うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

色即 とは云うなれど

2021年05月21日 | ことばを巡る色色
色(しき)が空であっても、色がいとしい。
若葉も枯葉も。朝陽も夕陽も。蕾も崩れる花弁も。
何はともあれ自分は一日一日老いていき。あとどれだけ今生にいられるのかなと思うにつけ、なんとお名残惜しいことかと思う。
彩雲。紫苑の宵。黄土の砂。青丹の実。萌葱の若菜。青鈍の野分。紅の牡丹。浅葱の空。 
世界は色に溢れていて、色の歓びに息苦しくなる。
そんなものと別れねばならぬのが、死ということ。そんなものを、また見られるというのが生きているということ。生きていることは色に満ちている。色に心動かし、色の充満に身を委ねる
生きていることも色も、そこにあるというだけで輝いて尊くて美しく屹立している。
よいのだ。色を讃えよう。それが空であっても、空が色であっても。私は毎日を色に慰められているのだから。色に寄り添われて歩いていけるのだから。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする