のほね、喉には立てゝ

  なま鯛の せほねハむねにはさまりて

  心ひとつに なけくころかな

しゆなくて いへるなるへし




34 十七丁表

◯おかし男、魚の骨、喉には立てて

  生鯛の 背骨は胸に挟まりて

  心ひとつに 嘆く頃かな

術(しゆ)無垢て 言えるなるべし





しゆ(じゅ→じゅつ)
 術





『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  なま鯛の せほねハむねにはさまりて

  心ひとつに なけくころかな

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  いへばへに いはねば胸にさはがれて

  心ひとつに 嘆くころかな







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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』33 十六丁裏

2020年07月04日 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語





富田高至 編者

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』33 十六丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年


2 31-36

33 十六丁裏

◯をかし男、肥前國嶋原の城へむかひける、女、此

度生てはかへらしと思へるけしきなれハ、男

  あし手より 身うちの皺(シハ)の いやましに

  君に年をも よらせますかな

返し

十七丁表

  こもりぬる 大人数をハ いかてかは

  無勢にさきを させてみるへき

ゐ中人のことにてハ、よしやあしや、

  



33 十六丁裏

◯おかし男、肥前國嶋原の城へ向かいける、女、この

度生きては帰らじと思へるけしきなれば、男

  足手より 身内の皺(シハ)の いやましに

  君に年をも 寄らせますかな

返し

十七丁表

  篭りぬる 大人数をば 如何でかは

  無勢に先を させてみるべき

夷(ゐ)中人の事にては、良しや悪しや





肥前國嶋原の城

 長崎県 島原 島原城




『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  あし手より 身うちの皺(シハ)の いやましに

  君に年をも よらせますかな

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  芦辺(あしべ)より 満ちくる潮のいやましに

  君に心を 思(ひ)ます哉



『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  こもりぬる 大人数をハ いかてかは

  無勢にさきを させてみるへき

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  こもえ江に 思ふ心をいかでかは

  舟さすさほ(を)の さして知るべき











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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』32 十六丁裏

2020年07月04日 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語





富田高至 編者

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』32 十六丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年


2 31-36

32 十六丁裏

◯をかし物おひける女に、年頃ありて
  
  いにしへの しちの札をハうけかへし
 
  むかしの手をも なすよしもかな

といへりけれと、何ともかまハすや有りけん、


32 十六丁裏

◯おかし物置ける女に、年頃有りて
  
  古(位にしえ)の 質の札をば 受け返し
 
  昔の手をも なすよしも哉

と言えりけれど、何とも構わずや 有りけん、




しちの札(質の札)
 
  質物をとった質屋が、質置主に渡す札




『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  いにしへの しちの札をハうけかへし
 
  むかしの手をも なすよしもかな

『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す

  いにしへの 紫鶴のだまき繰りかへし

  昔を今に なすよしも哉



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