ファイヤーマンは、シンプルが受けなくなった最初のキャラ

 今から40年前に始まった円谷作品のファイヤーマンはサザエさんの
裏番組という要素もあって視聴率的に苦戦したのだが、別の視点から
見れば‘シンプルさ’を求めての挫折という要素もあった。


 ファイヤーマンの必殺技は基本的に火の塊のような光の束を投げ
つけるファイヤーフラッシュで、当初の決め技はコレのみという感じ
だった。

 ファイヤーマンは当時のヒーローブーム華やかなりし時に、それぞれ
のヒーロー達の武器が多彩を通り越して増え過ぎた中でシンプルさを
求めて作られたわけだから初代ウルトラマンが15話までの光線技は
基本的にスペシウム光線のみだったように光線技はファイヤーフラッ
シュのみだったというのも面白い試みだったわけだ。


 ウルトラでいえばウルトラ兄弟のゲスト出演が多く光線技も多彩
だったタロウの後が当初光線技すら使わずに肉弾戦でばかり戦って
いたウルトラマンレオになったものの、ある意味アトラクションショー
みたいという事からヒンシュクを買い視聴率も伸び悩んだという事が
ある。


 そういえばウルトラQに登場する怪獣達はリトラなど一部を除いて火炎
放射や光線など使わなかったし、60年代までの地球怪獣もゴジラや
バラゴンなどを除いて光線を発射するキャラは ほとんどいなかった。


 ところが92年のゴジラvsモスラでは昭和版で毒燐粉を武器にして
いた成虫モスラが触角から光線を発射していたし、93年のゴジラvs
メカゴジラでは昭和版では羽ばたきから起きる衝撃波のみだったラドン
がファイヤーラドンとなってやはり光線技を使って戦うシーンが多かった
のには驚いたし‘これも時代の流れか’と思ってしまった。


 つまり今どきのヒーローや敵キャラは武器の多彩さを求められている
ので火炎放射や光線技を使わなかったり、使ってもシンプル過ぎる武器
のキャラは不人気になってしまうのが実情だ。


 それを考えるとファイヤーマンは皮肉にも その口火を切った形になる
のだろう。

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