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在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

日本茶カフェ 3軒

2017-07-21 02:35:35 | 日本酒、日本茶
日本茶カフェ3軒 東京 茶の葉、一保堂、中村藤吉




日本に来て極度の時差ぼけで眠れず。
毎晩、時差ぼけ、猛暑、蚊の来襲の三重苦(涙)。
今日は眠れる、と期待し、眠れた〜と思って時計を見るとまだ2時半、今日は12時半、つまり、2時間寝てない。。。。

さて、仕方ないので、ちょっと記事。これで眠れるかもと期待しつつ。。。

ワインも当然だが、日本茶好きなので、日本へ来ると日本茶カフェに立ち寄る。

今回はこれまでに3軒。

かなり気に入っているのは銀座松屋の地下にある「茶の葉」。
たった7人しか入れない空間。静かで、雰囲気があり、そして、淹れてくれるお茶の美味しいこと。
お菓子も当然美味しい。
今回のお菓子はくずきり。そして、くずきりを食べた後、蜜と抹茶で小さなかき氷を作ってくれた。美味。

お茶はかなり本格的に淹れてくれる。
小さな急須に茶葉8g。
プロが淹れてくれる一煎目が美味しいのは当然、三煎目まで実に美味しく飲める。
至福の時。



イタリアも、日本に来ても猛暑で、ここ1ヶ月以上暖かいお茶を飲んでいなかったので、久々。

2軒目は、「一保堂」。
前回は、正月休みにかかりお茶をいただくことができなかったので再挑戦。
こちらもお茶菓子は美味しく、水色、涼しげ。少しモダンな雰囲気の和菓子。

茶葉は10g。
自分で淹れるが、淹れ方を指導してくれる。
この茶葉の量だと、一煎目がかなり濃いめに仕上がり、四煎目まで十分飲める。

友人が頼んだ冷茶もとても美味しそうだった。
コップになみなみと注がれた氷の上から暑いお茶をかけいただき、二煎目からは暖かいのでも、氷を追加で持ってきてくれるので、冷たいのでも選べるという趣向。
次はこれもいいかも。

3軒目は、銀座で時間を潰さなければいけなくなって入ったところ。
新しくできたギンザ6に京都のお茶屋さんが入っているというので、行ってみることに。
「中村藤吉」。長蛇の列で待つことほぼ30分。
宇治茶というので期待したが、完全に外れ。

通された時には、お冷の代わりに、急須が目の間に置かれていた。
この雰囲気は良いのだが、急須に入っているお茶はティーバッグ。あちゃー
玉露など7種類をブレンドしたものです、ともったいぶった説明は良いのだが、注いでくれるお湯の量が多すぎ。要は機械的。
1回で注がれた量で、4杯いただけた。つまり、飲んでる間、お湯に浸かってお茶はどんどん濃くなる。。。。。あちゃー
お代わりのお湯もくれて、さらに4杯。。。。。げぷ。最後は出がらし。

抹茶パフェがどうも自慢らしく、こういうものは日本でしか食べられないと思い、注文してみた。抹茶アイス、抹茶ゼリー、白玉団子などなど、結構盛りだくさんにいろいろ入っている。
美味しいのだが、食べ終わっても抹茶の味も香りも残らない。
明るく、雰囲気は良く、友人とおしゃべりに来るならいいが、お茶を味わいに来るところではない。
店舗も併設、お茶などを販売していたが完全にスルー。

