在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Osteria dell'Angelo roma

2015-06-10 15:31:18 | レストラン
Osteria dell'Angelo



友人の佐々木さんがかなり頻繁に写真をアップしているレストラン(正確にはオステリア)アンジェロに初めて行った。
とても素敵なリエさんもご一緒の夕食。
ご指定がアンジェロで、ホクホク。
いつも写真で見て、一度は行ってみたいところであったからである。

佐々木さんが常連で、いろいろと説明してくれる。
アンジェロもかなりワインが好きで、ワインの知識が豊富とのこと。
今回は佐々木さんが持ち込んだワイン3本をいただいたので、ワインは頼まなかったのだが、今度は、うちにもいいワインがあるから、ぜひワインもね、と帰り際に言われた。
メニューは今時珍しい、フルコースのみ。そういえば昔はこういうスタイルのところってたくさんあったのに、いつの間にか消えてしまっている。

シンプルな前菜から美味しい。


プリモは幾つかから選ぶ。
パスタは全部リガトーニなのか、これも嬉しい。
アマトリチャーナはブカティーニで、と思うかもしれないが、私はリガトーニの方が好き。(スパゲッティで出されたら、実際にはしないが、突き返したい。。。)
重すぎず、軽すぎずの絶妙な煮込み具合。
カルボナーラもブカティーニ。これはスパゲッティでも許せるが、ブカティーニバージョンも好きでよく作る。カルボナーラがブカティーニで出てくると、うん、ここはわかっている!と思いたくなる。
こういった定番メニューはいつでもあるそうだが、いつもはない、今日のオススメはパイヤータ。個人的には内臓バリバリ系は苦手なので頼まないが、一口いただいた味は今まで食べたパイヤータの中で一番美味しかったと思う。


メインも幾つかから選ぶ。
ピッキアポーがあったので、迷わずこれ。ブロードをとった肉をトマトソースで煮込んだ、今ではだいぶ見られなくなったローマ料理。ちょっと塩辛い感じがいかにもローマ料理らしい。そう、ローマの料理は塩辛いのだ。昨今、上品に塩味少なめ、ダイエット風料理になっているところが多いが、本物のローマ料理はかなり塩辛い。塩辛くないと本物ではない。昔々、ローマに来たばかりの頃、いったいなんでこんなに塩辛いのかと思ったが、今ではたまに塩辛いローマ料理に出会うと懐かしくもなる。
ローマ料理定番の肉団子もとても美味しそうだった。

そして、付け合せの野菜。これも選ぶ。
最後にビスケットのデザートと甘い赤ワイン。このデザートワインは、カラフに入ったごく普通の地酒だが美味しかった。ハウスワインと言えど、なかなか良いワインを選んでいるのを納得。

そして値段も安い。ワインと水は別だそうだが、フルコースで25ユーロとは今時信じられない値段。これでは常連になるのもわかる。
アンジェロ氏はヨットも好きだそうで(イタリアにはヨット好きがかなりいる)、プレゼントにブレスレットをいただいた。コオロギ、正確には海のコオロギというのだそう。


そして、佐々木さんコーディネートの雑誌「イタリア好き」によるとラグビーも好きとのことで、なるほど、ラグビー好きの友人はアンジェロ氏のことを知っていた。
写真もかっこいい。


場所はバチカン近く、地下鉄A線、オーッタヴィアーノ駅から歩いて5分くらい。
Osteria dell'Angelo
Via Bettolo 24 Roma




イタリア好き

2015-06-07 14:55:27 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
イタリア好き



「イタリア好き」の雑誌を佐々木さんからいただいた。
ローマ特集、ローマで肉屋に行こう
表紙は、bottega liberatiのロベルト氏。

いいねーと思わず唸る。
ローマの肉屋と言ったら、liberati。そして、肉職人(という言葉があるかは知らないが)と言ったらロベルト氏。
もちろん他にも良い肉屋はたくさんあるし(例えば私の家の近くにもとても良い肉屋があって、とても繁盛している)、素晴らしい人は多いが、黒いエプロンにオレンジの帽子の彼は絵にもなる。


中身はとても充実していて、フリーマガジンとは信じられない。
マンマのレシピは、思わず作りたくなるし、レストランの紹介は、ご贔屓のArmand al Pantheonも出ている。
(ちなみに、アルマンドで歴史的に使っているジノリのお皿のかわいらしいオリジナルデザインは、私の親しい友人、最近はエキスポ、イータリー館の人参の女性の彫刻でちょっとした話題になったルイジ・セラフィー二氏。)

