在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Piccoli crimini coniugali di Alex Infascelli イタリア映画の紹介「夫婦間の小さな犯罪」

2017-04-27 10:32:41 | 何故か突然イタリア映画
Piccoli crimini coniugali
監督 アレックス・インファシェッリ

登場人物二人だけ。すでに亀裂の入った夫婦の心理劇。




すぐに書ける、書きたくなる作品、書けない、書きたくない作品があるが、これは後者。

途中、どうしても出なければならない仕事の電話がかかり、5分くらい抜けたこともある。

最初から最後まで、登場人物二人だけ。

いや、もう一人いたよね。
夫が病院から退院して家に帰る車を運転してた運転手。

あれは私です、と監督。(笑)

運転していただけで、後姿のみ、だから登場人物はやっぱり二人、で、85分。
長いような短いような。

相当の役者じゃないともたないと思うのだが、そこは、セルジョ・カステッリートとマルゲリータ・ブイ。どちらも大御所。いわくいっぱいの夫婦役。

夫エリアは、有名な推理小説作家。
ある日、アパートの階段から落ちて入院。記憶を失った。

記憶は戻っていないが、怪我は治り、退院。
妻と二人で住む、広く趣味のいい、高級アパートに戻ってくる。

実は夫婦間、いろいろあったにもかかわらず、夫の記憶がないことをいいことに、よき夫に戻ってくれるよう誘導する妻。

記憶が全く無くなったと言いながら、本当はかなり戻ってきている夫。

どこまでが本当で、どこからが嘘か、いったいどんな夫であり、どんな妻だったのか、階段から派手に転げ落ちるようなことがどうして起こったのか、その駆け引きが、ほぼ言葉だけで繰り広がられる。

真実、虚栄、嘘、過ち、夫婦間の小さな犯罪、なすりつけなどが、愛という幻想のもとにドロドロとぐろを巻いてる感じ。

最初は、よき夫、よき妻に見えた二人の間の深い溝がだんだんと見えてくる。

かなり広いとはいえ、撮影は家の中だけ。
登場人物も二人だけ。

映画というより演劇を見ている感覚。
微妙な言葉のあやを聞き逃さないように、結構緊張する。
見事な心理劇。推理劇。

これを面白いと思うか、退屈と思うかは、かなり極端に意見の分けれるところ。


Solo cuore amore di Daniele Vicari イタリア映画の紹介 「3つの言葉 太陽 ハート アモーレ」

2017-04-26 23:24:25 | 何故か突然イタリア映画
Sole cuore amore 「3つの言葉 太陽 ハート アモーレ」
監督 ダニエレ・ヴィカリ

過労死。

5月4日から公開だからアンテプリマ。




タイトルは、2000年代の初め(調べてみたら2001年)の夏にすごく流行ったポップスの歌詞から。

「3つの言葉Tre parole」

3つの言葉を頂戴。太陽soleとハートcuoreと愛amore。

その夏、ラジオを付けると必ず流れていたというくらい流行った歌だった。
有名女性歌手が歌っていたわけではないが(ちょっと音痴)、この、単純で甘く、そう、それだけでいいの、と(女性に)思わせる歌だった。

ああ、なんて懐かしい。(第2の) 青春。(笑)

映画のストーリーとは裏腹に、なんて軽やかなタイトル。(監督の意図の一つ)



上映後のインタヴューで語る監督。

映画のストーリーは48時間で書き上げた。(2012年)
きっかけは、

ある日曜日、ローマ郊外のレストランに立ち寄った。
そこでは献身式が行われ(つまり子供達がたくさん)、ある子供がこの歌を披露していた。かなりウケていた中、ある女性ウェイターが涙を流していた

ということだったそう。
つまり、日曜日(たぶん春)、本当なら家族と過ごしたいのに、アルバイトをしないと生活に困る人がいる。

庶民派の監督、と言うが、家族や親戚の中にも必死で働いている人がいる。
郊外からローマへ、毎日必死に働きに行く人がいる。(その数100万人以上)

さて、偶然だが、シナリオを書き上げたその48時間の間に、二つの出来事が起こった。

一つは、まだ若い、4人の子供を持つ母親が、地下鉄駅で過労死で亡くなった。

調べてみると34歳の女性、郊外(50キロ)に住み、毎朝4時に起きて、郊外バスでローマの地下鉄B線の郊外の駅へ。そこからテルミニまで。今度はA線に乗り換えて経営していたバールまで。
夜遅くまで働き、それでも笑顔を絶やさなかったらしい。
しばらく具合が悪かったようだが、ある日、地下鉄の駅のベンチに座ったまま静かに亡くなった。

