英国が警戒するまれなウイルス性症候群、
フランスなどでも発生
【AFP=時事】英国の子どもたちの間で新たなウイルス性疾患が発生している問題で、フランス保健相は29日、同国でも子どもたちが心臓周辺の炎症を起こす症例が10件以上発生していると発表した。この新疾患は、新型コロナウイルスとの関連性も取り沙汰されている。
オリビエ・ベラン保健相はこの疾患について、世界的に大流行している新型ウイルスとの関係を裏付けるのに十分な証拠はないとしながらも、政府はこれらの症例を「非常に深刻に」受け止めていると述べた。
これに先立ち、英国民保健サービスが、少数の子どもたちが腹痛や心臓周辺の炎症など複数の特異な症状を呈したとして、警告を出していた。罹患(りかん)した子どもたちは集中治療を要したとされる。
マット・ハンコック英保健・社会福祉相は、「まれではあるが、重大疾患を引き起こす自己免疫反応の影響が子どもにみられるという初期報告」に言及。
「これは新しい疾患で、コロナウイルスや新型コロナウイルスによって引き起こされている可能性があると考えている」と説明した。
とはいえ、罹患者が必ずしも新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したわけではなく、陰性だった子もいるという。
フランスのベラン保健相は仏ラジオ局フランス・アンフォに対し、同様の症例はイタリア、スペイン、スイスでも報告されており、仏国内では「さまざまな年齢の子ども約15人」の罹患報告を受けていると明かした。
ベラン氏はその症状として、発熱や消化器系の不調に加え、心不全を招きかねない血管炎を挙げている。
同氏は「幸運なことに私が把握している限り、心臓の炎症を伴うこれらのまれな疾患の合併症で命を落とした子どもはいない」と説明。
ただ英国同様フランスでも「全員ではないにしろ、罹患者の一部が新型コロナウイルスに感染していることが判明した」ため、「懸念と警戒」につながったと話している。
「私はこの問題を非常に深刻に捉えている。現段階では、医学的な説明がまったくつかないからだ」とベラン氏。
「これは新型ウイルスに感染している子どもの既往症を悪化させる炎症反応なのか、それとも別の感染症なのか? 多くの疑問がある」と述べた。
同氏は、新型ウイルスとこの「今までどの国でも報告されたことのなかった」新たな症候群との間に関連性があるのかどうかを確認するため、フランス内外の専門家らにできる限り多くのデータを収集するよう要請している。 【翻訳編集】AFPBB News
コロナもまだ終息していませんがウィルスは高温多湿の夏場は弱体化する性質を持っているので幾分かは心配事が減ることでしょうが用心して注視したいものです。