ああ、美味しい宇治茶を期待したのに。残念。

浅蒸し茶を飲もう

2017-04-16 00:16:07 | 日本酒、日本茶
浅蒸し茶を飲もう
というかこれが本当の普通の煎茶



今日はお茶を2袋開けた。

昨日で、しばらく飲んでいたお茶が(やっと)終わった。
50g程度の小さな袋だったのだが、飲むのに(飲み終えるのに)かなり苦労した。

私が買ったものではなく、実家にあった、お茶を持ってきていたのである。

最初から深蒸し茶だとはわかっていた。
しかし、結構高級そうなお茶で、深蒸しでも美味しいと期待したのだが、かなりの深蒸しで、急須が詰まる、詰まる。

私は急須の蓋を使わずお茶を入れているので(お茶の葉の開き具合がわかる)詰まると開いてる部分からドボドボ。

まあそれくらいは我慢できるのだが、色だけ濃く、香りは良いとしても味が追いつかない。

さて、やっと終わった〜と思い、今朝、上煎茶、とあるお茶を開けた。

深蒸しじゃありませんように。。。。と祈りながら。



しかし、産地からわかっていたのだが、これもやはり深蒸しだった。。。。(涙)
急須が詰まるほどではないが、やはり色はきれいでも、特に香りが物足りない。

そこで、仕方ないのでもう一袋開けた。。。

宇治の浅蒸し、というより、普通蒸し、つまりいわゆる煎茶である。

これでやっとお茶を飲んだ気がした。
ちゃんと毛茸が浮いている。

超手抜き 冷たい緑茶の作り方

2016-07-21 20:00:56 | 日本酒、日本茶

涼しいというより寒いくらいの日が2−3日続いたあと、また暑さがぶり返した。
35度がしばらく続いていたので、ぐっと10度近く気温が下がったのだが、また35度。。。。
イタリアの夏はまだまだ続く。





あまりに暑い時のために、とっても手軽、というより手抜きの冷茶の作り方のご案内。

超手抜き。

でも、凝っていたら、ゴクゴクっと飲んでしまう飲み物には向かない。
作るのが面倒〜と思ってはいけないので、とにかく簡単。

日本に住んでいる方は、そんなのいつもやってるよ〜と言うかもしれないが、どうかお許しを。

日本なら、夏は麦茶〜! かもしれないが、香り高い緑茶の冷茶はそれに勝るような気がする。

お茶はもちろん新しい方がいい。
もちろん品質が良いもの、高級なものがいい。
しかし、それではもったいない。

うちにあった1年くらいたったもの(未開封)でもなんとかいける。

とにかく使う量が多いので、そして、作り方が手抜きなので、あまり高いお茶ではもったいないのである。
逆に、あまり古いのではダメだが、使い切ってしまおうと思ったら、思いっきり使ってもいいかも。

たまたま残っていた去年の 「新茶」を使い切る〜

さて、1リットルくらいの入れ物を用意する。

お茶は、ちゃんと計り、1リットルで10g。(ここ重要)
私が使っている入れ物は1、5リットルなので15g使う。

ここでケチってはいけない。
ケチったら、香り高くならない。

だから、すごく高級でなくてもいいが、まあまあ良質なお茶は使った方がいい。

お茶を、私はお茶パックに入れている。
後の掃除を考えると、このあたりが超手抜き。

そこに、ミネラルウォーター、できるだけ軟水のものをドボドボ注ぎ、冷蔵庫へ。

できれば半日、冷蔵庫において、よーく冷えた頃に美味しい冷茶ができている。

日本の水は軟らかいから、普通の水でも、美味しければいいかも。
かなり高級なお茶は、一度熱く入れたものを氷で冷やすなどして飲んだほうが美味しいと思う。
しかし、この暑い中、火を使いたくない。
ゴクゴクと大量に飲みたい。
その際に甘くない方がいい。
健康に良ければなおいい。

お茶によるが、緑の香り高く爽やかだったり、藁の香り、パイナップルのような香りを感じたり、いろいろ。楽しい。

ということで、この夏を冷緑茶で乗り切るのだ〜




マエストロ松宮の日本茶セミナー @namasTey

2016-06-14 22:06:30 | 日本酒、日本茶
マエストロ松宮の日本茶セミナー  ローマ ナマステにて
Sencha wok miyazaki
Kabuse sencha uji
Gyokuro uji
Matcha uji



パンテオンのすぐ裏にある(本当に真裏)お茶専門店ナマステで、松宮先生によるお茶セミナーが行われた。

ナマステの経営者、とても素敵な女性ダニエラは、いつも行くエノテカのマルコの友人。(偶然〜)
一度、マルコからチョコレートをいただき、あまりの美味しさに感動したのがお店を知ったきっかけ。

とても美味しかったので、チョコレート専門店なのかと思ったら、紅茶、お茶専門店。
紅茶専門店でチョコレート???

