在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”フラッチャネッロ 2004” フォントーディ

2008-07-15 03:27:28 | Toscana トスカーナ
“Flaccianello 2004” Fontodi –Toscana
この手の、歴史あり、有名&モダンワインの中では非常に良く造っているワインの1本だと思う。
品種はサンジョヴェーゼ100%。イタリアの超有名醸造家フランコ・ベルナベイ氏の作品である。
色は、かなり濃いめのルビー色。(サンジョヴェーゼにしては、モダン過ぎるほど濃い色??)
香りは、いつもそうだが、スパイスに薬草が混じった感じがあり、若干臭みを帯びる。(しかし、これがフラッチャネッロらしくて良い?)熟した森の木の実、ラバルバロ、丁子、革、カカオなどなど。スパイスが、かなり深みを帯び、きれいに混じる。
味は、ボディがあり、酸がきれいで、タンニンがしっかり感じられ、存在感がある。味の強さ、持続性も良く、スパイスがきれいに残る。
モダンなワインはご遠慮したいところだが、フラッチャネッロは喜んで飲みたい。

”サンタ・チェチリア 2005” プラネタ

2008-07-15 02:59:36 | Sicilia シチリア
“Santa Cecilia 2005” Planeta-Sicilia
昔はよく飲んだプラネタのワイン。彗星のごとく現れ、90年代のシチリアワインを背負ってたったワイナリーだと思う。
それまでのシチリアワインというと、スーパーで売っているだけの安くておいしいワインというイメージがあった。
安くておいしいのは大歓迎だが、所詮その程度という感じで、シチリアワインに敬意を表するという感じはなかったと思う。
そこに現れたプラネタ。北のワインに比べるとはるかに安く嬉しいが、シチリアワインとすると当時は破格値段であった。
最初に出たのはシャルドネとメルロー。話題になったのはもちろん、毎年ほぼ交互にガンベロなどの賞を取っていたと思う。
その後、ワインのラインナップも少しずつ増え、そうしているうちに、イタリアでシチリアの土着品種メロ・ダーヴォが大流行りになった。
そして、生まれたサンタ・チェチリア。

品種はネロ・ダーヴォラ100%。
色は濃いめ、かなりきれいなルビー色。
香りは、ふくよかでモダン。シチリアの明るさ、太陽、風にインターナショナル路線が入っている。熟した森の木の実のフルーツの香りが豊かで、甘いトースト臭、甘いスパイス臭があり、ネロ・ダーヴォラに良くある土っぽさもあるが、かなり隠れた感じに仕上がっている。シチリアワインらしく、アルコールが豊か。
味は、インパクトがあり、ボディがあり、申し分なさそうだが、酸っぱい。最初から酸がぱっと出て、じわっと残り、味は長いのだが、最後まで酸っぱさが残る。心地よいほろ苦さもあるが、やはり酸っぱい。シチリアだし、補酸されてるんだろうな~。。。と。
シャルドネにも不自然な酸味が残るし、まあ、仕方ないかも。。。


サンタ・マリア・デル・フィオレ教会の落書き

2008-07-15 02:38:22 | もろもろ、つれづれ
少し前に日本で話題になっていたフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオレ教会の壁の落書き。
話題が「逆輸入」されて??イタリアの新聞のトピック欄にちらっと出ていたのを見た。

イタリアでは、最近は無料新聞が多い。
何でも物価高。本当に住みにくい世の中になったものだ、で、わざわざお金を払って新聞を買う人がめっきり減った。
その代り登場したのが、無料新聞。
朝出る新聞、夕方出る新聞とがあり、主に地下鉄の駅で配っている。
他、バールに置いてあったり、バスの車内にどーんとまとめて置いてあることもある。

で、たまたまあった新聞をちらっと見たら、おいおい、という感じであった。
何故かって? 記事と一緒に紹介されていた、「落書きの例」が、韓国語のものだったのだ。
そりゃあ、イタリア人には日本語も韓国語もアラビア語も同じように見えるのかもしれないが、一応、確認してから載せて欲しいものだった。
タダだから、節約したのかも???

今までで一番最低の試飲会

2008-07-05 02:00:21 | 行ってはいけない
某協会の今年最後(つまり夏休み前最後)の試飲会があった。
その名も「ソムリエの日」。
この時期だし、ホテルの中庭も使って気持ちの良い試飲会をやるのではないかという期待のもとに行ってみた。
宣伝では、地ビール10種、ワイン50種、スプマンテはシャンペンとフランチャコルタ、オイル8種、チーズ4種、カクテルなどなど。。というフレコミで10ユーロ。参加は誰でも。
18時からのところ、19時少し前に着いたら、もう既に人、人、人。
まず最初の期待は裏切られ、庭どころではなく、そう大きくないホールにすごい人。それでも、お金を払い、この協会の試飲会で時々登場する「飲んだで証」(写真)をもらい、グラスを10ユーロ出して借りる(後で返金)のだが、まずグラスをもらうのに一苦労。

グラスを手にして、地ビールに一番興味があったので、ビールコーナーに直行し、ビールは大変満足できるものであった。
面白いところで、伊予かんの香りのビール、サロンパスの香りのビールがあった。
(伊予かんは美味しかったが、サロンパスはちょっと個人的にいただけなかった。腰痛の時にお世話になるが、飲むにはいただけない。。)
友達と談話しながらビールを飲み、そろそろ何か食べようかな、と思ったのが20時ごろ。しかし、すでに、食べ物が何もなかった!
チーズは影も形もなく、ポルケッタ(豚の丸焼き)も、そして、パンすらも一切れも見えない状態。
そんなこと言ったって、まだ20時よ~。今から来る人もいるのに!!
私の周りの人は、試飲会に食べに来るのではなく、飲みに来る人(ノムリエというのだそうだ)ばかりなので、みんな、おもいっきり食いっぱぐれてしまっている。

そして、しばらくすると、ビールは飲み放題だが、スプマンテは4種の中から2種を選択し、ワインは50種の中から、4種を選択する必要があり、それしか飲めないとの噂が回ってきた。(「飲んだで証」にチェックをつける。)
10ユーロ払って、2+4種のみ!? なにそれ!? まるで、詐欺じゃない~!?
何も食べてないのに!!

