神谷美恵子さんの「本、そして人」(みすず書房)。
本棚からなんとなく目に入って、読みだしたら止まらなくなって、読んだ。
**********************
<本の説明より>
「私は失敗ばかりしてきたような気がするが、その苦悩のなかで、ほんの少しばかり自分の頭でものを考えることができるようになったような気がする。
それというのも、自分の頭でというよりは、多くの「精神的恩人」が心に残していってくれたものによるのだろう」
結核療養期を支えてくれた「恩人」マルクス・アウレリウス、一生を決めるほどの「電撃」をうけたプラトンをはじめ、人生の折々に神谷美恵子を助け、つくりあげた本、そして人。
新編集で贈るエッセイ集。
中井久夫の解説「神谷美恵子さんの「人と読書」をめぐって」(120枚)を付す。
**********************
神谷さんは、精神科医で美智子皇后の相談役も勤めた方。
学生の時に「生きがいについて」(みすず書房)を読んで、その高い道徳性や倫理性に深い感銘を受けた人。
**********************
<本の説明より>
「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。
ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいを見いだすのだろうか」
神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。
本書は、ひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、まさに生きた思想の結晶である。
1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著に執筆当時の日記を付して贈る。
**********************
読後に、神谷さんの高貴な「たましい」を、紙とインクを通して感じた。
夜中にもかかわらず、なんだか襟が正される感じがした。
哲学者のミシェル・フーコーとも直接会っている。スイスでユネスコの政府代表をしていたお兄さんが直接紹介したみたい。
実際、「精神疾患と心理学」「臨床医学の誕生」とかは神谷さんが翻訳している。
神谷さんは大読書家でもある。
紹介されている本も読んだことない本ばかり。
ウィリアム・ジェームズ、キャサリン・マンスフィールド、フレデリック・アミエル、アンリ・ベルクソン、ハンス・カロッサ、カール・ヤスパース、トーマス・マン、ジョン・ミルトン、ロマン・ロラン、カール・ヒルティ、セーレン・キルケゴール、シモーヌ・ヴェイユ、ヴァージニア・ウルフ、、、、、、
ここ最近、村上春樹さんの著作に散りばめられた海外文学に刺激を受けて、海外文学に興味が湧いてきているところでもあった。
なかなか時間もないけど、人生かけて少しずつ読もう。
やはり、出会いというものは大事だ。
尊敬できる人が深い感銘を受けたものに対しては、自分も素直に反応したい。
「本、そして人」(みすず書房)の中で特に感銘を受けたのは、読書日記のような生々しい私的な日記が乗っていて、そのほとばしる感性に深い感銘を受けたのです。あまりにも瑞々しくて。湯気が立ち上ってる。
『キュリー夫人伝を読んだ。
自分の生ぬるい勉強の仕方を省みて、ざんきの念に絶えない。
勉強と献身と。これは両立しうるのだ。
要は魂の問題なのだ。』
『自分が夢中でやらなかったら、
人の役に立つことも絶対にできないのだということを銘記せよ!』
『私もまた宗教の潜在する文学を書けぬものか!
つねにつねにバッハの音楽にインスパイアされたものを書けぬものか!
文壇的に何の縁もない、直接自分の魂を注ぎだしたものだけを書きたい!』
神谷さんは、ハンセン氏病にも尽力された精神科医。
賛否両論はあるようだけど、彼女が誠心誠意、患者さんと接した事実は変わらない。
「ライ者へ」
『なぜ私たちではなくあなたが?
