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◆「ローズ・イン・タイドランド」の感想

2006-09-03 | 映画の感想
ジョデル・フェルランドの演技は、とにかくすごい
彼女の演技を観るだけでもこの映画の価値はある
外に何もなくても彼女の演技だけでこの映画になにか賞でもあげたいくらいだ

一体彼女はどのようにして、あの演技力を身に付けたのだろう
奇才テリー・ギリアム監督を唸らせたというだけのことはある
彼女が本作品で主演女優賞をとるなどと言う事はないかもしれないが、
彼女の才能を認めない人はいないだろう

ギリアム監督はどのような演技指導や感情の説明を彼女にしたのだろうか
とても9歳とは思えない演技力だ、天才子役という形容詞は失礼かも知れない

さて、映画の話し
摩訶不思議な世界を見せてくれるこの映画
とてもお茶目でクールな少女、ジェライザ=ローズの冒険?物語
シュールな感じのファンタジー
ひとつひとつは、ある物、ある事なんだけれど
その組み合わせは、存在しないと誰もが思う世界が展開する

この映画を理解しようとしてはいけない
ある老婦人が、観終えて楽しそうに語っていた
「なにが起こるか分からないから、わくわくして楽しかったわ」
この先の見えないおもしろさが、この映画のエキス

何度観てもこの映画を理解することはできない
逆さまの国のように、何かが逆転している世界
目に見えない、何かの歯車が噛み合っていない世界

常識や法律のことは一切、この物語には登場しない
ルール、それは、私とあなたが決めること
ハンディキャップ?、そんなもの誰にもある

子供、片目、女性、脳障害、ドラッグ中毒、老人
彼らだけの世界では、そんなものはハンディキャップとは呼ばない
いろんなものが流れ着く川の河口に堆積した土地のように
潮の満ち干の中に現れては消えるタイドランドのように
不思議の国は現れては、消えていく


杜の都

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オフィシャルサイト http://www.rosein.jp/

監督 テリー・ギリアム

出演
ジョデル・フェルランド
ジェフ・ブリッジス
ジェニファー・ティリー
ジャネット・マクティア
ブレンダン・フレッチャー


世話の焼けるママが突然死んで、逃げるように元ロックスターのパパと街を出
てテキサスにあるお祖母ちゃんの家にやってきた10歳のジェライザ=ローズ。
お祖母ちゃん亡き後ほったらかしだったボロ家に辿り着く早々、パパはクスリ
で“バケーション”に出てしまい、仕方なく親友のバービー人形の頭を連れて
探検を開始する。意味不明な言葉を発するリスを追って秘密の屋根裏部屋を見
つけ、家の周りに広がる金色の草原では幽霊女に出くわして…。

ひとりぼっちの子どもは、当然ながらひとり遊びが得意だ。本音を言えば生身
のお友だちだって欲しいし、誰かに構ってもらいたい。愛情を渇望しながら、
両親にその飢えを満たして貰えない10歳の少女は、自分の力でタフに生き抜く
。夢と現実の境を縦横無尽に往き来する抜群の想像力を駆使して。そんな主人
公ジェライザ=ローズを演じるのは、奇才テリー・ギリアムを唸らせたジョデ
ル・フェルランド。撮影当時はわずか9歳の名女優だ。アメリカの作家ミッチ
・カリンの奇妙で奇抜な小説「タイドランド」に魅せられたギリアム監督がブ
ラック・ユーモアたっぷりに描くファンタスティック・ワールドは摩訶不思議
で不気味でわくわくする。


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