中量級四天王になれなかったウィルフレド・ベニテス

 先日Sフェザー級上がりでライト級がベストウェイトだったロベ
ルト・デュランが、シュガー・レイ・レナードやトーマス・ハーン
ズにマービン・ハグラーと並ぶ中量級四天王と言われるようになっ
たのは今から40年前に行われたWBCウエルター級タイトルマッチで
レナードに勝ったというのが大きいだろう。

 実際に全盛時のレナード相手に1度は勝っているのだから凄いし、
ウエルターがベストウェイトのはずだったレナードがナチュラルな
ミドル級のマービン・ハグラーに勝っているのを考えると四天王入
りには文句は出ないと思う。

 ただ当時デュラン以上の成績を誇っていたウィルフレド・ベニテ
スの名前を忘れるべきではない。

 ウィルフレド・ベニテスはゴメスやバスケスと並ぶプエルトリコ
では‘偉大なる3人のウィルフレッド’と言われており3人とも3階級制
覇しているのだからまんざらでもないし、特にベニテスは17歳で当
時10度の防衛に成功していたSライト級王者アントニオ・セルバン
テスに判定勝ちしてタイトルを奪取すると2度防衛後に返上し20歳
で7度防衛中のWBCウエルター級王者カルロス・パロミノに判定勝
ちして2階級制覇に成功。

 このタイトルは79年11月にシュガー・レイ・レナードに15RKO
負けしてタイトルを失うのだが、最終ラウンドを迎えた時点でポ
イントは競っていたしレナードの攻撃を巧みに外していた。

 そして81年5月にモーリス・ホープを12RでKOし3階級制覇を達
成すると2度目の防衛戦ではデュランを翻弄し判定で完勝している
のだから、そのテクニックたるや素晴らしいし3度目の防衛戦で元
ウエルター級王者であるハーンズ相手に左フックでダウンを奪う
ダウンの応酬の好ファイトを展開していた。

 ハグラーとの対戦がないもののハーンズのチョッピングライト
で失神させられたデュラン以上にハーンズとは互角に近い試合を
しており、全盛時のレナードにも引けを取らないスピードとテク
ニックを持っていたし直接対決でも完勝しているのだからデュラ
ン以上に中量級四天王の称号が与えられてもおかしくはなかった。

 結果的に最大の武器である巧みなディフェンスが対戦相手をも
輝かせる事ができず正当な評価を受けているとは言い難いわけで、
何とも不運なボクサーではないだろうか。

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