ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
94W杯アジア最終予選20年目のレビューVol・3
2試合を終えて1分1敗と追い込まれたオフトジャパンだったが一縷の望みを
持っていたのは前年のアジア杯でも最初の2試合は連続引き分けで、グループ
リーグ最終戦で最強のイランに勝ってから勢いが付いて優勝している前例を思い
出していた。
そのアジア杯のイラン戦にあたるのが今回の北朝鮮戦で、ここに勝てれば勢いに
乗れるのではないかと考えたのだ。
日本はターゲットマンのFW高木が累積警告で出場停止になっているだけで
なくトップ下で三浦カズに次いで点を取っていた福田も不調だったし、何よりも
北朝鮮はイラン同様 右SBのキム・ガンミンの突破が攻撃の起点なので どういう
対策を取るかが焦点だった。
果たしてオフトは高木の代わりにイラン戦で得点した中山を先発起用して
真ん中に置き左に三浦カズ、右には福田の代わりに長谷川を起用する3トップで
臨み、キムガンミンの対面にあたる左SBは守備に絶対的な安定感を持つ勝矢を
起用した。
勝矢のハードカバーのおかげでキムは ほとんど仕事をさせてもらえずに日本の
一方的なペースになり28分にラモスのFKをカズがヘッドで決めて先制すると
51分に中山が、69分にもカズが決めて3-0で快勝し これまでの鬱憤を晴らした
のだ。
北朝鮮は1次予選をカタールで戦ったので開催地に慣れているという事と、
若い選手が多いので初戦でイラク相手に0-2から逆転勝ちした勢いが警戒されて
いたものの2試合目にサウジから敗れているので取りあえず勝ちを計算できる相手
だった。
とはいえ意外に大きな大会になると計算どおりにはいかないもので、実際
前年のアジア杯では0-1とリードを許し後半の終了間際に途中出場した中山の
ヘディングシュートをGKがキャッチしたのがゴールラインを割っていた事で認め
られた同点ゴールにより辛うじて引き分けに持ち込んだ形だ。
その相手に勝っただけでなく3点を取っての勝利だけに大いなる1勝で、これで
韓国戦に弾みがついたと思ったものだった。
残り2試合は翌22日に行われイラクが日本に勝ったイランを2-1で破り、韓国は
先制したものの終了間際にサウジが追いついて1-1で引き分けたため3試合を
終えてサウジと韓国が1勝2分で勝ち点4、日本はイラクと並び1勝1敗1分の勝ち
点3で並び得失点差で3位に浮上した事になる。
« 今更ながらNHK... | ピープロ作品... » |
それだけに、この北朝鮮戦だけでなく、それ以降の試合でも活躍するとは全くの予想外だった。
あれほど人材難が指摘されていた左サイドバックだったが、実は「灯台下暗し」だった。
ただ、この北朝鮮戦は3-0で大勝したけど、多くの決定機を外した。
もし、日本があと2点を奪って5点差で勝利していたら、韓国とは勝ち点・得失点差・総得点で並ぶものの、直接対決で勝利した日本が米国行きの切符を手にしていた。
つまり、取れる時に取れなかったことが、後に大きく響いた格好だ。
だから、北朝鮮戦は「3点も奪って勝った」のではなく、「3点しか取れなかった」と表現した方が正しいと思う。
北朝鮮戦の時にスタンドのサポーターが日本3-0北朝鮮というボードか垂れ幕を飾ってましたし、OAした赤坂TVの面々も3点目を挙げるとノルマ達成的なムードになっていたのが意外でした。
もっとも1分1敗という流れの悪い中で勝ち点2を挙げてホッとしたというのが当時の日本のレベルだったのでしょうね。
私も後々にドーハ予選のビデオを見ていたら5点は取れていた試合だと後から考えてしまいましたよ。