在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”レッソーナ・オマッジョ・ア・クインティーノ・セッラ・リゼルヴァ 2003” セッラ

2008-06-29 17:59:11 | Piemonte ピエモンテ
“Lessona Omaggio a Quintino Sella Riserva 2003” Sella –Piemonte
レッソーナはゲンメ・ガッティナーラの地域からやや西にずれたところにある。

とても良いワインだった。
新鮮な小さな驚き、という感じ。
派手なワインではないし、主張の強いワインでもない。
しかし、気がつくと魅かれているワイン。
レッソーナなんてマイナーなDOCで(ごめんなさい)こういう優しく味わい深いワインに出会うなんて。
ピエモンテの底力というか、広さを感じる1本でした。
品種はネッビオーロ80%、ヴェスポリーナ20%。
大樽で36か月の熟成。
色は、ガーネット色がきれいで、透明感があり、つやがかなり良い。
香りは、赤なのに桃の香り。優しい甘さがあり、とてもきれい。小さなバラ、薬草、フェンネル、プリンのカラメルなどもほんのりと。海から遠い産地なのに、海の香りがあり、海藻風の香りもある。
味は、ボディが程よい。酸味がとてもきれいで、タンニンとのバランスが良い。甘さを感じさせる後味がかなり心地よい。
まだこんなに若くてこうだから、これこそ10年後に飲んでみたいものだ。

”ガッティナーラ・ヴィニェート・オッソ・サン・グラート 2004” アントニオーロ

2008-06-28 17:50:40 | Piemonte ピエモンテ
“Gattinara Vigneto Osso San Grato 2004” Antoniolo –Piemonte
ガッティナーラと言えば、アントニオーロというくらい有名なワイナリーである。
というより、ローマあたりでガッティナーラを飲みたいと思っても、他の生産者のはなかなか見当たらない。
確か、昔はちょっと曲った形のボトルですぐに、あ、これ、とわかったが、違っただろうか。。
さて、何種か出しているうち、これは単一畑のもの。
「聖グラートの骨」という名前は日本語にするとちょっと気味が悪いが、かなり石がごろごろしている畑で、そんなところが名前の由来なのだろうか。。

品種はネッビオーロ100%。
色は、ガーネット近いルビー色で、かなりきれい。
香りは、スミレ、バラに加えて、スモークっぽさが出ている。他、森の木の実、ミネラル、薬草、鉄、錆など。
味は、インパクトが良く、ボディもある。酸、タンニンもしっかりしていて、味の強さよく、持続性も良いし、最後にフルーツが残る感じ。
アントニオーロのワインの中では最も良いものの一つなので、申し分ない味。
でも、まだ若くてもったいない。
アントニオーロのワインは、古くなるほど良さを発揮すると思うので、あと10年くらいたってから味わいたい。

”ドンナルーナ・フィアーノ 2004” デ・コンチリス

2008-06-25 02:31:36 | Campania カンパーニア
“Donnaluna Fiano 2007” De Conciliis -Campania
まだかなり若いドンナルーナ。
赤と白があるが、赤はアリアニコ、白はフィアーノで造っている。
デ・コンチリスは、昔、ワイナリーを何度か訪れたことがある。
その前、初めてワインを飲んだ時は、カンパーニア州のワインと言うと、赤も白も、内陸のアヴェッリーノあたりが最も良いワインの産地だと思っていたから、こんな海の近くで、どーして??とちょっと不思議だった。
(かなりの観光地であるナポリにはカプリやイスキアのワインが結構あり、海の近くでもワインをたくさん造っているイメージはあるが、いくつかのワイナリーを除いて、ご愛敬。。の味。)
確かに海からは数キロの距離でかなり近いけど、標高が高い。
ワイナリーのある手前にはペストゥム(パエストゥムと呼ぶのではないのでご注意)の遺跡があり、だだっ広い平地になっているが、その平地が終わったら、ぐんぐん上に上がっていく。
ワイナリーは標高数百メートルだったと思う。チレント半島の景色がとてもきれいなところ。

