在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

12 vini; da Lithuania ..(Italia).. a Nuova Zelanda ワイン 12種、持ち込みブラインド、リトアニアからニュージーまで

2016-06-27 18:14:00 | Piemonte ピエモンテ
Fruit-berry wine semi-dry 2014 Gintaro Sino (Lithuania) リトアニアフルーツベリーワイン
Selvabianca Vernaccia di San Gimignano 2013 Il Colombaio di Santachiara ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ
Chardonnay 2007 Cloudy Bay (Nuova Zelanda) ニュージーのシャルドネ
Pinot Bianco 2015 Castel Salegg アルト・アディジェのピノ・ビアンコ
Sylvaner 2009 Kuen Hof アルト・アディジェのシルヴァーネル
Weissbrugunder 2015 Ebner アルト・アディジェのピノ・ビアンコ
Picasso Timorasso 2012 Claudio Mariotto ティモラッソ(ピエモンテ)
Filari di Timorasso 2009 Boveri (Magnum) ティモラッソ(ピエモンテ)
Ambruco Pallagrello Nero 2010 Terre del Principe カンパーニャの赤、パラグレッロ
Giano etichetta nera Fondo Bozzole ランブルスコ(エミリア・ロマーニャ)
Tifeo Rosso Pietrotorcia カンパーニャはイスキア島
Barbaresco Ovello 2000 Cantina del Pino バルバレスコ(ピエモンテ)



久々に家で友人を招いて夕食会を開いた。
でも、ただ食べて飲むだけでは脳がない。
そこで、(一応)完全ブラインド、制限なしのワイン持ち込みの試飲会的夕食会とした。

合計11人で、マグナム1本含み、合計12本が集まった。
「親」をやらない人が出ては面白くないので、とにかく一人1本はアルミホイルやらビニール袋やらで完全に包んで持参。
コルクからもワインがわかってしまうので、開けるのは各自。

少しだけ余ったワインがわずか数本、マグナムも含めてあとは全部カラ。
よく食べよく飲んだ夕食となった。

食べ物は、試飲会も兼ねているので、つまめる前菜多数、パスタ1品と、メインは鳥料理とローマ1の肉屋であることは間違いないリベラーティのロベルトが作った山椒入りのサルシッチャ(生ソーセージ)。

山椒の香りが爽やかで夏らしいサルシッチャ。
たかがサルシッチャなのだが、いや〜これは格別。
結構クセになるというか、また食べたい。


実は一番最後は余市の12年。。。

さて、ワイン。
なんとリトアニアのワインから始まった。

あれかこれかを持ってくる〜と公言していた人もいるが、一応、赤でも白でもイタリアのでも外国のでもなんでもいい(持ってくる本数も)という制限なしにしたので、順番は自己申告。
これが絶対に一番、ということで最初のワインになったのは、奥様がリトアニア人なので、みんなおおよそ想像はついた。

香りは全く甘くないのだが、味は一口、わずか甘さを感じる。
香りはそれほどフルーティではなく、ニュートラルに近いのだが、味はりんご風のフルーティな味わい。かなり変わっている。
ラベルにはフルーツベリーワインとしかなく、どうもフルーツワイン(?)のようなのだった。。。
結構みんなで、へー、え〜??
ブラインドにするとこういうところが面白い。

次のサン・ジミニャーノ(もちろん最初は知らない)は、香りも味も悪くはなく、北のもののような感じもするが、インパクトがもう少し強いので違うような気も。。。いろいろな品種名が挙がったのだが、当たらず、トスカーナ、と聞いても誰もヴェルナッチャとは思いつかない。
そう、いつも思うのだが、私も含めて、別に嫌いではないのだが、全く頭の中にない品種がヴェルナッチャ。トスカーナの白ワインと言われても、トスカーナに白なってあったっけ?と言いたくなるくらい、存在感がない。
かなりかわいそ〜と思うのだが、改めて、本当にカワイソウな品種だと思った。。。(ごめんなさい〜)

次は、樽〜樽〜。久々にすごーーーい、タルタル。これは、個人的にも、友人たちも、目一杯樽というワインを避けるからでもあるが。
蓋を開けたら、ニュージーランドのクラウディ・ベイ。昔は結構飲んだものだと懐かしい気もしたのだが、2007年。
ほぼ10年経っていたが悪くない。とてもよく熟している感じだった。コルクではなくスクリューキャップ。

今回の一番びっくりはたぶんシルヴァーネル。個人的にあまり飲まないので、こんな感じ、つまり、シルヴァーネルにここまでリースリング的な香りがあるのか、とびっくり。
持ってきた本人があっちに行っている間に、みんなでワイワイガヤガヤ、絶対にリースリングに違いないという結論に達したのだが、なんとシルヴァーネルだった。。。
えー、えー、ええ〜???

ピノ・ビアンコは2種。どちらもかなりしっかりした、アルト・アディジェでもインパクトのあるタイプで、はっきりピノ・ビアンコとわかるタイプ。

ティモラッソも2種。
全く違うとは言いながらも、ティモラッソらしい、香りの共通性がある。

赤4種はみんなバラバラ、でもないが、印象はバラバラ。
最近流行りのランブルスコは、持っていた人が、サルシッチャには絶対にこれ、と公言していたので、泡ものだし、すぐにわかる。
ランブルスコは、以前と比べて良くなったのか、個人的に好みが変わったのか。。。。このところ注目の品種である。

そして、偶然、カンパーニャが2本。
でも、品種も全く違うし、共通性はあまり感じられず。

残念だったのは、バルバレスコ。
これは私のカンティーナから出したもの。2000年だが、もう少し持つと期待したのだが、結構下り坂。
数ヶ月前、全く期待していなかったさるサルデニアのワイン(1992年もの)がダメになっているだろうからと適当に開け、あまりの美味しさに涙したのだが、これは逆パターン。
バルバレスコだから、それも、2000年のオヴェッロは評価が高かったのであるが、残念ながら持たなかった。

ということで、飲んだ食ったの夜だった。
これはまたやるか。。。


Bressan Pinot Nero 2006 e Schioppettino 2010 ブレッサン ピノ・ネーロ2006とスキオペッティーノ2010

2016-06-24 22:24:51 | Friuli フリウリ

Bressan Pinot Nero 2006 e Schioppettino 2010




フルヴィオと友人の友人がいる。
何を思ったのか、いつもの場所に行ったら、2本目のピノ・ネーロを開けていた。
10年前のブレッサンのピノ・ネーロがどこからか出てきてしまうのが、このワインバーなのであるが、どうも2本で打ち止め、3本目はなかったよう。
そこでガラッと変わって、同じブレッサンでもスキオペッティーノの2010年となったのだが、ピノ・ネーロの10年もの(笑)もまたどこかから出てくるかもしれない。

