urt's nest

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泡坂妻夫『毒薬の輪舞』講談社文庫

2005年05月24日 | reading
ネタバレ注意。

「青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件」…。
梗概はずばりとストライクゾーンだったが。まあ別に『ドグラ・マグラ』を期待していたわけでもなかったが、狂気というよりはスラップスティック。ユーモアセンスはある作家なので楽しくは読めました。
トリックは小粒だけど小粋。特にピタゴラスイッチみたいな投毒のトリック。馬鹿馬鹿しい。バカミスですねえ。「味盲」というファクターからの不可能状況の解明は非常にシンプルで小気味良く、単なるバカじゃないのも好ましいです。
トリック志向のユーモア本格、シチュエーション重視、ってとこでしょうか。

作品の評価はCプラス。

4061853872毒薬の輪舞
泡坂 妻夫

講談社 1993-09
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