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新刊紹介 北沢栄著『小説 非正規』産学者刊

2016年10月07日 00時19分45秒 | 書評(政治経済、歴史、自然科学)
産学社刊『非正規』北沢栄著



 先日、衝撃的な報告が国連からもたらされた。日本の最低賃金が生存の基準を下回っているというものだ。


OECDに加盟している先進国の中で貧困率も最悪の状態だ。原因は実質賃金の連続低下、非正規雇用の増加。ワーキングプア、ネットカフェ難民、老後破産、などは解決するどころか経済的格差は拡大している。



 その大きな原因の一つ。非正規雇用に焦点をあてた小説が本書だ。


 タイトルは『小説・非正規ー外されたはしごー』。非正規雇用が始まった時期にマスメディアはどう報道したか。「若者の多様な価値観を反映した、多彩な働き方」と褒めたたえていた。


 だが期間をおいてみると、非正規雇用が日本の勤労者の貧困の原因であったのは明白となった。


 そこでジャーナリストの北沢栄が著書を刊行した。『非正規』(産学社刊)である。


 帯文から引用しよう。

「非正規雇用は自己責任!?」

「外食チェーン、自動車工場、特殊法人、学校、メガバンク・・・。低賃金、使い捨ての世界からはいあがれ!格差社会と闘う青年たちの物語。」


 北沢はジャーナリストを経て、大学院の特任教授、参議院行政監査委員会の客員調査員などを歴任した。新自由主義の跋扈する時代にあって問題作を世に問い続けている。



 産学社電話番号 03-6272-9313

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