行きかふ年もまた旅人なり

日本の歴史や文学(主に近代)について、感想等を紹介しますが、毎日はできません。
ふぅ、徒然なるままに日暮したい・・・。

雑学

2008-08-02 17:46:41 | Weblog
 都市伝説は、曖昧さと、事の重要性によって頒布速度が異なるという。
 学生時代、とある講義で都市伝説に関わる事を扱っていた。確か、19世紀か20世紀初頭、フランス・プロヴァンスのブティックで、若い女性が謎の失踪が続いた、という事から始まって、日本の事例を扱っていた。都市伝説の定番として、「口避け女」の話は有名であるが、その発祥は、岐阜県を中心とした中部地方で、昭和40年代、小学生が学習塾に通う事が当然とななりつつあった過熱した時代、貧しいがために学習塾に通わせる事が困難だったある母親が、子供に言って聞かせた話が起源であったようだ(これ自体、確たる証拠がないので、~ようだ、としか言えない)。それが瞬く間に全国へ広がり、集団登下校やパトカー出動の騒ぎにまで発展した。
 また、別件で噂が事実を作った事例として、名古屋の信用金庫倒産の話があった。電車内で女子学生が「○○信金は危ないって言うわよ」、「早めに解約したほうが良いね」といった話をしていた。それを聞いたオバちゃんが、近所に住んでいるこの信金職員の生活が貧しい事を思い、確信、それをまた別のオバちゃんに言い、こうして瞬く間に伝播し、信金の解約者が多くなり、その信金は倒産した。

 出典が曖昧なもの、事実がどうか疑義のあるもの、内容が受け手にとって重要なもの、これらを総合して都市伝説として楽しむのか、それとも噂に踊らされ事実を見失うのか、時代が変わっても個々人がしっかり判断しなければならない。

 件(くだん)という妖怪、隙間女といった話は江戸時代頃から発生していた。ネズミランドの噂、高給バイトの噂・・・。最近では、ネットの普及と共にこうした類の話には事欠かない。S島事件など最たるものだろう。