在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Vinitaly Chardonnay Cuvee Bois Les Cretes 6 annate

2013-04-15 22:49:41 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Chardonnay Cuvee Bois Les Cretes
2004 2005 2006 2008 2009 2010
6 vintage


今回のVinitalyで気がついたのは、以前に比べて、州やワイン協会主催の試飲会が増えたのではないかということである。以前から試飲会ホールでの試飲会はたくさんあった。昔参加した試飲会で忘れられないほど素晴らしかったものもある。そういった比較的規模の大きなものは今でもあり、さらに、パディリオン内のブースで行うコンファレンス、試飲会に大変有意義、内容の濃いものが増えたような気がする。
規模の小さなものは、予約が要るものもあるが、直接時間と場所に行けばいいというものもありうれしい。Vinitalyのような規模になると、いろいろプログラムをたてていても、時間通りに行かないことも多いからだ。
今回は、Taasting..Express主催のサウス・オーストラリアのシラー中心の試飲会とアブルッツォのモンテプルチャーノ、そして、レ・クレテの試飲会の3つに参加してみた。


Tasting…の試飲会は結構好きだが、今回の試飲会はニュージーランドのマルボロのソーヴィニオンが何故か1種、シラーで弱発泡性のもの1種、カベルネ・ソーヴィニオン3種、他は全てシラーで、合計14種。

アブルッツォのモンテプルチャーノは合計9種。ちょっと時間がなくて途中で失礼することになってしまったのだが、ゆっくり試飲すればかなり興味深かったと思う。


そして、レ・クレテの試飲会。Cuvee Boisの6ヴィンテージ。
レ・クレテは、個人的に非常に思い出深いワイナリーのひとつである。創設者のコスタンティーノ氏が大好きで、Cuvee Boisはイタリアのシャルドネの中で最も良いものだと思っていた。いつの間にか時が流れ、コスタンティーノ氏が第一線をしりのぞき、ラベルも変わり、味も変わったような気がすると思ったが、少し前に2009年を飲む機会があって、やはり、はっきりと変わったような気がした。そこで、今回、6ヴィンテージの試飲というので、すぐに申し込んだ。

2004年から2010年まで、ただし2007年をのぞく6ヴィンテージ。
古いラベルはいつから変わったのかと思っていたが2006年から。
試飲のために2ボトルを開けていたが、うち2008年と2006年の2本がコルク臭だった。
主催者がテイスティングをしたというが、そして、ど素人が嗅いですぐにわかるというほどではないが、プロが集まる場では完全なコルク臭である。それも2本とは、ちょっとご愛嬌。主催はヴァッレ・ダオスタ州で、ワイナリーが直接ではなく、他にもいくつかの試飲会をオーガナイズしていて、かなりばたばたなのがわかる。

新しいヴィンテージからの試飲。
2010年
当然かなりフレッシュ。最初はあまり香りが出ず、心持シンプルな感じで、若干香りも味も短いような気がしたが、時間と共にかなり良くなってきたヴィンテージ。

2009年
人間の好みは本当に各人によって違うと思った。この前飲んだ2009年がどうしても納得いかず、非常に興味深かったのだが、やはり今回も悪くないが、どうしても後味が消えてしまうところが気になる。緑がやや強い。時間がたっても、良くはならず。しかし、おお、これいいね~と言っている声も聞こえる。(一応、もう1本のボトルをテイスティングしていた人であったが)

2008年
香りも良く、特に味の方にインパクトがあり、非常に好感が持てた。

2006年
フルーツがきれいで、酸味が非常に心地よい。まだ若さを感じるくらいのヴィンテージ。

2005年
かなり良いと思った。個人的によく熟している白が好きなのだが、熟成の良い感じが出ている。アニマルが奥にきれいに出ていて、馬の汗をほんのり感じるくらい。(ごめんなさい、決して悪い意味ではありません)しかし、偶然会場で出会った知り合いダヴィデ(やっぱりこの試飲は外せないよね、という感じで彼も来ていた)は2004年の方が良いと言っていた。私は微妙な差で2005年の方が気に入った。

