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岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

2017年の作品より:五首抄出

2019年02月14日 00時37分00秒 | 岩田亨の作品紹介
2017年の作品より:五首抄出


・ぼろぼろになりそうな心抱えつつ一鉢ベランダにサボテン植える「星座」


・濃厚な乳白色の靄動く風に形があると思う十月「星座」


・わが悔いをこらえつつ歩む細道にツワブキの花つつましく咲く「星座」


・こんなのも美しくまた切なかりフラメンコダンサーの赤きくちびる「星座」


・マリコの顔を思い眠れぬ夜にしてメールの着信確かめて居り「星座」


 この五首も尾崎主筆の選。

一首目は上の句が冒険だが、素直に詠んだのが成功した。

二首目四句目が九音で字余りだが、結句を七音でとめて違和感をなくした。字余りが風の動く様子とマッチしたかと思う。これは無意識の字余り。

三首目。自宅のある団地でグリーンボランティアに参加し始め、近隣の植物への興味が強まった時期。ここは土壌の関係でツワブキの花が多い。

四首目。フラメンコのライブを何回か見て聞いて、一つ視野が広がった時期。2016年の作品だが、ライブハウスのピアニストの指を素材にした作品も詠んだ。

五首目。まあ相聞だが、こういう実験作は手許に連作で残してある。「アララギ系ではよい相聞がない。挑戦してみなさい。」と尾崎主筆から励まされた。初句が七音で、これは僕には初めてのもの。


 こう見てくるとかなり作品が変化してきているように思う。




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