もちろん、この映画の主役、エリーは全く同じではない。
映画の中のエリーはただの雇われ。

もう一つ、主人公のエリーと同じアパートに住む親友ヴァレはダンサーだが、このヴァレの元になったのは5年ほど付き合っていた監督の彼女で、やはりこの48時間の間に偶然に再会したのだそう。

ヴァレのパフォーマンス、音楽が映画に見事なアクセントを与えている。

最初は淡々と、シンプルで、いったい何が起こるのか、まだ何も起こらないのか、ちょっとじれったい感はあるが、120分近く、うまく、実にうまく引っ張っていく。

そして、結末。

ゴールデングローブの審査上映会なので、毎週真面目に見ている人ばかり。
でも、終わった後、すすり泣きが結構聞こえた。

そんな映画。

見たくなければ見なくていい。でも、気になったらぜひ見て欲しい。
毎日明るく、家族を愛し、もがきながらも必死で行きている人たちがいる。

私は映像で泣くタイプではなく、音楽で泣くタイプ。
次に「Tre Parole」を聞いたら、この映画を思い出して絶対に泣くに違いない。


Giuseppe Cortese; Barbaresco Rabaja 2014 ed altri ジュゼッペ・コルテーゼ 5種

2017-04-25 23:17:33 | Piemonte ピエモンテ
Giuseppe Cortese
Dolcetto d’Alba 2016
Barbera d’Alba 2016 e Morassina 2014
Nebbiolo 2015
Barbaresco Rabaja 2014



個人的に好きなワイナリー、バルバレスコのジュゼッペ・コルテーゼ。
ヴィニタリーでは、マッソリーノと一緒にスタンドを持っている。
何か関係があるのか(遠い親戚とか。。。)、すごく親しいのか聞いたことがあるのだが、特にそういうわけではないが、もう何年もヴィニタリーでは一緒にスタンドを出している、とのこと。

Dolcetto d’Alba 2016 +++
花の香りがとてもきれいで、野暮ったいものが多いドルチェットにしてはエレガント。
ドルチェットにしては酸味が結構強く、余韻も悪くない。

Barbera d’Alba 2016 +++(+)
まだ若すぎ。新しいワインの香りプンプン。
バルベーラなので酸が強いのは普通だが、それに軽やかさが加わる。

Morassina 2014 ++++
バリック熟成タイプのバルベーラだが、木の香りがそこまで強くはなく、香りは良い。
アタックは、酸がそれほど強くはないかも思わせるのだが、最後にきれいに出る。

Nebbiolo 2015 ++++
エレガントで重たさがなく、個人的に好み。酸味ほどほど、タンニンが繊細で、余韻がかなり長い。

Barbaresco Rabaja 2014 +++(+)
2014年ということもあり、やや弱く感じる。
味も若干迫力に乏しいところがあり、残念だが、フィニッシュはラバヤらしくきれい。

ラム マスタークラス トロワ リヴィエール Trois Rivieres

2017-04-25 19:01:51 | vini stranieri イタリア外のワイン
トロワ リヴィエールTrois Rivieres ラムの講習会、マスタークラスに参加




ボトルがすごくキレイ

友人が誘ってくれたので、参加。

ワインはもちろん、ウィスキーはかなり好きで、しかしラムの世界はあまり知らない。
そこで良い機会だと思い、すぐに、行く〜!と返事。

招待客だけの試飲会で、女性は少なく、ほとんどが男性。
ラムに興味がある女性が少ないのはちょっと残念。



さて、ラムのおさらいから。
説明してくれるのはトロワリヴィエールの女性。

ラムにはインダストリアールラムとアグリコルラムがあるのはご存知だと思うが、インダストリアールラムが97%を占める。(そんなに高い数値とは。。。すごーい)

つまり、砂糖精製の際にできるモラセス(廃蜜糖)で造られるものが多数を占め(というのは知っていたが)、サトウキビから造るのはわずか3%。。。
3%しかないんだぁ、と改めて感心。

ただ、日本ではインダストリアールものをトラディショナルと呼ぶ???
ちょっと違うと思うのだが。。。。

イングリッシュタイプ、スペインタイプというのはインダストリアールラムが多く、フレンチタイプはアグリコルラムが多い。(なるほど)

サトウキビには18%の糖分が含まれる。(ぶどうより高い〜 )

収穫後、24時間以内に仕込みが行われる。

なお、トロワリヴィエール社で使われている蒸留塔のプレートは22枚。

グラッパなどの蒸留機械を見に行くのでわかるが、かなりの数。
グラッパなら4枚とか8枚。だからこれだけ洗練されたものができるのか。
72%のアルコール度を含むものができる。