この前、佐々木さんとご一緒したアンジェロ氏も絵になってる。

そのほか、ちょっとした情報がさりげなく出ていて、とても良いし、写真もとても綺麗。
気張らず、さらっと読める大きさ、厚さも嬉しい。
こういう雑誌、ながーく続いてくれたら嬉しいのだけど。


Expo Milano; Italia ecc

2015-06-07 12:09:30 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
いいかげんに疲れたエキスポ情報




Padiglione Brasile(ブラジル館)+++++
書くのを忘れた館。人気館の一つ。
巨大なネットが張ってあって、その上を歩けるようになっている。最初は低く、だんだん高くなり、最後は3階くらいの高さまでになっている。高所恐怖症の人はきっとダメ。
下の通路には植物が展示されていて、それが上から見えるという趣向。もちろん、下の通路だけを通ることもできる。つまり、下に人が通っているので、スカートではちょっときつい。また、スニーカーでないとかなり歩きにくい。
とにかくどんなものか試してみたい、というだけの人は、途中でギブアップし、出してもらうこともできるのがありがたい。


Padiglione Italia(イタリア館)++++
主催国の間なのでとにかく並ぶ。1時間半待ちは普通だと思う。しかし、最初の部屋以外はまあまあ。
最初の部屋は、各州を代表する人(当然食関係で)のフィギュアが飾ってあって、その中に大好きなヨスコ氏を見つけて嬉しくなった。フリウリ代表、グラヴネルのオーナーである。あの穏やかな彼の声も聞ける。
しかし、それだけ。他の部屋はまだ工事中の部屋もあって(地震体験の部屋があるらしい)、置いてある植物は枯れているものもあり、全体にはまあまあ。
それから階段が多く、上へ行ったり下へ降りたりがちょっときつい。ただし、上の階からの眺めは綺麗。




ワイン館 ++++
イタリア館のあたり、各州の館が造られていて、なんと、お膝元のロンバルディア館が、行った時には未だにできていなかった。
交差点のとてもいい場所を陣取っているだけに、笑い者になっていたのがかわいそう。
そのほか、実はまだたくさんの館ができていなかったのだが、ちょっと奥に入っていたり、小さな館だと目立たないのだが、さすがにロンバルディア館は目立っていた。
そのあたり、カルド通りに面して、かなり大きな敷地でワイン館がある。2階に上がると受付があって、10ユーロで3種の試飲ができる、との説明があった。壁にずらっとワインが並んでいる。チケットのようなものを入れると、自動的に一定の分量だけがグラスに注がれる仕組みになっている。なかなかよくできているのだが、グラスがその後邪魔になってしまうので、眺めただけで出る。当然、高級ワインは少ないが、趣向としては面白い。




Expo Milano; Cina, Thailandia, Corea e Vietnam

2015-06-06 23:01:12 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
エキスポ情報;東洋の館



Padiglione Vietnam (ベトナム館)+
こちらもハンガリーのタイプで、2回のギャラリーを除いて一部屋のみ。実演ができるようになっている。演奏をやっていればきっと面白いのだと思うが、時間を見ると1日にたった3回。そのうち少し増えるかもしれないが、たった3回ではやっていない時間の方が圧倒的に多いということになる。

Padiglione Cina(中国館)++++
外から見て、その大きさには結構圧倒される。映像で見たら、中に稲穂があるように、つまり実際の畑があるように見えたのだが、電気仕掛けだった。でも、色がかわり、上から見るとなかなか綺麗。最後、上映を見るか見ないか、選択できる順路になっているのだが、せっかくなので見てみる。
始まると、お偉い方のご挨拶の映像が最初に長々と。エキスポは楽しむ場なのだから、こういう、お国自慢のお偉方の映像は避けて欲しかったが、これが中国なんだろうなぁ、と思いながら終わるのを待つ。その後の映像は普通。中国の田舎の景色がとても綺麗だった。