フルヴィオのワインは、線香、というと和風のもののイメージしかなくなるかも知れないのでちょっと違うが、憩いの香り的な線香の香りがする。
他にコショウなどのスパイス。そして、ミネラル。
可愛らしいフルーツの香りがするわけではない。
インパクトは一瞬優しさを含み、その後、フルヴィオのワインらしい存在感、そして、綺麗な酸味。余韻は、香りで感じたスパイスやブラッドオレンジ、線香の香りが残る。

ピノ・ネーロはそれでも花の香りやフルーツの香りを含み、よりノーマル(笑)なのだが、イタリアの愛らしい、逆に言えばイタリア的な甘さが鼻に付くピノ・ネーロとは全く違う。

スキオペッティーノの方は、存在感がかなりあり、フルヴィオの顔が出てくる、「うまいだろ〜」と言っている顔が浮かんでくる感じ。

嫌いな人は嫌い。だいたい値段がかなり高いので、わざわざ飲まななくてもいいと思っている人も多いだろうと思う。
しかし、自然派好き、また、フルヴィオのダイナミックで、インパクトあり、かなり極端な性格を知っている人は、フルヴィオが造ってる〜というだけで、飲みたくなったりもする。

さすがにブレッサンが3本空き、その後、ナイトキャップはヴァイラのネッビオーロとなったが(これまたガラッと変わって、かなりノーマルになった。。。)ヤツが「乗る」とこういうダイナミックな夜になるのである。

Bricco delle ciliegie 2015 Giovanni Almondo アルネイス

2016-06-20 21:46:33 | Piemonte ピエモンテ
Bricco delle ciliegie 2015 Giovanni Almondo



少し前に、いつもの店のマルコに、アルネイスを飲むかと聞かれて、アルネイス???と答えたのだが、マルコ曰く、アルネイスらしくないアルネイスがある、という。
ここはいつもこんな形で出されるので、いろいろな、それも意外な味に出会えるのが嬉しい。
自分で選んでいたら、どうしても自分の好みに偏ってしまう。
(ここで偏っているのは、極端に北のワインを飲むことが多いことだが。。。)

なるほど、マルコが勧めるだけあって、美味しい。

アルネイスは、良い造り手のものは美味しいし、喜んで飲むが、そうでないとほとんど飲まない。
特にこれという特徴があるわけでもないし(と言い切ってはいけないのだが)、安いものにはいたって平凡なものが多い。

このマルコの店にあるアルネイス程度だと(ごめんなさい〜)どうしてもフツー、つまり、夏の暑い時にぐぐっと飲みたいだけのタイプになる。
ここは、高級、高いワインは少なく(と言っても、棚を見渡すとまあまあ揃っているが)安いワインが多いからである。
しかし、ここに通っているわけは、安いワインの中にかなりの掘り出し物があるからであり、1杯のワインの質と値段がここほどいいところはローマに、他にはないだろうと思うからで、そして、何より経営者のマルコの人柄がいい。

さて、その時、ラベルが可愛く、ボトルの写真だけは撮っていたのだが、次に行った時、残念ながらマルコがいない日で、あのアルネイスある?と他の人に聞いたのだが、どれ?これ?という感じで、姿は見えないし、いったいどこから出てきた1本なのかと思っていた。
仕方ないので、他のアルネイスも飲んでみたがやっぱりフツー。。。
その後、マルコの店でこのボトルを見かけたことはない。

ここは、何年も眠っているワイン(ただ単に忘れているだけという意味)が出てくることがあるから、そのうちどこかから出てくるかも。。。

ところが、全然違う場所でこのアルネイスが出てきた。
友達、アーティストのルイジの家でのアペリティフ。
いつも飲むのは軽めの泡ものが多いなか、今日はアルネイスなんかあるのよね〜と出てきたのがこれだった。

おお、こんなところで出会うとは。

品種はアルネイス100%。
香りほのかで、主張しすぎず、ジャスミン風の花の香り、フルーツの香り、柑橘、そして、緑の香りのバランスがとてもよい。
回すとだんだん出てきて、とても心地よい香り。奥にはほんのりミネラルがあり、香りの骨格を作っている感じ。
味は最初優しく、しかし、中程度のボディはあり、酸味も程よく、余韻がとてもきれい。生のパイナップルを思わせるほんのり甘い香りが、とてもきれいに長く続く。
アルネイスにしては++++


。。。。日本は探すと必ずある。。。。。

ロエロ アルネイス ブリッコ デッレ チリエージェ ジョヴァンニ アルモンド 2015 白 750ml
ジョヴァンニ アルモンド(TUSCANY)
ジョヴァンニ アルモンド

Codex Seraphinianus di Luigi Serafini コデックス・セラフィニアヌス

2016-06-19 18:28:32 | 何故か突然アート
Codex Seraphinianus di Luigi Serafini コデックス・セラフィニアヌス

知る人ぞ知る、世界でも最も不思議な本(の1冊)と言われる「コデックス・セラフィニアヌス」を知っているだろうか。
友人のルイジ・セラフィーニが1981年に書いた本である。


これが2冊からなる1981年の初版

過去にもこの本のことはこのブログで書いたことがあるが、改めて詳しく書いてみる。
というのが、コデックスのWikiの日本語ページは随分前からあるのだが、作者ルイジ・セラフィーニの日本語ページが今までなかった。
ずーーーっと前からルイジとその話はしていたのだが、このところゆっくり時間を取ることができて、やっと日本語ページを作ったのである。
(まだまだ改定予定。。。。。)

それで、改めて、じーーーーーーっと彼の履歴を読むことになった。
だいたい知っていたこととは言え、改めて感心したのである。

コデックスは、美術系の人は知ってるかも知れないが、とにかく不思議な、読むに読めない文字で書かれた百科事典のような本である。
記号か記号でもないような字で、それが、見事に本物の百科事典のように作られている。
一番最初にコデックスを見たとき、その面白さ、素晴らしさに感動したのだが、これだけの膨大な量を、崩すことなく、最初から最後まで見事に描いたその忍耐には驚いた。
また、百科事典のようになっているので、当然、動物、植物、人物、機械、科学、言語、建築と、いろいろな章があるのだが、それらの全てを描ける才能にも感嘆。
そして、ルイジ本人と知り合って、彼の人柄の温厚さにさらに感動したのである。
それから、とにかく頭が完全にアーティスト、脳みそを割ってみたいと思うのだが、中にはいったい何が(どんなアイデアが)詰まっているかわからない頭の良さにも感心し、幸い、光栄なことに(恐れ多くも)非常に親しい友人の一人でいさせていただいている。

さて、ルイジがコデックスを書いたのは、彼がまだ若き20代の頃、1976年から78年にかけて、30ヶ月、ほぼ没頭するようにして書いた。
つまり、かなり古い本なのだが、その後、何度か再版され、現在の版(2013年版)は8版目にあたる。

