「運河の会:東京歌会」2016年1月
於)早稲田奉仕園セミナーハウス 1月10日
「運河の会:東京歌会」は「かながわサロン」「かまくら歌会」「星座α」定例歌会と並ぶ短歌の研鑽の場だ。作品を出詠するのは誉められるためではない。自分の作品を客観的に見るのは難しい。第三者の目で批評してもらう。これが目的だ。
だからほかの出詠者の作品も同様に批評する。この日も論点は毎回言われることだった。「焦点を絞れ」「主語を明確にせよ」「言葉が多すぎて省略が必要だ」「説明を回避するにはどうするか」「言葉の使い方に無理はないか」「自動詞と他動詞の効用の違い」「場所の限定は簡潔にして主題の表現に気を使え」。
批評されても理解できない参加者はなかなか上達しない。
この日は新年だけに新年に因んだ作品が多かった。新年をことほぐ短歌は履いて捨てるほどつくられる。どうしても類型的になる。どう新鮮さを出すかが勝負だろう。
僕の批評はほぼ当を得たもので、作品創作の基準ともなって来た。例によって相聞を出詠したが「初々しい」「羨ましい」という評価だった。
相聞は難しい。表現が甘くなったり、しつこくなったり、生々しくなりすぎたりする。「星座」の尾崎主筆が「相聞を詠むなら後の世に残るものを。」というのもこの辺に理由があるのだろう。
新年なので歌会は早く切り上げて、新年の懇親会を行った。
相聞の評判がよかったので「詩人の聲」の29回目の公演のチラシを配布した。何人かのかたが来てくれそうだ。