Padiglione Thailandia(タイ館)++++
こちらの外観も惹かれる。入る前に、部屋は3つ、うんぬんの説明がある。最初にこういう説明があると、全体を大雑把につかめるので嬉しい。
最初の部屋は円形で、円状のスクリーンの映像は結構迫力がある。
次の部屋は、巨大な水槽のように造られた部分全体がスクリーンになっている。水はないが、形が微妙で、かなりの深さがあり、これはなかなかのものだと思う。
さて最後の部屋。と入ってみると、これは結構お国の宣伝だった。部屋に入る前に、出たい人は出口こちらです、としきりに案内していたが、なるほど、最後の部屋はパスしても問題なし。タイのインスタント系食品を売っているショップがかなり大きい。


Padiglione Corea del Sud(韓国館)++++
ちまたの反応はかなり良い。日本館よりいい、と言っているイタリア人がかなりいるのは聞いている。
建物はあまり目立たないので、期待より良い、という心理状況もあると思う。
最初の部屋は、入ってさらっと通過。次の部屋がやたら広い。なにやらスクリーンのようなものがあるようなないような。始めるのを待ってみる。
線路が、繋がってはいないがL字型に組まれ、その上を2台の機械が行き来し、2枚のスクリーンが離れたり、繋がったり、縦に横に、この映像はすごい。
次の部屋は、無数に置かれているツボの口の部分が白く丸いスクリーンになっている。確かに綺麗。
しかし、日本館と比較。日本館にも似た様な部屋があるのだが、日本館の場合はその丸く白いスクリーンがまるで花のようにユラユラ揺れるのが幻想的で、動かないツボになっている韓国館より上をいっていると思う。
また、日本館の最後の部屋の映像は、タイプは全く異なるが、かなりすごい。
さらに次は?と移動するが、これで終わりだった。
あとはショップ。お茶碗やお箸など、かなり和風のデザインのものも置いていて、日本と韓国の違いのわからない人は、もしかしたら、日本のお茶碗のつもりで買うのかもしれないと思った。。。

Expo Milano; Francia, Regno Unito, America ecc.......

2015-06-06 22:05:48 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
続いてEXPO情報。
これから行く人のために、良い情報になれば。


Padiglione USA(アメリカ館)+++++
遠くからでも一番上に人が登っているので行ってみたくなるのがアメリカ館。
入って、奥を下って、その後、7つの映像のある部屋を通って、やっと屋上へ上がれるようになっている。
7つの映像は、アメリカらしく、アニメ風で割と面白い。わずか1分程度で次へ移動、という趣向が退屈させない。
屋上にはカフェがあり、食事もできるようになっていので、人でごった返していなければ、気持ちの良い空間である。

Padiglione Monaco(モナコ館)+++
アーティストの友人がイタリアのモナコ大使と友人ということと、日本館のちょうど隣に位置しているので入ってみた。
さらっと入って出られる館の一つ。水事業に関する展示は専門家が見れば面白いのだろうが、素人にはクラゲがきれい。
なお、比較的ゆったり造ったレストランが併設されているので、ゆったりシャンパンでも飲みながらフランス料理を食べるには良いと思う。

Padiglione Ecuador(エクアドル館)++
いつも割と行列。そして、館の外見のデザインが惹かれる。
ということで入ってみたのだが。。。。。香りを体感できるようになっている部分は面白いが、その後は映像の部屋があり、それで終わり。


Padiglione Francia(フランス館)++++
館の前のアーティチョークの彫刻が印象的。館はかなり小さく、館より、入るまでの畑の植物を観察したほうが面白いかもしれない。
館は体感できる展示システムだが、たくさんの人がいたら無理だろう。
最後にショップがあるが、ここで面白いものを見つけた。
温度によって色が変わるマグカップ。
大きさ、形、色の違うものが数種あり、安くはないのだがリモージュで、とても綺麗。


Padiglione Santa Sede(バチカン館)+
入って出た。その時間2分だろうか。友人も同じようなことも言っていた。
一部屋、映像があるのみで、最初ならともかく、どの館もある意味似たような映像なので、食傷気味になってくる。。。

Padiglione Israele(イスラエル館)++++
映像の部屋が3つ。
意外と知らない人が多いのだろうが、実はパキーノの名前で知られている(今はパキーノ以外にも多くの種類あり)ミニトマトはイスラエルの研究の元に生まれている。
そのあたりを映像を通して説明。
また、運が良ければ、イスラエル旅行が当たるかも。


