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映画「天城越え(1983)」の感想

2009-11-22 | 映画の感想




◆№68 11月06日 「天城越え」(★★★★☆)
(感想) 小説を読んだとき、ぶるっと身震いするほど悪寒が走った。小説としては、犯人の意外性を狙った巧妙な作品ということだが、リアルにイメージすると恐ろしかった。▼さて映画は、過去をリアルに感じさせるために、現在を多少幻想的に描く方法を使っている。この方法は本作では成功していると思う。小説では、元刑事の老人の推測が過去の物語として語られたと思うが、映画では、平幹二朗演じる犯人の回想のように描かれていると思う。年代も大正末期から、戦時中としていると思う。▼演技はなんといっても田中裕子の取り調べシーンに尽きる。人権侵害もいいところの過酷な取り調べを、体当たりで演じている。そして色っぽい、まさに映画の華ですね。▼意外だったのは、渡瀬恒彦、平幹二朗の両氏は下手でしたね、ちょっと驚きました。石橋蓮司、樹木希林の夫婦は珍妙でお見事。▼犯行シーンも小説なら読者の想像ということになるでしょうけど、実写で描くと無理があるなと感じました。反面、無理があって、ほっとするシーンでもあります。▼映画は、小説が推理トリックを楽しませたのと違い、犯行動機を男女の痴情に求めた人間臭い心理サスペンスとしている。(データ

総合 4 心の闇が見え隠れする佳作
監督 4
脚本 4
演技 5 取り調べシーンが凄い、体当たりの演技に息をのむ
音楽 3
映像 3 今見ると、竹の子族もかわいく感じる



杜人

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天城越え(1983)

メディア 映画
上映時間 99分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(松竹)
初公開年月 1983/02/19
ジャンル ドラマ/サスペンス



【クレジット】
監督: 三村晴彦
製作: 野村芳太郎 宮島秀司
原作: 松本清張 『天城越え』
脚本: 三村晴彦 加藤泰
撮影: 羽方義昌
美術: 横山豊
編集: 鶴田益一
音楽: 菅野光亮
助監督: 花輪金一
出演:
渡瀬恒彦 /田島松之丞
田中裕子 /大塚ハナ
平幹二朗 /小野寺建造
伊藤洋一 /小野寺建造・中学時代
吉行和子 /建造の母
金子研三 /大男の土工
小倉一郎 /建造の叔父
石橋蓮司 /土谷良作
樹木希林 /その女房
坂上二郎 /旅の菓子屋
柄本明 /旅の呉服屋
北林谷栄 /茶店の婆さん
佐藤允 /江藤署長
山谷初男 /山田警部補
伊藤克信 /赤池巡査
車だん吉 /黒田運転手
榎本ちえ子 /女子事務員
中野誠也 /県警の広報係長
加藤剛 /国立病院の医師




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