urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

柄刀一『十字架クロスワードの殺人』祥伝社文庫

2006年10月04日 | reading
ネタバレ注意。

あーもう、マジ読みづれえ文章だなオイ! 龍之介シリーズなら大丈夫かと思ってたけど全然そんなことなかった。ダメだった。《多かれ少なかれ、みんな体が多少濡れている。》(102p)だの《あれからは、うまいカニを食べている時のように、みんな無口になっていた。》(207p)だの、もう合う合わないじゃなくて単純にヘタなんだと思う。
そんな風にして語られる肝心の事件の方も無駄に錯綜していて、酷く座りが悪い。落ち着かない。ロジックの展開も一緒で、たとえば被害者印鑑出す意味が分からん。「錯綜」てのはプロット上の要請でもあるわけで、電話機破壊のロジックとか光る部分もある。でも「クロスワールド」だなんだと飾り立てるほど大したものとは思えなかった。出来の悪い『双頭の悪魔』って感じ。ロマンチックなラストも悪い意味でのサブイボだったな…。
155pの「木の葉」の話とか、科学実験的な枝葉末節が一番面白かった…。

作品の評価はCマイナス。

十字架クロスワードの殺人―天才・龍之介がゆく!十字架クロスワードの殺人―天才・龍之介がゆく!
柄刀 一

祥伝社 2006-09
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