中量級ウォーズの幕開けから40年

 今から40年前の現地時間の今日、モントリオールオリンピック
スタジアムで行われたWBCウエルター級タイトルマッチで石の拳
と呼ばれた元ライト級統一王者のロベルト・デュランがモントリ
オール五輪金メダリストで王者のシュガー・レイ・レナードに判
定勝ちして2階級制覇を達成した日である。

 4年前のモントリオール五輪ウエルター級で金メダルを獲得して
プロ入りしたスーパースターのレナードは順当にキャリアを積み、
前年11月に行われたWBCウエルター級タイトルマッチで王者のウ
イルフレッド・ベニテスに15RTKOで勝って奪取していた。

 このタイトルにライト級時代10連続KOを含みWBCタイトルも
統一する形で12度の防衛に成功後、タイトルを返上しウエルター
級に上げていたデュランが挑戦する形になったのだ。

 この試合はヘビー級以外では異例のメガファイトとなり2大プロ
モーターと言われたボブ・アラムと、ドン・キングが手を組んだ
興行となっていた。

 試合は前進しながら強打を振るいプレッシャーをかけるデュラン
に対し足を使って挑戦者の突進をレナードがどう捌くかというのが
最大の見どころだったが、打ち合ってナンボのデュランとレナード
は正面から打ち合う形になるわけで激しい打ち合いの末ダウンシー
ンはなかったものの見て面白い試合の結果デュランが僅差の判定で
タイトルを奪取し2階級制覇を達成。

 この一戦が80年代中量級ウォーズの幕開けとなりデュランはレナ
ード、トーマス・ハーンズやマービン・ハグラーらと共に四天王の
1人と評される事になった。

 Sフェザー級で世界ランク入りしたデュランにとってウエルター
はともかくSウエルターやミドルには小さ過ぎると思われ、実際に
四天王3人との対戦ではレナードの初戦以外は全て敗れ1勝4敗だし
ハグラーとの対戦がないだけのベニテスにも敗れている。

 それでも四天王の中で4勝1敗1分でトップのレナードに唯一勝っ
ているというのが大きく、四天王の1人という言葉にも違和感がな
いのだからモントリオール決戦はデュランにとって重要な勝利の1
つとなったわけだ。

 またレナードはデュラン戦の敗戦が貴重なレッスンだったようで
以後は先述したように、ハーンズとの2戦目に引き分けただけという
形で80年代を終えたのだった。

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