品種はフィアーノ100%。
色は、ちょっと濃いめの麦藁色。つやがとてもきれい。
香りは、柑橘系がとてもきれい。アマルフィ海岸でとれるシトロン(とても大きくて直径20㎝はあると思う)のような香り。そして、黄桃と白桃、香草の香りがほんのり、そしてスパイス臭が出てきそうな気配。ある程度の華やかさがあり、モダンで、しかし、堅実さは備えている。
味は、まだ若いので酸味がきれい。そして、ちょうど良いボディがあり、酸味がまずまずあり、味の強さよし、持続性も申し分ない。レモンかシトロンかという柑橘系の後味がとても心地よい。

今は、スプマンテも含めて結構な数のワインをリリースしているが、当時はまだ数が少なかった。
確か、2度目位に訪れた時、ジョウロを使って、手作業でボトル詰めをしていた。
ナイマだったか、デザート・ワインだったか、もうだいぶ前のことなので覚えていないが、「本数が少ないから(500本くらいと言っていたような。。)手でやってるんだよ~」とブルーノ氏。
ある意味で消えてほしくない光景だと思った。

イタリアの列車 全席指定なのにー。。。

2008-06-23 17:18:48 | もろもろ、つれづれ
Treni italiani, posti prenotati
その昔、と言っても20年位前は、長距離は別にして座席の予約はしないのが普通だった。その頃は、まだユーロスターはなく、ペンドリーノというのが(懐かしい名前だ~)走っていて、または、インターシティーで旅をしていた。
日本だと、車両によって、指定席と自由席に分かれているが、こちらはそうではない。
つまり、その頃、表示をよーく見ると、その席がどこからどこまで予約されているのかわかったのだが、表示自体が分かりにくく、また、それをよく見る人は少なく、空いている席に適当に座り、人が来たら退くというのが普通だった。
予約している人もそう多かったわけではなく、自分の席に人が座ってたら、どいてもらったり、他の席に座ってもそう問題はないので、自分がどいたり、なんて光景が普通だった。

約20年たっても、イタリア人のこの習慣はあまり進化せず、今のユーロスターは全席指定となっているのに、人の席に座ることが当たり前の雰囲気がまだ残っている。
券を持っていてもなんとなく違う席に座っているのか、友達と席が離れてしまったから適当に隣に座ってみたのか、予定が早まった(遅くなった)ので、適当に来た列車に乗ってるのか(もちろん車内で追加料金を払う)などはわからないが、本当に呆れるくらい、勝手に人に席に座っている。

空いている列車なら、適当な席にちょっと移動するのは全く構わないが、これを混んでいる列車でやらないで欲しい。
「ここは私の席なんですけど」というと、「私がここに座っているのは、あっちの人が私の本当の席に座っているからで、あの人がどいてくれないと、私の席がない」となる。
ここで、しかたないな~と思い、「じゃあ、私があの人の席に座りますから、退かないでいいです」と言って人の席に座ってると、今度は、途中駅から、「ここは私の席なんですけど」と人がやってくることがある。そうすると、自分が退くか、「私の本当の席に人が座ってて、その人の本当の席がここで、だから。。。」と説明して、別の席に座ってもらうか。。。あー、ややこしい。。
と、日本人は考えただけでも、最初からちゃんと自分の席に座ってる方が良いと思うのだが、そういう時に、イタリア人は、「わかりました。あそこですね。いいですよ、私があっちに座りますから」と言ってくれることが多い。
親切と言えばそうなのだが、やっぱり、イタリア人は全席指定でも、人の席に座ることに抵抗が少なく、進化してない~と思うのである。。。


”ボーカ 1985” カンティーナ・デイ・カステッロ・コンティ

2008-06-21 02:07:39 | Piemonte ピエモンテ
“Boca 1985” Cantine dei Castello Conti –Piemonte
ボーカをもう一つ。
ラベルの写真も撮れなかったし、品種もわからずだが、ベースはもちろんネッビオーロ。
ヴィンテージが1985年。バローロでもなくバルバレスコでもないピエモンテのネッビオーロがどれだけ持つか。。という興味深いワイン。

