宿沢ジャパンがスコットランドに勝って30年

 今から30年前の今日89年5月28日はラグビー日本代表が、
秩父宮でスコットランド代表に28-24で勝ちインターナショナ
ルボード8カ国から初勝利を挙げた日である。

 試合は日本が2本のPGを決めた6-0から吉田義人、林敏之、
朽木英次の3本のトライなどで20-6と大きくリードして前半を
終えるのだが、後半に入りスコットランドもモールを押し込んで
初のトライを挙げると更にPGを立て続けに決め20-18と2点
差まで追い上げる。

 しかし日本も山本俊嗣やノホムリのトライで突き放し28-24で
2PGを決め追いすがるスコットランドを振り切っての勝利だった。

 当時の日本は香港で行われた前年のアジア選手権でも韓国に敗れ
るなど悲惨な状況で、翌年4月に行われる第2回W杯のアジア&
オセアニア予選でトンガ・韓国・西サモア相手に2位以内に入るの
は難しいと思われていた。

そんなどん底の状態の中で年が明けて宿沢広朗が監督に就任し、
平尾誠二を主将に据えてチームの建て直しに着手しての大金星だっ
たわけだから一気に上昇ムードになったのは間違いない。

 ちなみにこの時のスコットランド代表はブリティッシュ・ライオ
ンズにジェフリー、コールダー、アンダーウッドのFW第3列や
スコット&ギャビン・ヘイスティングス兄弟らも送り込んでいた事
からベストメンバーではなかったのも事実だろう。

 そういった事情を差し置いても勝ったのは素晴らしく、この年の
雑誌Numberの年間MVPに宿沢ジャパンが選出された事からも分
かる。

 しっかりと対戦相手を分析して対策を立て選手全員が80分間、
骨惜しみなく走るという見事な戦いぶりで特に印象に残ったのは
20-18で迎えた56分に2年前のW杯のフランス線で同点トラ
イを挙げたダンカンをトライ寸前にシナリ・ラトゥがコーナーフ
ラッグに弾き飛ばしたシーン。

 ここで踏ん張った事から流れが変わり2トライを挙げる事になる
わけで、この試合を象徴するシーンだったし日本が強豪国に勝つた
めのノウハウが凝縮された一戦だったと思う。

 ただ2年後のW杯では敵地でベストメンバーのスコットランドに
敗れ、それ以降は前回のW杯も含めて勝ててないのが実情だ。

 奇しくも今年行われる自国開催のW杯ではスコットランドと対戦
するし所属しているプールから見てもベスト8進出への大一番にな
るのは間違いないわけで、30年目の白星をぜひとも挙げて欲しいと
思うのだ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« あまりに両極... 個性的な俳優... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。