摂津正の沢村賞受賞に思う

摂津が沢村賞!転向2年「最優秀中継ぎ」(日刊スポーツ) - goo ニュース

 昨日ホークスの摂津正が沢村賞に選出された。

 今シーズン和田毅・杉内俊哉・ホールトンといった昨年42勝を挙げた3人が
抜けた穴をローテの中心になって埋め17勝5敗で防御率1,91に勝率7割7分
3厘という素晴らしい成績だったので沢村賞に相応しいと思う。


 完投数に拘る村田兆次などは不満だったようだがバッティングのレベルが過去
とは数段上がったからこそ分業制が定着したわけでホークスのようなブルペンが
充実したチームでは仕方ないし、あまり完投数に拘っていると該当者は減る一方
になるのではないか。


 ご存知のように摂津は今年で入団4年目だが先発に転向したのは昨年からで
最初の2年間はセットアッパーだったのだ。


 10年まではファルケンボーグ・馬原と並んで‘SMB’と呼ばれる中継ぎエース
でフル回転し1年目に34ホールドでパリーグNo1だったし、翌年も前年を上回
る38ホールドを挙げているのだが昨年から先発に転向して14勝8敗と いき
なり2桁勝利を挙げた。


 日本では先発投手の地位が今でも異常に高くリリーフを‘先発失格者がやる
ポジション’と言い切る元名球界投手までいる始末。


 だから先発からリリーフに回る事を‘降格’とネガティブに表現するし、岩瀬らの
ように最初からリリーフで実績を残した投手は そのままというケースが多いのが
特徴で彼らを先発に転向させるという選択肢は当然ながらなかった。


 ところが摂津はリリーフで実績を残して先発に転向するという珍しい例で、日本
球界の常識を破った1つではないだろうか。


 MLBでは‘投手の肩は消耗品’という理論から新人には無理をさせず徐々に
投球イニングを増やして行くというシステムで故障を避けようとする意図がある
のを考えると、ホークスの武田のように高卒1年目でデビューした今シーズンは
100球をメドに交代という方針で過ごした事は素晴らしいと思う。


 一方で摂津のように あえて中継ぎで短いイニングを投げさせて徐々に球数を
増やしていき、数年後に先発転向という育成方法もあるのではないかと考える
のだ。


 今回 摂津がリリーフから先発へ転向して沢村賞を獲得した事はルーキーに
先発させて100球で降板させる以外に、もう1つの慣らし運転への方法が成功
例として提示されたのではないだろうか。


 入団から先発完投というロマンを追い求めるのは結構だがロマンを求めてもチームが勝てなければ意味がないし故障をしたら元も子もないのだから今回の摂津の成功例は硬直した日本球界の常識を打ち破る効果があると思う。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 今は亡き先生... 映画版・電人... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。