初版本は2冊からなり、1981年、フランコ・マリア・リッチ出版社から発行されている。
3000冊程度(2冊組み)しか発行されていない、今では非常に希少な本である。
価値は高く、とても高価。2000ユーロは下らず、5000ユーロの値も軽くつくくらいである。
(本人、ボクにはなんの儲けもない〜と冗談。。。)


全てに番号とフツーのサイン(笑)が入っている


こちらのサインの方が彼らしい

その後、1冊にまとめた本が何度か、イタリアとイタリア以外の国で発行されている。(これらも、今はかなり高価)

さて、その後しばらく廃版状態だったのだが、2006年に廉価版(とは言っても100ユーロ近い値段は決して安くはないのだが)がリッツォーリ社より出版された。
これは、今までは豪華版で値段も高く、その後は一部の人しか見ることができない高額、希少価値的なものになってしまい、それを、もう少し安く広く販売できたら嬉しい、という彼の希望による再版である。
かなり色々なことにこだわる人なので、装丁、紙の質、印刷所、色のチェックなど、全てに丁寧に手を掛けている。

この版からオマケの「デコデックス」が付いている。
これはちゃんとした言語で書かれ(笑)非常に興味深い内容である。

2006年の販は、著名人がコデックスについて書いたものが載っているという、かなり「真面目」な内容。
ちなみに、有名なイタロ・カルヴィーノの序文はそれより前の版に載っている。
(イタロ・カルヴィーノが出したエッセイ本「砂のコレクション」(1984年、日本語訳あり)にはコデックスについて書いた一章がある)


左が2006年版 右が2013年版の表紙 似ているが微妙に違う

2013年版のデコデックスはがらっと変わって、当時の回想が載っていて面白い。
彼自身、あれ(コデックス)は「猫が書いたもの」と冗談を言うことがあるが、その当時の話が書いてあり、若干記憶と事実が違うことがないわけではないが、とにかく、彼の記憶による回想となっている。

その内容によると、コデックスの全ページの中に、彼が一番最初に書いた1ページというのがある。(これはファンならどのページが当てられる)
また、実は、1ページだけ未完のページがある。(これはルイジが教えてくれたのだが、たぶん誰も気がつかない)
それから、1ページだけ、本当のアルファベットが書かれたページがある。(よく見ればわかる)
初版を出版したフランコ・マリア・リッチ氏の肖像も登場している。(これはわかる)

他、2006年版はあと2回発行されているが、紙質が違うのにもエピソードがあったり、印刷がずれているという印刷ミスのページを含んだ版があったり、一見同じように見える版も、実は微妙に違ったりしているのである。
そこで、凝る人は、全ての版を買ってしまう。

特に2006年版には新しい「序文」が図版付きで加えられ、2013年版にも新しい図版がさらに加えられたので、すでに持っているのに買い足した人は多いと思う。
(ここで損をしたと思わないほうがいいと思う。なぜなら2006年版で、現在すでに何百ユーロかそれ以上の価値が付いているからである)

なお、この2006年版と2013年版は、同じような表紙に見えるが違う。
てんとう虫がさらに飛んでいる。これにも彼がカナダに行った時の偶然のエピソードがあり、とにかく、全てに意味が込められていると言っても過言ではない。


背表紙も微妙に違う

なお、コデックスのオリジナルの原画は、ずっと見たことがなかったのだが、初版本などを出した出版社、フランコ・マリア・リッチ氏が全て、まとめて所蔵している。
この冬から春にかけて、パルマの郊外にあるラビリント(大変素晴らしい場所で、竹林で分けて道を作っている)で原画展が行われたが、本物は涙が出るほど美しかった。


原画がずらっと展示され壮観

原画の美しさは、デコデックスの最初のページの牛のデッサン「Elapis」を持っているので分かるが、印刷されているものだけを見ても素晴らしく美しいのに、本人が書いた本物は比べものにならないくらい繊細で美しい。

コデックスの原画は、それとは比較にならないほど膨大で細かい作業、細い黒ペンの輪郭に色鉛筆で色が入っているのだが、そのペンの繊細さ、色のグラデーションの見事さには見ていて涙が出てきたほどである。

パルマのラビリントでの展覧会最終日前日には、フランコ氏も出席した講演が行われ、多くの若者が部屋にあふれんばかりで、今の若者にもこれだけ人気があるのかと改めて感心した。

コデックスをみると、ヴォイニッチ写本の真似と言われることもあるし、また、ページをめくっていて、アイデアのヒントらしきものは随所感じるのだが、決してヴォイニッチの本を真似しようとして書いたものではない。
だいたい、真似しようと思っただけで、これだけ膨大なページは描けない。(380ページ以上)
アイデアのヒントをどこからか得ることは普通だし、それよりも、現代美術展などに行くと、あれ、これ、コデックスからヒントを得たよう。。。という作品に時々お目にかかるので、コデックス自身が、その後の多くの芸術家にかなり影響を与えている。

とにかく美術に興味のある方にはぜひコデックスは見て欲しい。
(日本ではアマゾンでアメリカから買える。本当は、日本版だけの特別の図版を加えて出版したいのだが。。。。)
ネットで探すと、全ページをスキャンしたようなものが出てくるが、ちゃんと本になっているものは美しいし、原画はその何倍も美しい。
いつか、日本で原画展を開けないものかと思っているのだが、どなたかスポンサーになっていただける方はいないものだろうか。

さて、ルイジは作家ではなく芸術家、もちろん他の本も出しているし、絵画から彫刻、陶器まで制作している。これらもものすごく面白い。
そのあたりを、ぼちぼち紹介していきたいと思っている。


ルイジが気に入っている絵の1枚


植物のページのから 他の挿絵のあるページはネットでいくらでも出るので絵のないページを紹介


これがある章の目次 ページの数も読めない(笑)



実に「詳しい」解説が豊富な百科事典(笑)


Codex Seraphinianus
クリエーター情報なし
Rizzoli

Ebner Gruner Veltliner 2015 e Gewurztraminer 2015 エブネル 2種

2016-06-19 14:08:19 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Ebner: エブネル
Gruner Veltliner 2015 グルネル・ヴェルトリーネル2015
Gewurtztraminer 2015 ゲヴルツトラミーネル2015



まだローマではマルコのところ(Il Vinaietto)しか入っていない。
マルコと協力してワインを仕入れているパオロが、少し前に「発掘」したもの。

マルコもパオロも、そして私もだが、アルト・アディジェのワインはかなり好きである。
いろいろな品種があり、その時の気分で選べるし、重たさがなく、エレガントで、特にマルコのところのように、食べ物がない場所でアペリティフ的に飲むにはちょうどいい。
(たまには「真夜中のアペリティフ」になるが。。。)