ホワイトのものは8ヶ月ステンレスタンクで。
ゴールドのものは18ヶ月木樽で。

エイジものは最低3年の熟成。
ヴィンテージは最低6年の熟成。



試飲は5種。うち、ホワイトが3種、ゴールドが2種。その後、カクテル3種にアペリティフ。。。。

なお、トロワリヴィエールは、アグリコルしか造らない。つまり3%側。

カリブ海のマルティニーク島。




Cuvee Speciale Mojito&Long Drink 40%
ラムってこんなに美味しかったんだ、との印象。ただ、飲み進みていき、戻ると、確かに一番田舎っぽさがある。それでもストレートで飲んでも十分美味しいのにちょっと驚き。
海苔や海藻(ヨード)の香りに、ドライフルーツがほんのり。
味には、フルーツの甘さ(もちろん糖分ではない)があり、グラッパによくある臭みはない。

Cuvee de l’Ocean 42%
ヨードは感じるが、先のほど強くない、というか、とても優しい感じでエレガント、洗練されていて非常に飲みやすい。デリケートなフルーツの香りを含み、優しい甘さがあり。
味は薬の香りを一瞬感じ、香りと対照的に強さが結構出ている。余韻はデリケートに戻り、長い。

Cuvee Anniversarie 355 ans
英語での説明、リストのコピーはなく、うる覚えなのだが、アルコール度が高い。男性的な印象。
やや臭みが出て、より個性が出ているというか、ラムらしさがあり。

Rhum Ambre (Gold Rhums)
がらっと変わってまろやかで優しい。柑橘の香り、フルーツの香り、蜂蜜の香りが出ている。
優しくまろやかで、飲みやすい。ドライフルーツ、コルベッツォロの蜂蜜。

VSOP Reserve Speciale (Aged Rhums)
美味しい。カラメルのほろ苦さとまろやかさ、甘さが交互に出る感じ。美味しい〜

さて、アグリコルのラムというともう少しクセがある印象だったが、トロワリヴィエールはその辺を破ったのか、全体に飲みやすく、カクテルベースというより、そのまま飲んでもいい、そのまま飲みたい、というのが感想。

個人的にウィスキーはいつもストレートなので、その感覚で飲める。

アルコール度を下げて、世界にラムを普及した、というのが現状らしく、この辺り、最近の日本酒を、そして、クセのない、とてもクリーンな味わいの飲みやすいラムを目指したのは獺祭を思い出した。

また値段も決して高くなく、しかし、高級、高品質のラインアップも外していないのはサントリーに通じるか。
毎年、世界のコンクールで、約50もの受賞をしていて、今年は(まだ4月)すでに170を受賞したとのこと。
かなりすごい。

サマローリのラムは美味しいが高すぎ、高嶺の花。
比べてはいけないのだろうが、それでも、こういうタイプの飲みやすいラムに乾杯。
トロワリヴィエールの高級ラインの方もぜひ飲んでみたい。

カクテル3種を用意したのは、パリ在住かなりトンデルイタリア人。

イチゴベースの女性向き、柚子を使った柑橘ベースさっぱり系、柿シロップを使った辛口の3種。



その後はアペリティフタイムで、おつまみにアニスがアクセントになったもの。


木の樽、その以前のオークに関して

2017-04-20 22:37:09 | イタリア・ワインABC
Civiltà del bere、今年の2冊を購入したわけだが、 第1号にとても興味深い、樽、オークなどについての特集があった。

この雑誌は以前からとても面白いとは思っていたが、ますます面白くなっている。



ちょっとこれから数日忙しくなりそうで、さわりだけ。

オーク関しては、当然知っていることも多いが 、実は知らないことの方が多いと認識。
いろいろな発見。

--------

木の樽の初めての使用は紀元前5世紀、エトルリア人によると思われる
広めたのはガリア人
そこで、フランスで発展している

高品質のバリックと質の劣る木樽は比較の対象にならない

もっとも良い種類は quercus sessiflora, quercus peduncolata
樹齢は180−240年のもの

それより若い場合は、木が熟していいない
それより年をとった場合は、木の繊維に弾力がなくなる

木はまっすぐ、きめ細かいものがよく、コブなどがあってはいけない
良いのは、痩せた土壌、砂質、雨量が少なく、温度が平均して低いところ

良質産地は、フランスの中央部に集約される
Allier, その中のTroncais(わずか12、5ヘクタールしかない)
そして、悪くないのはVosgi

18-30ヶ月の乾燥期間が必要
生の木は50%の水分を含む
少なくとも15%にまでにする必要がある
この乾燥には数年かかる
積み重ねた木は、上の方が乾燥しやすいので1年に1度は積み替える必要がある