Padiglione Spagna(スペイン館)+++
滞在が短いと、つい有名な国、印象の良い国、大国などを優先して入ると思うので、スペインも食べ物が美味しいし、行きたくなる国だと思う。
と思って入った人には、あちゃー、となるかもしれないが、これでまだかなりマシ。
料理の作り方をバーチャルでテーブル上で見せるのは、悪くないし、インテリアも可愛い。
また、ショップがかなり充実していて、スペイン産高級生ハムを含め、ワイン、オイルなどいろいろなものを売っている。
ただ、これも持って歩く気にはなれないので、1日の最後でないと買えないと思う。


Padiglione Regno Unito(イギリス館)+++
若干奥まって、なんだかワイヤーの塊のような外見に惹かれるし、2日目に行った友人が褒めていたので行ってみる。
いったいテーマは何かと思ったら、ハチミツ。一瞬、イギリスとハチミツ??と思ったが、プーさんの大好物はハチミツだし、一応納得。(??)
順番を待ってワイヤーの中に入る。一応、この中では現地の養蜂場とつながっていて、そのよう様子が見れるらしいのだが、私はそそくさと出る。人が多すぎるのと、スカートの人にはちょっとヤバイのでした。(床が透明)


Padiglione Ungheria(ハンガリー館)++++
2階がギャラリーになっているのを除いて、たった一部屋のシンプル構造なのだが、入ったら音楽が演奏されていた。幸いイスが結構あるので座って聴いていると、今度は踊りが始まり、かなり盛り上がった。もちろんいつもやっているわけではないだろうし、たまたまのタイミングだったのだと思うが、いいタイミングに当たれば、オススメ。
それから、部屋の中央にピアノが置いてあって、超革新的なデザインで一軒の価値はある。こちらの演奏も始まらないかと待ってみたのだが、たぶん、演奏者らしきおじさん二人が入ってきて、リハーサルを始めた。わずか5分程度だが、満足。
また、奥で売っているショップがよく見ると結構可愛い。ボビンレースの実演もやっていた。


Padiglione Lithuania(リトアニア館)++
入ってみると、中央に大きな球状の、スクリーンを幾つかはめ込んだものがあり、さあ次へ、と思って行ったらショップになっていた。そして出口。。。あちゃー
ただ、レストランは美味しそうだった。比較的マイナーな国なので空いているし、しかし、なかなか立派な内容、ちょっと辛そうな味付けのの肉系料理を出していたので、食べてはいないのだが、オススメできると思う。

Padiglione Argentina(アルゼンチン館)+++
波状に造った部屋、スクリーンの映像は決して悪くない。ただ、どこもかしこも映像だらけなので、食傷気味にはなってくる。
それより、やはりこちらもレストランが良さそうだった。アルゼンチンの肉料理にワインは悪くないと思う。









Abraham 2013, Toros Tocai 2002, Damijan Ribolla 2008

2015-06-05 15:41:02 | Friuli フリウリ
Abraham 2013
Toros Tocai Friulano 2002
Damijan Ribolla Gialla 2008



時々、素晴らしいワインに出会う。新しいものの場合もあるし、古いものの場合もある。
良いヴィンテージが素晴らしくなっている場合、しかし、悪いヴィンテージが素晴らしくなってるという珍しいこともある。
ワインがもつために必要なものは一般に酸とタンニンである。
酸は酸化防止剤となるが、そこで、南のワインで酸が足りないものをもたせようとする場合、酸化防止剤になる酸を足すことがある。このケースは以外と多いというのがサンジョルジの論。ワイナリーは、絶対に酸を足していますよ、とは言わない。そこで、どのくらいのケースが足しているのかわからないが、意外と多いととっても良いらしい。
赤ワインの場合は酸以外にタンニンが含まれ、日本でもポリフェロールで話題になったが、多く含まれていればその分劣化防止になる。
では、酸か、または酸とタンニンが多く含まれていればワインはもつのかというと、そうはいかない。
つまり、その理論でいけば2002年のワイン、ひたすら酸っぱいだけのワインが持つはずなのにそうはいかないからである。
ただ、逆に、では、2002年のワインが全くもたないかというと、これも違う。
酸化防止になる酸が多く含まれているはずであるので、一応は持つはずなのである。

