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映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960)」の感想

2009-11-23 | 映画の感想


◆№71 11月12日 「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(★★★★★)
(感想) 生活の中に潜む落とし穴、何気ないウソが自分を追い詰めていく。スティーブン・キングの小説と同じような趣を持った物語(映画)。松本清張の幅の広さを改めて感じた一作。▼小林桂樹の演技は自然で、カメラもドキュメンタリーのように彼を追い続ける。だが、ある時から、カメラは追跡するような視線へと変化していく。それは観客の視線の変化でもある。▼秘密を守ろうとした小さなウソが、次第に自分を追い詰めていく。小さなほころびは、止めどなく大きな亀裂へと広がっていく。やがて手に負えない状況にある自分に気づく。対岸の火事は、自分の後ろの火が写っているだけなのかもしれない。▼人間の心の隙間に潜む小さな歪を描いた小品を、見事な映画に仕上げている。人間を描く点においては、映画の古さは関係ない、最近の映画より鋭い感性と探究心を感じる。▼見事な映画なのだが、現存しているフィルムに痛みがあり、多少ではあるが音声や映像が乱れたところがあった。しかし、よくぞ残っていたという感謝の気持ちでいっぱいだ。映画館で見ることができたことは幸いであった。(データ

総合 5 ただただ驚き、世にも不思議な、墓穴物語
監督 5
脚本 4
演技 5 小林桂樹の自然な演技は見事、普通のサラリーマンを演じきっている
音楽 3
映像 3



杜人

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黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960)

メディア 映画
製作国 日本
初公開年月 1960/03/13
ジャンル サスペンス/ドラマ


【クレジット】
監督: 堀川弘通
製作: 三輪礼二
原作: 松本清張
脚本: 橋本忍
撮影: 中井朝一
美術: 村木忍
編集: 黒岩義民
音楽: 池野成
助監督: 恩地日出夫
出演:
小林桂樹 /石野貞一郎
中北千枝子 /同邦子
平山瑛子 /同君子
依田宣 /同忠夫
原知佐子 /梅谷千恵子
織田政雄 /杉山孝三
菅井きん /同ミサエ
小西瑠美 /岩本夏江
江原達怡 /松崎
児玉清 /森下
中村伸郎 /竹田
小栗一也 /田辺
佐田豊 /古川
三津田健 /岡崎
西村晃 /奥平
平田昭彦 /岸本
八色賢典 /小松
小池朝雄 /早川
佐々木孝丸 /裁判官
一の宮あつ子 /食料品店おかみ
中丸忠雄 /戸山正太郎
家田佳子 /ハイティーン
西条康彦 /果物屋の店員







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