この間、乾燥するだけではなく、木の中で生物学的変化が起こり、香りや味わいが変化する
1本の良い樫の木で得られるのは平均してバリック2つ分
それは20%程度で、残りの80%は他に使用される

Franchetti 2014 e 2015 Passopisciaro パッソピッシャーロのフランケッティ

2017-04-18 14:05:54 | Sicilia シチリア
Franchetti 2014 e 2015 Passopisciaro
ちょっと続くが、vinitalyでまとめて試飲したのでごめんあれ。


写真忘れた〜


スーパータスカンならぬスーパーエトナを造りたいというコンセプトでアンドレア氏が造ったワイン。
品種は、プティ・ヴェルドー70%とチェサネーゼ(ダフィッレ)30%という非常に変わったブレンド。

プティ・ヴェルドーはともかく、チェサネーゼはローマの南で栽培されている土着品種。
最近は飲めるものも出てきたが(ごめんなさい)、個人的に感心するものはまだ少ない。
それでも最近は比較的注目されるようになっている品種なので、気をつけて試飲しているが。

ワイナリーのあるコントラーダ・グアルディオーラの周辺(標高800m)に、アンドレア氏が植えた。
他の畑は、元々あったネレッロを使っているが、エトナにプティ・ヴェルドーやチェサネーゼなんて誰も植えていないので(他の人は誰も考えないだろうなー)、土地の購入後に植えたもの。

エトナという火山性の土地と、プティ・ヴェルドーという品種の可能性(プティ・ヴェルドーは100%で造るところが他にもでてきていたのでそう珍しくはないのだが)、そして、チェサネーゼという野暮ったい品種(ごめんなさい)がエトナでどう育ち、ワインにどう作用するか、アンドレア氏にしかできない決断。

よくやるわ〜

生産数も少なく値段も高いので、一般にはほとんど手に入らないワイン。

2014 +++++(+)
色が濃く、フルーツの香りがきれい。アタックは柔らかいと思うと酸味がでてきて、余韻に残る。見事。

2015 ++++(+)
比べて、緑の香りがでて、やや細めの印象。そして、まだ若いこともあるが、タンニンがアグレッシブ。

この手のワインは、もう好きな人は好き、嫌いな人は嫌い、エトナという土地にこんな品種を植えてと思うか、可能性を追求する姿勢に共感するか(可能性を追求できてしまうのを羨ましく思うか)など、実際の味わいに感情論が大きく入るのではないか。


Pinot Nero ピノ・ネーロ おさらい

2017-04-17 22:01:44 | イタリア・ワインABC
Civiltà del bere, Pinot Nero 特集
非常に興味深い特集
ピノ・ネーロのおさらい



毎年、別冊の小雑誌になったCivilta’ del bere のレストラン、ワイン・ランキング本を買っているのだが、今年は別冊の発行を止めてしまっていた。

そこで、本誌に掲載されている今年の号2冊(第1号と第2号)を買ったのだが、第2号がピノ・ネーロ特集だった。
読むとかなり興味深い。

知っていることの復習のようなものだが、かなり真面目な雑誌なので、きちんと書いている。

以下、メモ。おさらい〜

ピノ・ネーロは、ブルゴーニュに2-3世紀から存在する品種(3-4世紀という説もある)

気候に大きく左右される品種

水はけによりストレスを受けやすい(特に水分が少なすぎる状況に敏感)

暑い気候がダメで、
暑いと成熟が速く進む
酸が少なくなり糖度が上がる
熟成直後からぶどうが乾燥し易くなり好ましくない香りを与える

適さない気候だと、
フェノールの成熟が劣る
その質が劣る(刺激的なものになる)
アントシニアニンの含有量がただでさえ少ないのに
ぶどうも未熟のまま

石灰質土壌を好む

寒い気候でないとダメ

イタリアでは、例えばTrentino Alto Adige と
Oltrepo Pavese で栽培が多いが(両者で2500ヘクタール、ほとんどがスプマンテ用)これは、ブルゴーニュとシャンパーニュに次ぐ量
他 は、フリウリ、ヴェネトの東側
興味深いのはペーサロ周辺の小さなエリアやエトナで、面白いワインに仕上がっている

繊細なグリーンハーヴェストが非常に重要

低い垣根式、 グイヨー、コルドン式などが適している

国別の栽培面積は
フランス
アメリカ
ドイツ
イタリア
ニュージーランド
オーストラリア
の順

定期講読をするか。

Brezza 3 Cru 2013 e riserva 2011 + Sarmassa 2006 @vinitaly ブレッツァ クリュ 5種

2017-04-17 17:35:22 | Piemonte ピエモンテ
Brezza;
Castellano, Cannubi, Sarmassa 2013
Sarmassa Riserva 2011
Sarmassa 2006