さて、尊敬するアルマンドとその辺りを話したことがあるのだが、彼の持論は、加えてバランス。
つまり、バランスの悪いワインは、たとえ酸が多くても、タンニンが多くてももたない、ということである。
なるほど、2002年は最悪の年だった。雨が多くて、寒くて、こんな年は他になかった。
ワインを造るのをやめたワイナリー、格下げしたワイナリーなどが続出したのだが、そんな中で丁寧に造ったワイナリーはある。
そして、良い年ではなく、悪い年にどれだけ良いものを造れるかが結局、ワイナリーの実力の差だと思う。

トロスはすごかった。
ワイン名を教えていただけず飲んだのだが、すごい。ただ、最初はここまで古いワインだとは知らなかったし思わなかったので、なんてバランスの良い素晴らしいワインなのだろうかと思ったが、まさか、それが2002年の、まさか13年も経っているワインだとは思わなかった。
数年たったワイン、マセラシオンでバトナージュだと思ったのある。
ところが、蓋を開ければ、これがフランコ氏の実力なのだと思う。
新しいワインを出してきて試飲しただけではどんぐりの背比べ。
10年以上経って明らかな差が出ていると思う。
久々に感動するワインに出会った、と思った。
色は濃く、輝きがあり、やや乳酸系の香り、ほのかにロースト系の香りが出ているが重たくはないし、 アタックが素晴らしく、余韻が実に長い、また、1時間経っても全く衰えることがなかった。+++++++


最初に飲んだのはAbraham。
口当たりの柔らかさから明らかに自然派だとわかる。しかし、臭みは全くなく、白い花、若干ライチ、あとで桃が出てきたが、花とフルーツがとにかく綺麗で、心地よい。
酸がじわっと出てくるのだが、とげとげしさが全くなく、とても可愛らしいワインである。+++


3本目がダミアンの2008年。
色はオレンジ色。輝きはあるが、これは残念ながら、おそらくコルクに問題があった感じ。コルク臭は付いていないのだが、酸化が早いというか、硬さが残り、余韻に苦味が消えない。たまに残念なボトルにあたることがあるが、そんな感じだった。+++

素晴らしい夜を過ごせたことに、過ごさせていただいたことに感激でした。





Expo Milano ; padiglione zero, Belgio e Germania

2015-06-01 23:19:47 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Expo Milano; ゼロ館、ベルギー館、ドイツ館

これからエキスポに行こうという人のためのエキスポ情報。

地下鉄、電車で来た人が入る西の入り口(Ovest)、FiorenzaとTriulzaは、結局は繋がっていて、前者の入り口の方がゲートのが図が圧倒的に多いので列が若干短いような気がするが(もちろん時間による)入ってから歩く距離が結構長い。入り口から見える橋を延々と歩く。日本なら、ここで歩く歩道を造るだろうに、と思いながら。そこで、朝一番などの時間帯以外は後者の入り口から入った。

Padiglione Zero (ゼロ館)++++

入ると目の前にあるのがPadiglione Zero。開館前の記者会見で、かなりいいですよ、と自慢していたので入ってみる。
一番最初の部屋はその時のスライドで見ていたが、歴史的な図書館にイタリアの彫刻が飾ってある、という雰囲気を作っていてなかなか見事。でもそれだけなので、おお、と思ったあと、すぐに通過。あとは、映像、デザイン的な展示、可愛い動物たちがずらっと並んだ彫刻のある部屋、ゴミの山(臭くないのでありがたい。。。)の展示のある部屋などが続く。
エキスポのメイン館となるので、一応オススメ。




Padiglione Belgio(ベルギー館)++++
友人が開館2日目に行った時にはやっていなかったそうだが、チョコレート製造の実演があり、できたてのチョコを試食できるようになっていた。そして、食に関するものをかたどった素晴らしい宝石の展示。
入り口では美味しいビスケットを配っていたこともあり、オススメ。(ただし、ここはイタリアなので、いつも配っているとは限らなし、実演も時間によってはやっていないような気もする。。)
なお、ショップでは、ゴディバ、ノイハウスなど数社のチョコレートと、かなり高級アクセサリーを販売している。チョコレートを持ってウロウロ歩く気にはならないが、帰る間際なら買ってもいいかも。


