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日明恩『それでも、警官は微笑う』講談社文庫

2006年09月29日 | reading
ネタバレ注意。

個人的に、タイトルのセンスが最悪だと思うのですが、内容の方もそれに負けず劣らず、といった感じでした。
物語の運び自体は、序盤からオーソドックスな警察小説の趣でそれなりに読ませるけど、全貌が明らかになってみれば、犯人とその背後の「国家」の思惑が完全なる絵空事(まあそれなりに面白いプロットではあるけど)。敵役も簡単にポシゃっちゃうし、宮田のエピソードに典型的なように、並列されるエピソードの繋がりもまったく有機的でない。全体的にご都合主義です。
つまり完成度が低いのですが、一番厭だったのは武本の父親はじめいろんな人の口を借りてカマされる人生訓めいた説教。こうゆうのかつくらに投稿とかされてんだろな…。んでかつくらっつったらキャラクタ設定はいかにもそっちの畑の婦女子ウケを狙ってて阿漕だし、頻出する高村薫ネタもそう。作者自身がそっちの人なんだろな。まあぶっちゃけ潮崎には好感をおぼえないでもなかったが、小説としてはどうにも軽薄。
五條瑛とかもそうだったけど、俺はこういう種類の小説は受け付けないみたいです。

作品の評価はCマイナス。

それでも、警官は微笑うそれでも、警官は微笑う
日明 恩

講談社 2006-07-12
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2 コメント

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ちょっと微笑えない (sin)
2006-09-30 09:02:21
これは僕、ダメでした。この人以降のメフィストはダメな人が多い気が。数出すのに集中して質が堕ちてる?
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Unknown (urt)
2006-09-30 20:24:49
この人以降ってか西尾以降やろ。北山もパッとせんし生垣も出してないしなー『フレームアウト』良かったけど。

矢野なんちゃらは論外。
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