ピープロ作品らしい鉄人タイガーセブン

 考古学者達の探検隊が ある遺跡に入って知らずに封印を解いてしまい、悪魔の
ような者達が復活し探検隊は全滅という事件から始まるヒーロー作品といえば最近
では仮面ライダークウガが記憶に新しい。


 しかし40年前の今頃このプロットと同じヒーロー作品がOAされていたのだが、
それこそピープロが作った鉄人タイガーセブンだ。


 天才オートレーサーの滝川剛は父親の滝川博士一行が地元の住人ですら近寄ら
ないサハラ砂漠にあるムー帝国遺跡発掘を止めさせようとして追いかけて行った
ところを砂原人から殺されるが、滝川博士が持参していたミイラを蘇生させるための
人工心臓SPを埋め込まれて復活する。


 ところが その翌日ムー帝国の遺跡発掘に行った博士一行は封印を解いてしまい、
復活したムー原人達から襲撃され全滅する。


 ムー原人達は自分達を幽閉した人類に対する復讐を開始するのに対し、滝川剛は
父から死ぬ前にもらった虎のペンダントと人工心臓の作用で鉄人タイガーセブンに
変身してムー原人との戦いに身を投じるという展開だ。


 クウガに変身する五代雄介は自らの意思で変身するようになり一条刑事以下警視
庁のサポートを受けながら未確認生命体達と戦っていたのに対し、タイガーセブンの
滝川剛は父から人工心臓を埋め込んでもらったおかげで命を取りとめ変身能力を
持ったという他人の意思によるものだし高井戸博士らのサポートはあるものの周囲
からは理解されずに孤独な戦いを続けるという対照的な作品だった。


 しかも最終回では自分の命綱である人工心臓の耐用期限に限りがある事を知り
ムー原人達を全滅させた後は一人寂しく雑踏の中に消えていくという子供向け
作品特有の爽やかさがなく陰鬱な終わり方を迎える。


 悪役の天才科学者ゴリが主役だったスペクトルマンではゴリは優れた頭脳を地球
発展のために生かすようスペクトルマンから説得されたものの自爆して死に、快傑
ライオン丸は
大魔王ゴースンと相打ちになって死ぬし風雲ライオン丸は死なない
ものの戦乱の元凶であるマントルゴッドを全滅させても戦乱が終わるわけもなく無力
感に苛まれて去っていくというアンハッピーエンドが多いピープロ作品の面目躍如と
いったところか。


 ただしエンターテイメント満載の勧善懲悪もので基本的にハッピーエンドが多い
東映作品に対するカウンターカルチャーを作り上げたピープロの功績は大きいと
思うのだ。

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