行ってみると、確かに紅茶、お茶専門店なのだが、チョコレートも売っていて絶品。
種類はそれほど多くはないが、お菓子類もとても美味しい。
オシャレで、素敵なティーポット、ティーカップ、急須なども多数置いている。

紅茶が好きで(今は過去形になりつつある。。)それも紅茶は絶対にリーフ。ティーバックは使わない。
いつもイギリスかフランスで仕入れていた。
でも、ここで売っている紅茶は、それよりも美味しい。。。そして種類の豊富なこと。。。絶対オススメ。

あれ〜、灯台下暗し??
こんな近くに、こんなに美味しい紅茶を売っているお店があるなんて。。。。!
今まで、なんで、ロンドンとパリで仕入れていたのか。。。

が、このところの飲み物は日本茶に移行。
そこで、今度はせっせこ、日本茶を日本から仕入れているのである。。。

さて、ナマステでは、10年ほど前からマエストロ松宮とタイアップして、日本茶セミナーをしているとのこと。

そのセミナーに参加してみた。
1時間半に渡り、宇治茶を中心に4種を試飲。

イタリアでこれだけ美味しい宇治茶をいただけるなんて!(感動〜)
東京は静岡の、それも深蒸しばかりで、おいしい宇治茶には意外になかなかお目にかかれない。。。。



4種のお茶

宮崎の釜炒りのお茶
宇治の煎茶
宇治の玉露
宇治の抹茶



宮崎のお茶は、この前冷やして常温で飲んだもの(だと思う)。この前はソーヴィニオンを思わせるピンクグレープフルーツの香りがしたのだが、暖かくするとまた印象が変わる。白い花がふわっと浮かんでくるよう。

宇治煎茶は、普通に飲むよりかなり濃いめに出して、ぐっと印象的。緑が濃い〜と思うのだが、これで煎茶。。。(中くらいの宝瓶に12g..)
2煎目。個人的に、1煎目もいいが、2煎目が好み。とろっと濃い感じなのが少し薄まって、タンニンのきりっとした感じとのバランスが好きなのだと思う。
3煎目までとても美味しくいただいた。

次は玉露。さらにとろっと濃い。緑がさらに濃く、甘く、舌にまとわりつくよう。お湯(お茶)なのに、ゼラチンでも混ざった感じというとオーバーだが、この、甘さと旨味が厚みを持った感じは玉露ならではないかと思う。
これも、2煎目は少ししゃきっとした感じが混ざり、3煎目、温度をぐっと上げたので、タンニンを感じる。ワインを飲んでいるとタンニンに慣れるせいか、この少し渋みが混じった感じも好き。ほんのり暖かいお茶っ葉をいただく。おひたしにしたいくらい〜美味しい〜

最後は抹茶。なるほど。
多めに立てて、容器に薄し、そこから幾つかの茶碗に注ぎ分ける、というアイデアは悪くない。
一人一人立てて飲んでいると時間がかかるし、みんな一緒に味わうことができないし、しかし、こうやれば美味しさを共通できる。
ちょっと開眼だったのは、最後、抹茶の残りがお茶碗についているところ、お湯を入れて飲む。
なるほどね〜 上等な一杯のお茶になる。



お茶の成分、効用、歴史、入れ方、アイデアなど、いろいろなことを学べたとても有意義で美味しい時間でした。幸せ〜

お茶 5種 日本、中国、ベトナム、タイ 5 tipi di te'; Giappone, Cina, Vietnam e Thailandia

2016-06-13 15:25:48 | 日本酒、日本茶
お茶 5種

Te' Bianco Fujian Cina
Te' Verde Miyazaki Giappone
Te' Verde Vietnam
Te' Oolong (Oriental Beauty) Thailandia
Te' Oolong Shizuoka Giappone



とても素敵な友人ミカさんが、チーズとの組み合わせ、お茶vsワインの夕食会を開いた。
実際には多くの食べ物も用意されていたので、ラフな夕食会、ワインとお茶とどっちの方がチーズに合うかというより、お茶のあまりの美味しさに感動する会となった。
そして、お茶とチーズがこんなにも合うなんて。。。。。。!

