在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Moscato d'Asti Biancospino 2003 -La Spinetta

2012-12-18 01:17:17 | Piemonte ピエモンテ
”モスカート・ダスティ ビアンコスピーノ2003”ラ・スピネッタ -ピエモンテ州



ワインクーラーの中にはかなり怖いワインもある。
この前開けたガヤも怖いかもしれないワインではあったが、もっともっと怖いワインがまだある。
スピネッタの2003年のモスカートを今頃開けようと思う人はいないと思う。
正直、開けるのがちょっと怖かった。一口でゴミ箱行きかと思った。
ずっと何年も前に1本残っているのには気がついていた。ひえ~と思ったものだ。そして、臭いものにフタをするように、そのまま見て見ない振りをしてみた。
でも、なんとなく、本当になんとなく開けてみる気になったのであった。

コルクは勢い良く開いた。スプマンテではないから、一応ガスはこんなものとは言える。
もう全然勢いがないと思ったことからすると合格であった。
色は黄金色。つやがあってとてもきれい。
出発点の色は薄い、かなり薄い色だったと思う(もう何年も飲んでいない・・・)とすごくきれいな色になった。
香りは、これがなかなかきれい。最初は、わずかゴムっぽい香りがあったが、すぐに、はちみつ、りんごジュースのインパクトが強くなり、ちょっと単調になるが、回すと、重たげにミネラルや香草、スパイスが出る。
味は、当然のごとく甘い。炭酸は最初だけ感じたが、あとは当然のごとく消え、酸味があまりないので甘ったるいのであるが、飲めないわけではない。もともとアルコール度がかなり低いので(4.5度)重たさやべとべとした感じはないので、飲めないわけではなかったのである。
これは氷を入れてキンキンに冷やしてもいいかも?と思ったのでした。

ところで、スピネッタと言うと、今はバルバレスコ、そしてバローロを思い浮かべる人の方が多いと思うが、彼らの出発点はあくまでもモスカート。
ブリッコ・クァリアの方が好きだったが、手に入りにくかったので、ビアンコスピーノを良く買った。ちょっと懐かしい。(良くここまで持ちました、ということで84点)

Moscato d’Asti Biancospino2003 (!) La Spinetta
Ho aperto dopo quasi 10 anni….. Credevo quasi che non si sarebbe potuto piu’ bere. Invece non era male. Il colore bello dorato luminoso. Al naso pienamente miele e succo di mela in piu’ una sfumatura di spezie, erbe…un po' nomotono ma gradevole. In bocca mancava totalmente acidita’ ma si poteva bere alla fine. Naturalmente poche bollicine… pero' se non fosse stato il moscato della spinetta l’avrei buttato appena aperto…, sicura...


Flos Oleri Tour in Rome by Marco Oreggia

2012-12-17 19:46:02 | オリーブ・オイル
フロス・オレイ -マルコ・オレッジャ氏によるオリーブオイル試飲会



マルコ・オレッジャ氏発行の本Flor Oleiの発表会、試飲会(オイルですが、飲むので試飲会です)がローマで行われた。
さすがマルコ、と思うのは、貧弱なことはしない。やるならやる、と、豪華にローマのど真ん中の高級ホテルで。そういえば、日本の某映画の某場面もここれ撮影されたなぁ。3日間の撮影は、300人以上が床に寝そべってばかりで(そういうストーリーだった)結構きつかった。

さて、試飲会。ベスト20を含む合計70社程度が参加。
ワインと違って残念なのは、たくさん飲めないこと。後が怖いので、興味があるところもちょっとパスして、まあまあ口直しにワインも飲んでみた。
ところで、オリーブオイルの試飲会と称して、パンにつけたオリーブオイルを試飲(試食)させるところが多く残念だが、ちゃんと小さなプラスチックコップが用意されていた。ただ、パンと水はあるが、リンゴがなかったのは残念。

