がんばれ星野ジャパン

　昨日北京五輪を目指す野球の日本代表チームの監督に星野
仙一が就任した。3年前のアテネ五輪時に現地で熱く解説して
いた星野氏の監督就任は妥当なもので彼をおいて他にない！
　代表チームの監督は04アテネが長嶋茂雄、06WBCが王貞治で
国内で名将と言われた森祇昌や広岡達郎、野村克也らは候補に
も上がってない。
　理由は代表チームの監督というのは監督の采配云々ではなく
いかに選手達を気分よくプレーさせられるかというのが主な仕
事になる。だから監督の仕事はセレクションが全てと言っても
過言ではない、采配で選手を将棋の駒のように操る戦術型の監
督よりも選手をしっかり選べるGM型の監督が適任なのだ。
　就任会見で星野は「金メダルしかいらない」とコメントした。
　その意気や大いによしである。
　日本の柔道はなぜ強いのか？体重別格闘技の重量級では苦戦
続きに拘わらず柔道だけ‘最重量級で金メダルを取れなければ
日本柔道の敗北’とまで言われる。つまり柔道では金メダル以
外はメダルではないという価値観の元に強化しているからなのだ。
　かつて強かった頃のバレーボールも‘金メダルでなければ残念’
という価値観があった。
　ソウルの鈴木大地、アテネの野口みずきらは‘金メダルか最下
位か’というギャンブルをしかけ見事に勝った。逆に‘できれば
メダル’と言っていた土佐礼子や坂本直子は入賞しかできなかった。
またアテネの男子マラソンで世界選手権を含めて5位に入賞した油谷
繁がレース後に‘また5位か’というコメントを出した。
残念ながら油谷は一度も勝負を仕掛けずに走っている、勝負をかけ
上手く行けば表彰台だが失敗すると入賞すらできないので勝負を
かけられなかったのだ。
　長嶋ジャパンは‘金メダルが至上命題’というスローガンで戦い
3位に終わった。長嶋監督が病気で欠場したのを含め国際試合を戦う
上の経験不足だったのだ。だからこそ、その反省点を踏まえて臨む
北京五輪では今度こそ金メダルが至上命題になる。
　ならば8月の公式戦を休んででも代表に協力するぐらいのバックア
ップは絶対条件である、これなくして‘金メダルが至上命題’など
とは口が裂けてもプロ野球界は言ってはいけない。
　代表チームの不振は競技人気の凋落を意味するのだから。