さて、その、オーダーしていたエブネルのワインがようやく届いた、というのでマルコに飲んでみて、と言われ飲んだ。



Gruner Veltliner 2015
たいてい、何も言わずにワインを出してくるマルコ。
瓶の形状からして、すぐにアルト・アディジェとわかるが、品種は??
グルネル・ヴェルトリーネル(日本ではたぶん、グルナー・ヴェルトリーナーと発音する?)だった。オーストリアに多いという品種。
ここで、オーダーしてたのが届いたんだよね〜、とマルコ。

最初に一瞬、白い花、すぐに、かなり熟したフルーツの香り、随分たって、柑橘系、緑の香りがほのか〜に感じられる。香りはかなり強く、しかし、程よい複雑性はあり、印象が強い。珍しく、アルト・アディジェにしては、重ためのワイン。。。。という印象。
味の方も強さがあり、存在感たっぷり、酸はあるが、柔らかさの方が先に立ち、ボディしっかり、余韻も太く長く、パイナップルの甘い香りが残る。アルト・アディジェの物にしては珍しく肉厚系〜という感じのワイン。
これだけを飲むのもいいが、食べ物が欲しい。。。。++++



Gewurztraminer 2015
ゲヴルツもあるというので、ついでなので飲んでみた。
バラの花とライチがゲブルツの見本のよう。これまた存在感あり。どーんとしていて、若干重たすぎ。
味も負けない。同じく存在感たっぷり、酸味がまろやかさに隠れ、ゲヴルツにあるほろ苦さまで隠して、余韻が太く長い。これもかなりの肉厚系。
珍しく、飲んでいて若干飽きがきたのだが、それは食べ物がないこともあったと思う。ただ、非常に良くできているし、ぐっと冷やして食べ物と一緒なら、そして、この手の存在感のあるタイプが好きなら、絶対に気にいると思う。+++(+)

ワインだけでも、飲んでいるとあまりお腹が空かないので、マルコのところ長くいてお腹すくということはあまりないのだが、今回は珍しく、飲んでいてすご〜くお腹が空いたのであった。









Franciacorta Vezzoli フランチャコルタ ヴェッツォーリ "ぶどうだけメトド"

2016-06-16 14:24:14 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Franciacorta Giuseppe Vezzoli
フランチャコルタ ジュゼッペ・ヴェッツォーリ
ぶどうだけメトド Metodo SoloUva
(なんか、カワイイ名前。。。)



いろいろ考える人がいるもんだ。
考えなくてもいいと思えることまで考える。
良いか、悪いかは別にして。

さて、フランチャコルタはシャンペンと同じ、瓶内2次発酵方式で造られる。
最近日本で流行りの(笑)プロセッコとは違う。(プロセッコはタンク内2次発酵方式)

つまり、ベースになるワインを造る。(ここで第1次の発酵が起こる)

ベースワイン(炭酸ガスのない、非発泡性のもの)にもう一度発酵を起こさせる。(だから2次発酵)

その際に発生する炭酸ガスを液体の中に閉じ込めるので、発泡性のワインになる。
炭酸ガスを
壜の中で閉じ込めれば、瓶内2次発酵方式
タンク内で閉じ込めれば、タンク内2次発酵方式
となる。

さて、プロセッコ、つまり、タンク内の話は置いておいて、フランチャコルタ。



瓶内でもう一度発酵を起こさせるのに必要なものは、糖分(1リットルにつき24g)と酵母である。
これをベースワインに加える。

シャンペンが生まれた時からそうだったはずである。

ところが、糖分、つまり砂糖(と呼ぼう)が体に悪いとでも考えたのか(亜硫酸の方がよほど悪い)、砂糖を足さずに同じもの(発泡性のものの意味)を造ろう、と。(もちろん、理由はそれだけではなく、2次発酵後のアルコール度が上がらないなどもある)

(特に、シャンペンの場合、気候が寒いので、しばしば第1次発酵の際にも砂糖が加えられているので、その場合は2度加えられることになる)

砂糖の代わりに足すのは、モストと呼ばれる、濃縮したぶどうジュース(と訳すのか。。。ジュースではないが。。。)で、糖分が含まれているので、砂糖を足す必要がない。

2008年からジュゼッペ・ヴェッツォーリのワイナリーが実験を始めたのだそうだが、その、ヴェッツォーリのフランチャコルタを続けて2回飲んでみた。

1年以上前だが、オンライン新聞イントラヴィーノの記事で紹介されていて、「ぶどうだけメトド」Metodo SoloUvaという名で紹介されていた。
なるほど、こうやって作ったフランチャコルタの
一番の欠点は、クラシカルなものと非なるもの
最も長所は、クラシカルなものと非なるもの
とあって笑ったのだが、飲んでみて確かにそうだと思った。

異質なものが加えられていないことに重きをおけば長所になり、砂糖が特に体に悪いわけではないということに重きをおけば欠点にもなりえる。

こんなことをやってみようと思うくらいだから、ヴェッツォーリは自然派の造り手。
自然派であることでもフツーのワインとは違う所、こんな造り方をして、フツーのフランチャコルタとは全く違う。

香りは、最初、あまり出てこない。
香り華やか〜なフランチェコルタも多いのに、全然違う。
しかし、じゃあ、プロセッコのようかと言われると、それも違う。
泡は少なく、開けたてだとまあまあ見れるが、開けてしばらく経ったものだと、泡は見れない。
本当にほのかに、パンの香りなど、そして、ゆっくり花の香りが上がってくる。

泡は、口の中で感じる。
綺麗に溶け込んでいる泡が、優しいような、しかし、酸味が割とあるのでそれを強調しているような不思議な感じである。
とにかく、違う。
香りは少ないのに、余韻は、酸味があるせいか、思うより長い。
尖ったような酸味ではなく、余韻とかなりきれいにマッチしている。

他のワイナリーでも実験、試験的に造っているところがあり、これからフランチャコルタのメトドになるかも?と言われているようだが、賛否両論。

また、意外にも、シチリアで同じメトドでスプマンテを造っているところがあり、他にも同じようなワイナリーが僅かだがあるよう。

気候が涼しいシャンパンではできなさそうなメトドなので、イタリア独特のメトドになるのだろうか。

とにかく、飲んでみないと理解できないほど、ちょっと違う。
華やか〜なスプマンテが好きな人には向かないだろうし、自然派が好きならかなり気にいると思う。
機会があればぜひお試しを。


日本にも入っています。
自然派系のワインは比較的値段もお手頃なものが多く、ぜひ、どうぞ。
手軽なものから高級なものまで。


フランチャコルタ ブリュット センツァ アンナータ ヴェッツォーリ NV 発泡白 750ml
ヴェッツォーリ(TUSCANY)
ヴェッツォーリ



フランチャコルタ ドサージュ ゼロ ヴェッツォーリ 2010 発泡白 750ml
ヴェッツォーリ(TUSCANY)
ヴェッツォーリ


フランチャコルタ ネフェルティティ ディゼータ エクストラ ブリュット ヴェッツォーリ 2009 発泡白 750ml
ヴェッツォーリ(TUSCANY)
ヴェッツォーリ

マエストロ松宮の日本茶セミナー @namasTey

2016-06-14 22:06:30 | 日本酒、日本茶
マエストロ松宮の日本茶セミナー  ローマ ナマステにて
Sencha wok miyazaki
Kabuse sencha uji
Gyokuro uji
Matcha uji



パンテオンのすぐ裏にある(本当に真裏)お茶専門店ナマステで、松宮先生によるお茶セミナーが行われた。

ナマステの経営者、とても素敵な女性ダニエラは、いつも行くエノテカのマルコの友人。(偶然〜)
一度、マルコからチョコレートをいただき、あまりの美味しさに感動したのがお店を知ったきっかけ。

とても美味しかったので、チョコレート専門店なのかと思ったら、紅茶、お茶専門店。
紅茶専門店でチョコレート???