まだビールコーナーにしばらく滞在し、とにかくワインをと思ってワインコーナーに近づくころには、さすがに文句があちこち出たせいか、数限定はなくなり、「飲んだで証」チェックもなくなっていたが、良いワインは全てなくなっていた。
(良いワインがなくなったので、4種限定をやめたのかも知れない。。)

ふと見ると、食べ物コーナーに人が群がっているので、これはチーズが復活??と思い行ってみたが、ゲットしたのはパン一切れ。

そして、帰り。
グラスを返却するところに、人の山。
どうしたの?と前にいる人に聞くと、返金するお金がないのよ!と。
お金を待つこと約10分。グラスを借りた分だけ返金があるんだから、頭使って(頭使わなくても)それくらい用意しててよね!と思ったのは私だけではないはずだ。

ビールは思いっきり飲んだが、ワイン数種とパン一切れ。
そして、グラスの返金に10分。。。
今まで参加した中で、ワースト1に輝く試飲会であった。。

こんな詐欺みたいな試飲会は、来年はもう行かないし、行ってはいけない!のである。
(写真は、結局チェックが一つも付いていない「飲んだで証」)

コルク臭のサッシカイア

2008-07-02 06:34:17 | もろもろ、つれづれ
Sassicaia…?? ... purtroppo sa di tappo
少し前の某協会がオーガナイズした試飲会に参加した時のことである。
外国のワインがかなり多く出ていたので、イタリアワインは放っておいて外国のものばかりを試飲していた。
それを終えて、ちょっと時間が余ったし、イタリアワインへ。数は決して多くないが、一般にイタリアを代表するワイナリーのワイン(たとえば、ガヤ)が結構出ていた。
そして、その中にサッシカイアもあった。

もういい加減、30種は飲んでいたので、ちゃんと試飲するというより、ちょうど良い機会だから飲んでみようという感じで試飲したのだが。。
すぐに、コルク臭が鼻についた。と言っても、決して強くはない。
「あれ、これ、コルク。。」と考えていたら、それを察知した、サービスしていたソムリエに、「コルク臭と言った人もいるけど、違うわよ、このワインはこうなの。」と言われた。
サービスするソムリエは、ボトルを開けた時に、一応コルク臭がないかを試飲する。それでも、たまに、これ、コルク。。というのが混じるが、気がつかない人の方が多い中(試飲会と言ってもそのレベルが多い。。)、「これ、コルクですよ」と言うのは親切かも知れないが、やっぱり、人前でプライドを傷つけられたらいい気持ちはしないと思う。
そこで、私は、人がいなければそっと言うか、ワインによっては、言わずに別なボトルを開けたのを見て戻り、もう一度もらうかする。
でも、「このワインはこうなの。」と堂々と断言されたのは初めてである。
確かに、かなり微妙な線だか、多めに見ても、本来のサッシカイアの味と香りを持っていない「不幸なボトルbottigkia sfortunata」。もう1本開けてあげるのが良心的だと思うのだが。。
しかし、「こうなのよ」と言ってのけ、これを堂々と提供するこの勇気。さすが、イタリア女、と思った。。。(男でも同じ??)
その後、時間切れになったので、彼女はもう1本開けることもなく、結局、久々のサッシカイアは飲み損ねてしまった。

”ヴァルテッリーナ・サッセッラ・ヴィーニャ・レジーナ・リゼルヴァ 1999” アル・ペ・ペ

2008-07-01 00:42:42 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Valtellina Superiore Sassella Vigna Regina Riserva 1999” Ar.Pe.Pe.
アルペペは、前にも一番ベースのワインのことを書いた。
非常に面白いワインなので好きである。

ヴァルテッリーナは、ロンバルディア州の一番北、ちょっと行くとスイスという場所になり、そこにもネッビオーロがある。しかし、地元ではキアヴェンナスカと呼ぶ。
ランゲのネッビオーロとは違い、一般にもう少しデリケートで、軽めだが、陰干しぶどうで造るスフルツァット(スフォルツァート)も含めて興味深いワイン産地。

これはリゼルヴァで、良い年にしか造らない。
品種はネッビオーロ(キアヴェンナスカ)100%
色は、かなり薄いガーネット色。つやがとても良い。
香りは、鉄分、ミネラル、薬草などで、ややくさめ。花とフルーツも出てくるが、バナナ、柑橘系があり、オレンジマーマレード風。他、紅茶の葉の香り、丁子、海藻というか、海苔の香りなど。揮発酸が強いので、エレガントで、繊細に感じる。
味は、酸が強く、梅干し風を感じるのは日本人だけ??タンニンはエレガント。後味にも酸が残り、オレンジジュースだったり、梅干しだったり。。
熟成の樽に栗の木とオークを使用。もちろん大樽。
ワイナリーは、完全ビオ。最初はこれなに?と思うかも知れないが、飲んでいて疲れないワイン。