うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

湿った風乾いた風

2007年07月01日 | ことばを巡る色色
昨日今日、梅雨はしばしお休みで、爽やかな風が吹いている。この時期の風は格別だ。吹いてくる風の中の粒子一つ一つに青葉の葉緑素が詰まっている。これからいっそう濃く繁っていこうとするわくわくするような意思が風の中に散りばめられている。爽やかであるのに、渇ききってはいない。過日降った雨の水分をたっぷりと含み、命が満ちている。
だから、わたしも歩き始めよう。

雨が降り、土を潤し、内も外も、湿気の中で菌類は糸を伸ばし、晴れた日には乾き、粉となって散っていき、そんなイメージの全てが、命に満ちている。

ここも、蛍の季節には多くのアクセスを頂いていた(見知らぬ訪問者の方、ありがとうございました)それも、落ち着き、そうして、初夏の風が吹いている。

ああ、知は積み重ねられていくものだ、と思う。「知識」のみでなく「知」も、突然塔を立てるのでなく、低層から順々と重ねられていくのだ。それをイメージしてみる。そして、そのイメージの中で豊かな命に溢れた初夏の風に立ってみる。

週末は西から来客があり、家の中に積もった湿った物渇いた物を、掃き出し拭いた。草を刈り、水を撒き、無事に客を送り出し、体の節々が筋肉痛になっていることに気づいた。随分緊張してお迎えしたのだと気づく。幾分きれいになった我が家で、私は私として生きるのだと、今更ながら思う。
白洲氏茂木氏千氏の日曜朝の対談を見、私が考えてきたこともあながち間違ってはいなかったと思っていいのかな、と思った。掃除から戻りふと我が家の屋根を見上げて、その中に家紋入りの瓦があるのを見つける。もう長いことこのうちに住んで、そんなことに気づかなかったなんてと、笑えてしまう。

やはり私は、美しい、ということについて考え続けていこうと、おもった。

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2 コメント

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筋肉痛 (けんちゃん)
2007-07-01 11:19:17
「命に満ちている」みずみずしさが美しい季節。西に東に飛び回っているうさとさんが足元を見て立ち止まりゆっくりと歩き始めようとしている。
筋肉痛も平穏時に戻そうとする命の表れなんだと一日300億個もの細胞が死滅し生まれてくる人体の不思議に思いを馳せています。
昨晩は、沢が違うと生態系が思いっきり変わるんだなと実感した蛍狩りでした。可愛い小さな姫ホタルは淡い緑の光を放ち、源氏ホタルは長くグロテスクではあるが発光部も大きく黄色の光を放ってました。
野生の鹿が目の前をバンビのように軽快に横切り吃驚しました。車のハザードランプを点滅させると群れになって集まってくるホタルがたやすく捕まりシャツいっぱいにブローチ代わりに点滅させてはしゃぎました。夏の風物詩ですね。
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火垂る (家主うさと)
2007-07-02 01:04:59
けんちゃん
命は湧き上がり、潤い、咲き、枯れ、飛び散り、それを繰り返すね。
今年は蛍を見ずに時期がすぎてしまいそうです。
けんちゃんは贅沢なアクセサリーでしたね。そうそう、日下部さん宅は日曜が最後の公開だったそうです。枯れ、飛び散る、のか。
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