行ってみると、確かに紅茶、お茶専門店なのだが、チョコレートも売っていて絶品。
種類はそれほど多くはないが、お菓子類もとても美味しい。
オシャレで、素敵なティーポット、ティーカップ、急須なども多数置いている。

紅茶が好きで(今は過去形になりつつある。。)それも紅茶は絶対にリーフ。ティーバックは使わない。
いつもイギリスかフランスで仕入れていた。
でも、ここで売っている紅茶は、それよりも美味しい。。。そして種類の豊富なこと。。。絶対オススメ。

あれ〜、灯台下暗し??
こんな近くに、こんなに美味しい紅茶を売っているお店があるなんて。。。。!
今まで、なんで、ロンドンとパリで仕入れていたのか。。。

が、このところの飲み物は日本茶に移行。
そこで、今度はせっせこ、日本茶を日本から仕入れているのである。。。

さて、ナマステでは、10年ほど前からマエストロ松宮とタイアップして、日本茶セミナーをしているとのこと。

そのセミナーに参加してみた。
1時間半に渡り、宇治茶を中心に4種を試飲。

イタリアでこれだけ美味しい宇治茶をいただけるなんて!(感動〜)
東京は静岡の、それも深蒸しばかりで、おいしい宇治茶には意外になかなかお目にかかれない。。。。



4種のお茶

宮崎の釜炒りのお茶
宇治の煎茶
宇治の玉露
宇治の抹茶



宮崎のお茶は、この前冷やして常温で飲んだもの(だと思う)。この前はソーヴィニオンを思わせるピンクグレープフルーツの香りがしたのだが、暖かくするとまた印象が変わる。白い花がふわっと浮かんでくるよう。

宇治煎茶は、普通に飲むよりかなり濃いめに出して、ぐっと印象的。緑が濃い〜と思うのだが、これで煎茶。。。(中くらいの宝瓶に12g..)
2煎目。個人的に、1煎目もいいが、2煎目が好み。とろっと濃い感じなのが少し薄まって、タンニンのきりっとした感じとのバランスが好きなのだと思う。
3煎目までとても美味しくいただいた。

次は玉露。さらにとろっと濃い。緑がさらに濃く、甘く、舌にまとわりつくよう。お湯(お茶)なのに、ゼラチンでも混ざった感じというとオーバーだが、この、甘さと旨味が厚みを持った感じは玉露ならではないかと思う。
これも、2煎目は少ししゃきっとした感じが混ざり、3煎目、温度をぐっと上げたので、タンニンを感じる。ワインを飲んでいるとタンニンに慣れるせいか、この少し渋みが混じった感じも好き。ほんのり暖かいお茶っ葉をいただく。おひたしにしたいくらい〜美味しい〜

最後は抹茶。なるほど。
多めに立てて、容器に薄し、そこから幾つかの茶碗に注ぎ分ける、というアイデアは悪くない。
一人一人立てて飲んでいると時間がかかるし、みんな一緒に味わうことができないし、しかし、こうやれば美味しさを共通できる。
ちょっと開眼だったのは、最後、抹茶の残りがお茶碗についているところ、お湯を入れて飲む。
なるほどね〜 上等な一杯のお茶になる。



お茶の成分、効用、歴史、入れ方、アイデアなど、いろいろなことを学べたとても有意義で美味しい時間でした。幸せ〜

お茶 5種 日本、中国、ベトナム、タイ 5 tipi di te'; Giappone, Cina, Vietnam e Thailandia

2016-06-13 15:25:48 | 日本酒、日本茶
お茶 5種

Te' Bianco Fujian Cina
Te' Verde Miyazaki Giappone
Te' Verde Vietnam
Te' Oolong (Oriental Beauty) Thailandia
Te' Oolong Shizuoka Giappone



とても素敵な友人ミカさんが、チーズとの組み合わせ、お茶vsワインの夕食会を開いた。
実際には多くの食べ物も用意されていたので、ラフな夕食会、ワインとお茶とどっちの方がチーズに合うかというより、お茶のあまりの美味しさに感動する会となった。
そして、お茶とチーズがこんなにも合うなんて。。。。。。!

チーズを食べるとなると、つい、ワインというイメージになると思うが、いやいや、お茶でいいかも。アルコールを飲みたければもちろんワインでもいいが、ちょっと控えたい時、そして、逆に良いお茶があるとき、チーズを買ってきてお茶とチーズ。。。。この組み合わせにはかなり開眼!

チーズは、ローマで最も素晴らしいこと間違いなしの肉屋、食料品屋、ワインもチーズもその他の食料品も揃っている「リベラーティ」のロベルト氏が持参。

フランスはピレネーのものに始まり、トスカーナ、ウンブリアのとろけるようなクリーム状チーズ、サルデニアのブルーチーズ(こんなところでこんなに美味しいブルーチーズが???)、ラツィオのもの(凝固剤が野菜なんてビックリ。。)などなど。。。。。いったい何種類あったことか。
さすが、ロベルト。美味しい上に非常に珍しいものばかりで、チーズにも感動。

さて、ミカさんのご友人、お茶のマエストロ、松宮先生セレクトのお茶は5種。
ワインと合わせること、人数が多いことなどもあり、暖かく入れたものを冷やして常温にしてくださったものを順番に味わう。

中国は福建省の白茶
宮崎の緑茶
ベトナムの緑茶
タイの烏龍茶(オリエンタル・ビューティー)
静岡の烏龍茶

これが全部、全く違った味わい。どれもいい。
最初の白茶は、ふんわりした香りと味わい。藁の香り、そして、緑の香りがふわっと出てくる感じで、味わいが優しい。この優しい感じが心地よいのだが、しかし、飲み進めると緑の香りがだんだん存在感を帯びてくる。