2004年
エレガントでバランスが取れている。2005年のアニマル臭風が個人的には好きなのだが、そういった香りが好きではない人にとっては、このヴィンテージは、きれいに熟して、まだフレッシュさが残る感じで非常に良いのではないかと思う。

実は、まだ家に、かなり古い(90年代のもので正確なヴィンテージは覚えていない)のものが1本あるはずで、そのうち開けてみようと思った。

Sauvignon 2011 Le Vigne di Zamo'

2013-04-14 21:02:00 | Friuli フリウリ
Sauvignon 2011 Le Vigne di Zamo'



このところソーヴィニオンを意識して飲んでいる。
今度はフリウリのもの。
zamo'は昔はよく飲んだ。試飲会にもよく出ていて飲みやすかったこともあると思う。

さて、久々のzamoのソーヴィニオン。
最初は香りがちょっと弱い。今にも出てくるか、と待つが、ちょっと時間がかかる。やっと出てきたのはよく熟したフルーツで、奥に緑の香りがあり、ソーヴィニオンだと分かる。複雑性は中位。
酸味はそれほどきつくなく、ボディがありバランスがとても良い。パフォーマンスは良いと思う。後味がほろ苦く、割と長く続くのだが、最後はちょっと途切れ気味。

Terlano 6 vini

2013-04-14 12:07:42 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Terlano 6vini
Pinot Bianco 2012
Chardonnay 2012
Kreuth 2011
Winkl 2012
Nova Domus 2010
Vorberg 2004


近くのひいきのエノテカ、Di Biagioでの恒例の土曜日の試飲会。いつもやっているわけではないし、いつも行けるわけではないのだが、土曜日の午後、プロモーションに適当なテーマを決めてワインを振舞ってくれる。
テーマは、品種だったりワイナリーだったり。
オーナーのアウグスト氏は素晴らしい人で、1-2種のワインでもいいのに、通常4種程度、昨日は6種が出ていた。完全に無料である。
そして、昨日は、大変おいしい野菜瓶詰め、パテの製造業者のプロモーションも一緒に出ていた。そこで、他には何も買わず、タダで飲んで帰る輩もまあまあいるわけだが、昨日はおいしいワインに素晴らしく美味なつまみ付きで、最高だったと思う。

さて、昨日のテーマはワイナリーTerlano。
アルト・アディジェのワイナリーの中では、もちろん、小さな高品質のところ、自然派などをのぞき、ある程度の大手では、今、一番乗っているワイナリーのような気がする。
とにかくきれいで、心地よく、万人に受け、選んで間違いがない。


Pinot Bianco
香りが非常にきれいで、白い小さな花、柑橘系の香りをすぐに感じる。そして奥にあるミネラルが非常に心地よい。全体に甘くてきれいな香りでインパクトがよく、万人に受けるが、シンプルで、複雑さには若干欠ける。(ベースなので当然)
味も印象が非常によく、酸味のバランスがぴったり。わずかに感じるほろ苦さがスパイスになり、持続性もこのクラスでは十分。

Chardonnay
ベースのシャルドネ。黄色のバラなどの花、グレープフルーツなど、華やかでふくよかで、そこにスパイスと香草が加わる。ほんのり、くるみ風の曇った香りも混じるが、かえって心地よさを引き立てる。
甘さかと間違うほどの柔らかさ、しかし、酸が非常に強く、このコントラストは意外にバランスが取れている。ボディもあり、強さあり、このクラスでは非常によくできたきれいなシャルドネ。


Kreuth
同じシャルドネの上のクラス。こちらは樽を使っている。
ぐっと落ち着きがでて、華やかな香りが抑えられ、その分スパイスが出てきている。
ボディがあるが、アルコールくささは全く感じない。酸は思ったより抑えられてあり、味にも落ち着きが増している。持続性がよく、後味のフルーツと花の香りが非常にきれい。

