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岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

霧が丘短歌会:そもそもの発端

2011年04月01日 23時59分59秒 | 霧が丘短歌会
スープの冷めない距離に住んでいる人が集う短歌教室。初めてからもう8年になろうとしている。


1・短歌の素材:「地震・津波」「金沢文庫」「コップの中の梅の木の枝」「足もとの水仙の花」など。東北関東大震災直後だけに「テレビ画面を見ての作品」が多かった。


2・論点:「地震・津波」などのテレビ映像を素材にしたものは、日常報告的になるので、すぐに作品にせず温めておくとよい。読者のわかるように表現するのを心がける。どこかで聞いた言葉は俗になり易い。語感に注意する。知識が前に出過ぎないように。印象が鮮明どうか。


3・短歌の基礎知識:時事問題を扱うときは、他人事になる場合が少なからずあるので、作者の姿が見えるようにする注意するのが大切。常に自分との関わりを表現する必要がある。非常に難しいので、少し整理するとよいだろう。社会詠について「オリオンの剣」より「角川短歌」で特選・入選・秀作になったものを数首紹介して、「どうすれば他人事にならずにすむかを考えた。


4・その他:次回の日程打ち合わせ。「オリオンの剣」の入手については、福家書店若葉台店で。歌会では直接扱わない。


5・この短歌会は僕の宝である。はじめは有志の勉強会だったのだが、いつのまにか講師になり、先生と呼ばれるようになった。自分から望んだのではない。ほかのメンバーより少しばかり上手かったのと、少しばかり熱心だっただけに過ぎない。

 内容は添削ではなくアドバイスと改作案を提示すること。そのために、その場で手直しする。健康なときは前日に下読みしたが、このごろはその場で行う。前日は、いやほとんど毎日、終日横になっているから自然とこうなった。

 ところが健康な時に蓄積したものがあって、ひとつの歌論、作品評価のゆるぎない基準のようなものが出来てきた。だから、その場で直すのもはやいし、作品のいいところを発見し、どういう言葉で評価するのもはやくなった。しかも少人数なので作者の意図を十分汲み取ることができる。

 当然「運河」「星座α」の作品批評や選評・佳詠評の執筆の依頼があっても、まわりの人が驚くほどはやく原稿を仕上げられる。批評の基準は自分の作品を仕上げる基準に直結するから、僕自身の作品も目に見えて変わってきた。

 このスタイルは「かながわ文化センター」の短歌講座でも採用している。まさに「教えることは学ぶこと」である。

 人間は自分を表現したいという本来的欲求をもっている。自己表現とでも言おうか。短歌は短いだけで、表現がつたないと自分の表現したいことが読者に伝わらない。自分の感動が読者に伝わること。これほどの喜びはない。その感動は短歌に取り組む姿勢をますます積極的になる。だから、個々のメンバーの上達は驚くほどはやい。それがまた僕の意欲を刺激する。「宝」というのはそういう意味だ。

 連絡先:岩田携帯 090-8017-9217






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