チーズを食べるとなると、つい、ワインというイメージになると思うが、いやいや、お茶でいいかも。アルコールを飲みたければもちろんワインでもいいが、ちょっと控えたい時、そして、逆に良いお茶があるとき、チーズを買ってきてお茶とチーズ。。。。この組み合わせにはかなり開眼!

チーズは、ローマで最も素晴らしいこと間違いなしの肉屋、食料品屋、ワインもチーズもその他の食料品も揃っている「リベラーティ」のロベルト氏が持参。

フランスはピレネーのものに始まり、トスカーナ、ウンブリアのとろけるようなクリーム状チーズ、サルデニアのブルーチーズ(こんなところでこんなに美味しいブルーチーズが???)、ラツィオのもの(凝固剤が野菜なんてビックリ。。)などなど。。。。。いったい何種類あったことか。
さすが、ロベルト。美味しい上に非常に珍しいものばかりで、チーズにも感動。

さて、ミカさんのご友人、お茶のマエストロ、松宮先生セレクトのお茶は5種。
ワインと合わせること、人数が多いことなどもあり、暖かく入れたものを冷やして常温にしてくださったものを順番に味わう。

中国は福建省の白茶
宮崎の緑茶
ベトナムの緑茶
タイの烏龍茶(オリエンタル・ビューティー)
静岡の烏龍茶

これが全部、全く違った味わい。どれもいい。
最初の白茶は、ふんわりした香りと味わい。藁の香り、そして、緑の香りがふわっと出てくる感じで、味わいが優しい。この優しい感じが心地よいのだが、しかし、飲み進めると緑の香りがだんだん存在感を帯びてくる。

宮崎の緑茶は釜炒り。 ほぉ。。緑の香りではなく、もう少し落ち着きのある香りが、これもふわっと漂う感じ。香りは決して強くないのだが、しかし、飲むとびっくり。ソーヴィニオンを思わせるような、ピンクグレープフルーツを思わせる香りが出てくる。香りからは予想のつかない味わいで、余韻も長い。

次はベトナムの緑茶。ベトナムで緑茶。。。先生のお話によると、イギリスでも最初は緑茶を飲んでいたというので、驚いてはいけない。緑茶らしい爽やかな香りが、これも漂う感じ、そして、飲んでみると今度は桃の香り。ピーチというより、もも、ももの花の香り、という表現がふさわしい感じ。
少し前に飲んでいた宇治茶で、パイナップルの香りをほのかに感じたのがあったが、この桃の香りはもう少し強い。
フレープフルーツの香り、ピーチの香り。。。まるでワインの香りの世界。

麗しい名前のタイのお茶。烏龍茶。香ばしい香りがふわっと立ち上るようで、カカオの香りやら、ナッツの香りやらが感じられる。お茶に、チョコ風の香り、ホワイトチョコ風の香りが感じられるなんて。。。この辺りで一つの結論。松宮先生は、驚かないお茶は出さない。

最後は日本のウーロン。静岡で、まだ若い作り手が作っているというウーロン。これが、それはそれは上品な味と香り。。。美味しい。。。。そこらへんのウーロンよりはるかに美味しい。。。

という5種をチーズと合わせ、先生のセレクトで食べると、チーズとお茶の絶妙な組み合わせに感動~

感動、開眼、驚きの素敵な夜でした。
ありがとうございます。ミカさん、そしてマエストロ松宮。

そして、松宮先生直々のたこ焼きも登場。。。。






すごーい優れもの。
カセットボンベ(イタリアでも手に入る)だがら火力も十分。
そして値段。。。。。プレートを替えれば焼肉もできる!
次の帰国時は、抱えて帰ること間違いなし。

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お茶の魅力 小雑誌 un opuscolo su il te' Uji

2016-06-13 10:08:07 | 日本酒、日本茶
宇治茶は京都のお茶だと思っている人は多いと思うが、実際には、その生産地(正確には栽培地)は、京都府だけではない。



京都府、奈良県、滋賀県、三重県の4県で栽培されたお茶を使用できる。
これを京都府内の業者が、京都府内で仕上げ加工すれば(もちろん、宇治茶らしい製法をもって)宇治茶と名乗れる。

今でこそ、静岡や九州のお茶も全国に流通し、有名になっているが、かなり小さな生産地域にもかかわらず、これだけ多くの「宇治茶」が世の中に出回っているのには、以上のような理由があるからである。