オイルに関しては、尊敬する友人ササキ氏の話では、搾油技術が上がって、品種の特徴が失われているということだが、確かに賛成。
もちろん、良いものを作れば値段が高くても売れる、という意識を軸に、高品質のものを作るところが増えてきている。
以前は、品質以前に欠陥がないかどうかを探す、というか、欠陥があることが多く、これはなんの欠陥か、どうしてこうなるのか、と論議するのが普通だったというか、ある意味楽しかった。品質に関して普通に論議が出来るようになったということは飛躍だと思う。
また、流行は去ったのだろうが、デノッチョラート(種を取る)もじわっと増えてきている。以前のデノッチョラートは、どうしても軽めの印象があった。今はそんなことはなくなってきて、非常にきれい、透明感のある、そしてはっきりした味と香りのものになっている。

対してワインは。。。オリーブオイルを作るところの一緒の出展だったが、前夜に飲んだDarmagi2000との差があまりに激しかった。。。。

Flos Olei Tour in Rome
Un evento organizzato dal sig. Marco Oreggia per la presentazione del suo libro.
Credevo che ci fossero solo gli oli invece c’erano tanti prodotti alimentari di altissimo livello e dei vini.
Un’ottimo pomeriggio dell’enogastronomia.


Darmagi 2000 -Gaja

2012-12-16 14:34:37 | Piemonte ピエモンテ
”ダルマージ2000”ガヤ



再びガヤ。結局、なんだかガヤになってしまう。今度は品種が変わってカベルネ。
色は中心が濃く、明るい色合いのガーネット色。ふちにほんのわずか、オレンジが見れるが、ほとんどないと言ってくらい。
香りは、かなりはっきりしていてガヤらしい。ブラックチェリーとプルーンのコンフィ、やや甘さも出ているのでジェラティーナになった感じも混ざり、リコリース、葉巻タバコ、バルサム臭、コショウ、ブラックチョコも混ざる。香りはなかなか良い。
味は、かなりインパクトあり。ボディがしっかりあり、タンニンがまだ生きている感じで、渋みが残る。酸がややたりないのが残念。持続性はあるが、期待ほどではないのも残念。期待してしまうのもいけないのだが。(90点)


Al Castello e Hotel Casa Pavesi a Grinzane Cavour -Langhe

2012-12-14 14:55:56 | Piemonte ピエモンテ
Al Castello -レストラン
Casa Pavesi -ホテル
ピエモンテ州 ランゲ



白トリュフの旅。

ピエモンテに仕事でよく行く友人にホテルの情報を聞いた。
アルバの町は味気ないホテルしかないのを知っていたので、確かに食事に動くには便利かも知れないが、どこか少し郊外にいいホテルがあればと思った。
すぐに、アルバから7キロの距離のところにあるグリンツァーネという町の、とても素敵なホテルを紹介しれくれた。
見た感じは、普通、つまり道路に面しているので、郊外の庭園付の大きな由緒あるホテルというのではない。
しかし、とても暖かいホテルだった。
部屋はとても清潔、また非常に趣味がよく、窓からの景色もきれい。リーズナブルで、なおかつ朝食に大変美味しそうなチーズとハム。もちろんチーズとハムはどこのホテルにもあるのだが、たいていあまり美味しそうではない。普通、市販品である。しかし、ここのチーズは、町の食料品店で売っている感じの、それは美味しそうな。チーズとハムと赤ワインで、朝食ではなくブランチにしたいくらいだった。
泊まるにはどうしても車が要るが、大変お勧め。

部屋からの朝もやの景色。おお、ネッビオーロ!(nebbiaが霧の意味)


ホテルにはレストランがない。そこで、どこか近くで、と思い、情報を聞いたら、歩いて3分のところに星付きのレストランがあると言う。おお、さすが、ピエモンテ。星付きのレストランに歩いていけるなんて。
早速予約をお願いした。
レストランは、ホテルから本当にわずかのところの、お城の中にあった。


中世の、古く味のある雰囲気に上品なセッティングで、シンプルかつそれは素敵だった。
白トリュフの季節真っ盛りで、食べないわけにはいかない。というか、白トリュフを食べにアルバに来たようなものである。そこで、トリュフづくしのメニューを選んだ。
まずは当然、タルタル。白トリュフがけ。
ポーチドエッグにチーズのソース。白トリュフがけ。
ランゲ名物タヤリン。白トリュフがけ。