宮崎の緑茶は釜炒り。 ほぉ。。緑の香りではなく、もう少し落ち着きのある香りが、これもふわっと漂う感じ。香りは決して強くないのだが、しかし、飲むとびっくり。ソーヴィニオンを思わせるような、ピンクグレープフルーツを思わせる香りが出てくる。香りからは予想のつかない味わいで、余韻も長い。

次はベトナムの緑茶。ベトナムで緑茶。。。先生のお話によると、イギリスでも最初は緑茶を飲んでいたというので、驚いてはいけない。緑茶らしい爽やかな香りが、これも漂う感じ、そして、飲んでみると今度は桃の香り。ピーチというより、もも、ももの花の香り、という表現がふさわしい感じ。
少し前に飲んでいた宇治茶で、パイナップルの香りをほのかに感じたのがあったが、この桃の香りはもう少し強い。
フレープフルーツの香り、ピーチの香り。。。まるでワインの香りの世界。

麗しい名前のタイのお茶。烏龍茶。香ばしい香りがふわっと立ち上るようで、カカオの香りやら、ナッツの香りやらが感じられる。お茶に、チョコ風の香り、ホワイトチョコ風の香りが感じられるなんて。。。この辺りで一つの結論。松宮先生は、驚かないお茶は出さない。

最後は日本のウーロン。静岡で、まだ若い作り手が作っているというウーロン。これが、それはそれは上品な味と香り。。。美味しい。。。。そこらへんのウーロンよりはるかに美味しい。。。

という5種をチーズと合わせ、先生のセレクトで食べると、チーズとお茶の絶妙な組み合わせに感動~

感動、開眼、驚きの素敵な夜でした。
ありがとうございます。ミカさん、そしてマエストロ松宮。

そして、松宮先生直々のたこ焼きも登場。。。。






すごーい優れもの。
カセットボンベ(イタリアでも手に入る)だがら火力も十分。
そして値段。。。。。プレートを替えれば焼肉もできる!
次の帰国時は、抱えて帰ること間違いなし。

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お茶の魅力 小雑誌 un opuscolo su il te' Uji

2016-06-13 10:08:07 | 日本酒、日本茶
宇治茶は京都のお茶だと思っている人は多いと思うが、実際には、その生産地(正確には栽培地)は、京都府だけではない。



京都府、奈良県、滋賀県、三重県の4県で栽培されたお茶を使用できる。
これを京都府内の業者が、京都府内で仕上げ加工すれば(もちろん、宇治茶らしい製法をもって)宇治茶と名乗れる。

今でこそ、静岡や九州のお茶も全国に流通し、有名になっているが、かなり小さな生産地域にもかかわらず、これだけ多くの「宇治茶」が世の中に出回っているのには、以上のような理由があるからである。

以上にちゃんとのとって作れば「宇治茶」なわけで、京都は宇治のお茶を飲んでいるつまりで、実は違ったりして。。。。

高品質の「宇治茶」は、もちろん京都産(栽培地)のお茶だけで作られるが、その主産地が宇治から山城にかけて。

相楽郡の南山城村、笠置町、和束町、お茶の魅力を伝える、小雑誌をいただいた。

宇治茶大好き人間としては、とてもうれし~(ニコニコ)

お茶関係の本は何冊かもっているが、3長村の魅力とお茶の話を、非常にうまくコンパクトにまとめたとても素晴らしい小雑誌。
英語訳もあるので、海外でかなり使えそう。

Gabbiano in colore di curry カレー色になったカモメ

2016-06-11 18:05:35 | もろもろ、つれづれ
カレー(色)になったカモメ



イギリスでの話だそうだが、いつも読むオンライン新聞「ラ・レプッブリカ」で見つけた記事。
ぶはははははは、と笑ってしまった。

それは、カモメがかなり食いしん坊であることを知っているからでもある。
ドジなカモメ。。。。
そして、イタリアじゃあトマト色かなぁ、と思ったり。

ウェールズで、食べ物を探していたカモメが、食品工場の廃棄物になっていたチキンカレーの入っていた容器に落ちたそうな。
そして、この色。。。。カモメに見えない。。。。(笑)

見つけた工場の職員が、拾って、動物病院に連れて行き、そこで、何度も洗浄して、一応元の色に(姿に)戻ったそうだが、カレーの匂いだけは消えなかった、とのこと。

そこで、ウェールズでカレーくさいカモメを見つけたら、このカモメくんということになる。お会いしてみたいものだ。



ローマは海から30キロ以上離れているのだが、イタリアで3番目に長いテヴェレ川が流れていて、そこに大量のカモメが生息している。それも一番大きい「レアーレ」、俗称「黄色い足の王者カモメ」gabbiano reale zampegialle(学名はLarus michahellis)である。
ふてぶてしく、図々しく、カモメはかわいい~鳥かと思ったら大違い。鳩を蹴散らし、人間様を怖がることもなく、闊歩している。

昼間は、観光地、特にフォロ・ロマーノあたりには多くが出没していて、ふてぶてしいながらも、可愛く世界中から来た観光客のカメラのモデルになっているが、ホント、かなり近づいても逃げないし、逆にこちらが突かれそう。。。

夜になると、多分決まったところあたりに出没するのだろうが、店じまいしたレストラン周辺のゴミ箱を、人間様が寝静まった頃、漁るようである。

この前見つけたカモメがコレ。
オブジェじゃないです~ホンモノ。
店じまいした有名ピッツェリア「エンマ」の外のテーブルを片付けた後、闊歩していた。



すごーい食いしん坊。
体が大きいから、餌もたくさん必要なのだと思うけど。

イギリスのカモメはきっとカレーが好き?でも、チキンカレーじゃ共食い~!
イタリアのカモメはトマトソースが好きだったりして。
イタリアにはカレーがないから、同じ落ちるとしたらきっと廃棄されているトマト容器だろうなぁ。
オレンジじゃなくて、赤いカモメに変身(笑)


真夜中の共食い coda alla vaccinara a mezzanotte

2016-06-11 15:59:40 | レストラン
真夜中の共食い Da Cesare にて





イタリアで子育てを始めた時、日本の育児書に「子供の食事は20時までに終わらせること」とあって非常に困った。
春から秋(夏時間)のイタリアの20時はまだかなり明るい。

真夏だと日が暮れるのは21時を回ってからだし、20時は、まだ海に入っていられる時間。
だから、20時に夕食を食べろ、と言われても、食べる気分にならない。

そこで、だんだんと夕食開始の時間が遅くなり、21時、22時、はたまた23時過ぎから食べる事もあり、となってしまう。
子供は、さすがに23時に食べることはないだろうが、夏休み中、バカンス地で22時ごろからというのはアリだと思う。

そうやって育つと、夕食が遅いことにだんだん慣れてくる。
そこで、今回のように、夕食開始が23時半ごろになってしまうことも極端ではないわけである。

秋から続いていたアルマンドのネッビオーロのコルソの終了が、本当は4月の初めだったのだが、1回、インフルエンザでお休みになり、5月に延びた。
何せ代講する人が(代講できる人が)いないので仕方ない。
音頭を取る人がいて、最後の授業の後に、みんなで食事会をしよう、ということになった。
コルソを取っている45人のうち、当人アルマンドも出席し、全員で30名以上参加という大夕食会。