Padiglione Germania(ドイツ館)+++++
並んでいる間に段ボール紙に白い紙を貼って二つ折りにしたものをくれる。言語はドイツ語、イタリア語、英語から選ぶようになっている。
真っ白な紙にはロゴ以外は何も書いていないので、これは何?と質問している人もいたが、入ったら説明があります、と説明していた。
説明によると、所定の位置でかざしてください、とのこと。また、斜めにするとページが変わります、と。
なるほど入ってみると、10箇所以上はあったと思うが、かざせるようになっている。面白いのは言語が自動で識別できるようになっていること。
なるほど。こういうところはドイツらしい。
そして、最後のシアターがかなり面白かった。
宇宙船というとオーバーだが、天井をゆらゆらするスクリーン、中央の小さなお立ち台の上では一人がギターを奏で、一人が歌い、なかなか面白いライブが、たぶん15分以上。生演奏なので、時間と日によって変わると思うが、映像だけの館が多いなか、ライブとはかなりいける。
Beejayのネーミングもかわいい。
ここでも最初に配られた紙が結構活躍。これをパタパタさせると拍手よりいいかもしれない。
ただ、贅沢を言えば、座りたかった。寄りかかれる工夫は面白いが、こういうところが日本館との違いかも?
それから、ドイツ館は屋根の上が散策コースになっていて、ゆったりしているし、景色もきれいでオススメ。こちらは並ばずに行ける。








5 verdicchio ヴェルディッキオ 5種

2015-06-01 19:39:33 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
ヴェルディッキオ5種@osteria dolce vino

Marche bianco Kypra 2013
Verdicchio dei Castelli di Jesi Capovolto 2013
Verdicchio dei Catselli di Jesi San Michele 2011 Bonci
Marche bianco Il Gentile
Verdicchio dei Castelli di Jesi 2012 Bucci



イタリアはマルケ州の土着品種、ヴェルディッキオをブラインドで飲もうという内輪の会。
マルケ出身の友人アンドレアが、まだ新しい自然派を含むワイナリーのワイン3種を飲むのに、一人で飲むより何人かで飲んだ方が良いということと伝統的ワイン(正確にはすでに有名ワイン)とを混ぜでブラインドで飲んだ方が良い、というのを掛け合わせて企画したもの。
なかなか面白い結果が出た。
適当に決めてあった順に沿って試飲。全員で5人だったが、アンドレア以外は5種のワインが何かは全く知らない。

1本目は、分が悪いという説と、分が良いという説があるが、どちらが結局は正しいのかはわからない。
2種のワインを試飲した時、例えばそれが実は同じワインだった場合でも、わりと多くの人が1本目を2本目より高く評価する、という説がある。
しかし、数種のワインの場合、普通の試飲会ではだんだん良いものにしていくのが常識なので、1本目のワインは大したワインではない、という先入観が働かないこともないと思う。
今回はブラインドだったので、前者の説の方が効いたのか、多くの人が1本目を高く評価した。
個人的にはまあまあの評価だったので結構驚いた。

評価は、これは美味しい、とするワインを+++
そこに達しない場合は+の数が少なくなり、最高数は決めていない。

5種は全てマルケのヴェルディッキオ。

Marche bianco Kypra 2013
ワイナリーの昔の香りが残っている、素晴らしい、とある人。
やや曇った香りで、個人的に好みの透き通った香りではない。悪くはないが、「昔のワイナリーの香り」は、イタリアで育った経験がないので分かり得ない部分がある。
しかし、私以外は全員賛同し、イタリア人にとっては、子供の頃を思い出す懐かしい香りがこういう香りなのだと改めて思った。
アタックは優しく、自然派だとすぐにわかる。酸があるが、それより塩味が勝り、ヴェルディッキオはこんなに塩味があったのか?と思わせるくらい。
余韻の長さは普通で、最後に塩味が残る。++(+)

Verdicchio dei Castello di Jesi Capovolto 2013
香りがわりと弱いのが残念。しかし、繊細な香りで、個人的に好みの香りでもある。
こちらは酸が結構残る。ワインだけでは酸が勝るが、食事にはよく合うだろうと思わせるワイン。++(+)

Verdicchio dei Catselli di Jesi San Michele 2011 Bonci
5種の中で一番色が濃く、自然派ではない伝統的(すでに歴史と経験のあるタイプ)だと思った。熟したフルーツがかなり心地よく、香りが甘い。かなりしっかりした味で、余韻も長く心地よい。Bucciがあると確信していたので最初はBucciかと思った。++++