以上にちゃんとのとって作れば「宇治茶」なわけで、京都は宇治のお茶を飲んでいるつまりで、実は違ったりして。。。。

高品質の「宇治茶」は、もちろん京都産(栽培地)のお茶だけで作られるが、その主産地が宇治から山城にかけて。

相楽郡の南山城村、笠置町、和束町、お茶の魅力を伝える、小雑誌をいただいた。

宇治茶大好き人間としては、とてもうれし~(ニコニコ)

お茶関係の本は何冊かもっているが、3長村の魅力とお茶の話を、非常にうまくコンパクトにまとめたとても素晴らしい小雑誌。
英語訳もあるので、海外でかなり使えそう。

Il Sake incontra l'Italia 日本酒とシチリアチーズ

2016-03-01 09:12:22 | 日本酒、日本茶
Il Sake incontra l'Italia 日本酒試飲会



友人の一人ルカ(いっぱいいるルカのうちの一人)が日本酒の小さな試飲会を企画した。
たまにやる企画のようだが、日本酒とチーズを組み合わせての試飲。私は初めて参加してみた。

ちなみにルカはサケ・ソムリエのタイトルを持っている。
私は日本のSSIというかFBOの利き酒師の資格を取ったが、ヨーロッパでは、ロンドンに本拠地のあるSSAサケ・ソムリエ協会が講習を各地で行っている。イタリアでも今月ミラノであったばかりで、ローマでも行う予定にはなっている。(予定は延びて、秋頃らしい)
ただ、もちろんそう頻繁に一都市でやるわけではないので、急いでいるなら旅費をかけてどこかの講習に参加しないと。しかし、一般的な(上級クラスではない)サケ・ソムリエのタイトルなら2日から3日の講習で取れるようなので、そう負担にはならないかもしれない。
友人のルカが持っているのはこちらのタイトルの方である。
そして、さらに日本酒を飲む会 ベーレジャポネーゼBereGiapponese という会を主催し、日本酒の促進活動を積極的に行っている。
今回の小さな試飲会は 日本酒がイタリアと出会うIl Sake incontra l’Italia という企画で、今回はシチリア編。

場所はローマの、サン・ジョバンニから少し行ったところにある市場(メルカート)の一角。
以前は広場にずらっと並んで立っている露店だったが、本当に久しぶりに行ってみたら、一応屋根が付いてかなり綺麗になっていた。
50店舗くらいは入っていると思うが、その中にかなり質の良いチーズ専門店があり、そことタイアップしているようだった。



今回のアビナメント(組み合わせ)は山形県の酒2種とシチリアのチーズ4種、石臼で挽いた小麦粉使用のパン2種。
特別純米 東北泉 高橋酒造
生酛純米酒 初孫 東北銘醸

東北泉はすっきりタイプで、するっと飲め、シチリアのフレッシュなチーズにぴったり。
初孫は生酛らしく、旨味をたっぷり含んだタイプで、ハードタイプのチーズに合う。

なるほど、和食系のつまみだけではなく、チーズに日本酒もかなりいける。
市場なので昼間の企画、無料ではないが、これでお昼の代わりになった。

利き酒師 になりました~

2016-02-29 14:13:39 | 日本酒、日本茶
利き酒師



嬉しいことに利き酒師のタイトルを取得できた。

ずーーーと昔、まだ日本にいたころは、ワインだけでなく、日本酒もかなり好きだった。
その頃、そうかぁ、ワインのソムリエなんて職業があるのかぁと思っていたのだが、まさか、イタリアに来て実際にソムリエの資格を取るとは思わなかった。その後、利き酒師という職業、タイトルがあることがわかり、もし、将来日本に(永久的に)帰ることがあれば、絶対に利き酒師の資格も取るぞぉ!と誓っていた。
ただ、日本には(永久的に)帰らないつもりになってしまった。。。
そうなると、利き酒師の資格は永久に取れない。。。