Brezza Cru3種 ヴィニタリーにて
写真を撮るのを忘れた〜



ブレッツァのクリュ3種。
3種いっぺんに飲めてしまうところがヴィニタリーの醍醐味。

もちろんブレッツァの場合は、白も含め、その手前から始めていたのだがメモを取らず。
ロゼは特に美味しい。
ちょっと華やか過ぎな感はあるが、色がそれはまあ魅力的で、香り豊か。
そして、ネッビオーロも良い。

ブレッツァは、バローロの地域(ランゲ)のビオワイナリー。
バローロの地域は、ビオでも承認を取っていないところが多いし、わざわざビオにしなくてもいい(売れるという意味)ので、ビオにこだわっているところがやや少ないかと思う。(数えたことはないから印象だが)

そして、ブレッツァでは、多くのワインにガラス栓を使っている。
最近はスクリュー栓が流行って来ているため、ガラス栓は押されていると思うのだが、エレガントさではスクリューはガラスにはかなわない。

さて、クリュ3種。

Castellano 2013 ++++
花の香り、森の木の実に加えてバルサム臭がきれい。細い感じで長く続く。
酸味がとても良く、タンニンが繊細で、バローロの重たさより、軽やかな感じが出ている。余韻は細身、繊細だが、きれいにフルーツと花が残る。

Cannubi 2013 ++++(+)
がらっと変わって、おお、カヌビ、という感じ。
強さがあるのだが、その中にエレガントさを含む。香りの深さは、カステッラーロ以上。
味の長さは申し分なく、酸がきれいに出ているところにタンニンが加わる。
カステッラーロが女性的とすると、こちらは男性的。しかし、重たすぎない。

Sarmassa 2013 +++++(+)
最初は香りが閉じている。回して出てくるが、出てくると、とても良い。かなり複雑。グリーンの香りの含み、非常に心地よい。
タンニンは繊細ながらも存在感を示し、余韻に太さが加わり、長く続く。

Sarmassa Riserva 2011 +++++
こちらも最初は香りが弱いのだが、出てくると、スパイス、フルーツ、ドライの花、バルサム臭などなど、多くの香りが複雑に絡む。
味のインパクトは一瞬甘い(まろやか)だが、タンニン出てきて、長い余韻に残る。
リゼルヴァらしい風格あり。

ついでに、オマケのSarmassa 2006を出してくれた。
きれいな熟成香の中にグリーンの香りがふわっと過る。衰えは全くなく、飲み頃を迎えてきている。いいね〜

Terlano, Pinot Bianco 2016 e Pinot Noir 2016

2017-04-17 00:05:16 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Terlano 2種
Pinot Bianco 2016 とPinot Noir 2016



レストランに比較的大勢で食事に行って、なんとなくTerlanoで決めた。

保証のある美味しさ。
誰が飲んでも美味しいと思えるところが安心。
優等生ワイン。



Pinot Bianco 2016 +++(+)
輝きのある魅力的な色。
白と黄色の小さな花束的花の香りと柑橘系がとてもきれい。
酸味も程よく、酸っぱすぎることもなく、適度な柔らかさを持ち、余韻にきれいに柑橘が残る。面白さには欠けるが、バランスがかなり良い印象。



Pinot Noir 2016 +++(+)
こちらも魅力的な色。薄すぎず、濃すぎず、明るい色合い。
ふくよかで、アルコールがやや上がってくる感じはあるが、フルーツの香りがきれいで、甘いスパイスを思わせる香りも含む。
ボディもほど良く、すでに柔らかみがあり、しかし、タンニンの存在感はちゃんとある。余韻にほろ苦さが残るが、それも心地よいと言える。