幸い、授業の行われるホテルのすぐそばに、有名レストラン「ダ・チェーザレ」があるので、そこで行われることになった。

通常の授業開始時間は20時。終わるのは22時30分を回って、23時近くになる事が多い。
つまり、開始時間、早くて23時、遅くなったら23時を回ってしまうという夕食をオーガナイズするのは日本ではあり得ないだろう。
日を改めて~で終わってしまう。
日を改めず、ついでに~となるのはイタリア。

さて、最後の授業は、「軽い」はずだったのが、ヴァルテッリーナを1回でやってしまうわけで、内容は濃くなり、10種のワインが用意されていた。
私は(まだ)日本人なので、心の中で、ひえ~
いったい何時に終わることやら。。。。。。。。。。。。
(実は、翌日は、早朝から仕事でピエモンテに行くことになっていた。。。。)

全員参加ではないと言っても、ほとんどの人が参加するから早めに終わらせて。。。。とならないのが、これまたイタリア。
いつもより長~い授業が終わったのが23時10分。
さっさと移動する人、どうせすぐに始まるわけじゃないからとのんびり移動する人(私たちのグループは後者)といて、すぐ近くとはいえ、レストランに全員揃ったのが、23時半になった。
これから夕食。ひえ~。。。。

前菜数種。
パスタは無しと聞いていたのだが、おまけで、やや少なめの量(ありがたや、ありがたや。。。)が出てきたのは、当然(夜中の)12時をとっくに回っていた。
メインは、各自で選択。
本当はもう少し軽めのものが良かったのだが、せっかくだし、まさか量がこれだけ多いとは思わず、極め付けローマ料理、「牛の尻尾のトマト煮込みCoda alla vaccinara」を頼んだ。
「ダ・チェーザレ」のコーダ(牛の尾)はローマでも5本指に入る美味しさ。



人数が多いこともあるが、その絶品のコーダが運ばれてきたのは1時。それも、正規のワンプレートの量で出てきて、ひえ~
この時間にこれだけの量を誰が食べるの???食べられるの?????
そして、私の場合、「牛の尾っぽ」は共食い。。。

メイン終了時点で帰る人がパラパラと。

その後、デザート、カフェ。。。お開きは当然2時を回った。

さて、集まったワインは写真の通り。
喧々囂々、一体どれだけやり取りをしたかわからないくらい長いグループでのチャットを経て、小グループに分けての持ち込み。
すんなり決めればいいのに決まらないのがイタリア人。
そして、こういうことにかけるパワーは半端ではない。

全部で11種のはずだったが、なぜか8種??? こういうところは本当に、なあなあ。。。。(あとの3種合計6本はどこに消えたのか???)
そしておまけのシャンペン付きで、合計9種。

授業で10種、その後の9種、一晩で合計19種を飲んだわけだ。
(試飲会では50種単位で飲むので、珍しいわけではないが。。。。)

てんでバラバラのワインの、中でも一番印象に残ったのが、私たちが持参したアルト・アディジェのピノ・ビアンコ。
選んだのは友人パオロ。拍手~

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの規定 Brunello di Montalcino

2016-06-05 15:02:58 | イタリア・ワインABC
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの規定



久々に規定です。。。。。
たいして面白くないけど有益。

1966年よりDOC
1980年よりDOCG

1.名称
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

2.品種
サンジョヴェーゼ(モンタルチーノではブルネッロと呼ばれる) 100%

3.生産地域
シエナ県のモンタルチーノのコムーネ全域

新しい畑に関しては3年目から
3年目の収穫量は最大量の30%
4年目は70%

4.栽培に関して
丘陵地帯であること
標高600mを超えないこと

新しい畑はヘクタールあたり3000本以上

ヘクタールあたりの最大収穫量 8t
ワインの収量にして54、4ヘクトリットル
1本あたりの最大平均収穫量2、7kg

良い年の収穫量の増量は20%以内

ぶどうのアルコール度(換算して)12%以上
畑名入りは12、5%以上

5.醸造に関して
ワインにしての収量 68%を超えないこと
これを超えた場合でも75%は超えてはいけないし、過剰分でDOCGの生産をしてはいけない。
75%を超えた場合は、DOCGの生産は一切できなくなる

畑入りの場合には過剰生産は適応されない

少なくとも2年、木の樽(大きさは問わない)での熟成が必要
ボトル熟成は4ヶ月以上
流通は、5年目から

リゼルヴァは6年目から(2年以上の木の樽、6ヶ月以上のボトル熟成が必要)

6. 特質
最低アルコール度 12、50%
最低酸度 5、0g/l
最低エクストラクト 24g/l


Lo spazio bianco di Francesca Comencini 空欄

2016-06-04 20:22:42 | 何故か突然イタリア映画
Lo spazio bianco 空欄
監督 フランチェスカ・コメンチーニ



もう亡くなってしまったが、映画監督ルイジ・コメンチーニの3人の娘たちは、女性にして、二人が映画監督、一人が舞台芸術家になった。
「自分の人生の中で一番素晴らしいと思う作品は?」と聞かれたら、「3人の娘たち」と答えそうな気がする。。。。
親の職業が弁護士や医者だと、つい息子も娘もと願うのが世の常だと思うが、なれなくても、なってくれなくても元気で幸せでいてくれれば、と思いつつ、やはり、実際にパパ・コメンチーニのように、3人ともが願う道に進んでくれたのは、至福以外の何物でもないだろう。

昨年は、一番上の娘(クリスティーナ)の作品「ラテン・ラヴァーLatin Lover」がとても面白かったが、これは真中の娘(フランチェスカ)の2009年の作品。

タイトルの「Spazio bianco」は「白い空間」という意味で、映画の内容からして、空間的なものを表しているのかと思ったが、最後のセリフから一応「空欄」のことだとわかる。
ただ、もちろん、何か 白い空間のようなものも掛けて表している。

主役はイタリアの大御所女優、私の大好きなマルゲリータ・ブイ。
演技派。
今は50を過ぎているが、当時はまだ40代。
役柄としては、40をちょい過ぎたところ。
若干、役柄より年を取りすぎている感はあったが(髪を下ろしていると若く見えるが、束ねてしまうとやはり年が出る。。。)、演技派を買ったのだと思う。



ナポリに住むマリアは、夜間学校(通っているのは大人ばかり)の先生。かなり真面目で優秀な、生徒たちから好かれている先生。親も無くし、親友の男性の友人は一人いるが、一人で暮らしている。夜はディスコで踊るのが好き、夕方は映画館に一人で通う。