Winkl
ステンレスだけだが、ソーヴィニオンの緑の香りの、時には鼻につくくらいの香りがかなり抑えられている。ソーヴィニオンだとすぐにわかるが、あのvivacita’はない。むしろ、柔らかいくらいで、グレープフルーツは黄色とピンク、ニワトコの香り、香草も決して強くはない。しかし、よい複雑性は出ている。
酸が際立ち、エレガントで、しかし、まろやかでもあり、後味にニワトコが残る感じにソーヴィニオンらしさが出ている。


Nova Domus
3種のブレンド。シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ソーヴィニオン。
うまくブレンドされているといえばそうだし、それぞれの品種の特徴が出ているといえば出ているし、しかし、逆にそれぞれの個性がなくなっているとも言える。
やわらかく、心地よく、そこにソーヴィニオンの緑がほんのり出て、華やかさもあり、複雑で高級感あふれ、良いが、香りと味に、このワインだけアルコールが残るのを感じた。

Borberg 2004
ずっと昔、Borbergの縦飲みをしたことがある。はるか昔、それはここのアウグスト氏がオーガナイズしたもの。その頃は、こんなに安い白ワインがそんなに持つものかと思ったが、まあ見事だった。
今回のborbergはマグナムボトル。熟成がかなりゆっくりで、2004年とは思えない。ある意味若干中途半端かもしれない、つまり、もっと早めに開けてしまうか、いや、私ならあと5年置いておいて飲みたいところ。このボトルは、アウグスト氏かのものではなく、Terlanoを扱っているセールスの人が家に個人的にもっていたのを今回放出したそうだ。
白い花がややドライになり、白いフルーツは完熟。Goccia d’oroなどプルーンの香り、白こしょうなどのスパイスが出て、ミネラルがたっぷり。
味は、素晴らしい酸。酸が際立つ。持続性もそれなりにあり、非常によい経験でした。

Vinitaly Colle Stefano tappo a vite e tappo di sughero

2013-04-12 09:02:12 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
Vivitはなかなか面白い。
コンパクトにまとまっている。
今回行ったcereaもいいが、vinitalyの中にあるのが嬉しい。
そして、無料なので出たり入ったりが自由である。
人の多い時間帯は、入場するのに列ができていたほどの人気ブース。
もちろん、vinitalyの会場は広いので、飲む価値のあるワインがここだけに集中しているわけではなく、5分も待てば入れるのもうれしい。
ただ、人の多い時間は、vivit内がかなり混んでいるので、やはりゆっくり試飲しようと思えば空いている時間の方がよい。



さて、もうずいぶん昔になってしまったが、ワイナリーを訪れ、個人的に大好きなワイナリーとなった、colle stefanoには、人がいなかった。飲む人ではなく、ワイナリーの人のことである。
ブースに3種、ワインだけ開けて、置いてある。
昼過ぎで、きっと何処かに食べに行っているのだろう。
こうなったら、セルフサービスでワインを次ぐ。
さて、最初は、どうして2012年のワインが2本に2011年が1本開けてあるのだろうと思った。
しかし、2012年のものは、よく見ると、手書きで、コルクとスクリューと書いてある。
これは、面白い。
2012年のものでは、ボトル詰めしてまだあまり時間がたっていないので、大きな違いは見られないかも知れないと思ったが、置いてあるということは違うということでもある。
他でも、同じ実験をしているところがあるのは知っているが、なかなかできない経験の一つ。
さて、スクリューの方は、酸がものすごく際立つ。
若干バランスが悪いが、フレッシュなワインが好きな人、スッキリさっぱりのワインがいい場合にはいい。また、理論的には熟成がかなり遅いはずなので、この酸味が何年もたった後、きれいに残るのかもしれない。
コルクの方は、もともと酸の多いワインとは言え、つまり、これだけを飲むと酸がきつく感じると思うが、スクリューのあとに飲むとだいぶ落ち着いて感じる。
そして、スクリューでは、酸とフレッシュさが際立つので、あまり頭をよぎらないのだが、コルクは、ミネラル、スパイシーさもあるのが見えてくる。
本当に微妙な違いなのだが、12年でこれだけ違うということは、数年経ったらかなり大きな違いになんだろう。
これは、買って、保存、数年後に試してみるしかない。