浅蒸し茶を飲もう

2017-04-16 00:16:07 | 日本酒、日本茶
浅蒸し茶を飲もう
というかこれが本当の普通の煎茶



今日はお茶を2袋開けた。

昨日で、しばらく飲んでいたお茶が(やっと)終わった。
50g程度の小さな袋だったのだが、飲むのに(飲み終えるのに)かなり苦労した。

私が買ったものではなく、実家にあった、お茶を持ってきていたのである。

最初から深蒸し茶だとはわかっていた。
しかし、結構高級そうなお茶で、深蒸しでも美味しいと期待したのだが、かなりの深蒸しで、急須が詰まる、詰まる。

私は急須の蓋を使わずお茶を入れているので(お茶の葉の開き具合がわかる)詰まると開いてる部分からドボドボ。

まあそれくらいは我慢できるのだが、色だけ濃く、香りは良いとしても味が追いつかない。

さて、やっと終わった〜と思い、今朝、上煎茶、とあるお茶を開けた。

深蒸しじゃありませんように。。。。と祈りながら。



しかし、産地からわかっていたのだが、これもやはり深蒸しだった。。。。(涙)
急須が詰まるほどではないが、やはり色はきれいでも、特に香りが物足りない。

そこで、仕方ないのでもう一袋開けた。。。

宇治の浅蒸し、というより、普通蒸し、つまりいわゆる煎茶である。

これでやっとお茶を飲んだ気がした。
ちゃんと毛茸が浮いている。

Passopisciaro 5 contrade 2015 vinitaly にてパッソピッシャーロのコントラーダ5つ 2015

2017-04-15 23:32:25 | Sicilia シチリア
Vinitalyの醍醐味は、こういうところにある。

パッソピッシャーロの全コントラーダをイッキに横飲み。



パッソピッシャーロは好きでよく飲むが、コントラーダはそう頻繁に飲めないし、全コントラーダの一気飲みは中々出来ない。

対応してくれたのはアンドレア氏のいとこのカルロ氏。

実は、以前、本当に誰もいない試飲会でアンドレア氏とわずか数人で試飲した時は、アンドレア氏はコントラーダを標高順に出してきたと記憶している。
確か(違っているかもしれないが)低い方から高い方。
ヴィンテージは2011年。

カルロ氏がどういう風に進めるかは興味があったのだが、というのも、ワイナリーの人間が一番ワインのことをよく知っているわけで、その辺りはお任せする。

ところが、同じワイナリーの人でも(それもいとこ)全く違って、標高の一番高いものから出してきた。そして、低い順へと進むわけではなく、特徴の違いがかなりわかるように出してきたのである。

これは、アンドレア氏のやり方と違って非常に興味深かった。

パッソピッシャーロのコントラーダは5つ。

アンドレア氏自ら用意した手書きの紙は、数年前(ヴィンテージが4年違いだから4年前)の本当に誰もいなかった試飲会の時のもの。

どうでもいいワインいっぱいのさるワインフェスに参加していた時のもので、誰も、パッソピッシャーロに目もくれなかった、ということがあったのである。
外には飲んだくれがいっぱい、アンドレア氏自ら注いでくれた貴重な試飲会にはわずか数人。。。モッタイナイ。



さて、メモは上から
Rampante 1000メートル、砂、軽く香り良い、3000年前の溶岩
Chiappamacine 4000年前の溶岩、エトナの麓(500m)、複雑、大きな砂利
Sciaranuova 500年前の溶岩、石と粉、藁、ボディあり、800メートル
Porcaria かなりボディあり、石炭のような溶岩で約2000年前のもの
Guardiola フルーツ、ミネラル。ところどころ溶岩、10000年前

今回(2015年ヴィンテージ)の試飲の順は
Rampante 1000メートル
Porcheria 600メートル
Chiappamacine これだけ、溶岩ではなく石灰質、との説明
Sciaranuova 800メートル
Guardiola ワイナリーのある場所

Rampante 標高が高いこともあるが、デリケートで、全体に香りも味もデリケート。ほのかにサクランボが残る感じ。++++(+)
Porcheria がらっと変わって、香りにも味にも強さがある。+++++
Chiappamacine 前者2つと比べると異質な感じ。非常に良くできたシチリア(エトナではない)ワイン。石灰の香りがふわっと出ていて、強さの中にエレガントさを与えている。+++++
Sciaranuova グリーンが香りに混じり、樟脳、藁など、味のバランスが絶妙。香りより味わいがの方がいいか、うーーん、と唸りたくなる。++++++
Guardiola 太さがあり、ボディも良く、酸味もきれい。+++++

それぞれのラベルに付いている(今でも付いていると思うのだが)は、以前の試飲会のもの。








Colomba della Mascale 涙が出るほど美味しいコロンバ

2017-04-14 12:39:51 | もろもろの食べ物
コロンバは復活祭に食べるケーキ
不気味な鳩の形をしている

ブレッシャ周辺に住んでなくて良かった、と思った。
と、同時に、ローマからの距離に悲しくもなった。(涙)



Vinitalyに、今年はパオロの友人のパオロが参加した。(同じ名前〜)
二人目のパオロの方は、現在オーストラリアに住んでいる。(オーストリアではない)
当然、ソムリエ。
ミラノ出身。