トリュフをかけるのはシェフ、自ら。
必ず彼が持ってきて、スライサーを何度も何度も調節しながら、各お皿に均等になるようにかける。
どのお皿も下の材料が見えない。タルタルも、卵も、タヤリンも見えない。おお、幸せ。
一度ローマで大胆にかけてくれたレストランがあり、今でも思い出すのだが、今回はそのはるか上をいった。
至福の時間、というのはこういうことなのだろうか。
ちゃんとしたソムリエもいたので、こうなったら珍しいお勧めを聞くに限る。
バルベーラとバルバレスコの2本と共に、ランゲの夜は過ぎたのでした。


値段も安く、シェフはとても感じが良く、雰囲気も良く、味も大満足。
ぜひもう一度行きたいレストランとなった。
でも、やっぱりトリュフの季節がいい。

Osteria Francescana -Modena

2012-12-13 23:42:41 | レストラン
”オステリア・フランチェスカーナ” モデナ



その後も忙しく、そして、あまりローマにいなかったので、1ヶ月前のことになってしまった。
現在、イタリアで最も良いと言われるレストラン、モデナにあるOsteria Francescana。
全世界のレストランのランクでもイタリアで一番、世界でもかなり上位に位置する。
少し前に言った友人は、とてもシンプルだったと言った。
なるほど。

なんとなく行くことになった。
モデナの駅から、せっかくなのでまっすぐ行かずにとぼとぼと歩く。かわいいショップを見たり、有名なモデナの教会に入ってみたり、そして、とても素敵な市場を見つけ入ってみたり。レストランはそのすぐ近くにあった。
ちなみに、屋根付きの市場の入り口がオートになっていたのにはちょっとびっくり。さすが北イタリア~と思った。ローマでは逆立ちしても、市場の入り口が自動ドアになることはないと思う。。。

レストランで頼んだメニューはバラバラ。というか、わざといろいろなメニューを頼んでみたと言った方が正しい。
確かにシンプル。びっくりするほど、と言ってもいいかもしれない。これが?と思うだろうし、これでどうして?(こんなに高いの?一番なの?の意味)と思う人もいるだろう。
しかし、行く直前、美味しいといいなぁ、と言ったら(実際にはFBに書いたら)、ある友人いわく、どうしてそんなことを言うのか?と。期待はずれだったら残念じゃない、と言うと(これも実際には書くと)レストランもワインも批評するものではない、楽しむものだ、と。もちろん、どんなレストランでもワインでも楽しめ、という意味ではなく、せっかく、これだけの大枚をはたいて行く訳なので、批評ばかりしていないで、せっかくだからその場の雰囲気を楽しめ、という意味である。Positive thinking!
この言葉を聞いていなかったら、きっと批判する立場になっていたかもしれない。

おかげで十分楽しめた。シンプルの中の美、シンプルの中にどれだけ見えない手を加え、心を込めるか。
一番感動したお皿は、キャビアのシンプルパスタ。メニューは、焦がしたイカとカキ(注:カキは焦げていない。日本語は紛らわしい)で茹でたパスタにキャビア添え、とあった。一瞬、???。
茶色になったパスタ、こんがりとした香り、そして、いったいいくつカキを使ったのだろう(そして、その行方は???捨てたのだろうか。。。)と思えるほど、カキの香りが生きている。初めて食べる味と香り。なるほど~

そして、実はもうひとつ感動したのは、お手洗いに立ったとき。
即座に案内の人が現れ、当然のごとく案内してくれる。ここまでは普通。
その直後にテーブルに別の人が現れ、ナフキンを取り替える。そういえば、昔は良くあった光景なのに、今は廃れてしまった習慣だぁ、と思う。
そして、さらに感動(?)的なのは、お手洗いから出たら、少し離れたところに案内の人が待っていたのである。さりげなく、実にさりげなく。少し離れ、レストランの戸口に近いところで、わざわざ待ってました、という感じを見せないように。そして、再度、テーブルまで案内してくれる。
このサービスには結構感動した。そこまでしなくていいよね~、帰り道なんてわかるよね、と普通は思うのだが。
気のせいかと思ったが、みんな同意見。だから気のせいではないと思う。



