乱鳥の書きなぐり

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『女殺油地獄』上読了 上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 16  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

2020年12月22日 | 近松門左衛門

 

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 16  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

 

早稲田大学デジタルライブラリー

16

少ゝハ見のかしにもにて。御めんなされてくだしおかるゝ様の取なしをも、申べき所。

きやつが母ハせつしやが兄弟。げんざいのおい、働共、たよけかたしと、間もあへぬに。

シテ、其とがといふハ、何こと。御尋に及すごふくにどろをなげかけ。御身をけがし よこしたる とが。

ちや/\、此 八弥が身をけがせしとハ、心得ず。是見よ、きるいのいづくにどろがつい

たるぞ。イヤ、召かへられぬ いぜんのお小袖。されバ/\。きかやれバ、どろをかゝら

ぬも同然でハ有まいか。御意とハ申ながら、すでに御馬のくら、あぶみも どろに

そみ、おかちて、お帰なさるゝハ。旦那にちじよくをあたゆるりよぐハいはと申。

 

あくれバ、たまれ/\。馬のかいぐにハどろのかる物ゆへに。あおりといふじハ

どろをへだつとかく。どろのかゝらぬ物ならバ、何にへだつるといふじの

入べきぞ。ちじよくもりよぐハいもとがもなし。ぶしたる者のちじよくとハ

たゞ一しづくのにごり水も。名字にかゝるハ、あらふにおちず。すぐにさゝず。

あきれて入のざう、人身がめかくハ、どろ水。どろより出て、どろにそまぬはち

すの八弥。みやうじハけがれぬたすけてやれ。はつ と、又、ありがたき。

ぎよゐを大じに、ふる手をそろへ、きやうれつ。たてゝぞ。

 

    『女殺油地獄』 上之巻、読了

 

きるい

 着類

 

あおりといふじハ、どろをへだつとかく。

 あおりという字は、どろをへだつとかく。

 泥障という字は、泥を障だつと書く。

泥障(あおり)

 泥障〘名〙

 ① 馬具の一種。下鞍(したぐら)の小型の大和鞍、水干鞍を使うとき、泥が飛びはね、衣服を汚すのを防ぐため、下鞍の間に垂らす大型の皮革。晴天、軍陣、騎射の際にはじゃまになるので用いなかったが、のちに装飾用として、晴天の時にも用い、漆塗りの革を張るようになった。〔令集解(738)〕

 煽り

 1あおる作用(の結果)。

 2煽動(せんどう)。

 呷り(煽り)

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作

 近松門左衛門 1653-1724

 高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門, [出版年不明]

 22cm

 竹本筑後掾正本
 共同刊行:山本九兵衛(大坂高麗橋)
 題簽の一部を欠く 虫損あり
 和装
 印記:文楽蔵,渡邉蔵書
 渡辺霞亭旧蔵

 早稲田大学デジタルライブラリー ヘ07 04334

 

『女殺油地獄』 1 上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門  早稲田大学所蔵と東洋文庫所蔵は、同じ。

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 2  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 3  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 4  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 5  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 6  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 7  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 8  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 9  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 10  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 11  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 12  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 13  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 14  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 15  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

『女殺油地獄』上読了 上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 16  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

 

 

 

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