そのパオロが、宿泊したヴェローナのアパートに持参したのがコロンバ。

オーストラリアの友人シェフに頼まれたのだそう。買って来てくれ〜

そのパスティチェリア(ケーキ屋)の場所が田舎だったため、列車では行けず、ミラノからわざわざ車でヴェローナまでやってきた。
それほどの距離ではないが、列車の方が楽なのに、である。

断りたくなかったし、自分用にも買いたかったし、そして、ついでにもう一つ、私たちのために買ってくれた、という心の優しさ。(つまり合計3つ購入した)

今では日本でも手に入るコロンバ、復活祭に食べるケーキである。
日本では一体誰が食べるのか、と思う。

タダでレストランで出されたら手をつけるが、日本で一体いくらになっているのか、わざわざお金を払ってまでは食べない。

アーモンド臭い、というか、パサパサして、最初に食べた頃はへー、意外と美味しいじゃん、くらいには思ったが、今ではもう飽き飽きしている。

クリスマスのパネットーネ(パンドーロではない)はかなり進化し、美味しいところが増え、逆に楽しみになっているのとは裏腹に、コロンバの方は大して進化していないと思っていた。

が、ここで認識大きく改め。

これほど美味しいコロンバは食べたことがない。
それほど絶品だったのである。

恐れ入りました。

一人で全部食べてもいい状況だったら(ダイエットをしなくてもいい状況というのも含む)、たぶん、いや絶対に、一人で全部、それもイッキに食べたと思う。(1キロ)
それが絶対にできると言い切れるほど、軽く、香り高く、柔らかく、とろける様に美味だった。。。

ただし、軽く、と言うのは印象で、実際には1キロに14個の卵を使っているのだそう。14個。。。。

いや〜、それにしても本当に美味しかった。
買いに行ける状況だったら買いに行きたい。
(これから夏に向かう今、買いに行けなくて良かった)

パオロ曰く、ブレッシャにIginio Massari氏のパスティチェリア(Pasticceria Veneto)があり、彼の一番弟子、Mauro Scaglia氏が開いたパスティチェリアMascaleがブレッシャの田舎にあり、後者まで買いに行ったのだそう。

いろいろと調べてみると、確かにマッサーリ氏のコロンバも相当美味しいらしい。
が、なんと38ユーロ。ちょっと高すぎ。

対してマウロ氏のコロンバは25ユーロ。
この値段でこの美味しさなら、2個買って2個イッキ喰いしたい。

それほど甘いものは好きでもない私がそう思うくらい、とにかく美味しかった。

もう日曜日は復活祭だが、これからちょっとコロンバに凝ってみようと思う。

パオロ、ありがと〜 心から感謝。

Civiltà del bere il Top delle guide vini 2017 今年のワイン・ランキング

2017-04-14 11:03:51 | イタリア・ワインABC
Civiltà del bereの、こちらはワイン版。
正確にはランキングではないのだが。。。



vinitalyで毎年購入する小雑誌。
ただしこちらも別冊ではなくなり、掲載されている今年の第1号を購入。

レストランと同じく、こっちも点数制にすると面白いと思うのだが、レストランに比べてきっと複雑すぎというか、数がありすぎ。(だと思う)
そこで、ワイン年鑑本の掲載数で競う。

2002年のを見てみると5冊で競っていた。
レストラン年鑑本と比べ(減っている)、こちらは出版数が増えている。

現在は全8冊が対象。
ソムリエ協会は分裂し、チェルニッリ氏も独自の本を出し、ガンベロとスローフードも別れ、計8冊。

それぞれ最高得点の趣旨と数は違うのだが、その辺には目を瞑る。



ソムリエ協会AISのVitae  514本
ビベンダのBibenda(昔のDuemilavini) 605本
チェルニッリ氏発行のGuida essenziale ai Vini d’Italia 220本
エスプレッソ発行のL’Espresso 300本
ガンベロのVini d’Italia 429本
マローニ氏のAnnuario dei migliori vini italiani 326本
スローフードのSlow Wine  426本
ヴェロネッリ氏受け継ぐI Vini di Veronelli 346本



8冊全てで選ばれたのは、今年は、いや今年も Sassicaia 2013 のみ

サッシカイアにケチをつけるワイン本はないので、当然の結果。ある意味、もう面白くない。
当然、リリース直後パフォーマンスが良いワインが有利。

7冊で選ばれたワインは2本
San Leonardo 2011 外したのはMaroni
ES 2014 外したのはガンベロ

この2本も常連。



6冊で選ばれたのは13本
この辺りから少し顔ぶれが変わる。

Giacomo Conterno Francia Barolo 2012
Giuseppe Mascarello Monprivato Barolo 2011
Giulio Ferrari Riserva del Fondatore 2005
Speri Vigneto Monte Sant’Urbano Amarone 2012
Solaia 2013
Tignanello 2013
Biondi Santi Brunello Riserva 2010
Paleo 2013
Asseto 2013
Kurni 2014
Lungarotti Rubesco Vigna Monticchio 2011
Valentini Montepulciano d’Abruzzo 2012
Donnafugata Ben Rye 2014

