劇伴が変わると作品世界が変わる

 先日スター・ウォーズシリーズは監督が変わってもジョン・ウィ
リアムズ以外の音楽は考えられないという記事をアップしたのだが、
作品における劇伴というのはそれだけ重要だという事で日本でもゴ
ジラシリーズやウルトラシリーズなどでも劇伴が変わると全く違う
作品になるのを見ても実感する。

 逆に言えば作品の雰囲気を変えたい時は劇伴を変えればいいわけ
で昭和メカゴジラのゴジラ対メカゴジラと、メカゴジラの逆襲は劇
伴が佐藤勝から伊福部昭に変わっただけで全く違う雰囲気の作品に
なっている。

 だから84年にゴジラが復活したものの劇伴が小六禮次郎のみだっ
たため作品内容&劇伴も悪くはなかったものの今ひとつしっくり来
なかったのが、ゴジラVSビオランテで すぎやまこういちの劇伴の
合間に伊福部昭の劇伴が入るとそれだけで盛り上がったもの。

 東宝もそれを意識したのか91年のゴジラVSキングギドラから93年
のVSメカゴジラまで伊福部氏が手掛けたキャラとの戦いが描かれる
作品は伊福部氏を起用し、VSスペースゴジラのように新たなキャラ
の場合は服部隆之を起用するなど工夫していたのが分かる。

 監督にも好みがあるようでファイナルウォーズの北村龍平監督は
劇中で佐藤版メカゴジラのテーマを使っていたが、これは北村氏が
福田ゴジラに思い入れがあるという事なのだろう。

 またシン・ゴジラの庵野秀明監督はVSビオランテの時と同様に
時おり伊福部昭の劇伴が使われ、エンドロールに至っては伊福部
作品メドレーだったのだから驚いた。

 ちなみに印象的なのはウルトラQで他の作品と決定的に違うのは
全28話が完成してからOAされたので放送順と製作順が違うという
要素があるのだが、それ以外に劇伴の使い方が中川晴之助監督作品
である‘鳥を見た’‘育てよカメ’‘カネゴンの繭’の3本だけ違う。

 ウルトラQのオープニング曲は鳥を見たのみで他の2作品は全く違
うオープニング曲になっているなど他の監督作品とは違うわけで、
これなど劇伴を変えて全く違う世界を醸し出している典型的な例だ
と思うのだ。

 

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