Marche bianco Il Gentile
5種の中で一番色が薄い。かなり印象の強いワインの後だとなおさら影が薄くなってしまうのが残念。名前のように優しく、酸味が綺麗に残り、香りから自然派ワインだとすぐにわかるタイプ。(ただし、よくある臭みの強い自然派のようではない。)++

Verdicchio dei Castelli di Jesi 2012 Bucci
香りが透き通るように綺麗。花、フルーツ、そして緑の香りがほのかで、飽きない。すぐにこちらがBucciだろうと予想したが、幸い当たった。以前は、もう少し重たい印象、つまり3番目のワインのような印象があったが(そこで最初は3番目をBucciだと思った)、それがなくなって軽やかな印象も混じり、かなり良い、そして好みであることに、ブラインドで飲んで改めて思った。++++

なお、集まった場所はポルトゥエンセ地区の小さなエノテカ。
試飲後に食事をしたが、結構美味しい。
私が住んでいる所からは全く反対の地域なのだが、近くの人は通っても良いかと思うところ。Osteria Dolce Vino








イタリア映画の紹介 La Giovinezza (youth) 若さ

2015-06-01 00:20:59 | 何故か突然イタリア映画
La Giovinezza (youth) 若さ(青春)
Paolo Sorrentino



La grande bellezza (偉大なる美)でオスカーの最優秀外国映画賞を取った監督パオロ•ソレンティーノ監督の最新作。

作品と、日々起こる事件によっては(ジャーナリストの集まりなので)集まりが悪い上映会だが、びっくりするくらいの人がすでに集まっていた。
いったいどこからこんな人が??と、信じられない光景だったのだが、プライベートな上映会の部屋は人で溢れていた。
途中で入ってきた人は立ち見だったのではないだろうか。
そして、いつもはいない、黒服でごつい感じのセキュリティの人が3人もいて、いろいろ指図している。配給会社が、無断でビデオに撮るなどの防止、そして、セキュリティのビデオの撮影防止のために回してきたらしい。
なるほど、管理室直結のビデオはカメラは、スカーフのようなもので覆われていた。
オスカーを取ると、こうもなるのか、とちょっとびっくり。

さて、期待の映画は、ちょっとドキッとさせるポスター。
温泉プールにつかっている二人の老人の前に、素っ裸の女性がすっと入ってきたところである。

場所はスイス、アルプスにある超高級リゾート地。
有名人が静かなバカンスに集まるのだが、長年の友人、有名作曲家のフレッドと有名映画監督のミックがバカンスを過ごしている。
超高級リゾート地なので、あちらこちらからお金持ちが集まっている。
俳優やら、マラドーナを思わせるサッカー選手やら。ボンボンも多いので、若いメンツがいないわけでもない。熟年夫婦、カップル、シングル。。。
温泉リゾート・ホテルなので、ぷよぷよしたお腹の、水着姿のご老人たちがいるかと思うと、ミスユニバースは素っ裸で温泉に堂々と入ってくる。
従業員の数も多いので、宿泊客だけでなく、従業員もストーリーの中に絡んでくる。

メインのストーリーがいくつかあり、うまく絡んでいる。
フレッドの娘(が主演女優)はミックの息子と付き合っていたのだが、ばっさり振られてしまう。
ミックは、たぶん最後になる作品の主演女優に、昔からの付き合いの大女優(この役がジェーン・フォンダ)を希望していたのだが、断られてしまう。(そして、最後は自殺)
フレッドは、イギリス女王からのコンサートの依頼を、二度と指揮はしないと最初は断るのだが、映画の最後は、女王の前で自作の音楽を演奏するというところで終わる。(歌手の役の女性は日本人。ちょっとケバケバしすぎる感じが残念。日本人を使うなら、もっと清楚な感じにして欲しかった、が個人的感想)

カメラワークが頻繁に変わり、話がポンポンと飛ぶ。そして店舗が速い。
フレッドとミックが過去を省みる。年老いてしまった現実とのギャップ。はち切れそうな若さが話の中に絡んでくる。
全体のストーリーに深みがあり、モザイクを平面ではなく、立方体に造ったような印象を持った。

何度も見たいとは思わないが、もう一度は見てみたい。
また、フレッド作曲の曲もとてもきれいだが、全体の音楽も印象的。

なお、これで、今年のさる賞のノミネート作品が全部出揃ったことになる。
次回は10月から再び。