5冊は17本

4冊は61本

3冊は140本

2冊は337本

以前は1冊だけ選ばれたワインというのもあったが(ご愛嬌〜)、きっとページの削減で、リストは割愛。

あとはワイナリー別、過去2年との比較などが州ごとの一覧になっている。

パフォーマンスの良いワインが断然有利、バローロのようにクリュをたくさん出しているところはばらつきが出るので不利、などかなりクセがあり、あくまでも参考程度にしかならないが、見てると結構面白い。

これも小雑誌だったころが一番見やすかったのだが。。。

Civiltà del bere Il Top delle guide ristoranti 2017 今年のレストラン・ランキング

2017-04-13 19:53:03 | レストラン
毎年ヴィニタリーで必ず買う小雑誌がある。



が、今年はとうとう印刷を止めてしまったそうで、隔月で出る雑誌だけになってしまった。
仕方がないので、それを2冊(レストラン版とワイン版)購入。

その雑誌はCivilta’ del Bere、見たら2002年から、抜けている年もないわけではないが、毎年購入、保存している。

毎年の初めの2号に掲載されるのは知っていたが、別冊で小雑誌になっているのが便利で(特にレストラン版は旅に持っていくこともあり)購入していた。
ヴィニタリーには出版社のスタンドが出ているので、これもまた便利。
。。だったのだが。

さて、レストラン版から。

この雑誌が便利なのは、あれやこれやグルメ本を買う必要がないから。
これ一冊で全部わかる。

今年も評価の対象は5冊。
ミシュラン
エスプレッソ
トゥーリング
ガンベロ・ロッソ
イデンティタ・ゴローゼ

それぞれ評価の仕方が違うので、独特の計算方法で合計点を出す。

ミシュラン 3つ星=100点、2つ星=94点、1つ星=88点 など
エスプレッソ コック帽マーク5つ=100点〜1つ=80点 など
トゥーリング 100点満点なのでほぼ点通り
ガンベロ・ロッソ 100点満点なのでほぼ点通り
イデンティタ・ゴローゼ 点数はないので、掲載店を一律60点

イデンティタ・ゴローゼが一律60点なので、最高得点は460点。



さて、もう毎年おなじみになってしまったが、第1位はご想像の通りモデナの Osteria Francescana。もう2度と行けない。(涙)

4位から2位に上昇したのがアルバのPiazza Duomo。昨年素晴らしくて感動した。納得。

2位から3位に落ちてしまったが、パドヴァ近郊のLe Calandreが続く。

4位は2つ。
2位からちょっと落ちたが、ローマのLa Pergola。
同点4位、ラクイラのReale。

今年は499位までの掲載。



一応州別に何店舗あるかの統計はあるが、昨年までの小雑誌には、州別の順位、町別の順位までもが掲載されて、レストランを選ぶのにそれは便利だったのだが、これは無くなってしまった。ページの削減。。。(涙)

住所、電話番号リストがなくなったのは、今時はすぐに調べられるので問題ないが、せめて州別リストは欲しかった。

それにしてもミシュランの3つ星が8つ?
一つ星は見事に星の数ほどある。



懐かしの2002年は、7冊の合計。そういえばヴェロネッリのレストランガイドなんてのがあった。懐かしい〜

去年までの小雑誌だった頃が一番便利だったのだが。。。

牛と事故を起こした男性(牛は死亡)

2017-04-13 17:54:33 | もろもろ、つれづれ
今度は牛と事故。

この前は、ローマで、出てきたイノシシをよけようとしたバイクが転倒して、かわいそうに亡くなった人がいたのだが、今度はバイクで牛と事故を起こした人が出た。
まともにぶつかったらしい。

ローマよりずっと南、同じラツィオ州だが、だいぶ田舎になるので、道路に牛が出てきても不思議はないのかもしれないが、それにしてもかわいそうに。

40代、男性の方は幸い命に別条はないとのことだが、なんという不運。
まさか牛と遭遇するとは。

ぶつかられた牛の方は、かわいそうに、亡くなった。

トスカーナなどに行くと、未だに「鹿注意」の看板が結構出ているが、これを機会に「牛注意」の看板が立ったりして。



なら良かったのに