仮名手本胸之鏡 下 13 一丁表
早稲田大学所蔵
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_02946/he13_02946_0054/he13_02946_0054.html
仮名手本胸之鏡 下
山東京伝 作
歌川豊国 画
早稲田大学デジタル図書
通油町(江戸) [蔦屋重三郎]
寛政11 [1799]
黄表紙
仮名手本胸之鏡 下 13 一丁表
下 一丁表
これハうすから
でたまことにて
ちとこじつけなり
下 一丁表右に立つ臼をつく女
臼から 扇を持った男 まこと
由良助は手紙を読む、その手紙を、縁の下に隠れて、
盗み読む斧九太夫(おのくだゆう)の画が写る鏡の下
かゞみ
のべ鏡
うそからでたまことで
なすれバなハとげぬとハ
むべなるかな、よの中にハ
うそから
でたうそ
おほし
まこと
ある人ハ
すけ
なき
もの
なり
「わたしとちつとの
うち、ざひしよにおらん
でたとや、ばゞんつれて
と、むぎつきかたも、
すこしハおぼへて
いやんす
仮名手本胸之鏡 下 13 一丁表
下 一丁表
これは臼から
出た誠にて
ちとこじ付け也
下 一丁表右に立つ臼をつく女
臼から 扇を持った男 まこと
由良助は手紙を読む、その手紙を、縁の下に隠れて、
盗み読む斧九太夫(おのくだゆう)の画が写る鏡の下
かゞみ
のべ鏡
嘘から出た誠で
なすれば、名は遂げぬとは
むべなる哉、世の中には
嘘から
出た嘘
多し
誠
有る人は
少
なき
物
也
「私とちっとの
内、在所に居(お)らん
出たとや、婆ん連れて
と、麦つき方も、
少しは覚えて
いやんす
これハうすから
でたまことにて
ちとこじつけなり
臼から出た誠 → 嘘から出た誠