「短歌研究」の12月号は「短歌年鑑」。ここで僕の作品が3首掲載された。
・悲しみをいくつ背負いてゆく汝(なれ)か見守るのみのわれを許せよ
・沈黙に思いこもごもこめながら白く濁れるドブロクを飲む
・あかぎれのありけん人の掌を見るべきなりき今に思えば
一首目はこのブログで紹介した。連作50首の核になる作品だ。相手のためになすすべのない自分がもどかしい。
二首目。地酒のドブロクを二人で呑んだ。祭りをしている神社の境内で。不器用な僕は、沈黙するばかり。悪酔いして、相方に怒られた。
三首目。仕事と子育ての両立はさぞ大変だろう。プレイボーイなら、「掌が荒れているだろう。見せてごらん。」と相手の手を温めながら、相手をいたわるだろうに僕には、それが出来なかった。男女関係には極めて鈍感。朴念仁である。
その僕が特急列車に飛び乗って、告白しに行った。僕を詳しく知る人が聞いたら驚くだろう。
作品50首を、尾崎主筆に見てもらいアドバイスを受けたが、末尾に「ドラマのようですね」と書いてあった。確かに僕にとっては、前代未聞のドラマだった。