Vinitaly ruche'

2013-04-10 16:32:46 | Piemonte ピエモンテ


話題になったruche’を見つけた。
今回気になっていたワインの一つ。
ローマいると、ruche’はほとんど出回っていないのであまり飲む機会がない。
また、あってもきっと目が素通りしてしまう。(話題のruche’はイータリーで売ってるよ、と言われた。やっぱり、素通り・・・)
こういう機会でないと飲めない品種なので、他でも造っているというワイナリーもあり、いくつか飲んでみた。
なるほど。かなり華やかで、フェミニンな香りである。
小さな、あるいは1輪のバラの花、赤いフルーツのコンポート、悪くいえば、香水か化粧品の香り。ゲヴルツの赤ワイン版のような気もした。

さて、話題のruche’は、有名ジャーナリストLuca Maroni氏が99点という高得点をつけ、しかし、他に試飲している人はいるわけで、フツーの評価。その落差でも話題になった。
ruche’にこれだけの高得点というのはある意味考えられないと思ったが、Luca Maroni氏はフルーツの香りのするワインこそがよいワインというコンセプトなので、まあ納得はできる。
さて、話題のワイナリーはruceh’を2種造っていた。
1種は色がやや暗め、落ち着きが若干ある感じ。
そして、話題のruche’。
まあ~それは明るくきれい、華やかな色で、女性好み。
香りも華やかで、バラの花束、フルーツの香り、口あたりも良く、持続性もあり、悪くはない。(もちろん、99点はかなりオーバーな気がするが・・・・)
フツーの女性は、もう、色だけでうっとり、そして華やかな香りが加わり、ワインだけでなく、きっと、ああ、私ってなんて素敵なの、素敵な味だわ~・・・つまり、味なんてどうでもいい、の境地に入るだろう。
ruvhe’、これよ、わたしの好きなワインは、と叫ぶ女性がいても不思議はないような気もする。
(イタリア語だがサイトIntravino 、Cristianaの書いたものをぜひ読んで欲しい。爆笑間違いなし。)

アビナメントは?と一緒に飲んでいた素晴らしい友人ミカさんにまじめに聞かれ、“男”と答え笑われたが、他には何も入らないような気がする。
男性諸君へ。ワインクーラー(冷蔵庫ではダメ)に2-3本常備をお勧めします。
ただ、ワインのことに詳しくない、フツーの女性しかひっかからないとは思うが・・・


vinitaly trinoro franchetti passopisciaro

2013-04-09 23:20:28 | Toscana トスカーナ

昔はずっと行っていたvinitalyに久々に行ったのが2年前。しかしあるスタンドを手伝ったので、好きに回っていいとは言われたが、結局スタンドから出ずに何も飲まなかった。昨年は事情があって行かず、今年、久々に自由に試飲をした訳であるが、なかなか面白かった。

初日、正面入り口からではなく、その間反対の入り口から入る。こちらの入り口は空いているのですぐに入れるのだが、入ったらすぐにtrinoroが目についた。誰もいなくて暇している。これは、飲まない手はない。
そこで、フランケッティ氏のワインから始めた。


passopisciaroは割と飲むので飛ばして、contradaから。5種全部を飲めるのがvinitalyの醍醐味。600mから1000mにもなる畑。
franchettiはイタリアではあまり出回っていない。petit verdotとcesaneseと言う実に変な組み合わせのブレンド。
何でエトナにcesanese???と聞いてしまった。ラツィオでは、多少良いものがで始めているとはいえ、ほとんど駄酒しかできない品種を何故に。。。。



そして、trinoroは昨年秋にfrancescanaで2000年を飲んだが今度は2009年。
ひたすら綺麗で、唸ったのでした。