ここ数年、イタリアでも静かな日本酒ブームがある。
アメリカの方が、そして、パリ、ミラノの方が先だが、ローマでもちらほら日本酒の話題が出るようになった。
むくむくと利き酒師の資格も取りたい!という気持ちが再発してくる。でも、どうやって?
調べてみたら、海外からの通信教育でも取れることがわかり、挑戦。
制限が1年以内という期間はありがたかった。
というのも、一応日本に実家があるので書類などの送り先は日本とし、実家から送ってもらう、どなたかに持ってきていただく、一時帰国の際に持ってくるなどを駆使し(当然送り返すものも多い)時間はちょっとかかったが、晴れてタイトルを取得できた。かなり嬉しい。

通信教育だと試験はなし、ということもありがたかったが、実際には添削問題の数の多さ、細かさにはびっくり。
2冊の教本を、何度も何度もあっちを見てこっちを見て。。。
一応力を入れただけはあり、なんとか、かなり良い点で合格できました。。。よかった~

東京 日本茶事情2 Tè giapponese a Tokyo 2

2016-01-16 07:45:05 | 日本酒、日本茶
東京 日本茶事情2



宇治茶が少ない。えーそんなことないよ~いっぱいあるじゃん!という人は多いのだろうが、よく調べてみると実際には本物の宇治茶は少なく、宇治茶とは言っても、宇治ではない地域のお茶を混ぜている。確かに、かなり小さな地域にもかかわらず、全国的にデパートで手に入る一保堂を始め、ペットボトルの京風のお茶、これ全部を宇治で賄うことはできないはずなので、正真正銘の宇治茶はかなり少ないと言える。
また、宇治は煎茶より玉露の品質の方が全国レベルで上であること、抹茶の製造も多く、玉露や抹茶となったら宇治茶は多いが、煎茶レベルで見ると、完全に静岡と九州に負けている。
そこで、本格的なお茶屋さんで美味しい宇治茶を、ということになると東京ではかなり難しいことを実感した。

一保堂には近くへ行ったついでに寄ってみたのだが、年始で、残念ながら喫茶部分はお休み。スターバックス風、紙コップのテイクアウト茶の玉露をいただいた。香りはよいのだが、だいぶ薄い。まあ仕方がない。
ただ、自分で入れる式の日本茶カフェということなので、それなら、家で自分で淹れても同じかも。いや、慣れているマイ急須で淹れたほうが美味しいかもしれない。デパートで買うよりは茶葉が新鮮だろうと信じて煎茶を購入。

上林春松も、さるデパートまで行けば手に入るので購入。宇治茶は、日本茶カフェで飲むものではなく、家で飲むものかもしれない。。。。。

家の近く、下北沢にある、兄弟で茶師十段というお茶屋さん「しもきた茶苑大山」は、行った時、ちょうどほうじ茶を作っていた。ロースターから出る香りが遠くまで漂い、地図が要らなかったくらい。そういえば昔のお茶屋さんはこんな感じだったよね ~懐かしい。
喫茶の方が、残念ながら日本茶インストラクター2次試験対策講義でお休み。店内だけを見るが、ここもやはり静岡と鹿児島のものが中心で、宇治茶は、ブレンドされているというものを含め2種のみ。

上野のお茶屋さんも種類はかなりあったが、宇治茶は少なく、やはりここも静岡の深蒸しが多く見られる。。。。

そして、表参道の「茶茶の間」。
東京では、おそらく最も有名な日本茶カフェで、年末年始の休みが明けた後、行くことができた。とにかく独特。本も書き、テレビにもでている和多田さんが直々にお茶を淹れてくださる。聞いていたが30種はある中、距離的に通うことができない身としては選ぶのが難しいのだが、なんといってもおすすめというのを選択、友人と3人で行ったので、お代わりも含め合計4種を味わうことができた。(どれも全く違う香りと味)



和多田氏の淹れるお茶は変わっている。他をよく知らないので、唯一なのかは知らないが、とにかくかなり変わっていることは間違いない。しかし、理にかなっているとは思う。
日本茶は紅茶と違って、茶の葉そのもののエキスを抽出する。その葉がどれだけ良い状態で育てられたかがキーポイントになるはず。
そして、それをどういう風に淹れるか。淹れ方の正解はないが、工夫はある。
和多田氏は、非常に理にかなった工夫をして、実に楽しく美味しくお茶を淹れてくださる。


