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YUKIO (6)

2010-06-10 | フィクション:YUKIO



YUKIO (6)

残念ながら、ここまで追い詰められないと、YUKIOは現実が飲み込めない政治家だった。
この点が、常に孤独を歩いたOZAWAとの決定的な相違だった。


OZAWAは、孤独を理解していたが、孤独を愛してしまった。孤独にはまって、必要以上に
孤独を作りだし孤立を深めた。
彼は人に相談するということがめったになかった。反対に人にも相談をさせなかった。
秘書にも独自の判断を強要した。成功も失敗も自己責任という関係を通した。
真実、彼がやさしかったのは、後援会の人たちに接せるときだけだった。

直にOZAWAを知らない人は信じないかも知れないが、彼は自分にも他人にも常に厳しかった。
秘書たちはその矢面にさらされた。
秘書は自分で考え、自分で行動することを要求された。自己責任が原則であった。
結果、OZAWAが気に入らなければ責任を問われた。

OZAWAは、秘書に仕事の指示はしない。作成した書類も見ないのだ。
秘書たちは、常にOZAWAの目と顔色を読んで、OZAWAの考えを忖度するしかなかった。
彼らは、自分の相談をたとえ話や噂話に変えて、OZAWAの気持ちを引き出していた。

また、夫人を通して忖度した。
OZAWA夫人は控えめで決して表に出ない人だが、OZAWAの気持ちを代弁した。
側近だけが夫人の意向を知ることができた。
夫人の意向はOZAWAのものではなかったが、OZAWAが否定することはなかった。




杜人

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