ワインは白から初めて赤へ。高いのか安いのかわからなかった。もちろん安くはないのだが、Trinoro2000が、びっくりの価格。手に入らないだろうし、手に入ったとしたらいくらになるのか?
そこで、食べ物との組み合わせは無視して、Trinoroなのでした。

写真は、デザートのメニュー。

読むだけで面白い。

Barbaresco 88 Gaja

2012-12-12 23:44:09 | Piemonte ピエモンテ
”バルバレスコ88”ガヤ -ピエモンテ州



ガヤのこれだけ古いのを飲むのは久しぶりだった。2000年代、90年代の終わりのものは時々飲む。しかし、80年代はさすがに持っている友人が少なくなる。
うちにもさすがに80年代のワインはこれで終わりかもしれない。あとは90年代の初めのもの。これはまだ結構ある。
最近、よくガヤを開けるので、うちにある古いガヤを開けてみたくなった。2本あるが、ヴィンテージを覚えていなかった。
ワインクーラーの奥にある。もうだめになっているかもしれない。見ると88年と91年。
88年と91年がある、と友人に言ったら、早速、開けよう、と。
どちらにするか? 一応コインを投げて、88年に決まった。

うちで開けたわけではないので、横にしたまま、出来るだけ揺らさずに持っていく。急ブレーキはご法度。
着いてすぐにデカンタして、しばらくそのままおいておいた。その間、食事。フェラーリのロゼ飲む。
スプマンテをいいかげん飲み終えて、お腹も満たして、さあ、ガヤ。
おお、かなり良かったのでした。

デカンタしてる時から、色がかなり良く、これは大丈夫、と思っていたのでしたが、大変良い香りと味でした。
ブルーベリーのコンフィ、葉巻タバコ、バルサム臭、リコリース、アニス、腐葉土などなど。かなり複雑で、また程よい強さを持ち、持続性がかなり良い。
味もインパクトがよく、程よいボディ、タンニンはきれいにビロード、そして、後味が大変長い。
そして、素晴らしかったのが、その後、ちびちび2時間以上掛けて飲んだのですが、全く衰えることなく、最後までとてもきれいに味わえたのでした。
きっと2000年代のガヤより、80年代のガヤのほうがいいんだろうなぁ、を実感した感じでした。(93点)

Barbaresco 88 Gaja
Oltre 20 anni. Ma era buonissimo.
Colore granato luminoso e unghia aranciata. Bellissimo colore.
Al naso molto fine e elegante, denota mirtilli in confettura, spezie, sigari, nota balsamica, cuoio, anice, terra bagnata, molto complesso e lungo.
Ottimo impatto, buona struttura, tannini vellutati, intenso e PAI bella lunga.
Dopo 2 ore...ancora vivo, era bello, molto bello(93/100)


Barolo Percristina 1998 -Domenico Clerico

2012-12-03 23:20:37 | Piemonte ピエモンテ
”バローロ ペルクリスティーナ1998”ドメニコ・クレリコ -ピエモンテ州



ローマのさるエノテカにて。
1本目が軽めのコルク臭で、安いワインではないし、どうしよう。。。でも、取り替えてくれました。そこで、これは2本目。
素人が開けたら、全然気づかず、美味しい~で終わるのに、悪いなぁ、と思ったのでした。しかし、一緒にいた友人いわく、大丈夫、明日にはグラスワイン1杯15ユーロ以上で出すから、元は取れる、心配しなくていい、と。なるほど、さすが、イタリア人。

なお、この後に続いたワインは写真なし。

Barolo Annunziata 2004 Paolo Scavino

スカヴィーノは昔良く飲んだ。まだ安かったころ。その後、うなぎのぼりに値段が上がり、飲まなくなったが、久しぶりでした。

Barolo Percristina1998 Domenico Clerico
Barolo Annunziata 2004 Paolo Scavino
Bei ricordi della simpatica serata.
Percristina, la prima bottiglia sapeva di tappo... ci ha aperto la seconda bottiglia (meno male!)