スーパーの混雑緩和策、利用客に戸惑い「どうすれば」
新型コロナウイルス対応による外出自粛要請の影響でスーパーが混雑していることを受け、東京都の小池百合子知事は23日の臨時会見で、都民に、買い物を3日に1回程度にするよう呼びかけた。
小池知事が記者会見で混雑緩和を呼びかけていた23日夕、東京都墨田区の「スーパーイズミ」は夕食前の買い物に訪れた客でにぎわっていた。社長の五味衛さん(60)によると、緊急事態宣言が出された4月上旬以降、客足は昨年より2割ほど増えたという。
台東区に住む主婦の橋本貴子さん(47)は、野菜などを購入。高校生の息子は育ち盛りで、1食で米2合を食べることもあり、普段は1〜2日に1回は店に足を運んでいる。小池知事は買い物を3日に1回程度に抑えるよう求めたが、「野菜や魚は日持ちしにくい。好きなときに買いにいけないような空気になると困る」。これからは、購入した肉などを冷凍してしのぐつもりという。
混雑時、店には1時間に200人ほどが訪れ、密集を避けるために外で待ってもらうことも。墨田区のアルバイト、大坪風花さん(28)は感染への不安から、すでに買い物を4日に1回に抑えていた。都の要請について「頻度を減らすのは当然」と評価する。
一方で、街中は多くの店が休業し、スーパーなど開いている店に人が集まりやすいという事情もある。都内の別のスーパーにいた女性(71)は「外出する機会がないので、ここに買い物にくることがちょうどいい運動になっている。買い物の頻度を減らせと言われても困りますね」と明かす。
不動産会社に勤める50代の男性は一人暮らしで、総菜を買って帰るのが日課だ。仕事後の夕方に買い物せざるをえず、「この時間に入店が制限されたら、どうすればいいのか……」と懸念する。
店側には、高齢者ら向けの買い物時間の設定などが求められた。「スーパーイズミ」は、客が比較的少ない午後2時〜4時を「優先時間」とすることも考えているが、五味さんは「本来休める職員がレジに立たなくちゃいけなくなる。やりくりは難しい」と話す。この時間帯にほかの客を待たせてしまうことも悩みだ。
新宿区内のあるスーパーも1日約2600人が訪れ、売り上げは昨年より4割増えた。だが、感染を心配して退社した従業員もおり、入店を制限するにしても客の誘導にあたる人員が足りないという。店長の男性(44)は「ルールを細かく決めるほど現場に負担がかかる。行政は市民への呼びかけにとどめてほしい」と訴える。年中無休で営業してきたが、従業員の疲れもたまっており、定休日を設けることも検討しているという。(増山祐史、西村奈緒美)
新型コロナ、弱点は太陽光?
=高温・多湿でウイルス減少―米実験
【ワシントン時事】米国土安全保障省は23日、新型コロナウイルスの死滅が太陽光の下や高温・多湿の環境で早まるという実験結果を公表した。詳しいメカニズムは分かっていないものの、ウイルス対策に役立つ可能性があるとして、トランプ大統領も関心を示している。
国土安保省のブライアン科学技術局長代行は同日の記者会見で、環境別に新型ウイルスの半減期を比較した結果を発表。人体などの表面に付着したウイルスの半減期が、気温21〜24度、湿度20%で18時間だったのに対し、湿度80%では6時間に縮まったことを明らかにした。
湿度80%で気温を35度に上げると、半減期は1時間に短縮。気温21〜24度、湿度80%で太陽光を当てると、わずか2分間で半減したという。
ただ、熱帯に位置する国でもウイルス感染者が出ており、気温や湿度と半減期短縮の因果関係は未解明だ。ブライアン氏も「夏になればウイルスが全滅すると見なすのは無責任だ」と指摘。多くの州で外出禁止令が発令される中、感染予防のために日光浴を推奨するわけではないと強調した。
アメリカ様の研究結果を参考に行動してみよう