あなたは代わってくださったのだ
代わって人としてあらゆるものを奪われ
地獄の責苦を悩みぬいてくださったのだ』
神谷さんは、フーコーの翻訳もそうだけど、マルクス・アウレーリウスの「自省録」の翻訳でも有名。
作家自信が書いていること、影響を受けた人や本。
そういうものに自分が近づこうと努力して、自分の人間性のようなものも高めようとしながら生きている人。
そういう人には、誠実さやひたむきさ、永遠に光り輝く魂を感じる。
最後に、その中から一つだけ紹介します。
マルクス・アウレーリウス「自省録」
『君に残された時は短い。
山奥にいるように生きよ。
至るところで宇宙都市の一員のごとく生きるならば、
ここにいようとかしこにいようと
何のちがいもないのだ。』
(第十章第十五節)
『あたかも一万年も生きるかのように行動するな。
不可避のものが君の上にかかっている。
生きているうちに、許されているうちに、善き人たれ。』
(第四章第十七節)
本棚からなんとなく目に入って、読みだしたら止まらなくなって、読んだ。
**********************
<本の説明より>
「私は失敗ばかりしてきたような気がするが、その苦悩のなかで、ほんの少しばかり自分の頭でものを考えることができるようになったような気がする。
それというのも、自分の頭でというよりは、多くの「精神的恩人」が心に残していってくれたものによるのだろう」
結核療養期を支えてくれた「恩人」マルクス・アウレリウス、一生を決めるほどの「電撃」をうけたプラトンをはじめ、人生の折々に神谷美恵子を助け、つくりあげた本、そして人。
新編集で贈るエッセイ集。
中井久夫の解説「神谷美恵子さんの「人と読書」をめぐって」(120枚)を付す。
**********************
神谷さんは、精神科医で美智子皇后の相談役も勤めた方。
学生の時に「生きがいについて」(みすず書房)を読んで、その高い道徳性や倫理性に深い感銘を受けた人。
**********************
<本の説明より>
「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。
ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいを見いだすのだろうか」
神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。
本書は、ひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、まさに生きた思想の結晶である。
1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著に執筆当時の日記を付して贈る。
**********************
読後に、神谷さんの高貴な「たましい」を、紙とインクを通して感じた。
夜中にもかかわらず、なんだか襟が正される感じがした。
哲学者のミシェル・フーコーとも直接会っている。スイスでユネスコの政府代表をしていたお兄さんが直接紹介したみたい。
実際、「精神疾患と心理学」「臨床医学の誕生」とかは神谷さんが翻訳している。
神谷さんは大読書家でもある。
紹介されている本も読んだことない本ばかり。
ウィリアム・ジェームズ、キャサリン・マンスフィールド、フレデリック・アミエル、アンリ・ベルクソン、ハンス・カロッサ、カール・ヤスパース、トーマス・マン、ジョン・ミルトン、ロマン・ロラン、カール・ヒルティ、セーレン・キルケゴール、シモーヌ・ヴェイユ、ヴァージニア・ウルフ、、、、、、
ここ最近、村上春樹さんの著作に散りばめられた海外文学に刺激を受けて、海外文学に興味が湧いてきているところでもあった。
なかなか時間もないけど、人生かけて少しずつ読もう。
やはり、出会いというものは大事だ。
尊敬できる人が深い感銘を受けたものに対しては、自分も素直に反応したい。
「本、そして人」(みすず書房)の中で特に感銘を受けたのは、読書日記のような生々しい私的な日記が乗っていて、そのほとばしる感性に深い感銘を受けたのです。あまりにも瑞々しくて。湯気が立ち上ってる。
『キュリー夫人伝を読んだ。
自分の生ぬるい勉強の仕方を省みて、ざんきの念に絶えない。
勉強と献身と。これは両立しうるのだ。
要は魂の問題なのだ。』
『自分が夢中でやらなかったら、
人の役に立つことも絶対にできないのだということを銘記せよ!』
『私もまた宗教の潜在する文学を書けぬものか!
つねにつねにバッハの音楽にインスパイアされたものを書けぬものか!
文壇的に何の縁もない、直接自分の魂を注ぎだしたものだけを書きたい!』
神谷さんは、ハンセン氏病にも尽力された精神科医。
賛否両論はあるようだけど、彼女が誠心誠意、患者さんと接した事実は変わらない。
「ライ者へ」
『なぜ私たちではなくあなたが?
あなたは代わってくださったのだ
代わって人としてあらゆるものを奪われ
地獄の責苦を悩みぬいてくださったのだ』
神谷さんは、フーコーの翻訳もそうだけど、マルクス・アウレーリウスの「自省録」の翻訳でも有名。
作家自信が書いていること、影響を受けた人や本。
そういうものに自分が近づこうと努力して、自分の人間性のようなものも高めようとしながら生きている人。
そういう人には、誠実さやひたむきさ、永遠に光り輝く魂を感じる。
最後に、その中から一つだけ紹介します。
マルクス・アウレーリウス「自省録」
『君に残された時は短い。
山奥にいるように生きよ。
至るところで宇宙都市の一員のごとく生きるならば、
ここにいようとかしこにいようと
何のちがいもないのだ。』
(第十章第十五節)
『あたかも一万年も生きるかのように行動するな。
不可避のものが君の上にかかっている。
生きているうちに、許されているうちに、善き人たれ。』
(第四章第十七節)