1 煎目は、氷も使い、最後の一滴まで絞り出した僅かの量のお茶、というよりお茶エキスをいただく。超濃厚。
2煎目は、もう少し普通のお茶と思えるお茶が出てきた。でも、これも少量で、やはり濃厚。ここでもう1種、形の違う茶碗を、味が全然違ってきますよ、と言って出してくれた。確かに違う。これはワインにも共通だが、実はグラスが変わると味が変わる。お茶でも当然同様のことが言えるわけである。
3煎目は、グラスに冷茶。すっきりしていて美味しい。でも、これも少量。
4煎目は、冷たいのか暑いのかを選んで(温かい方を選んだ)たっぷりピッチャー(と言っても小ぶり)に入れてくれたお茶をちびちび飲む。

満足。

ところで、宇治茶はここでも玉露しか置いていない。回答は、宇治で宇治茶は作っていない。
もういい加減、宇治茶をやめて、静岡茶にしようか??ただし、静岡は山の方で作られているものに限定。知れば知るほど、品質がかなり良いということがわかってきた。
ここには深蒸し茶も置いていない。回答は、深蒸し茶はちょっと違う。
そう、同じワインでも、ノヴェッロや大量生産ワインは「ちょっと違うワイン」で、丁寧に造った良質ワインと一緒にしないでほしいと思っていた。きっとそんな感じなのだと思う。

お茶の世界も深い。でも思っている以上に深いということを知った今回のお茶巡り。
今回行けなかったお茶屋さん、日本茶カフェは多数あり、また、有名和菓子屋さんのカフェにも寄りたいし、課題、宿題はまだ山ほど残っている。



東京 日本茶事情1 Tè giapponese a Tokyo 1

2016-01-15 09:49:00 | 日本酒、日本茶
東京 日本茶事情1

日本茶に凝っている。ちゃんと入れた日本茶がこんなに美味しいとは。
イタリアでは諦めていたというか、水が違うので、どうやっても美味しく飲むことはできないと思っていたのだが、やれば出来る。今は、お茶を入れるときは人生の(一日のではない)リラックスタイムだと思って出来るだけ真剣に取り掛かる。ある種のワインを開けることやデカンタをすることが「神聖な儀式」だとすると、ある種のお茶を入れる時も「神聖な儀式」だと今は思う。
ただ、こちらではより好みもできず、好きなように購入することもできないため、今の所ほぼ宇治に、そして、煎茶、浅蒸し(つまり深蒸しではない)にほぼ特化している。

年末、突然日本への一時帰国を決めた。そうなったらついでに日本茶を仕入れ、日本茶カフェ(本当の喫「茶」店?)も見てみたいと思った。年末年始は休みのところも多く、壁は薄くはなかったが、数カ所回ることができた。

最初に行ったのは築地。
2件のお茶屋さんを見つけたのだが、どちらも静岡の茶園の経営のよう。
うち1件では宇治茶を見かけたが、申し訳程度においているという印象。
もう1件の経営の有名茶屋が近くにあるので足を延ばす。

やっぱりここだった、と思ったのは「うおがし銘茶」。
かなり昔、ワンコインで5種程度の本格的日本茶を飲める催しに誘われたことがある。アクロバット的な大胆な入れ方で、入れてくれたお茶が美味しかったのを、今でも覚えている。
なぜかその時、B級グルメグランプリの富士の有名焼きそばが出て、どういうつながりがあるのかずっと疑問だったのだが、そう、ここも静岡の茶園の経営だったのである。
ちなみに、この催しは今でも年に数回開催しているようで(現在700円?)これはオススメ。是非一度、美味しいお茶数種類を気軽に体験して欲しい。
さて、尋ねると、扱っているお茶は全て静岡茶、それも深蒸ししかありません、美味しい深蒸しを楽しんでいただいてます~との回答。店内で出してくれたお茶を飲んで(非常に美味しかったのであるが)喫茶室には上がらず退散。

有名な「寿月堂」も静岡の茶園だった。
煎茶が3種から選べるのは嬉しかったが、やはりどれも深蒸し。お茶は美味しいし、元来海苔屋さんらしく、食事が美味しかった。
お茶は、ポットに入ったお湯も出てきて3煎程度飲めるが、自分で入れるシステム。

そのほか、街で小さなお茶屋さんを見つけると入ってみたが、どこも静岡茶が多く、そして九州のお茶も結構見かけ、宇治煎茶は少ない。
おーい、宇治茶~どこにいるの~?

