清水邦夫が死んだ。
彼の作品はいろいろ知っているし、見たことがある。その中に「あらかじめ失われた恋人たちよ」というのがあり、最近、何度か、ふと思い出していた。何をかと言えば、「あらかじめ失われる」ということについてである。清水邦夫の訃報に、この映画のストーリーを読んでみたが、全く覚えていなかった。確かに見たはずなのに。でも、最近、特に、「あらかじめ失われた」ことについて、考えている。
(失われる)ためには、その時点で、(所有している)はずであるのに、{あらかじめ}つまり、前もって、前々から、{既に失われている}というのが、このフレーズである。映画を見たころには、それについて、リリックな題名だな、っと思うだけで特に考えはしなかった。それから何十年もたったのに、今はこの言葉が気にかかる。(あらかじめ持っていなかったもの}なのに、(あらかじめ失われた)と述べることとは何か。本来はあるはずのものであるのに、それが欠落しているということであるのだろう。(与えられるはず)であり、(与えられるのが人としての当然の権利であるもの)が(失われ)、(奪われている)ということ。
こうも考える。経済低迷のこの時代の若者たちは、それ以前の若者より、(あらかじめ失われて)いるのかもしれないと。でたらめなバイタルの発散さえもが、奪われているのかと。
映画のストーリーを読むと、恋人たちが聴覚を失っているという意味であろうと考えられもするが、私たちは、「あらかじめ失われている」のかもしれぬと思う。それが、私にとって何か、それぞれの人にとっては何かが、映画の恋人の聴覚のようにはっきりわかっていれば、むしろ話は簡単なのだが、私たちは、自分であらかじめ失われているものが何かを知らない。しかし、誰しも(あらかじめ失われて)いるのだ。それを人生をかけて探してみたり、獲得してみたり、不要のものと思ったりするのだ。(あらかじめ失われた)状態で生まれてこなければならない赤子である私たちは。
彼の作品はいろいろ知っているし、見たことがある。その中に「あらかじめ失われた恋人たちよ」というのがあり、最近、何度か、ふと思い出していた。何をかと言えば、「あらかじめ失われる」ということについてである。清水邦夫の訃報に、この映画のストーリーを読んでみたが、全く覚えていなかった。確かに見たはずなのに。でも、最近、特に、「あらかじめ失われた」ことについて、考えている。
(失われる)ためには、その時点で、(所有している)はずであるのに、{あらかじめ}つまり、前もって、前々から、{既に失われている}というのが、このフレーズである。映画を見たころには、それについて、リリックな題名だな、っと思うだけで特に考えはしなかった。それから何十年もたったのに、今はこの言葉が気にかかる。(あらかじめ持っていなかったもの}なのに、(あらかじめ失われた)と述べることとは何か。本来はあるはずのものであるのに、それが欠落しているということであるのだろう。(与えられるはず)であり、(与えられるのが人としての当然の権利であるもの)が(失われ)、(奪われている)ということ。
こうも考える。経済低迷のこの時代の若者たちは、それ以前の若者より、(あらかじめ失われて)いるのかもしれないと。でたらめなバイタルの発散さえもが、奪われているのかと。
映画のストーリーを読むと、恋人たちが聴覚を失っているという意味であろうと考えられもするが、私たちは、「あらかじめ失われている」のかもしれぬと思う。それが、私にとって何か、それぞれの人にとっては何かが、映画の恋人の聴覚のようにはっきりわかっていれば、むしろ話は簡単なのだが、私たちは、自分であらかじめ失われているものが何かを知らない。しかし、誰しも(あらかじめ失われて)いるのだ。それを人生をかけて探してみたり、獲得してみたり、不要のものと思ったりするのだ。(あらかじめ失われた)状態で生まれてこなければならない赤子である私たちは。
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