色は、当然ガーネット色だが、かなりきれい。透明感があり、輝きのある色合い。オレンジがかった感じはまだ出ていなく、かなり若く見える。
香りは、これも当然だが、変化がかなり大きい。臭みが出ている。野菜、豆の煮物風??ミネラル、ヨード、鉄、キーナ、柑橘、丁子とオレンジ、ブラックのカカオ、バルサム臭などなど。でも、決して疲れていない。
味は、酸がかなりすごい。タンニンはすでにまろやかになっているし、そうでなくても隠れてしまうくらいの酸。後味は割と長いが、最後まで酸味が残る。
もともと酸味が多いワインだし、想像するより長く持つのだと思う。まだ全然疲れていないし、あと5年くらい、または、それ以上たって飲んでみても面白いと思う。
こういうマイナーなワインでこの出来というのは嬉しいし、ピエモンテの偉大さの違う一面が垣間見えたような気がする。

”ボーカ 2004” レ・ピアーネ

2008-06-21 02:00:05 | Piemonte ピエモンテ
“Boca 2004” Le Piane –Piemonte
ゲンメ、ガッティナーラ周辺の北のネッビオーロの産地の中では一番北に位置するボーカ。
DOCGではなく、DOC。
ネッビオーロは45-70%使用可、と言うことは、ネッビオーロ100%では造れないということである。
他、ヴェスポリーナを20-40%、そして、ウーヴァ・ラーラを加えることができる。

なのに、何故かこれはネッビオーロ85%、ヴェスポリーナ15%という。
まあ、あまり細かいことは気にしないようにしよう。。
色は、かなり濃いめで、しっかりしたルビー色の印象。やや暗めの色調はガーネットに近い。
香りは、オレンジ。オレンジ。オレンジジュース。シチリアのブラッドオレンジという感じ。ピエモンテのこんな北のワインからシチリアのオレンジの香りが感じられるなんて、ワインは本当に不思議なものである。。
それから、なんとなく、トイレの香り、と言ったらかなり失礼だが、柑橘系の芳香剤を思わせる感じがあった。(生産者さん、ごめんなさい。。)それから、何とは言えないが野菜系の香り。他は、花と薬草、革、腐葉土など。
味は、思ったよりするっと入り、しかし、酸が際立つ。タンニンが隠れるくらいである。後味は割と長くきれい。
30ユーロ以上の値段はちょっと高いが、それだけの価値はある個性的なワイン。

”ゲンメ・デイ・マッツォーニ 2004” ティツィアーノ・マッツォーニ

2008-06-20 02:25:19 | Piemonte ピエモンテ
“Ghemme dei Mazzoni 2004” Tiziano Mazzoni-Piemonte
バローロとバルバレスコの影にすっかり隠れてしまっているが、ゲンメもれっきとしたピエモンテのDOCGの一つである。
でも、やっぱり、迫力からして隠れてしまうのだが、それはそれなりに良い。
ネッビオーロ100%でも造れるが、ヴェスポリーナとウーヴァ・ラーラを加えても良い。

これはネッビオーロ100%のゲンメ。
色は明るいルビー色で、透明感があり、とてもきれい。輝くようなつやがあり、酸味があることがうかがえる。
香りは、花がとても良い。赤いバラやシクラメンのちょっとドライ風の香り。そして、小さな森の木の実のフルーツの香りが心地よい。さらに、薬草風の香り、香草の香りがある。他はスパイス、リコリース、ミネラル土。時間がたつとややアニマル、きのこ風の香りも出てくる。
味は、酸がきれいで、気取りすぎないエレガントさが出ている。ボディは普通。タンニンが細めできれいで、全体に細さを持つワインだが、優しさを含み、透明感がある感じ。
全体に香りも味も心地よく、きれいにまとまっている。
これで10ユーロ台というのが信じられない。
ランゲ地方だけでなく、ちょっと離れたところのネッビオーロも、食事を選ばずかなり良い。ぜひ、お試しを。
(ラベルの写真は、カメラ禁止なので取れませんでした。。)

しばらくお休みしてしまいました

2008-06-20 02:21:28 | もろもろ、つれづれ
なんとなく、風船がしぼんでしまうように、しゅーんと頭がしぼんでしまうことがあります。
というわけで、しばらくお休みしてしまいました。
また頑張りますのでよろしくお願いします