ある日、幼子をベビーカーに乗せて、映画を見に来た男性がいた。
映画の途中で赤ちゃんが泣き出し、鳴き声が気になるマリア。
しかし、結局はその男性と恋に落ちてしまう。
そして、40を過ぎてはいたが、妊娠。

男性は、新しい子供の誕生を拒否、仕方なく、マリアは一人で産んで一人で育てる決心をする。
ところが、妊娠6ヶ月で早産。

保育器に入れられて育てられている、生き延びるか、それとも死んでしまうかわからない我が子と毎日を過ごすために、仕事も休み、毎日病院に通う。

病院には、同じように保育器に入られた我が子と毎日を過ごす母親が数人いて、他のみんなより格段年を取っているのだが、だんだんと交流が芽生える。
ナポリの、下町風の、汚い(ごめんなさい)言葉を使う母親の一人が、素晴らしい助演。

そう、保育器を「白い空間」に見立て、マリアの心の中を同じく「白い空間」に見立て、そして、夜間学校の教え子たちの試験の日、「わからなかったら空欄でいいのよ」という「空欄」、がタイトル。
(生徒の中の主役男優は、ほのぼのとした感じで、大好きな男優の一人なのだが、この感じが色を添えてとてもいい)

男性にはちょっと退屈な作品かもしれないが、女性には、しっとりとした雰囲気の作品。
関係を持った男性が父親になるのを拒否することや、一人で妊娠期間を過ごすことなどに関連した、くどくどした内容をスパッと省いて、産まれた赤ちゃんとの「対話」に焦点を当てている。
授かった小さな命が、生き延びるか、果ててしまうか。
もし、同じような経験をした人がいたら、涙が出てくるだろうと思える作品。


Sauvignon 2015 Castel Sallegg

2016-06-04 18:34:54 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ

Sauvignon 2015 Castel Sallegg



いつものワインバーに2夜連続で行くことになった。
(3夜連続になりそうな雰囲気も。。。。)

さて、ちょっと立ち寄っただけなので、挨拶だけして失礼しようかと思ったのだが、ミュラーとピノ・ビアンコとソーヴィニオンとどれがいい?と経営者のマルコに聞かれた。
これから約束があるから立ち寄っただけよ~と言ったら、飲んでいかないのか???という雰囲気になった。
降参して、えーっと、ミュラーとピノ・ビアンコとソーヴィニオンかぁ。。。

マルコは、私が、北イタリアのワインしかほぼ飲まないことを知っているので、選択肢は全部北のもの。
昨日はピノ・ビアンコだったので、ミュラーでもいいが、ソーヴィニオンらしいソーヴィニオンならソーヴィニオンにする、と言ったら、にっこりして出してくれたのがこれ。

マルコは、実はソーヴィニオンがあまり好きではない。(ということは知っている)
そのマルコが珍しくいったいどんなソーヴィニオンを出してくるのか、に興味もあった。

ソーヴィニオンは、自然派のものだと残念ながら、ソーヴィニオンらしさが薄れてしまっているものが多い。
樽を使ったものは、例外を除いて好きではない。
個人的に好きなのは、ソーヴィニオンらしい酸味、爽やかさのある、柑橘、猫のおしっこ風の香りのあるタイプ。

Sauvignon 2015 Castel Sallegg
柑橘のヴァリエーションが綺麗に出ている。猫のおしっこ風の香りもあり、個人的に好み。イタリアのものなので、フランスのものよりかなりしっかりした香りと味わい。
酸が綺麗に出ていて、ボディも上々、余韻もよく、満足。++++

なるほど、珍しくマルコの気に入ったソーヴィオン。
グラス半分のはずが、フルに1杯になり、友人たちとの約束にはかなり遅れて到着。
まあ、イタリアは、みんなこんな感じなので、全く問題ないのが幸い。。。。


Weissbrugunder Mediaevum 2014 Markus Prackwieser

2016-06-03 13:57:18 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Weissbrugunder Mediaevum 2014 Markus Prackwieser



ワインは本当にしょっちゅう飲んでいるのだが、必ず写真を撮ったりメモを取ったりするわけではない。
日本人の友人は写真に撮る人が多いので、私も遠慮せず一緒に撮るが、イタリア人の友人の多くは食べ物や飲み物を写真に撮る人が少なく、何かちょっと変わった、または何かの記念の食事以外、雰囲気を壊したくないので、写真は撮らない。
そこで、久々というわけではないが、いつものワインバーで撮った1枚。

マルコとジャンカルロが経営するこのワインバーは、ローマでは老舗。かなり古くからある。
ローマで一番ブルット(カッコ悪い、というような意味)だが、一番シンパティコ(感じが良い)ところだと思う。
贔屓にしているところをカッコ悪い、というのもナンだが、つまり、今時のモダン、おしゃれ、センスの良いワインバーではなく、本当に古くからあるそのままの雰囲気を保っている。
最近、テーブルと椅子を幾つか設置して(古いものをマルコが新しく直した)少しは座れるようになったが、基本、ほとんどの人が立ち飲み。
それも、道路で立ち飲み、というところである。
道路は私道ではなく公道。だから、たまに車も通る。

他のワインバーでも、結構人が外に出て、談笑しながら飲んでいるが、ここほど、その数が多いところはないと思う。
もちろん、屋根があるわけではないので、雨の時はみんな中に入るか、別の場所に行くかするので、人の数は多かったり少なかったり。

そして、このワインバーのもう一つの特徴は、食べ物が基本ないことである。
あるのは、ゆで卵(もちろん手作り)、タラッリ(プーリア州のクラッカー的存在)、ピーナッツ、ポテトチップスのみ。
だから、持ち込みOK。

はす向かいには、近くの有名レストラン、ロッショーリRoscioliの姉妹店のピッツェリア、エンマEmmaがあるので、テイクアウトして持ち込むことも可能。
という、本当に今時珍しい、愉快なところなのである。

ワインはイタリア中のものがあり、他では見れないラベルもかなりある。

私たちのお気に入りはアルトアディジェのワインで、安くて美味しいので結構いろいろ飲む。

さて、アルトアディジェは、ドイツ語圏なので、ラベルがドイツ語。
表のラベルだけ見ると、読めない。
ヴァイスヴルグンダー、つまりはピノ・ピアンコ。



Weissburgunder (Pinot Bianco) Mediaevum 2014 Markus Prackwieser

ピノ・ビアンコの白い花の香りが鼻につかない、もう少し辛口タイプ。
可憐な白い花が好きなら他がいいかもしれないが、あの甘さがダメ、という人には向くタイプ。
香りも強すぎず、柑橘系の香りがほのかに立ち上る。
味も、余韻がすごく長いというわけではないが、細く続き、酸味も程よい。
軽めの食事でも良いのだが、ここでのように、アペリティフ代わりにワインだけ飲むにはこのくらいがちょうど良い。+++(+)