宇治茶ということではないが、非常に良かったのは、銀座、松屋の地下にある「茶の葉」。
デパートの食品売り場の隅にあり、イートイン的な造りになっていないので、こんな奥にこんなに静かな茶屋があるとは、知らなければ入れない造りになっている。カウンターのみのたった7席。多分太陽の陽をほとんど浴びたことのない白い花を咲かせた梅と、同じく白い花を付けた(白は珍しいとのこと)ボケが出迎えてくれた。とても風流な空間。
せっかくなので、お正月の特別メニューを注文。大福茶やお赤飯が付いている。梅と黒豆入りの大福茶も赤飯も非常に美味で満足だったところ、さて、カウンター越しに見える、日本茶ソムリエ(女性、本当のタイトルは知らないが。。)の方の入れてくださる日本茶に注目。優しく、しかし大胆に入れてくれる。最初は抹茶を飲もうかと思ったのだが、入れ方を見ていて気を変えた。彼女の入れる煎茶を飲んでみたい。

宇治茶あります、というので即、注文。
見事な味であった。きちんと茶葉の量を測り、使い込んでいる急須は小ぶり、お湯の温度に気をつけて、砂時計で時間をきちんと測り、茶葉の量が多めで、3煎までちゃんと飲める。
知っていれば一人でもふらっと入れるところ。お茶の種類は多く、東京に住んでいたら通うのに。。。残念。

常時売っている茶葉は15種ほどで、静岡、鹿児島が多く(深蒸しもあるが、浅蒸しも多い)宇治煎茶は2種のみ。即購入。
うち1袋(飲んでいない安い方)をすでに開けているが、素晴らしい。見事な茶葉で、見事な味である。


残念ながら、東京で宇治茶は実はあまり流通していないのを実感。

Tè giapponese all'improvviso 突然の日本茶

2015-10-04 10:43:57 | 日本酒、日本茶
突然の日本茶


美味しいお茶がこんなに美味しいとは。
日本では当然日本茶を飲むが、元来洋物が好きな家庭に育ったのでコーヒーも紅茶も飲む。
ただし、飲むと言ってもどこでもいくらでも飲むわけではない。
むしろあまり飲まない、と言った方がいいかもしれないくらいである。
つまり、美味しくないコーヒーも紅茶も飲めないからである。
特にコーヒーの不味いものは飲めない。気分が悪くなってしまう。
だから、飛行機の中、列車の中(最近、ユーロスターでカプセルのコーヒーを飲む機会があった。これならとにかく味は均一) などでは絶対に頼まないし、ホテルの朝食の大量に作るコーヒーも避け、多少不味くても少なくとも気分が悪くはならない紅茶にしたり、場所によって工夫している。

日本茶も好きではあるが、こちらではどうしても美味しくは飲めない(と思っていた)ので全くと言っていいほど飲まなかった。
水が違うので美味しくならない、色がすぐに変わって不味そうになってしまう。(と思っていた)
ところが、世の中物好き(笑)はいるもので、日本茶大好きというイタリア人の友人を持つことになった。
なるほど調べてみると、コーヒー大好き外人(日本人)がいるのと同じで、日本茶大好き外人(イタリジア人)がいても不思議はなく、むしろ日本人の方が日本茶を知らないのではないかと思った。


その方から、超高級というわけではないが、とても美味しいお茶をいただいた。
ここで生活パターンがかなり変わったと言っていいかもしれない。
かなり本格的にお茶を入れているその方から淹れ方を教えていただき、ネットでも調べ、お茶用に水を買い、時間がある時に飲んでいる。
コーヒー、紅茶から日本茶。
紅茶は結構大量に作って(葉は一応良いものを使用)ごくごく飲むのであるが、お茶を飲むひと時はなんだか日本人。
急須などは適当にあるものを使っているが、次回の帰省で良いものを探さないと。
ちなみに今のお茶はマスカットの味がする。